この記事は第587回の今週のオススメ記事に選ばれました! よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。 |
郡上おどりとは、岐阜県郡上市で行われる盆踊り、および一連の祭りの呼称である。日本三大盆踊りの一角で、国の重要無形民俗文化財指定。
郡上おどりの特徴
徳島県の「阿波踊り(あわおどり)」、秋田県の「西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり)」と合わせて日本三大盆踊り(または日本三大民謡踊りとも)に数えられ、白鳥おどりとともに岐阜県屈指の盆踊り祭りとして知られている。さらに、国の重要無形民俗文化財にも指定されており、全国的にも有名なお祭りでもある。
郡上市内で開催される盆踊りは、大きく分けて2つある。1つは郡上市の北部に位置し、平成の大合併以前では白鳥町だった白鳥地区の市街地で開催される「白鳥おどり(しろとりおどり)」と、本記事の「郡上おどり(ぐじょうおどり)」の2種類あり、「郡上おどり」はもっぱら郡上八幡(旧八幡町)の市街地で踊られている盆踊りとその一連の祭りのことを指している。
郡上おどりが踊られるお祭りの日程は、7月13日の郡上おどり発祥祭を皮切りに、全31日間にわたって行われる。その中でも特にメインイベントとされるのは、旧盆の時期にあたる8月13日~16日の4日間開催される「盂蘭盆会(うらぼんえ)」で、この期間は午後8時から翌朝の4時または5時までの8~9時間を休憩一切なしのぶっ通しで歌い踊り続ける「徹夜踊り」が実施され、全国的にも類を見ない大規模の盆踊り祭りとなっている。(ちなみに、白鳥おどりでもこの徹夜踊りが実施されている。)
そして、おどり祭り最終日に当たる「おどり納め」(9月7日開催)では、深夜23時から屋形送りと提灯行列が開催されている。
なお、開催時間帯は全て夜間~深夜または翌日明朝までとなる。また、台風が直撃しようとも洪水警報が発令されても命の危険がない限りは必ず雨天決行となる。そのため、中止になった前例はほとんどない。
しかし、全面中止になってしまった年が1度だけあり、その年が2020年開催の郡上おどりである。中止理由としては、全国で猛威をふるっていた新型コロナウイルスの拡散に懸念したためである。この全面中止は、主催する郡上おどり運営委員会及び郡上おどり保存会設立以降史上初となった。ちなみに並行して開催される白鳥おどりも中止が決まった。[1]
その後新型コロナに一応の収束が見えたという事で2023年から制限無しの全面開催。それまでは約半分の17夜に制限しての継続が続いていた。感染対策として人が密集しないように踊り会場を以前より広く取られ、案内所を設けて検温・消毒が出来るようになっている。
郡上おどりは全10種類のおどりと唄があり、これらを約20分間隔で複数組み合わせて踊り続けられている。ちなみにおどり最後の演目は必ず「まつさか」と決まっており、これを踊りきってお祭りの日程は終了となる。
郡上おどりの歴史
郡上八幡博覧館の展示資料および、郡上八幡観光協会公式サイト掲載の「郡上おどり大百科(郡上おどり保存会監修)」によると、郡上おどりの起こりは現在もあきらかになっていないが、一説によると今から400年以上前の戦国時代の末には、念仏おどりや風流おどりが郡上に伝わり、庶民の間で郡上おどりの原型となる盆踊りが踊られていたとされている。
江戸時代のはじめ、徳川家光が将軍だった時代には、初代郡上藩主 遠藤慶隆(えんどうよしたか)が郡上藩の領民の融和と心の安定、平和を楽しむことを図るために、庶民に盆踊りを踊ることを奨励した。そして、郡上八幡城と城下町の整備を推進するとともに、郡上藩領内でバラバラに行われていた盆踊り祭りを全て郡上八幡城下町に会場を集結させ、一元化させた。これが現在の郡上踊りの一連の祭りの原形態になったとされる。当時の庶民は娯楽が少なかったため、これをきっかけとして唯一楽しめる娯楽として郡上おどりが急速に発展していった。その後、郡上八幡城の城主が青山氏に代わってからは、第10代藩主の青山幸道(あおやまよしみち)が踊りをさらに奨励したため、ますます発展を遂げていったのであった。
