週刊ベースボールとは、ベースボール・マガジン社が発行する野球専門週刊誌である。略称は「週ベ」。
発売日は毎週水曜日。
概要
太平洋戦争直後の1946年、大下弘、川上哲司らのスター選手が活躍し野球雑誌が多数創刊されていた頃、元となる雑誌「ベースボールマガジン」が創刊。1958年、大学野球のスターであった長嶋茂雄がプロ野球入りするのを契機に週刊として「週刊ベースボール」が創刊された。
プロ野球選手や関係者との対談記事や、投球フォームや打撃フォームを撮影した連続写真を用いた記事など、雑誌名の通り野球に特化している。
週刊ベースボールの呪い?
上記のように創刊80年近い歴史ある雑誌なのだが、2015年のシーズン開始とともに注目を大きく集めることになる。
「週刊ベースボールに特集されたチームは成績を落とす」
「週ベに取り上げられた選手はプロ・アマ問わず怪我・不振に陥る」
このような噂がネットの掲示板で語られ始めたのである。
もちろん、シーズン開始直後はこんな噂を本気にする人はいなかった。
しかし、シーズンが始まるとこの不気味な噂を裏付けるような出来事が相次いで起こり始める。
・キャンプ前に特集したプロ野球選手が不振・怪我に陥る
・春の選抜高等学校野球大会に向けて特集した選手も不振・怪我
・シーズン開始前に特集した広島が7連敗で大コケ
・順調に借金を返していた阪神、高い順位を維持してきた中日がチームで特集を受けた後に成績を落とす
・シーズン中に特集された選手が相次いで怪我・不振に陥る などなど
交流戦が始まるころには「週刊ベースボールの呪い」「週ベの呪い」という名称も定着し始めていた。
しかし、野球ファンはこの一連の出来事に薄気味悪いものを感じていたものの、この頃はまだ「週刊ベースボールの呪い」は冗談で済ますことができていたのである。
しかし、交流戦の開幕によって呪いはその真の姿を現し、野球ファンを恐怖のドン底に落としたのである。
交流戦開始二日目の5月27日。
週刊ベースボールは、横浜DeNAベイスターズを特集した。
2015年の横浜は、シーズン開幕から好調を維持し、貯金10で首位に立っていたノリに乗っていたチームである。
特集が決まった当時には、「あーあ、横浜が特集されてしまったか」などと掲示板に書き込む人もいたものの、大半は「横浜は失速しても大コケはしないだろう」と予測していた。筆者もそう思っていた。
というのも当時の横浜は、月刊MVPを獲得した4番筒香嘉智が離脱するハプニングがあったものの、その後も打線は好調を維持。投手陣も先発・中継ぎ・抑えすべてが好調でほぼ隙のないチームだったからである。
好調であった先発投手陣が相次いで離脱し崩壊。
打線もうまくかみ合わず、出塁はできても得点はできない。
以前から不安視されていた守備が爆発し、エラーや暴投で決勝点を献上する始末。
交流戦開始とともに、横浜は絶好調から絶不調に叩き落とされたのだ。まるで呪いを受けたかのように……
横浜打線の要である筒香が交流戦途中で復帰したものの、それでも負けは止まらない。
最終的には引き分けを挟んだ10連敗を含む、3勝14敗1分という成績で交流戦歴代最低勝率.176を記録してしまったのである(連敗は交流戦終了後も12まで伸びた)。
週刊ベースボールの呪い、恐るべし。
横浜ファンをどん底に叩き落した後も、週間ベースボールの呪いは止まらない。
悪夢のような交流戦の後、なんとか首位ターンすることに成功した横浜DeNAベイスターズは、二度目の特集を受け最下位に転落。
「Vやねん!」を彷彿とさせる「Vやで」特集を組まれた阪神タイガースは、首位転落。
常勝軍団となっていたソフトバンクホークスは、特集直後にシーズン最多の5連敗を喫する。 などなど
このように、ファンにとっては悪夢でしかないレベルで呪いは猛威をふるい続けた。
「週ベに特集されると首位転落する」という新たな噂も生まれ、贔屓球団が首位になったときには「どうか週ベに特集されませんように」と願うファンも多くいる状況であった。
こうして、2015年のシーズンが終わるまで呪いは続いたのだったーー
「WBSC世界野球プレミア12」に出場していた、野球の日本代表チーム(通称:侍ジャパン)に対してその呪力を発揮したのだ。
週間ベースボールは、雑誌ほぼすべてを使って侍ジャパン特集をしてしまったのである。
表紙には、「強い! 侍ジャパンベスト4」「世界一が見えた」の文字。
選手の個人特集は、「驚異の勝負強さ誇る主砲 中田翔」
週間ベースボールが発売された翌日の試合、侍ジャパンは敗退した。
2015年を通して、週間ベースボールの呪いは猛威をふるい続けたのだった……
時は7月13日。
当時は圧倒的な強さを誇っており、さらには史上最速のマジック点灯の可能性すらあった福岡ソフトバンクホークスの大特集が組まれた。
その後、ホークスは大失速し、結局北海道日本ハムファイターズに対してつけられた最大11.5ゲーム差をひっくり返されてV逸した。
2月13・22日合併号では侍ジャパンを大特集。その見出しは「侍戦士世界一宣言」だった。
結局、侍ジャパンは今回も準決勝で姿を消した。
そのままソフトバンクホークスにリーグ優勝をさらわれるどころか、西武ライオンズにも追い抜かれ、3位に終わってしまった。
※「週刊ベースボールの呪い」はあくまでジンクスです。
山田哲人選手、秋山翔吾選手など多く特集されていたものの特に不振に陥ることが無かった選手も多くいます。
2016年には広島東洋カープが何度も特集されていましたが、特に大きな不振に陥ることなくリーグ優勝を果たしています。
また、チームや選手が好調を維持するのは難しいことで、好調の期間はたいてい短くなります。そのため、好調のチームや選手を取材した場合、記事になる頃には不調になってしまうことも多くあります。
つまり、特集したチームや選手が不調に陥ってしまうことは呪い関係なくよくあることです。(それにしても2015年は異常であったが)
繰り返しますが、ジンクスはあくまでジンクスなので本気にすることのないように。
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