過冷却(かれいきゃく)とは、その物質の相が変化する温度においても、変化しない現象である。
概要
具体例を言うと、凝固点を下回っても固体にならずに液体のままの状態であることを指す。
過冷却状態の液体に、刺激を加えると急速に固体へと変化する。この原理を利用した例がエコカイロである。
熱力学的説明
(注:ちょっと難しいかもしれません(`;ω;´)わかったら最強です。)
本来、その温度・圧力での化学ポテンシャルを考慮すると、液体状態ではなく固体状態の方が安定な状態にもかかわらず、液体の状態をとることを過冷却という。
この現象の起こる理由は簡単に言うと活性化エネルギー、即ち安定な状態へ変化するために必要なエネルギーの壁が大きいということだからである。専門用語ではこれを速度論的に安定だからという。
つまり過冷却状態は不安定にもかかわらず速度論的に安定なため存在する一種の状態といえる。このように熱力学的に不安定だが、速度論的に安定なために存在する状態を準安定状態という。
この状態は(活性化エネルギー以上のエネルギーを与える)外部からの刺激などにより系の中に異なる相が生じると、初めて系のギブズエネルギー(ある状態が安定かどうかの指標;値が小さいほど安定)が減少するように分子(原子)の移動が起きて、やがて平衡に達する。(結晶化)
過冷却とは違うが、過冷却の原因となる「準安定」な相が引き起こす例が身近なものがある。そのひとつがダイヤモンドである。実はダイヤモンドは不安定で、安定性だけ考えれば自発的にグラファイトに相転移してしまう。しかし、ダイヤモンドは準安定状態なので、エネルギー障壁が高くちょっとの刺激程度ではグラファイトにはならない。ちなみに、観測不能な程速度論的に安定で外部からの刺激程度では相転移はしないらしい・・・
だから、昨日買ったダイヤモンドがただの黒い石ころみたいのになってるー!とかはならないので安心してダイヤを買ってください(`・ω・´)
上の説明のまとめ
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関連項目
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