江戸時代当時の郡上おどりの人気は庶民のみならず、武士にも人気の娯楽として親しまれていた。そのあまりの人気ぶりの為か、「家臣およびその家族はおどりに行くことを禁ずる」という内容が書かれたお触書「城番年中行事」(1820年)が出されるほどであった。また、当時の郡上おどりは若い者たちにひやかされ、混ぜられるということが公然と行われていたとされている。さらに、恋の逢瀬の公認の場として女性にも人気の娯楽でもあった。
また、郡上八幡には旅芸人も多く訪れ、数々の口説き唄や芸能が伝えられ、郡上おどりの中にも取り入れられていった。これが郡上おどりの種類の多さのルーツとされている。
幕末には、郡上おどりの七大縁日が制定され、7月16日開催の「八坂神社天王祭」、8月1日開催の「大乗寺三十番神祭」、8月7日開催の「洞泉寺弁天七夕祭」、8月14日~16日開催(現在は13日~16日)の「盂蘭盆会」、8月24日開催の「桝形地蔵祭」とされた。
明治時代に入ると、欧化政策の影響で郡上おどりの禁止令が一時出されてしまうが、1922年(大正11年)に「郡上おどり保存会」が発足し、郡上おどりの良さを今に伝承し続けている。また第二次世界大戦中は、戦没者慰霊の目的で踊ることが例外的に認められ、玉音放送のあった数時間でさえ、憔悴しきった人たちの中から郡上おどりの囃子唄を唄い始める者が現れ、自然とおどりの輪が形成されていったとされている。
そして1973年(昭和48年)、国の選択芸能(無形文化財)に選定され、1996年(平成8年)に国重要無形民俗文化財に指定され、今日まで踊り続けられている。
郡上おどりの演目と歌詞
郡上おどりの演目と歌詞は「郡上節」という郡上に伝わる民謡をもとにして作られている。全10種類の演目があり、さらに一部の演目で特定の縁日限定で唄われる歌詞のバージョンもある。郡上おどりはこれらの演目を約10分~20分の間隔で組み合わせて、ノンストップでおどり続ける。
唄い手は常時2人以上おり、お囃子は下記掲載の歌詞の中から一部を抜き出して唄う。唄う方法は、1人が唄って続いてあとからもう1人が復唱するように唄う。そしてさらに、楽器の弾き手や踊り手が掛け声をかけて場を盛り立て、盆踊り祭りらしさを演出している。
記事では歌詞全編を掲載するが、お祭り本番では上から順番通りに全て唄うことはほとんどないので要注意である。
古調かわさき
郡上おどりの全演目の中で最も歴史のある演目。全演目の中で比較的序盤の時間帯におどることが多い。後述の「かわさき」の元となった演目で、博覧館の展示資料によると、農作業の動きをイメージした振り付けとなっている。また、「かわさき」と違って華やかな音楽を一切使わず、「アッーソーレンセッ!」という掛け声とともに下駄の音と手拍子一拍のみで踊っているため、おどりのリズムも素朴で哀調を帯びている。歌詞も庶民の生活や仕事に根差したものが取り入れられ、郡上の純朴な人情と風俗に似つかわしい踊りとなっている。
実際のおどりの様子→郡上おどり「古調かわさき」
歌詞
若い娘と新木の舟は 人が見たがるのりたがる
どんなことにもよう別れんと 様も一口ゃ云うておくれ
盆にゃおいでよ初い孫つれて 郡上おどりも見るように
踊りつかれてはや夜が明けた 何の話もできなんだ
おらが若いときゃ五尺の袖で 路の小草もなびかせた
植えておくれよ畔(あぜ)にも 田にも畔はかかまのしんがいに
泥で咲かした此のかきつばた 活けて根じめを見て欲しい
気立て良けリゃと云うたこた云うたが されどご器量が気にかかる
人を泣かせリやまた泣かされる 共に泣いたり泣かせたり
藪や茨がありゃこそよかれ 薮の小陰ものや殿ま
歌は歌やれ話はおきゃれ 話ゃ仕事の邪魔になる
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
