「連縁无現里 ~ Evanescent Existence」とは、同人サークル「トリック・ノスタルジー」制作の弾幕STG(無料よん)「連縁Project」の第1作目。海外での略称は"EE"
概要
現実で无い国「无現里」
珍妙な国に迷い込んだのはこれもまた珍妙な連中。
世界を隔てる障害と結界を掻い潜った先にある地は、
連中にとっての桃源郷となりうるのか...?まぁどうせロクなことにはならないだろう
「Evanescent Existence」とは、直訳すれば「束の間の存在」或いは「束の間の生活」を表す。
2011年から15年までエイプリルフールとクリスマスに東方旧作再現ゲームの一部(主に終盤面)の動画を投稿していたJynX氏が"本当に作っちゃった"弾幕STGゲーム(2013年公開)。初期の東方Projectの影響を強く受けており、本人は「パクリです、オマージュです、リスペクトです!(また聞こえが悪い順ね)」と言っている。
1作目ということもあってシステムはシンプルで、2017年にv1.10に更新されるまでは連縁恒例の「フラッシュボム」システムも存在しなかった。(といってもフラッシュボムが搭載される2作目の蛇叢釼と同時公開だったのだが)
また、この更新でタイトルの「鏈縁」が現在の「連縁」に変更された。
2018年にはv1.20に更新され、従来のゲームモードに加えて優しくクリア向けである「Light Level」(後述)が追加された。
ゲームシステム
◇基本ルール
弾を避けたり撃ったりして敵を倒せ!
弾とかに当たるとバリアが一枚はがれます。
バリアがない(残機がない)状態で弾に当たるとゲームオーバーです。
低速移動で近くのアイテムを吸い寄せられます。
画面上の方に良くと画面内のアイテム全部吸い寄せられます。
要するに普通の6面制の弾幕STGである。後に本物のバリアが出てくる関係で混乱を避けるために分かりやすく記しておくと、この時点での「バリア」は「残機」である。ただしリスペクト元の東方Projectと違い、被弾して残機を落としても画面下部からやり直しということはなく、被弾した箇所から操作を続行できる。また、連縁では画面端に埋まるまで移動することができる。
敵を倒すことで出現するPアイテムを集めることでパワーが上昇する。満タンは5.00(MAX表記)で、一の位が1つ増えることでオプションが追加されていく。
連縁でも点アイテムは存在するが、これらアイテムは画面のどこで取っても点数は変わらないとのこと。そのため所謂「上部回収」はあまり重要ではない。
スコアエクステンド制を採用しているため、間隔は広いものの確実に残機を増やすことが可能。これは連縁全般に言えることだが、ボスの放つ弾幕の内幾つかでは自機への攻撃に影響のない「飾り弾」が使われており、これをボムで消すことで大量にスコアを稼ぐことができる。
弾幕面では、やはりリスペクト元と同じくスペルカードシステムが使われている。しかしこちらは取得回数という概念はない。00/99+という表示を見ることもないので、沢山挑戦して沢山被弾しよう。
難易度は4段階あり、下から「EASY」「NORMAL」「HARD」「UNREAL」となっている。
連縁でもExtraステージは存在するが、こちらでは「Easy Extra」「Extra」「Absurdly Extra」の3つに難易度訳がされているので、Extra挑戦の前に、まずEasy Extraで練習することをお勧めする。EExの難易度は、およそ少し難しいNormal程度。
