遊☆戯☆王ヴレインズとは、2017年5月10日よりテレビ東京系列で放送されていたアニメ作品である。
概要
NAS・テレビ東京製作の「遊☆戯☆王」アニメシリーズ6作目。
公式twitterなどによると当初2017年4月放送開始予定であるかのように喧伝されていたのだが、雑誌情報により2017年5月開始に改められている。4月から本編開始までは、場を繋ぐための特番『遊戯王LABO』が放送され、制作現場の紹介等が行われていた。
そのため、今までの作品より情報公開のペースが遅く、先行して主人公・藤木遊作やイメージビジュアルが公開されていたものの、タイトルが正式に発表されたのは2017年2月20日、メインスタッフや担当声優が判明したのが3月25日、十分な情報が公表されたのは4月21日の段階である。
スタッフは前作とは違いデュエル構成以外一新されたが、シリーズ構成には再び吉田伸、作曲担当は『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』以来となる光宗信吉を迎えている。
監督は『初代遊戯王』『遊戯王DM』で演出を担当し、『ドラゴンボールZ 神と神』などを代表作とする細田雅弘が務めていた。
しかし14話から事前予告なしに制作体制が変更され、監督は浅野勝也が引き継ぐ。また同話以降、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などを代表作とする佐藤竜雄が監修に入っている。
また、本作ではこれまでのようなスタジオ・ダイス側のキャラクターデザインはなく、アニメスタッフ側でキャラクターデザインが行われている。
デザインを担当するのは、テレビ東京版遊戯王シリーズのこれまでの全作品に関わっている原憲一である。
本作のテーマは「一歩を踏み出し、トライしよう!」であるが、これには過多な情報社会により、すぐにデータを収集することが出来てしまい、それにより断念してしまう子どもたちに対して、一歩を踏み出しトライして欲しいという思いが込められている。言っていることは前々作の「かっとビング」から3作連続である。
本作のデュエルは「VR空間」という特殊な空間で行われる「VRデュエル」であり、バーチャルリアリティ(仮想現実)を中心にしたものとなっている。デュエルの形式は、ライフ4000以外は新マスタールールに近い「マスターデュエル」の他、ルールが大幅に省略された「スピードデュエル」という簡易ルールも採用されており、状況によって使い分けられる。詳細は単語記事を参照。
アニメディアに掲載された吉田のインタビューによると、タイトルの「VRAINS」とは「VR(仮想空間)」「AI(人工知能)」「NS(ネットワークシステム)」を表す造語であるとの事。
本作の放送時間は水曜18時25分からと、3作目「遊☆戯☆王ファイブディーズ」までの時間帯に近い場所に変更された。
また、前作「遊☆戯☆王アーク・ファイブ」と同様にニコニコ動画で配信される事も決定したが、本作も開始直後は配信は行われず、ファンを非常に不安視させていた。遊戯王以外のアニメ作品から見れば非常に遅い段階だが、それでも前作よりかなり早いタイミングで動画配信が確定し、2017年6月6日より「あにてれしあたー」枠で配信がスタートする。
前作同様最新話は一週間無料配信であり、毎週火曜日0時更新とほぼ6日遅れとなるのも前作同様。生放送は21時30分開始。カードゲーム枠を取り合うが大丈夫か?
2019年9月25日に放送を終了。テレビ東京制作の遊戯王シリーズの中では最短となる約2年5ヶ月の放送期間となった。
遊戯王5D's以降のシリーズでは3年間の放送が通例となっており、半年ほど早く放送終了するのは異例のことである。
アニメシリーズ次回作「遊☆戯☆王セブンス」は2020年4月より放送開始したが、それまでの約半年間はアニメ遊戯王現行作が放送されない空白期間となった。
そしてアニメーション制作及び製作体制も変更され、ぎゃろっぷ及び日本アドシステムズが遊戯王シリーズに関わるのはこの作品が最後となった。
あらすじ
ネットワークシステムの進んでいるDen City(デンシティ)では大企業『SOL テクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、
『LINK VRAINS(リンク ヴレインズ)』と呼ばれるVR空間が構築され、そこで行われるVRデュエルに人々は熱狂していた。
しかし、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団『ハノイの騎士』が『LINK VRAINS』に出現。
ネットワークのどこかに存在するという『AIたちの世界=サイバース』を滅亡させるために『LINK VRAINS』に侵攻する『ハノイの騎士』。
その脅威に立ち向かう謎の決闘者“Playmaker”。その正体である『藤木遊作』は、過去に起きた事件の真相を探るため、VRAINS に出没する『ハノイの騎士』を追っていた―――。
