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邪聖剣ネクロマンサーとは、夜ひとりで遊んではいけないRPGである。
概要
1988年1月22日にハドソンより発売された、PCエンジン待望の初RPG。あのTVCMが記憶に残っている人も多いことだろう。
システムこそシンプルだが、ゲーム中に漂うダークな雰囲気、美麗なグラフィック、血飛沫を上げ絶命する敵、臓物丸出しのデザインなど他のゲームとは一線を画す内容が、当時のコアゲーマーを捉えて離さなかった。当時のRPGといえばドラゴンクエストやファイナルファンタジーなど、子供向けのコミカルな雰囲気のゲームが多かっただけに、グロテスクでリアル志向なネクロマンサーは異質ともいえる存在だった。
反面、プレイ感覚は決して快適とはいえなかった。平仮名カタカナ英字混じりの最大64文字という長すぎるパスワード(当時は外部記憶ユニット・天の声2はまだ存在しない)、強すぎる敵キャラ、高すぎるエンカウント率、さらに攻撃が外れまくるという、調整を放棄したようなゲームバランスでプレイヤーを苦しめた。ダンジョン探索の難しさや進行ヒントが少なすぎる(ほぼない)こともあり、当時クリアできなかった子供は少なくなかった。天空城とかマジ鬼畜。
パーティーは3人編成で、主人公以外は選択式(一度選んだら変更不可)。このステータス振りがかなり極端で、選択した仲間によってはクリアが激しく困難になった。だが、これこそがこのゲームの最大の個性とも言える。
クトゥルフ神話由来のクリーチャーが登場する事も当時話題となっていた。
パッケージは有名なH・R・ギーガー氏のもの。画集「ネクロノミコン」から選ばれた。問い合わせところ使用料50万円ほどと言われ、即決したという(岩崎啓眞氏の取材による)。
「PCエンジンのロンチタイトルにRPGが欲しい」という上からの命令で制作された。ドラゴンクエストII発売(1987年1月26日)直後あたりに開発がスタートしたという。シナリオとモンスター設定は企画会社(辻事務所)が手掛けたという。クトゥルーモティーフは、この企画会社の発案だそうだ。
ちなみに、オープニングに登場してインパクト大の顔があるが、特に意味はなく、本編にも登場しない。
現在はバーチャルコンソール(Wii・Wii U)、ゲームアーカイブス、iOSアプリなどで配信されているほか、2020年発売のPCエンジンミニにも収録される。
主要人物(主人公とそのお供)
*主人公は固定メンバーであり外せない。お供は2人まで選択可能だが、一度選択したら変更は出来ない
- 主人公
癖のない万能型である。 - ライム
魔法使いで、攻撃魔法を得意としている。素早さと攻撃力もそこそこ高いため、アタッカーとしても十分対応出来る初心者向けの鉄板キャラである。彼女をお供に加えるか否かで難易度が大きく変わる。彼女の使えるデミール(聖属性攻撃)は、少ないながらラスボスにダメージを与えられる。 - カオス
ライムと比べて回復・補助系の魔法が得意。素早さの低さが足を引っ張るが、最重要魔法のひとつイーガス(敵の素早さを下げる)は主人公と彼しか使えないため、やはり重要なキャラである。彼もデミールを使える。 - マイスト
器用貧乏気味だが、素早さ(すばやさ)に優れている・・・が、レベルを上げすぎるとオーバーフローを起こし、超鈍足になるという致命的なバグがある。しかもマイストは他のキャラより成長が速いため、普通にプレイしていると確実にこの罠にハマることになる。魔法もそこそこ使えるが、終盤に活躍するような魔法はほぼ使えない。 - バロン
攻撃力が高くタフ。ただし、レベルアップによる素早さ(すばやさ)の値の伸びが悪い。この"すばやさ"とは、互いの攻撃に対する回避率及び、攻撃の命中率などと密接に関わる能力値である。そのため、後半になるにつれ、敵とのすばやさの差が増えていくと、自慢の攻撃が当たらなくなったり、無駄に連続攻撃を受けやすくなったりする(敵がバロンを狙って3回攻撃が発生した場合、バロンが3回殴られるのではなく、仲間に流れ弾が飛んでくるという恐ろしい仕様がある)。ただ、ラスボス相手に主人公以外で唯一攻撃が通るキャラである(当たればの話)。魔法は一切使えない。 - ロミナ
荷物持ち係であり、全体的に弱い。終盤まで戦闘中にやることは、バーンの杖を振るか防御するかだけである。辛抱強く育てると主人公よりやや劣る程度にまで成長する大器晩成型であるが、その頃には「あとはラスボス倒して終わり」になっており、せっかく育った攻撃力を発揮する機会は存在しない(ラスボスには主人公のネクロマンサーしか攻撃が通らないため)。ただ、ゼライガス(迷宮脱出)を使えたり、ラミール(魔法反射)やゼライガス(全体を中回復)といった有用な補助魔法を使えるため、サポート要員としては十分使えるキャラである。
座標バグの発見
近年になって、「宝箱の取得」と特定のイベントにおいて、もう一方のマップでの同座標でも同様にイベントの判定がされるというとんでないバグが発見された。
邪聖剣ネクロマンサーは256×256マスの大きなマップで構成されており、「フィールドマップ」と「ダンジョン・街マップ」の2つにまとめられている。しかし、座標データは共通のアドレスを使用しているため、もう一方のマップでの同座標でも同様にイベントの判定がされてしまうのである。
これにより、(カギが必要なため少し先の街まで頑張って行く必要はあるが)4番目に強い武器のトルースや、最強防具のミゲルアーマー、ミゲルシルドが序盤にして入手出来てしまう。もちろん本来の遊び方ではないが、中盤戦までがかなり快適になることは間違いない。
関連動画
プレイ動画
TAS・RTA
BGM
CMなど
邪聖剣ネクロマンサー NIGHTMARE REBORN(続編)
2009年4月27日、初代の1000年後の世界を描いた続編『邪聖剣ネクロマンサー2』が、携帯電話アプリとして配信された。
その後、アプリ版に更にアレンジを加えた移植版『邪聖剣ネクロマンサー NIGHTMARE REBORN』が、2010年6月16日にDSiウェアとして配信された(なお、ニンテンドーDSiショップは2017年にサービス終了しているが、ニンテンドー3DS内のニンテンドーeショップ内でDSiウェアとして販売が継続されており、2018年3月現在でもプレイは可能である)。
本作のキャラクターデザインは獅子猿氏、音楽は古代祐三氏が担当している。
主要人物(主人公とそのお供)
*主人公は固定メンバーであり外せない。お供はストーリー進行上5人まで増えるが最終的にはディル、マリー、ステビアの固定メンバーになる。
初代ネクロマンサーと違い戦闘は最大4名まで参加でき、メンバーが4名以上の時でも敢えて3名以下で戦闘する事も可能。リザーブメンバーは経験値が半分だけ取得できる。
関連動画
関連商品
備考
関連項目
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