v1.10以降では「フラッシュボム」が追加され、スリル(弾をカスった回数。東方で言うところのグレイズに相当)を一定数貯めることで高速移動時にこのボムが使える。効果は自機によって異なるが、どれも敵へのダメージはなく範囲も狭い(範囲が無いものもある)ため、緊急回避に使うのが精々である。とはいえ通常のボムと異なりスリルさえ貯めれば何度でも使えるほか、弾消し効果もあるので使い方次第ではとても役に立つ。低速移動時或いは喰らいボムで通常のボムを発動可能。こちらは他のSTGと同じくダメージを持っており、画面右の青い星の数しか使うことはできない。
v1.20ではLight Levelという優しいモードが追加された。というのも、連縁作品(特にこの无現里)は初期のバージョンではとても難易度が高く、とても多くの者がクリアできるようなものではなかった。v1.10の更新で多少緩和されたものの、それでも難しいとの評価は変わっていなかった。
Light Levelは、そんな連縁をクリアできずストーリーが分からないと嘆く人々のためのモードであり、従来のモードをBasicとして、初期残機MAX、初期パワー多め、被弾時減少パワーが1.00未満、エクステンドを含む出現アイテムが2倍という補正のかかった状態でプレイすることができる。その代わりスコアは1/10で、リプレイの記録はできない。
このLevel選択は難易度選択画面の前に行われ、勿論ExもLight Levelで遊ぶことができる。
あらすじ
これは今と昔の御話。
ここは人々の記憶の彼方に誕生し、今では忘れ去られた辺境の地。
時の流れの傍らに放り出されたその姿は、
どこか懐かしく且つ新味なものであった。
この国は人と人でない者とが共に棲む場所。
今では見なくなったモノも、
きっとこの場所でなら目にすることが出来るだろう。これは人とそうでない者との御話。
そこに連れ攫われた、或いは囚われたヒト。
この時この国に、様々なヒトが新たに足を踏み入れていた。これはそのヒト達の御話。
無限の縁と夢幻の理とが連なった地。
彼の地をヒトは无現里(むげんり)と呼んだ。これは失われてしまった御話。
意図して捨て去られた過去と現在、そして未来によって、
小鳥達はとうの昔に鳥篭から飛び去っていた。これは単なる御伽噺。
~【前説】~
終始こんな調子のストーリーである。一応これでは訳が分からないだけなので説明。
妙な空間(次元洞窟。1面)で目を覚ました鳳聯藪雨(主人公)とその仲間たち数名は「一番最初に最深部に到達した奴の願いをなんだって叶える」という『声』につられ、競うように先を目指した。本編開始時には既に藪雨以外の者は先へ行っており、これを追うのが今回のゲームの目的である。つまり、6面までのボスは一部を除いて全員藪雨と見知った仲の者である。その上藪雨の性格がほわほわしているため、真面目に会話を読んでも何を話しているのかさっぱり分からない。
一応目的は段階で分かれており、藪雨よりも先に奥へ進んだ燕楽玄鳥を追うことが藪雨の最初の目的となっている。
……というのは自機に藪雨を選んだときの話であり、藪雨でExモードクリア後に解放される自機の玄鳥ルートでは、また話が変わってくる。
登場キャラクター
自機
攻撃:まぁまぁ
移動速度:とろい
攻撃範囲:ひろめ
ボム効果時間:ながめ
ボム威力:よわい
弾幕玩具:次元のかけら
つまり典型的な「速度の遅い広範囲型」である。パワー3.00以降は敵1体を集中攻撃するショットが追加される。これはホーミングとは違うため、ショットと着弾の時間差はなく、確実に敵を攻撃する。
ボムの「次元剥離」の範囲は画面全体であり、弾消しでの大量スコア獲得も容易にできる。
フラッシュボムはメイデンピット。発動時自機が居た場所に一定時間小さな円形陣を置き、その範囲に触れた弾を消すというもの。範囲こそとても狭いものの、弾源付近に置けば丁度良い盾となる。だからと言ってフラッシュゲージを貯めるアイテム(そんなものはない)を大量に得られるなどというメリットのようなものはないのだが。
攻撃:至高
移動速度:俊敏
攻撃範囲:狭窄
ボム効果時間:瞬目
ボム威力:強悍
弾幕玩具:???