登場人物
Den City
藤木遊作(ふじき・ゆうさく) アカウント名:Playmaker 担当声優:石毛翔弥
- 本作の主人公。クールで非常に頭が切れる高校生。状況判断にも長けるが、目立つことを嫌う。VR空間では謎の決闘者「Playmaker」として、『ハノイの騎士』を追う。その裏には10年前のロスト事件から始まった、彼が「復讐」と断言するほどの重い過去がある。
《デコード・トーカー》《ファイアウォール・ドラゴン》を切り札とする、本作初登場の種族【サイバース族】デッキを使用。 草薙翔一(くさなぎ・しょういち) 担当声優:木村昴
- Den City内で移動販売車を用い、ホットドッグ屋を営んでいる男。実は遊作と目的を同じくするハッカーであり、彼の過去に関わっている。
遊作と同じロスト事件の被害者になってしまった弟の草薙仁(担当声優:鈴木崚汰)がいる。
基本的にハッカーとしてLINK VRAINS外から遊作の行動を支援しデュエルは行わないが、闇属性・戦士族の【コードブレイカー】デッキを所持している。 財前葵(ざいぜん・あおい) アカウント名:ブルーエンジェル / ブルーガール / ブルーメイデン 担当声優:中島由貴
- 遊作の同級生であり、目立つことを嫌うという共通点がある。
一方、その正体はVRデュエルにおけるカリスマ決闘者であり、「ブルーエンジェル」としての彼女は現実とは真逆のガチアイドルになる。
行動のたびに細かいダメージを積み重ねるのが特徴の光属性・天使族ガチデッキ【トリックスター】デッキを用いて、高速で相手のライフを削りきる。アクアと協力後は水属性・サイバース族の【海晶乙女(マリンセス)】デッキを使う。 鬼塚豪(おにづか・ごう) アカウント名:Go鬼塚(ごぅ~) 担当声優:濱野大輝
- 外見もデュエルも力強いパワフルな19歳の決闘者。晃と同様、現実とVRで見た目が変わらない。児童養護施設出身であり、恩返しと子供たちの笑顔のためにデュエルで賞金を稼いでいる。使用するデッキはプロレスをモチーフとした地属性・戦士族【剛鬼(ごうき)】。2年目のみ地属性・恐竜族でのプロレスをモチーフとした【ダイナレスラー】。
- 島直樹(しま・なおき) アカウント名:ロンリーブレイヴ→ブレイヴマックス(改名) 担当声優:沢城千春
- 遊作と葵の同級生。デュエル部所属で情報通。
第1話の時点でLINK VRAINSの実戦経験は皆無だが、ある時期からLINK VRAINSデビューを果たす。
【獣族】デッキを所持している様子だが……。 - 別所エマ(べっしょ~) アカウント名:ゴーストガール 担当声優:鎌倉有那
- 情報収集などを得意とする、腕利きの「電脳トレジャーハンター」であり、ハッカーとして相当な腕前がある。
SOLテクノロジー社との取引により、Playmaker=遊作を探っている。
使用デッキは魔法使い族で統一された【オルターガイスト】。 - 穂村尊(ほむら・たける) アカウント名:Soulburner 担当声優:梶裕貴
- 不霊夢と行動を共にする少年。ロスト事件の被害者の一人。炎属性・サイバース族の【転生炎獣(サラマングレイト)】デッキを使う。
ハノイの騎士
鴻上了見(こうがみ・りょうけん) アカウント名:リボルバー 担当声優:武内駿輔
- 『ハノイの騎士』のリーダー。何らかの目的があり、「イグニス」と呼ばれるAIを捜索している。
使用デッキは闇属性・ドラゴン族の【ヴァレット】【ヴァレル】モンスター中心だが、配下に託していた機械族の《クラッキング・ドラゴン》や、スキルでデータストームから獲得した闇属性・サイバース族リンクモンスター【トポロジック】も使用している。 - スペクター 担当声優:鍛冶本大樹
- リボルバーの補佐官。ロスト事件の被害者の一人。地属性・植物族の【聖天樹(サンアバロン)】【聖蔓(サンヴァイン)】デッキを使う。
- 鴻上聖(こうがみ・きよし) 担当声優:菅生隆之
- リボルバーと共に、「イグニス」と呼ばれるAIを捜索している人物。
- ドクター・ゲノム 担当声優:桐本拓哉
バイラ(滝響子) 担当声優:小清水亜美
ファウスト(麻生) 担当声優:三上哲 - ハノイの三騎士と呼ばれる幹部たち。鴻上聖の元助手。
- パンドール 担当声優:金香里
- リボルバーが作った対イグニス用のAI。4体存在し決闘者のサポートのみならず直接デュエルもできる。
使用デッキは闇属性・サイバース族の【トポロジーナ】だが、リボルバー同様【トポロジック】リンクモンスターも使用している。
SOLテクノロジー社
- 財前晃(ざいぜん・あきら) 担当声優:山本匠馬
- SOLテクノロジー社のセキュリティ部長であり、葵の義兄。義理とはいえ、葵にとって唯一の肉親である。
ハノイの騎士からLINK VRAINSを守るべく日夜働いているが、仕事の都合上葵と二人暮らしでありながらなかなか家に帰れていない。LINK VRAINS内でも全く姿を変えずに登場する。
