輪切りのソルベとは、ジョジョの奇妙な冒険「黄金の風」にて発生した事件である。
概要
黄金の風の舞台となるギャング組織「パッショーネ」にてこの物語の始まる少し前に発生した事件。
パッショーネの中にあるチームの一つ「暗殺チーム」に所属していた「ソルベ」と「ジェラート」の2人が、ある日組織内でタブーとされていた組織のボス(ディアボロ)の正体を探り、ボスが支配していた「麻薬のルート」をボスから奪い乗っ取ることを目論んだ。
そもそもこの「暗殺チーム」自体、組織内では冷遇されており、実力と依頼の危険性に見合わない報酬のみしかディアボロから受け取っておらず、なぜ実力のある俺たちがこんな…と憤りを感じていた。
しかしその後日、片割れの「ジェラート」が彼の自宅のソファーの上で死体となって発見された。死因は布を飲み込んだことによる窒息死。また彼の肩には「罰」と書かれた紙が貼りつけられていた。暗殺チームの残りの7人は、仲間が勝手に殺されたことに怒りを感じていたが、何故か「ソルベ」が見つからない。恐らくはジェラートと同様殺されたのであろうが一体どこに…と残りのメンバーは考えていた。
そのまた後日、この暗殺チーム宛に差出人不明のある郵便物が届く。額縁が中には入っていたが、その額縁の中には絵は入っておらず、謎の物体がはめ込まれていた。しかもそれは一つだけではなく、日を重ねるごとにどんどん送られてきた。実にその数30を超えた時、その郵便物の正体が判明した。
郵便物に取り付けられていた額縁を取り外し、中の透明のケースを順々に並べていくとそこにあったのは…。
「輪切り」のソルベだった!
つまりこの郵便物はソルベの身体を一切れ一切れぶった切り続け、それを額縁の中に入るようにホルマリン漬けにし、一切れ一切れ丁寧に形が崩れることなく装飾し、暗殺チームに送り付けるということであり、この事件によって異常なまでの残虐性と周到性、残忍性が示されることになった。
また、ソルベの相棒でもあるジェラートの死因も、ソルベが間近で斬られている様子を無理やり見せつけられて、苦しみに耐えられなくなり自殺を図ったものであった(ディアボロはここまでおそらく計算していた)。
この1件以来、残りの7人のメンバーはもう麻薬ルートを乗っ取るなどと言う無謀な挑戦への意思は無くなってしまった。ボスの娘、トリッシュの存在が知らされるまでは…
ソルベを輪切りにしたのは誰なのか?
時折ファンの間でこのソルベを輪切りにしたのが誰なのかという疑問がもたれ、議論となる時がある。
- ひとつはチョコラータ説。
根拠としては、これらの一連の処理にはかなりの器用さと医学・生物学的な技術が必要と考えられ、また作成にあまりにも手間がかかりすぎるためる純粋に脅迫目的ならもっと楽な方法がいくらでもあるというものである。
その点、チョコラータであれば高度な医療技術を持ち切断面をカビで「保護」する技を使う描写があるため的確な切断や後処理が可能と考えられる。また、本人の性格上、監禁のストレス解消に最適であり、製作過程自体が楽しかったと考えればこのように手の込んだものが出来上がるとことも説明できる。
- その一方で、作中の文章をそのまま読めばボスが直接やったとも解釈できる書き方がされている。
この2人は 同時に
また、ディアボロがリスクを冒してまでチョコラータに許可を出すかという問題(一つの例として、後にアバッキオを始末した件のように直接自分に繋がりうる情報を知られる危険性が高い場合ディアボロは自ら始末に出向く)や、当初はフーゴが裏切る予定だったため代役であるチョコラータはソルベ輪切り掲載時点ではまだ設定されていなかった可能性が高いなどの理由から、処刑を行ったのはディアボロ本人だとするのもまた筋が通っている。(ただし、「設定が当初と変わった」と言う根拠は、逆説的にソルベ輪切り実行犯が変わった可能性の根拠にもなりうる点に注意。)
ボスに捕まってしまった
と考えるのが自然だ……
(この時 ボスの顔を見たかも知れないが) - 元々ジョジョの設定については一貫性が無いことも多い(おとなはウソつきではないのです)。
そもそもこの議論自体もディアボロ直接がやったとすると技術的に無理が生じるが、時系列的にチョコラータがいたとは考えにくい、というどちらを取っても無理が生じる状況故に起きている面もあるため、この件も色々と想像の余地が残るところである。
余談
- ソルベもジェラートも暗殺チームに配属されるからには当然彼らもスタンド使いの可能性が高いが、そのスタンド能力は作中でも語られなかったため、不明である。パッショーネのボスであるディアボロはおそらく知っていたであろうため、能力が明かされていれば前述のソルベ輪切り実行犯についての考察に影響を与えたことは確実なので残念である。
- 輪切りのソルベには元ネタと言える作品がある。それはイギリス出身の現代美術家ダミアン・ハーストが1996年に発表した「Some Comfort Gained From the Acceptance of the Inherent Lies in Everything」という作品で、2頭の本物の牛を輪切りにして透明な直方体の容器にホルマリン漬けにして交互に並べたものである。
関連動画
関連静画
関連項目
- ジョジョの奇妙な冒険
- 黄金の風
- ホルマジオ(チームメンバー)
- イルーゾォ(同上)
- プロシュート(同上)
- ペッシ(同上)
- メローネ(同上)
- ギアッチョ(同上)
- リゾット・ネエロ(同上)
- ジョジョの奇妙な冒険 関連項目一覧
- 凌遅刑
- 20
- 0pt
- ページ番号: 5084191
- リビジョン番号: 3386035
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