闘え、信じるもののために―――。
遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONSとは、2016年4月23日に公開された映画である。
「光のピラミッド」「超融合!時空を越えた絆」に続き、テレビ東京版遊戯王三作目の映画となる。
概要
1996年から2004年まで連載された漫画「遊☆戯☆王」。その20周年を記念しての映画となる。
原作者・高橋和希が自らが製作総指揮・脚本・キャラクターデザインを務め、冥界にアテムを送り出した後の原作のアフターストーリーを描くことが発表された。
2015年7月11日に、アメリカのイベントで初めてタイトルや製作陣、公開予定日が公開された。
タイトルロゴは海外版に合わせた形となっている。
主人公・武藤遊戯とライバル・海馬瀬人の二人が主軸となって物語が展開する予定。予告でデュエルをしている二人の耳あたりには、『遊☆戯☆王ゼアル』で登場したD・ゲイザーに似た機材が装備されており、新たなデュエル演出を予感させる。この機材は決闘者のイメージを実体化するものであるらしい。
本作で登場するメインキャラクターにはオリジナルキャスト(テレビ東京版)が復活することが告知されている。なおその中で獏良役の松本梨香は二代目、本田役の近藤孝行は初代だった。
公開された和希氏直筆のポスターイラストには、冥界に旅立ったアテムの姿が確認できる他、謎の人物「藍神(あいがみ)」が描かれている。
藍神の声優は俳優の林遣都。林はアニメ声優としては初挑戦。
また、芸人枠もといゲスト声優として新キャラクター「百済木(くだらぎ)」はケンドーコバヤシ、その手下はジャングルポケットが担当する。
監督は『ゼアル』を手掛けた桑原智が起用された。
キャラクターデザイン・総作画監督は、前映画に引き続き『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の神作画で名高い加々美高浩が担当する。
ちなみに、配給は東映。東映が遊戯王に関わるのは初代遊戯王以来である。
本作では前売券にもカード《青眼の亜白龍》がついており、入場者特典も第4弾まで週替わりで配布される予定。
同名カードを3枚集めるためには最低12回映画を観る必要があり、その過去に類を見ないえげつない商法に決闘者からは嘆きの声が聞かれていた。
特に後半に配布された《レモン・マジシャン・ガール》と《守護神官マハード》の人気が非常に高く、公開3週目以降というタイミングで1日あたりの公開回数が減少したこともあり、多くの決闘者達が殺到し満席が続出したとか・・・。
5週目以降は入場者特典カードがランダムに配布された。
また通常公開後、2016年秋に「4DX®」と「MX4D™」に対応した上映が行われた。同仕様のアニメ映画上映は、劇場版「ガールズ&パンツァー」に続いて二例目。
DVD・BDは2017年3月8日発売。特典映像などに加え、初回限定盤には別レアリティの《守護神官マハード》が付属していた(現在は終了)。
ニコニコ動画では遊戯王シリーズの公式ニコニコ進出に伴い、公式から予告映像が公開されていた。放映が終了した現在は同映像も公開終了している。
あらすじ
武藤遊戯とアテムの別れから月日が流れ、遊戯たちも童実野高校卒業を目前に控え、卒業式の予行練習が行われる時期となっていた。
屋上で昼食をとりながら将来の夢を語り合う仲間たち――しかし、教室に戻ってきた遊戯たちは見慣れぬ生徒――否、以前から居たはずのクラスメイト・藍神の存在に違和感を覚える。
童実野町を完全に支配し、軌道エレベーターを完成させ宇宙進出までも果たした海馬瀬人率いる海馬コーポレーション。海馬がその大企業の資本と権力を惜しげもなく注ぎ込んで進めていたのが、嘗て「闘いの儀」が行われたエジプト・王家の谷にある葬祭殿の発掘――千年パズルの復元だった。
不良生徒・百済木に因縁を付けられ、深夜の廃ビルに呼び出された藍神。無防備な筈の藍神を取り囲む百済木軍団だったが、どこからともなく沢山の子供が現れ、百済木たちは忽然と姿を消してしまう。
今、世界中でこの様な集団失踪事件が相次いでいるのであった。