クトゥルフ神話という珍しいモチーフを持つ闇属性・悪魔族デッキ【ティンダングル】を所持している。 - クイーン 担当声優:小山めぐみ
- 財前晃の上司。イグニスの捕獲を目的にバウンティハンターチームの管理を財前晃に任せた。部下に対して敬語も混ぜて話す。長身(?)でスタイルが良い。
レベルモンスターの【魅惑の女王】を使用する。
サイバース世界
- Ai(アイ) 担当声優:櫻井孝宏
- 『SOLテクノロジー社』と『ハノイの騎士』の両者に追われている存在。両者からは「イグニス」と呼ばれ、物語当初のクレジットでは「謎の生命体」表記であったが、彼を捕獲した遊作に適当に名づけられる。
人工知能でありながら、お調子者な性格を有している。また、当初は身体を奪われていたが、リボルバーから体のデータを取り返したことで身体を取り戻し、現実世界に姿を見せることすらできるようになっている。
3年目にはアバターを一新し、ソルティスを用いて現実世界でも行動を開始。サイバース族の【@イグニスター】デッキで複数の召喚方法を駆使する。 - 不霊夢(フレイム) 担当声優:八代拓
- 作中2番目に登場したイグニスであり、穂村尊と行動を共にする。
- ウィンディ 担当声優:鈴木千尋
- 3体目のイグニス。リンクヴレインズ内に謎のエリアを作っていた。使用デッキは風属性・サイバース族の【嵐闘機(ストームライダー)】。
- アース 担当声優:岡林史泰
- 4体目のイグニス。人型の木を生成してデュエルを行う。使用デッキは地属性・サイバース族の【Gゴーレム】。
- アクア 担当声優:川澄綾子
- 嘘と真実を見分ける能力がある5体目のイグニス。サイバース世界でのサブリーダー。女性型でツインテールのような頭部が見られる。
- ライトニング 担当声優:前田一世
- 6体目のイグニス。イグニス達のリーダー格のようだが…。使用デッキは光属性・サイバース族の【天装騎兵(アルマートス・レギオー)】。
謎の集団
その他
- 道順健碁(どうじゅん・けんご) アカウント名:ブラッドシェパード 担当声優:奥田隆仁
- 目的のためなら手段を選ばない凄腕の賞金稼ぎ(バウンティーハンター)。【ドローン】デッキを操る。
- 上白河綺久(かみしらかわ・きく) 担当声優:島袋美由利
- 穂村尊とは幼馴染の高校生。回想シーンでは学校に行かない穂村尊を心配していた。
- 杉咲美優(すぎさき・みゆ) 担当声優:藤原夏海
- 葵の幼少期の友人で、ロスト事件の被害者の一人。幼少期は孤独だった葵に対して声をかけ、一緒に遊んでいた。
- ロボッピ 担当声優:高橋未奈美
- 遊作の家事用ロボットだったが、Aiとの接触で「かしこく」なっていく。3年目にはAiと行動を共にし、家電モチーフの機械族【機塊】デッキを使用する。
スタッフ
- 原作:高橋和希 スタジオ・ダイス(週刊少年ジャンプ)
- 監修:佐藤竜雄(第14話-)
- 監督:細田雅弘(第1話-第13話)→浅野勝也(第14話-)
- シリーズ構成:吉田伸
- デュエル構成:彦久保雅博
- キャラクターデザイン:原憲一
- モンスターデザイン:長森佳容
- コンセプトデザイン:反田誠二
- 設定:杉本一将
- 美術監督:榊枝利行
- 色彩設計:箕輪綾美
- 撮影監督:小町哲、小野剛史
- CGプロデュース:川島英憲、永田太
- CGディレクション:上條嘉之
- 編集:楫野允史
- 音響監督:松岡裕紀
- 音楽:光宗信吉
- 音楽協力:テレビ東京ミュージック
- 音楽制作協力:マーベラス
- 企画:川崎由紀夫(テレビ東京)、大芝賢二
- プロデューサー:数野高輔(テレビ東京)、実松照晃
- アニメーションプロデューサー:水田賢治、佐藤義人
- アニメーション統括:杉山豊
- アニメーション制作:ぎゃろっぷ
- 製作:テレビ東京、NAS
楽曲
オープニングテーマ
- 「With the wind」(第1話 - 第46話)
歌:富永TOMMY弘明 - 「go forward」(第47話 - 第102話)
歌:KIMERU - 「calling」(第103話 - 第120話)
歌:KIMERU
エンディングテーマ
- 「Believe In Magic」 (第1話 - 第24話)
歌:龍雅 -Ryoga- - 「Writing Life」(第25話 - 第46話)
歌:Goodbye holiday - 「BOY」(第47話 - 第70話)
歌:uchuu, - 「glory」(第71話 - 第95話)
歌:BAND-MAID - 「Are you ready?」(第96話 - 第120話)
歌:BiS
関連動画
関連静画
関連商品
関連チャンネル
2017年6月6日(火)より絶賛配信中。Into the VRAINS!
関連項目
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外部リンク
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