かわさき
郡上おどりの演目の中で、もっともメジャーでポピュラーなおどり。テレビなどでよく紹介されるおどりがこの「かわさき」で、郡上おどりの看板メニューのような存在となっている。
「古調かわさき」と違って、笛と太鼓を基調とした華やかな音楽と歌詞、振り付けが組み込まれており、10種類の演目の中でもっともエレガントで盆踊りらしい雰囲気のおどりである。
郡上おどり大百科や博覧館展示資料によると、1914年(大正4年)に共進会(現在の万博博覧会にあたる)が開催され、その中で郡上おどりが披露された。この時に「古調かわさき」を元に新しいおどりを発明する動きが広まり、歌詞を一般募集したり、メロディを新しくしたり、振り付けを現代風にアレンジした。そこで生まれたのがこの「かわさき」である。こちらも比較的序盤~中盤の時間帯におどることが多い。また本番のおどりでは、「ほい~!」や古調かわさきと同じく「アーソーレンセー!」と掛け声がかけられ場を盛り立てる。
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歌詞
祭り見るなら祖師野の宮よ 人を見るなら九頭の宮
踊らまいかよ祖師野の宮で 四本柱を中にして
めでためでたの青山様は 菊の御紋に葉も茂る
わかれわかれて歩いておれど いつか重なる影法師
散ると心に合点はしても 花の色香につい迷う
わしが出しても合わまいけれど 合わぬ所はごめなさリょ
山に抱かれて流れに沿うて 踊る絵の町歌の町
わしの心と向かいの山は ほかに気はない松ばかり
うたいなされよ向いのお方 歌でご器量は下がりゃせぬ
歌でご器量がもしいち下がリゃ 時の相場で上げてやる
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
春駒
こちらも郡上おどりでメジャーな演目の1つ。リズミカルでテンポのある振り付けと音楽が特徴的で、初心者でも覚えやすいおどりとなっている。博覧館の展示資料によると、春駒は越前からのサバ売りのお囃子からきた「さばおどり」が前身だと考えられている。また、郡上藩では馬の飼育が奨励され、良馬を集めた「土用の毛付市」は当時としてはかなりの賑わいを見せていた。お囃子とともにかけられる「七両三分の春駒」の掛け声は、良馬を誉められた喜びを表している。
歌詞
駒は売られていななき交わす 土用七日の毛付市
様が様なら私じゃとても かわる私じゃないわいな
おさば押せ押せ下関までも おさば港が近くなる
思うことさえ言われぬ口で 嘘がつかれるはずがない
様が草場のきりぎリすなら 私しゃ野山のほととぎす
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
三百(三百踊)
10種類ある演目の中で、トリッキーな振り付けと少し踊りにくい変拍子が組み込まれているおどり。郡上おどり大百科によると、1759年(宝暦9年)6月に藩主として青山幸道が入部。幸道は宝暦騒動で疲弊しきった藩内を見て、長途の労をねぎらって、身分に関係なく300文ずつ与えたと言われている。これを受けて領民たちは思わず地踊りを披露。その地踊りをもとにしたのが、三百である。
櫓では「三百踊」の名称で演目名の掲出が行われる。
歌詞
今年始めて三百踊り おかしからずよ他所の衆が
おらが若い時ゃチョチョラメてチョメて 薬鑵(やかん)かけるとてびくかけた
買おておくれよ朝鮮ベッコウのかんざしを 村でささぬはわしゃ一人
てっかりてっかりてっかリと 金のようらく下げたよな
竹の切株ちゃ酒天童子(しゅってんどうじ)のしょんべんけ 澄まず濁らず出ず入らず
わしがだいても合わまいけれど 合わぬところはごめなさりょ
今年しゃ何んでもかんでも嫁入りせにゃならぬ 同じすること楽にする
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
ヤッチク(やっちく)
