道頓堀とは、
ここでは両方について述べる。
実況プレイヤーの道頓堀氏については「道頓堀(実況プレイヤー)」の記事を参照。
概要
大阪で最も有名な風景のある場所。
全国ネットのテレビなどでは、大阪をイメージする映像としてまずここにあるグリコの看板が映されることが多い。実際、道頓堀川にかかった戒橋(通称ひっかけ橋、あるいはジャンプ橋とも)と、そこから難波側を向いたときに眼に入るグリコの看板は、まさに大阪の象徴……というイメージが定着している。
難波駅から千日前通を挟んだ北側、道頓堀川より南側のエリアである。東端は日本橋、西端は大黒橋とされることが多い。しかし、住所表記上の道頓堀は阪神高速1号の道頓堀出口付近まで東方向に延びており、その地域の地番には「東」が入っている(例:道頓堀1丁目東1-1)。
道頓堀川に沿った1丁目の東西の通りはミナミのネオン街を象徴するような場所であり、かに道楽の蟹はここにいる(実は北新地にも日本橋にも十三にも京都にも…というか日本各所にいるが、多分ここが一番有名。あと、道頓堀には実は2体いる)。かつて飲食店の「くいだおれ」のイメージキャラクターだったくいだおれ人形も中座くいだおれビルにいる。
観光客にとっての定番コースであるが、実際はこれら以外に見るべきものはなく、飲食店も観光客向けの高いものが多い。2019年現在は外国人観光客だらけになってしまっているという声も。地元の人間にとっては、大阪最大規模を誇るツタヤ戒橋店とドンキホーテの方が重要である。
あと、治安維持、防災等の関係でこの一帯は深夜営業の飲食店進出を規制している上に地価がべらぼうに高い。そのため観光客の利用が多く、回転率が高いたこ焼き屋の密集地帯となっており『くくる』、『たこ八』、『くれおーる』、『わなか』、『大たこ』など10店舗近くが界隈に固まっている。また、金龍ラーメンなどのラーメン屋も知られたが、昨今ラーメン屋は戎橋筋が主流となっている。なお、大阪名物で知られるお好み焼き専門店はこの道頓堀には存在しない。深夜営業できないため酒類販売が難しい上にお好み焼きは回転率が悪く、客単価を上げないと採算が取れないからである(それで深夜営業が許可されている千日前通などに密集している)。一方、うどんの『道頓堀今井』、肉料理の『はり重』など、古くから地元に愛されている店も点在している。
戎橋はナンパのメッカでもあり(ひっかけ橋と呼ばれる所以)、また阪神タイガースや大阪近鉄バファローズが優勝した時、またサッカーW杯が開催されたり、新年や改元の瞬間を迎えたりした際には集まった人が次々に橋の上から道頓堀へと飛び込む場所(ジャンプ橋と呼ばれる所以)でもある。ただ、2003年に男性が何者かに欄干から突き落とされ死亡する事件(なお、この事件は「この年9月15日の阪神優勝の時のダイブにより死者が出た」と伝えられることも多いがこれは間違い。また、事件の捜査の際に85年の阪神優勝の時に飛び込んで死亡したと見られる遺体が発見されている)が起こったために現在は戎橋・道頓堀共に改修された上、阪神優勝が予想される状況になると警察により防壁が設けられ封鎖されているが、現在に至るまで防壁がない時や防壁をかいくぐってのダイブが続いている。ちなみに1985年にはケンタッキー道頓堀店のカーネル・サンダースの像も道頓堀川に投げ込まれたが、それ以降17年連続で優勝を逃したため、「カーネル・サンダースの呪い」という都市伝説が生まれることになってしまった。
道頓堀川の水質改善と、「とんぼりリバーウォーク」と呼ばれる川沿いの遊歩道が新たに整備されており、こちらも賑わい始めている。
かつてはヘドロの塊だった道頓堀川だが、現在では、ハスなどの魚が住める程度には改善されている。大阪市は下水道整備をさらに進めて、最終的には鮎が住めるような綺麗な川を目指す。
現在はまだ大腸菌がいたり、時々船が通ったりするので、飛び込んだり物を投げ込んだりしてはいけない。
歴史
道頓堀はもともとは水路の名である。この水路を開削した「安井道頓」に由来する。
安井道頓は大坂城の築城に従事し、その功績が認められ豊臣秀吉から城南の地を与えられた。与えられた土地を水運によって発展させるため、道頓は東横堀川(大坂城の外堀、現在の阪神高速道頓堀出口付近)と木津川(現在の大阪ドーム付近)を結ぶ水路の工事に着手した。道頓は83歳で大坂夏の陣に参戦し討ち死にしてしまうが、跡を継いだいとこの安井九兵衛(安井道卜)らによって1612年に水路が完成し、道頓堀と名付けられた。
それ以降、道卜によって南船場から芝居小屋が道頓堀周辺に移転させられたため、道頓堀は歌舞伎と人形浄瑠璃の町として発展していくことになる。例えば、近松門左衛門の作った脚本による浄瑠璃が竹本座で上演されていた。当時の「道頓堀五座(または浪花五座・五つ櫓)」と呼ばれた弁天座・朝日座・角座・中座・浪花座(竹本座)を中心とする劇場群は一つも現存していないが、現在は松竹座で歌舞伎が上演されるほか、道頓堀の周辺には国立文楽劇場(日本橋)や新歌舞伎座(上本町)がある。
関連リンク
関連項目
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