邪悪の神とは、漫画・アニメ『キン肉マン』に登場する5人の神の総称である。
数える際には「~柱」ではなく「~人」で呼ばれる。
概要
“知性の神”、“技巧の神”、“飛翔の神”、“強力の神”、“残虐の神”の5人の神の総称であり、「邪悪五神」「五大邪悪神」「邪悪五大神」と呼ばれることもある。天上にいる100人の善良な神とは異なり邪な神であり、神に近づくほどのパワーを手に入れつつあったキン肉マンが自分たちの立場を危うくすると危惧し、キン肉マンの大王即位を阻止するためにそれぞれが王位候補と考える運命の王子たちを擁立し、王位継承サバイバルマッチを引き起こした諸悪の根源である。
超人の神であるため、それぞれが超人強度1億パワーを持っている。
後に超人の神は下天することで実体化することが可能と判明するが、彼ら5人は自分たちが認めた超人に憑依する方法によって1億パワーを与えている。(終盤で自ら運命の王子たちの姿を取って正義超人たちに襲いかかったが、この方法では力を発揮できないのか、あっという間に全員倒された)
王位争奪サバイバルマッチではありとあらゆる手段を用いて暗躍しており、5人全員でミキサー大帝に力を貸してキン肉マンの火事場のクソ力を封印したり、キン肉アタルとキン肉マンを亡き者にするため観客の人間たちを巻き添えにすることを厭わずに立方体リングを落下させたり、全員でフェニックスに力を与えてキン肉マン抹殺を図ったり、事の真相を知っている老婆のフェニックスシズ子を抹殺しようとしたりと邪神らしくそのやり口は卑劣で陰湿。
邪神ながらそれぞれの間には友情という感覚はあるらしく、総員で力を合わせて邪悪友情パワーなる力を発揮した事もある。「悪魔にだって友情はあるんだーっ」に近い概念なのだろうか、それともその場のノリでただ言ってみただけなのだろうか……。
自身らの支配する世界にとって超人には利用価値があると考えており、超人絶滅を目論む“調和の神”の一派とは対立する立場にある。ちなみに天界の神々の中では優秀な5人らしい。ザ・マンによると、元々邪悪五神は神の立場でありながら天上界の中枢を追われた者であり、かつて彼らを天界中枢から追い出した調和の神を失脚させる機会を狙っている。
原作では、彼ら5人が王位争奪サバイバルマッチを企てた黒幕だが、テレビアニメでは超人閻魔がさらなる黒幕として存在している。しかし、この設定は21世紀になって連載された「完璧超人始祖編」の設定と大きく矛盾している。当時はまだザ・マンに関する設定は無かったのである。
知性の神
眼鏡をかけた5人の邪悪の神のリーダー格的な存在。体の色は紫で眼鏡をかけている(アニメではサングラス)。王位争奪編での一連の騒動を企て、他の4神に持ちかけた張本人でもある。
王位争奪編以前からキン肉マンの動向を注視しており、超人の神に近づきつつあったキン肉マンの火事場のクソ力を警戒し、他の4人にキン肉マンの抹殺を提案する。その後、母親を亡くした直後のフェニックスマンに憑依し、キン肉マンスーパー・フェニックスを王位継承候補として擁立する。
また、この時よりも前から悪魔超人サムソンに寄生虫サタンクロスを与えて恩を売るなど、他の神々よりも積極的に下界に関わる姿勢を見せていた。さらに、自身の所持しているカピラリアの欠片からプリズマンを作り出している。このことから寄生虫サタンクロスとプリズマンは知性の神の直属の部下だと思われる。
王位継承サバイバルマッチでも様々な策略の中心となりながら知性チームを決勝進出へと導く。邪悪五神の中では最後まで生き残り、火事場のクソ力を失ったキン肉マンを心臓ストップにまで追い込むが、封印されたはずの火事場のクソ力が蘇ったキン肉マンの7000万パワーマッスル・スパークを喰らい、フェニックスと共に撃退されてしまう。このまま滅びたかと思われたが・・・・。
新シリーズのオメガケンタウリの六鎗客編において隠遁生活を送っていたフェニックスの前に現れ、再び動きを見せる。このときフェニックスに六鎗客の狙いと彼らを背後で操っているサタンの存在、同時に超人殲滅を企てる調和の神一派の動きを伝えている。