「アラヤッチクーサーサー♪」の掛け声とともに軽快な下駄のリズムで踊る演目。10種類の演目の中で一番単純な振り付けのおどりで、初参加の人でもすぐに覚えやすいおどりとなっている。また、歌詞のバリエーションが全演目の中で一番多く、「宝暦義民伝」、「凌霜隊伝」、「参拝場所づくし」、「鈴木主水」、「白井権八・小紫」の5種類がある。さらに、「宝暦義民伝」と「凌霜隊伝」は上・中・下の巻にそれぞれ分かれている。郡上おどり大百科によると、ヤッチクは江戸時代末期の旅芸人から取り入れたおどりで、中でも8枚の竹片を打ち鳴らしながら、「鈴木主水」や「八百屋お七」を哀調込めて唄いまわったものが踊り化されたのだと言われている。
歌詞
~「宝暦義民伝」上の巻~
わしがチョイト出てべんこそなけれど 私ゃ郡上の山中家に住めば
お見かけどおりの若輩なれば 声も立たぬがよ文句やも下手よ
下手ながらもひとつは口説く 口説くに先立ち頼みがござる
下手な音頭さんはお囃子たより やっちくやっちくさとお囃子たのむ
これは過ぎにし其の物語り 聞くも哀れな義民の話し
時の幕府のお奏者役で 派手な勤めに其の身を忘れ
哀れなるかな民百姓は あれもこれもと課税がふえる
わけて年貢の取りたてこそは いやが上にも厳しい詮議
下の難儀は一方ならず かかる難儀に甚助殿は
責めたあげくが穀見ヶ原で 哀れなるかな仕置ときまる
名をば連ねて願い出すれど かなうどころか詮議は荒く
北濃一なるアノ那留ヶ野に 心ある衆は皆集まれと
事の次第が記してござる
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「宝暦義民伝」中の巻~
時が来たかよ三千余人 蓆旗やら竹槍さげて
待った待ったと人押し分けて 中に立ったは明方村の
皆に図れば大勢の衆が 我もわれもと心は一つ
わけて気強い三十と余人 道の難所と日数を重ね
やがて着いたのが品川表 されど哀れや御用の縄は
疲れ果てたるその人々を 一人残らず獄舎に繋ぐ
ごまの蝿やら悪者どもに すでに命も危ういところ
かくて五人はその場を去らず 不浄縄にといましめられて
長い間の牢屋の住まい 待てど暮らせど吟味はあらず
箱訴なさんと 出立間際
~「宝暦義民伝」下の巻~
~「凌霜隊伝」上の巻~
先ずは朝廷へ恭順いたし 残る不安を使者差し立てて
選び抜かれし十五の藩士 文武すぐれて血気の盛り
お家の大事と幕府の恩義 報いられるは一筋なるぞ
祝う御神酒で心をかため
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「凌霜隊伝」中の巻~
なおも突き来る一団めがけ 凌霜・貫義の隊士がいどみ
西出丸では防塁築き 白虎隊士と励まし合いて
かくて篭城やむなき次第 あとに残りし三十六士
猪苗代へと謹慎される
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「凌霜隊伝」下の巻~
捕えられたる身に雪つもり 深手の隊士を六人残し
不浄縄にていましめられて 囚人駕篭へと乗せられまして
そこで又もや揚屋入りと 科人なみのョきびしい責め苦
一同観念したことなれど 身内の面会許されもせず
これを見かねて近郷の僧侶 慈恩寺様へと集まり来たり
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「参拝場所づくし」の巻~
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「鈴木主水」の巻~
音にきこえし橋本屋とて あまた女郎衆のあるその中に
お職女郎の白糸こそは 年は十九で当世そだち
子供二人はだてには持たぬ 十九や二十の身じゃあるまいし
人に意見も言う年ごろに やめておくれよ女郎買いばかり
連れて逃げるか死情(しんじゅう)するか 二つに一つの思案とみえる
何んの小癪な女房の意見 己が心で止まないものを
それが否なら子供を連れて そちのお里へ出て行かしゃんせ
いでて行くのが女郎買い 姿あとでお安は聞く悔しさと