つまり典型的な「速度も火力も高い前方集中型」である。パワー3.00以降、ショットは自身から遠いほど威力が高くなる貫通レーザーに変化する。
ボムの「モノクロムレイ」はとても範囲の狭いレーザー。玄鳥は東方でいう魔理沙に相当する機体だが、こちらのボムはマスタースパークの1/3程度の太さしかない。その上「瞬目」と書かれている通り、一度「バァァァ」っと放ってしまえばそれで終わりである。そのため攻撃に使うなら絶対に外してはいけない。
フラッシュボムは「ヴァーテックス・エミット」。自機を交点としたとても狭い十字方向に効果があるが、このフラッシュボム、藪雨のそれとは異なり発動すると縮小して消えていくため、殆ど緊急回避にしか使えない。
余談となるが、无現里のExでは道中後半以降主に黒い弾が頻繁に使われるのだが、玄鳥とこの次の自機を選んだ場合、画面の上半分が真っ暗(背景が暗いため)な状態でプレイさせられる羽目になる。
↓以下反転↓
攻撃:平凡
移動速度:平凡
攻撃範囲:広範囲&近距離
ボム効果時間:全体
ボム威力:特殊
弾幕玩具:余波鋭鋒
v1.10以降自機としてのみ登場。第4作の天影戦記のExをプレイした後でなければ何が何だか分からないだろう。それもそのはず。このキャラクターの初登場作品自体が、その天影戦記なのである。
自機性能はとても特殊で、段階を経て範囲が広がる、全方向を向いたナイフによる陣をショットボタンを押している間自らの周りに展開する。放すと画面全体にそのナイフを放出する。
ボム、フラッシュボム共に名前は無く、ボムは画面全体を攻撃、フラッシュボムは、ボムボタンを押している間無敵状態になるというもので、この間はフラッシュゲージが減っていく。ゲージが空になる前に効果を解除するとゲージもその時点で止まるため、場合によっては連続使用が可能となる。
敵
ステージ | キャラクター | テーマ曲 |
1面 |
||
2面 |
意志薄弱な末っ子 |
|
3面 |
ボス曲(玄鳥) |
|
4面 |
道中曲 |
|
5面 陽を娩む塔餤らう塔 ~Creation and Destruction~ 相手に絶対的な敗北感を |
道中曲 |
|
6面 影を放つ暘鳥 ~And the opponent dies~ 争い事で命を奪うなんていう |
||
現では无い里 ~To the End of Time...~ 勝者が敗者を従える... |
各キャラクターとBGMについては個別記事を参照。(現在随時作成中)
音楽
全曲トリック・ノスタルジー公式YouTubeアカウントで視聴が可能。
- 現で无い里へ ~ chain link?
- エキゾチッククリスタル
- メラニンインブラック ~ Colt_Snake
- 錨さえ揺蕩ふ趨勢 ~ Lost_Anchorage
- 攪拌する剛体金剛 ~ Let's Joke!
- エキストラマインド
- インディスワールド ~ Monochrome_eye
- 時空を越える翼 〜 M_theory
- 凍て緩むは凍み氷る心
- エア・マスター! 〜 Soul_Dualism
- 虚、実を表裏上ぐ
- エンドオブヒストリー
- 掌の上の星
- エンパイアパワー 〜 Eternal_Force
- 鳳雛天奔
- 古く噎せる記憶 〜 BEGAN
- 永劫舞踏機関 〜 Shall_We_Dance!!
- 翳み逝く現実 〜 human_VISION
- 散り佚す夢幻 〜 bard_VISION
もう一つの鏈縁无現里について
ニコニコで「无現里」や「連縁」と検索した際、「【無料STG】俺の嫁が作った東方風味の弾幕STGを遊んでみた」というタイトルの動画を目にする人もいるだろう。公開日は2010年の6月8日、ゲームのタイトルは「鏈縁无現里 ~ Emergency everyday」。无現里と同じタイトルである。
この動画に登場する「鏈縁无現里(以下、大臣无現里)」は、連縁の制作者JynX氏の師である大臣氏(現在も連縁のテストプレイをしてもらっているとのこと)と愉快な仲間たちによって作られた内輪向けのゲームである。
登場人物は実在サークル(現在の状態は不明)のメンバーがモデルであり、ゲーム内容は大きく違うもののキャラクターデザインや設定、会話の流れなど(3面が特に分かりやすい)、一部无現里と似通った点が見受けられる。
一般公開も考えられていたらしいが、諸事情により凍結した。現在は3面までが動画という形で残っているのみである。
JynX氏によれば、「タイトル以外のゲーム内容は全て作り直す」「全ての権利をJynX氏に譲渡し、メンバーは一切制作にかかわらない」という条件付き(つまり「完全に自分の作品にする」ということ)でOKをもらい、无現里の制作に至ったという。
なお、この大臣无現里或いはシリーズには、二作品目もあったとのこと。(どういう形態だったかは不明)
事情が事情のため、大臣无現里に関してJynX氏に問い合わせる、大々的に盛り上がる等の行為は推奨できません。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
連縁Project | ||
(← 前身) 鏈縁无現里 ~ Emergency everyday (大臣无現里) |
第1作 連縁无現里 ~ Evanescent Existence |
第2作 → 連縁蛇叢釼 ~ Earthen Miraculous Sword |
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