その後、オメガマン・アリステラとの戦いに苦戦するフェニックスの前に出現。このままではアリステラの戦いには勝てないと悟ったフェニックスが応じたことで再びフェニックスの体に憑依し、1億パワーを授ける。しかし、友情パワーを会得したアリステラによってフェニックスと共に敗れてしまう。
超神編では、邪悪五神が持つカピラリアの欠片を全て回収し、これをフェニックスたち知性チームのメンバーに預けていた。世界各地での知性チームと超神の戦い、そしてその後のバベルの塔の試練を受けることも全て彼の計画によるものである。
“理性の神”ことイデアマンと古い友人であったことが明らかにされている。それを聞いたフェニックスはイデアマンのことを変人呼ばわりしている。天界に居た頃に、イデアマンとザ・ノトーリアスに対して「神のさらなる進化のヒントは下界にいる超人にある」と述べていた。
調和の神(ザ・ワン)からは、「奔放すぎるところがあるのは難だが、無意味なことをする神ではない」と評されている。
技巧の神
体の色は灰色(アニメでは水色)。農作業中のパワフルマンに憑依し、キン肉マンゼブラを王位継承候補として擁立する。
ゼブラが敗れた後は、最終決戦において共にフェニックスと合体。ゼブラの神業的技巧を与えることでフェニックスにマッスル・インフェルノを会得させた。
その後、フェニックスの母であるシズ子を抹殺しようとゼブラの姿に変身するが、ラーメンマンのフライング・レッグラリアートによって撃退される。
新シリーズではゼブラにオメガケンタウリの六鎗客を始末するよう依頼。マリキータマン戦の後、ゼブラに刻の神と時間超人のことを教え、時間超人が現れるレバノンのバールベック遺跡へ向かうよう指示している。
残虐の神
体の色は緑色(アニメでは赤色)。戦場で胸を撃たれた直後のソルジャーマンに憑依し、キン肉マンソルジャーを王位継承候補として擁立する・・・までは良かったのだが、試合前の特訓中に残虐チームのメンバー全員がキン肉アタルにあっさりと倒されてしまう。アタルに「奴はどう見ても王の器ではなかったからな」とまで言われてしまい、どう考えても人選ミスである。
超人病院でソルジャーマンが息を引き取る直前に体から抜け出し、フェニックスにリングに立っているソルジャーが偽物であることを知らせる。さらにカラスの姿となって大阪城のキン肉真弓から超人預言書のアタルのことが書かれたページを奪い取る。そのことがアタルの体が消滅することに繋がり、残虐の神の暗躍がなければフェニックスの勝利は無かっただろう。王位継承候補の人選ミスを補って余りあるファインプレーと言えるだろう。
大阪城パノラマリングでの最終決戦では他の邪悪神と共にフェニックスと合体。持ち前の残虐性をフェニックスに与え、キン肉マンの弱った心臓を徹底的に攻撃させ、心停止に追い込む。その後、フェニックスシズ子を抹殺するためにソルジャーマンの姿に変身するが、なぜかジェシー・メイビアのツームストーンドライバーによって撃退される。
新シリーズのオメガ・ケンタウリの六鎗客編では、ソルジャーマンが死亡していたことからキン肉アタルに事の顛末を知らせる形で話を持ち掛ける。アリステラの前に現れたアタルから呼び出されると姿を現し、アタルからの要望に応えてサタンの結界に穴を開け、ブロッケンJrを呼び寄せる。なお、この力を使ったことでしばらくの間は1億パワーを与えられなくなるらしい(アタルはそんなものはいらないと一蹴した)。
強力の神
体の色はピンク色(アニメでは黄色)。開拓者であるストロングマンをそそのかしてに憑依して、キン肉マンビッグボディを王位継承候補として擁立する。ただし、ビッグボディに対してはあまり実情を話さずにとりあえず王位争奪サバイバルマッチに出場させた様子。強力チームの超人たちを正義超人で構成するという謎の行動に出るが、特に意味があったわけでも無く全員マンモスマンに倒された。そのビッグボディも「強力の神にそそのかされて無理矢理出場させられた」と責任転嫁したうえにフェニックスにあっさりと負けてしまう。
その後はフェニックスに協力するようになり、最終決戦ではフェニックスと合体。フェニックスにビッグボディの強力を与える。他の神と比べて貢献度が低い。