千年パズルの欠片が発見されたとの報せを受け、エジプトの地を訪れた海馬。パズルの復元を急ぐ海馬の前に、千年パズルを渡すまいとする藍神が立ちはだかる。
TRANSCEND・GAME 遊☆戯☆王
2016年4月11日に発売された週刊少年ジャンプにて、約12年ぶりに本誌短期連載された前後編の読み切り漫画(著・高橋和希)。原作最終回から劇場版に至るまでの前日談であり、海馬瀬人の視点で描かれている。
瀬人の開発した新たなるゲーム「デュエル・リンクス」。 そのテストの最中、瀬人の目に留まったのは見知らぬ少女・・・。
デュエル・リンクス
海馬コーポレーションが開発しているVRゲーム。 次世代デュエルディスクの試作機である、頭にかぶるタイプの楕円形機材「ニューロンズ・VR・システム」を装着した世界中の人々の脳波を読み取り、海馬コーポレーションの機材がシステム装着者にVRビジョンを提供する。 実際のカードではなく、脳波を元に形成されたデータによりカードが構成され、基本的に集団同士での戦いとなる。 本編終了後から映画「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」以前の段階で開発・研究段階にあり、被験者の状況確認を怠る事なく開発が進められている。 これらの技術は同映画で既存のデュエルシステムの発展の為に流用され、新型ソリッド・ビジョンとして日の目を見ることとなった。
主な登場人物
- 武藤遊戯(CV:風間俊介)
- 海馬瀬人(CV:津田健次郎)
- 城之内克也(CV:高橋広樹)
- 真崎杏子(CV:齊藤真紀)
- 本田ヒロト(CV:近藤孝行)
- 獏良了(CV:松本梨香)
- 海馬モクバ(CV:竹内順子)
- 藍神/ディーヴァ(CV:林遣都)
- セラ(CV:花澤香菜)
- マニ(CV:日野聡)
- 百済木(CV:ケンドーコバヤシ)
- 百済木の手下(CV:ジャングルポケット)
スタッフ
- 原作・キャラクターデザイン・製作総指揮:高橋和希/スタジオ・ダイス(集英社「週刊少年ジャンプ」)
- 監督:桑原智
- 脚本:高橋和希、桑原智、彦久保雅博
- 絵コンテ:高橋和希、桑原智
- 演出:茉田哲明、牧野吉高、武藤公春
- キャラクターデザイン・総作画監督:加々美高浩
- コンセプト・モンスターデザイン:反田誠二
- 総作画監督補:横田明美
- サブキャラクターデザイン・作画監督:盧佶甫、蛯名秀和、豊田暁子、渡辺るりこ
- 作画監督:中田亜希子、内海紘子、高橋克之、井口忠一、山下紀子、荏原裕子、長田絵里、松岡秀明、丸山修二、中村路之将、青木一紀、内田裕、片山みゆき、つなきあき、田中ちゆき、加藤園、原憲一
- コンセプト・ギミックデザイン:片貝文洋、宮崎真一
- メカ・プロップデザイン:中原れい、こかいゆうじ、鈴木勤、蛯名秀和
- モニターデザイン:小町哲、山田可奈子
- アニメオリジナルカードデザイン:長森佳容、ぱなこ
- デュエルアシスタント:岸本達
- 美術監督:中村隆
- 色彩設定:横井正人
- CGクリエイティブディレクター:内田優作
- 撮影監督:枝光弘明
- 音響監督:松岡裕紀
- 音楽:池頼広、光宗信吉、中村和宏
- 編曲:蓑部雄崇、福田康文
- 音楽協力:テレビ東京ミュージック、マーベラス
- 製作:大芝賢二、出羽昌司、遠藤孝一、木下暢起
- 企画:野田孝寛、高德明弘、川崎由紀夫、足立聡志
- エグゼクティブプロデューサー:波多野淳一
- プロデューサー:実松照晃
- アソシエイトプロデューサー:佐川祐子、平田智寿、山下亜佐子、稲生晋之、久住小百合、保坂剛志、石本順也
- アニメーション制作:ぎゃろっぷ
- 制作:日本アドシステムズ
- 配給:東映
- 製作:劇場版「遊☆戯☆王」製作委員会(日本アドシステムズ、コナミデジタルエンタテインメント、テレビ東京、集英社)
主題歌
「TO BELEIVE IN SOMETHING」
歌:THE EDEN HOUSE
本作用の曲ではなく、2009年に発表されたアルバム「Smoke & Mirrors」が初出となる洋楽。
イギリスのロックユニットの曲である。
公式チャンネル
関連動画
関連項目
公式サイト
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