造反有理(有理造反)とは、1960年代に中国国内で掲げられた政治的スローガンである。
意味は概ね「謀反こそが道理」「権力や体制に逆らうことこそ正義」と言ったところ。
概要
「造反無道(謀反は何の道理も正義もない)」と言う封建社会時代の言葉をもじって、1939年の演説で毛沢東が「マルクス主義の道理は色々あるものの、結局突き詰めてしまえば謀反には道理があるということに尽きる(意訳)」と述べた一節がもとになっている。
1950年代の人民公社政策や大躍進政策の大失敗の責任を負わされ権力を失った毛沢東は、代わって政治の実権を握っていた劉少奇らを追い落として再び権力の座を奪うべく、クーデター「文化大革命」を実行。
そして文化大革命の尖兵となった学生集団「紅衛兵」は「革命無罪」「造反有理」のスローガンを掲げて、体制(=当時政治の中心に居た劉少奇ら毛沢東の政敵)への攻撃や吊るしあげを行ったのである。
つまるところ、紅衛兵ともども単なる共産党内部の権力闘争の正当化へと利用されたわけである。
また学生運動の最盛期であった同時期の日本国内でも、毛沢東思想に影響された新左翼諸派を通じてこのスローガンが学生運動家の間で流行し、体制(=大学当局及び官憲)と戦う際の合言葉となり、また一方で左翼過激派による破壊行為や暴力行為の正当化にも使用された。
一時期には「造反有理」のスローガンと毛沢東の肖像画が東京大学の正門を飾ったと言う逸話も残っている。
現在では政治思想関係なく、下剋上の類語のような扱いをされている。
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