いかに男はわがままじゃとて 死んで見しょうと覚悟はすれど
二人の子供につい引かされて 死ぬにゃ死なれず嘆いておれば
五つなる子がそばへと寄りて これさ母さんなぜ泣かしゃんす
坊が泣きます乳くだしゃんせ 言えばお安は顔ふり上げて
どこも痛くて泣くのじゃないが 幼なけれどもよく聞け坊や
あまりとと様身持ちが 悪い意見いたせば小癪なやつと
たぶさつかんで打擲なさる さても無念な夫の心
どうせ女房の意見じゃ止まぬ さればこれから新宿町の
女郎衆頼んで意見をしよと 三つなる子を背中に背負い
五つなる子の手を引きまして 出てゆく姿のさも哀れなる
日々のお勤めをおろかにすれば 末は御扶持に離れるほどに
三度来たなら一度は上げて 二度は意見をして下しゃんせ
言えば白糸ことばに詰まりわしは 勤めの身の上なれば
女房持ちとは夢にも知らず ホンに今まで懇ろなれば
ついにその日は居つづけなさる 待てど暮らせど帰りもしない
扶持も何にも召し上げられる後で お安は途方に暮れて
扶持に離れて長らくおれば 馬鹿なたわけと言われるよりも
幼な心でたゞ泣くばかり
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「白井権八・小紫」の巻~
あまたの船頭さんに取りかこまれて すでに危きその折からを
これさ若様侍様よ知って 泊りか知らずにいてか
なをも仕官の望もあらばいと まごいして立たんとすれば
今宵当所にお泊りあれと すすめられども権入殿は
大小指す身がそれしき事で 恐れ泊らば世間の人に
憶病未練の侍なりと 長く笑われ恥辱の種よ
されば若衆の手並を見んと 後に続いて長兵衝こそは
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
げんげんばらばら(げんくばらし)
江戸時代の御殿女中の手まり遊びがそのまま踊り姿となった演目で、着物の手元をたぐる優雅なしぐさが見どころのポイントである。歌詞の元ネタは郡上に伝わるわらべ歌や糸引き歌からきている。郡上おどり大百科によると、演目名の「げんげんばらばら」の由来は雉子の鳴声ケンケンと、羽根をばたつかせる音から「ケンケンバタバタなぜ鳴くね、親がないか子がないか」というわらべ歌からきている。
なお、櫓では演目名が「げんくばらし」と掲出される。また、本番のおどりでは「あーどっこいしょー!」と掛け声がかけられる。
歌詞
助けてあげるが何くれる 千でも万でも上げまする
器量がよいとてけん高ぶるな 男がようて金持ちで
はー立つ立つづくしで申すなら、
まらが立ったら 褌やぶれて損が立つ、
十二月のことなれば 借金とりが門に立つ
さらしの手拭い肩にかけ 小ぬか袋を手にもちて
抜かれた私の身が立たぬ
嫌ならいやじゃと云やしゃんせ 相談づくの事なれば
ほかに云わせる人がある
はー駕籠で行くのはお軽じゃないか わたしゃ売られて行くわいな
後からつけ行く定九郎 提灯バッサリ闇の中
はー十四の春から通わせおいて 今さらいやとは何事じゃ
向かいの丁稚が庭はこが 隣りのばあさん火を焚こが
そのわけ聞かねばいのきゃせぬ
近所あたりの子供衆に 一文二文と買い取られ
わしほど因果な物はない
はーおぼこ育ちのいとしさは
しめた帯からたすきから ほんのりこぼれる紅の色
燃える思いの恋ごころ かわいがられた片えくぼ
私しゃ夢みるすねてみる
西を向いても宿はなし 東を向いても宿はなし
かならず帰ると思うなよ 申しかかさんそりゃ無理よ
母のおうせをこうむりて 神室(かむろ)の宿で名も高き
げんげんばらばら何事じゃ 髪は文金高島田 私しゃ花嫁器量よし
赤いてがらはよけれども
ものが言えない差し向かい あなたと呼ぶも口のうち
皆さんのぞいちゃいやですよ
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
猫の子(猫比子)