その後、ビッグボデぃの姿に変身。シズ子暗殺を謀るが、ウルフマンの居座り投げによって返り討ちにされる。
新シリーズではビッグボディにオメガケンタウリの六鎗客を始末するよう依頼。
超神編では、戒律の神ことランページマンと旧知の間柄であることが明かされている。
飛翔の神
体の色は水色(アニメでは薄紫色)。逃走中の盗っ人ジョージに憑依し、キン肉マンマリポーサを王位継承候補として擁立する。
サバイバルマッチ1回戦でマリポーサがロビンマスクに敗れた後はフェニックスを応援する立場となり、大阪城の最終決戦ではフェニックスと合体。フェニックスにマリポーサの並外れた身体の柔軟さを与え、キン肉マンのマッスル・スパーク攻略に貢献する。
その後、マリポーサの姿に変身し、フェニックスシズ子を抹殺しようとするが、テリーマンのブルドッキングヘッドロックによって倒される。
新シリーズではマリポーサにオメガケンタウリの六鎗客を始末するよう依頼。ペインマン戦の後、マリポーサに刻の神と時間超人の陰謀を伝え、レバノンのバールベック遺跡へ向かわせる。現地でマリポーサが五大刻のパピヨンマンと対戦。圧倒的な差を見せつけられて大苦戦のマリポーサに呼び出される形で姿を見せ、マリポーサと再契約する形で憑依し1億パワーを授ける。だが、マリポーサは最大の技であるアステカセメタリーまでも破られる苦戦が続き、焦ったのか胸に顔を浮かび上がらせるが、神をも恐れぬパピヨンマンに顔を掴まれ、罵倒された挙句にボコボコにされるという屈辱的な目に遭わされてしまう。
「クガッ…グハッ・・・マ…マリポーサよ、早くコイツを止めるのだ!」
流血し、顔面へのミドルキックで鼻がひん曲がるという無残な姿となりながら、口から火を生み出し、マリポーサに捨て身のモクテスマ・ディフェンスを発動する機会を与えるが、結局パピヨンマンの「トゥルーダウンダウンスカイミッション」によってマリポーサ共々KOされる。
なお、マリポーサが体内で着火させようとしたとき、身体を気づかったときで下落していた株をちょっとだけ上げるのだった。だが、試合に負けた直後にマリポーサを置き去りにしてさっさと逃亡したことで結局は株を下げたのだった。結果的に憑依が解けたマリポーサは神の呪縛から解き放たれたのだが。
作中での動向
キン肉星王位争奪編
完璧超人であるネプチューン・キングを倒したキン肉マンの火事場のクソ力が7000万パワーに達し、神の領域に近づいていることを危険視し、キン肉マンの抹殺を計画。24年前のキン肉星大病院での火災事故による赤ん坊の取り違えを根拠として、その時の赤子だった5人の超人(運命の王子)を地球へと送り込み、キン肉星王位継承式に姿を現し、キン肉スグルの大王就任に異議を唱える。
王位継承候補がスグルを含めた6人となったことで開催されたキン肉星王位争奪サバイバルマッチにおいて、それぞれが大王候補として擁立した超人を応援する立場を採るが、キン肉マンと飛翔チームのミキサー大帝の対戦の際に5人の邪悪の神が一時的にミキサー大帝に力を与え、邪悪友情パワーを全開にしてキン肉マンの火事場のクソ力を邪悪大神殿に封印することに成功する。
その後、マリポーサとビッグボディが1回戦で敗れ、準決勝でゼブラが敗れ、ソルジャーは準決勝を前にキン肉アタルによって倒されて入れ替わっていたことが判明。邪悪の神が立てた王位継承候補はフェニックスのみとなる。ソルジャーマンが力尽きる前に脱出した“残虐の神”は、フェニックスに力を貸す立場を採り、超人予言書のページを奪って偽ソルジャー=アタルの正体を暴こうとし、結果的にフェニックスを勝利に導くこととなる。
決勝では、キン肉マンとフェニックスの一騎打ちによる最終戦に突入した際、“知性の神”以外の4人の邪悪の神までもがフェニックスに憑依することで絶大なパワーを与える。結果的にキン肉マンを絶命させることに成功するが、そのとき死んだと思われていたフェニックスの母であるシズ子が大阪城に登場。陰謀を暴露されることを恐れた“知性の神”以外の4人の邪悪の神は、それぞれ運命の王子の姿となりシズ子を抹殺しようとする。しかし、駆けつけた正義超人軍団によって倒される。
