- 生物集団において、個体の性質が世代を経るに従い遺伝的に変化し、結果集団全体の遺伝子頻度や表現型形態が変化すること。生物進化。本項で解説。
- 転じて、物事が進歩すること。 ex.「携帯電話機の進化」
- 更に転じて、ゲームなどにおいてキャラクターが成長して別の形態になること。
さまざまな作品において用いられている表現であるが、現実世界の生物学に照らし合わせると進化ではなく変態に近い変化である。こまけぇこたぁいいんだよ!!
ex.「アグモン 進化アアァァ!」「おめでとう! ピカチュウはライチュウにしんかした!」
概要
「進化」に纏わる研究は、チャールズ・ダーウィンの唱えた“自然選択説(※1)を核とする進化論”をおおよその下地として、そこに他の理論や分析を加えながら発展し続けている。
※1 より環境に適応した遺伝的形質をもったものが生き残るとする説
進化によって多種多様な生物が地球上に出現したとする考えが、現在では広く受け入れられている。
また、現在の生物学では、進化は単に変化と同じ意味になっており、現代の進化生物学の定義では、遺伝子頻度の変化も、表現型形態の変化も進化と呼ぶ。
誤解されがちだが、進化には、単純なものから複雑なものへといった方向性が無いため、生物学的定義において進化と進歩は同義語ではない。
従って生物学においては「退化」は進化の対義語にはならず、むしろ「進化」の一側面として捉えられている。
なお、進化の説明のされかたは書き手によって様々である。
例を挙げると、
生物進化は自然界の“デザイナー”によって導かれたものではない。
(中略)
生物進化はいくつかの方法で定義することが可能である。ここでは、生物進化を生物集団の遺伝的性質が時間と共に変化することと定義することにする。
(ケイン生物学(第5刷) 第Ⅳ部「進化」)
生物個体群の性質が、世代を経るにつれて変化する現象である。また、その背景にある遺伝的変化を重視し、個体群内の遺伝子頻度の変化として定義されることもある。
(Wikipedia - 進化)
生物のゲノムが何世代にもわたって変化し、その結果として表れる形質が選択を受けて別の種や系統に変化すること。
厳密さを欠くものの、ごくごく単純な進化モデルは以下のようなものである。
耳の小さいとある生物Aの集団において、突然変異により耳の大きい個体がたまたま生まれる
↓
この大きな耳は小さい耳よりも周囲の音が良く聞こえるため生存上有利である
(=耳の大きい個体は普通の個体と比べ、生殖可能齢まで成長し子供を作る確率が高い)
↓
突然変異個体が子供を残し、
大きい耳(≒突然変異により変化した遺伝子配列;耳デカ遺伝子)も次世代に受け継がれる
↓
集団内で世代交代を重ねるうちに、より生き残りやすい耳の大きい個体が増えていく
(=耳デカ遺伝子の遺伝子頻度が集団内で上昇する)
↓
·
·
·
↓
このモデルでは個体の性質について明らかな変化(小さな耳→大きな耳、生存率小→生存率大)を起こす突然変異を例にとったが、実際のところ突然変異(遺伝子の変化)が起こってもそれが自然選択や表現型(遺伝子によって発現する個体の形質)に即影響を与えるとは限らない。(→中立進化説、遺伝暗号の縮重)
また、進化は必ずしも新種を生じるとは限らない。「進化」といったときに一般にイメージされやすい種レベル以上の大規模な進化は大進化、同種の個体群での遺伝子頻度の変化を小進化(ex.犬や鳩の品種改良)として呼び分ける事もある。
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関連項目
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