全10種類の中では一番可愛らしいおどりをするのがこの「猫の子」で、櫓に掲載される名称では「猫比子」と表示される。郡上おどり大百科によると、郡上では農家の副産業として養蚕業が盛んでした。蚕を食い荒らすネズミ退治のために猫が飼われ、大切にされてきました。このおどりでは、その猫のしぐさや所作をマネし、若い衆が踊りに飽き足らないで即興的に歌い踊ったのが始まりと言われている。
本番のおどりでは、「にゃーーん!」や「Fooooo!」など猫をマネた掛け声がかけられる。また、唄い手も一番試される演目でもあり、唄い始めの「ニョーホォーー」という枕詞で常人とは思えないほど長く伸ばして唄うことがあり、これに合わせて先述の掛け声がかけられて一層場を盛り立てる構図となっている。
歌詞
桑もよう咲けお蚕もよかれ 若い糸引きょ頼まずに
思って来たのにこの戸が開かぬ 憎や板戸の掛け金が
憎や板戸の掛け金よりも 掛けた婆さの気が憎や
てっかりてっかりと 金のようらくさげた様な
よせばよいのに舌切り雀 ちょいとなめたが身のつまり
元まで入れて 中で折れたらどうなさる
一夜御座れと言いたいけれど まんだかかまの側で寝る
なんと若い衆よじゃけらはおきゃれ じゃけらしてから子ができた
よそへ踏みだしはばかりながら 音頭とリます御免なさりょ
桑の中から小唄がもれる 小唄聞きたや顔見たや
おもて四角で心は丸い 人は見かけによらぬもの
腰のひねりで気が行くなれば 筏流しは棹ささぬ
金が持ちたい持ちたい金が 持てば飲みたい着てみたい
よくも付けたよ名を紙入れと ほんにあるのは付けばかり
一合の酒も口でうつせぱ二合となる
好きと嫌いと一度にきたら 箒立てたり倒したリ
一つことばか面白ないで 品をかえてはやろまいか
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
さわぎ
全10種類の中で中盤~終盤にかけておどることが多い演目。お囃子に字余り唄があることが特徴的である。郡上おどり大百科によると、元禄時代に流行した騒歌(さわぎうた)を基にしたおどりで、遊里で三味線や太鼓を使って賑やかに唄ったものが旅芸人を介して郡上に伝わり、座敷商人の余興の歌として定着したとされる。おどりでは三味線や太鼓を用いることはないが、下駄の音と手拍子で場を盛り立ててくれる。
歌詞
~本唄~
~字余り唄~
それでも浮気の止まない時は 宗十郎の芝居じゃないが
あんどの陰から ひゅうひゅらひゅうと化けて出る
落ちて死んでも二人連れ
文を書く法名を書く筆の軸
ござるたんびに
澄まず濁らず出ず入らず
瀬田の唐橋
呑まずに食わずにトツテンヵッテン
たたいて延ばして持て来てかぶせた唐金擬宝珠(ぎぼし)
声が出ない時きゃ
水がないので命がけ
郡上おどりに来年来るやら又来ないやら
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
甚句(郡上甚句)
全10種類の中で終盤におどる演目で「まつさか」をおどる前に一度だけおどることが多い。櫓では演目名が「郡上甚句」と掲出される。郡上おどり大百科によると、「甚句」という盆踊り歌は「地の句」が訛ったものと言われており、その地方で唄い継がれたものを指している。また、江戸時代末期に流行した相撲甚句も影響し、もともと地相撲が盛んだった郡上でも盛んに唄われるようになった。
本番のおどりでは、「あ~どっこいどっこい!」と相撲甚句のニュアンスが入った掛け声がかけられる。
歌詞
相撲にゃなげられ女郎さんにゃふられ どこで立つ瀬がわしが身は
小田のかわずは身にあやまりがあるか 両手をついて鳴く
ついて行きたい送りに出たい せめて御番の札所まで
西の山から東の山へ おまえたずねて北の山
他所へふみ出しはばかりながら 音頭とりますごめなさりょ
よその若い衆かよう来てくれた 裾がぬれつら豆の葉で
お前一人か連れ衆はないか 連れ衆あとから駕篭で来る
いやなお方の親切よりも 好きなお方のやぼがよい
せかずとお待ちよ時節がくれば 咲いてみせます床の梅
今年ゃこうでもまた来年は こうもあるまいなよ殿ま