残った“知性の神”も、火事場のクソ力の封印が解かれたことで復活したキン肉マンの7000万パワーマッスル・スパークによってフェニックスと共に倒され、邪悪の神の陰謀はここに潰えることとなる。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編
王位争奪戦後、辺境の惑星で開拓作業を行っていたフェニックスの前に“知性の神”が再び現れ、“調和の神”の一派による超人絶滅の野望をフェニックスに告げ、オメガ・ケンタウリの六鎗客の抹殺を命じる。事情が事情だけにフェニックスもこれに協力することを決意。また、フェニックスと同様に邪悪の神からの話を聞いたゼブラ、マリポーサ、ビッグボディも地球に現れ、オメガ・ケンタウリの六鎗客と対峙することとなる。
マリポーサとビッグボディはヘイルマン、ギヤマスターを倒したことで任務を遂行するが、ゼブラはマリキータマンに敗れてしまう。また、フェニックスもオメガの民の当主オメガマン・アリステラの圧倒的パワーの前に苦戦を強いられていた。そこへ“知性の神”がフェニックスの前に出現。再び憑依することでフェニックスに1億パワーを与える。しかし、アリステラの能力によってフェニックスの1億パワーは吸収されてしまい、フェニックスは敗れてしまう。もっとも、このパワーは一時的なものであったため、アリステラは1億パワーを自分のものにするまでには至らなかった。
一方、“残虐の神”はソルジャーマンが死亡していたため、キン肉アタルの前に姿を現し、同じように“調和の神”の野望を教え、アタルにソルジャーマンに代わって協力するように依頼する。フェニックスvsアリステラの戦いが終わった後に姿を現したアタルは、残虐の神を呼び寄せ、大魔王サタンの作った結界の外にブロッケンJr.を出すというアタルの頼みを聞き入れる。
その後、キン肉マンたちと面会したザ・マンの口から邪悪五神もカピラリアの欠片を持っていることが明かされ、彼らが“調和の神”の一派から狙われていることが判明。フェニックスたち4人の運命の王子はこのカピラリアの欠片を持っていることまで聞かされていた様子だが、アタルは“残虐の神”から欠片の話までは聞かされていなかった。
彼らが再び動き出したのは自分たちにとって都合の悪い存在である調和の神の一派(超神)を殲滅するためだった。そのため、利害が一致するキン肉マンたちと共闘する形になる。
なお、改心した運命の王子たちは話を聞いて協力はしているものの、以前のように忠誠を誓っているわけではない。もう二度と彼らに利用されないと誓っており、憑依しないまま戦いに赴いている。
超神編
“調和の神”率いる超神の襲来に対抗するため、五神それぞれが持っているカピラリアの欠片をフェニックスに持たせ、“知性の神”は知性チームのメンバーとビッグボディがそれぞれ超神と対戦するシナリオを描き、超神のうち4人を撃破することで“調和の神”に超人が天界へと昇る資格を与えさせる。
その裏で刻の神と彼が創り出した時間超人たちの動きも察知しており、マリポーサとゼブラに事情を話して、時間超人が拠点にしようとしているレバノンのバールベック遺跡に派遣している。マリポーサが五大刻のパピヨンマンにKO寸前にまで追い詰められると、マリポーサに呼び出された飛翔の神が姿を見せ、再び1億パワーを授けるために憑依している。しかし神と同じ1億パワーを有するパピヨンマンに歯が立たず、マリポーサと共にKOされる。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 完璧超人
- オメガ・ケンタウリの六鎗客
- キン肉マン(アニメ)
- 超人血盟軍
- キン肉マン「超人」(学研の図鑑)
- キン肉マンの登場人物一覧
- オモシロ起源説
- 超人強度
- 超神
- 正義超人
- 悪魔超人
- 運命の5王子
- リアル・ディールズ
- 時間超人
- ス゚パーン
- 残虐超人
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