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
まつさか
全10種類の演目で一番最後におどるのがこの「まつさか」である。一番最後におどるため、他の演目に比べてかなり単調な節回しとサッパリとした振り付けとなっている。郡上おどり大百科によると、江戸時代に盛んに行われていた伊勢参りで、伊勢古道の木遣音頭が郡上に伝わったものが「まつさか」とされる。「まつさか」にも4種類の歌詞があり、それぞれ特定の縁日でしか唄われない歌詞がある。
また本番のおどりでは、「ハイッハイッ!(ホイッホイッ!)」、「アイヨーヤーマーヤートセー!」と掛け声がかけられる。
歌詞
~「名所案内」~
ヨーホイ モひとつショ 合点と声が掛るなら 是から文句に掛りましょ
下手な音頭も囃子から おはやし頼む総和様
三百年の昔より 士農工商おしなべて
人の心をそのままに いつしか唄となりにける
訪ねる人の数々に いざや探らん道しるべ
のどかなる 野の那留石の
いでそよそよと立ちし名の 浮きて流るるあさが滝
ひかれて舟に棹させば 浮世の塵もいつしかに
踊りと歌で町の名も 広く聞こえて栄えゆく
里の皆衆も他所の衆も 音頭手拍子うちそろえ
これぞ真に総輪様 永く伝わるこの里の
郡上おどりの誉れをば 万代までも伝えなん
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「歌でお城を」~
お開きなされよ皆の 衆歌の殿様常縁が
文武すぐれしわが東家 勅撰集に名をつらね
その名天下に聞こえたり 戦乱続き消えかけし
五山文学あればこそ 殊に七代常縁は
常に列して名は高し 時に関東に乱起り
痛く嘆きて歌一首 亡父追善法要に
開く者胸をうたれけり 妙椿これを伝え聞き
心はかよう歌の道 敵とはいえど常縁の
ついに一矢も交えずに 十首の歌と引き換えに
郡上の領地返しけり かくて再び常縁の
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「宗祇水」~
九十四年の生涯は ひたすら励む歌の道
宗祇法師も都から 文明二年はるばると
励む三年の功なりて ついに奥義の秘伝うけ
常縁これを見送りて 別れを惜しむ小駄良川
心をこめし餞の歌の 真実は今もなお
奏でつづけるうれしさよ 讃えつづけるゆかしきよ
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
~「およし物語」~
お上の評定ありけるが あまた娘のあるなかに
年は二八か二九からぬ 人にすぐれし器量よし
何んにたとえんものもなし 親子は思案にくれ果てて
泣くばかりなる有様も お上の御用と聞くからは
ことわるすべもなく 涙そこでおよしはけなげにも
静かに立ちし姿こそ 霜におびえぬ白菊の
神々しくも見えにける すでに覚悟の一念に
先立つ不幸許してと あとは言葉も泣くばかり
これが今生のお別れと うしろ髪をばひかれつつ
一足行っては振り返り 二足歩いて後戻り
どうぞ立派な最後をと 口にはいえず胸のうち
ただ手を合わすばかり なりかくては時もうつるとて
露と消えゆく人柱 この世の哀れとどめける
これぞおよしのいさおしと 伝え聞いたる人々は
(歌詞の出典:郡上の映像(Gujo.com))
郡上おどりの開催日程
郡上おどりは、7月中旬~9月上旬までの全31日間行われ、時間帯は平日と日曜日が午後8時から午後10時30分、土曜日が午後8時から午後11時、8月12日に行われる「納涼祭」のみ午後7時30分から午後9時30分、徹夜踊りのある「盂蘭盆会」は午後8時から翌朝4時または5時までとなっている。また踊る日によって、趣旨・目的と祀る対象が変わってくる。また、おどり会場も日によって決まっており、ここでは、それについて詳しく解説する。
縁日の名称と開催日一覧
※見出しの日付は2019年の開催日程
郡上おどり発祥祭(7月13日開催)
全31日間のトップバッターを務め、郡上おどりシーズンの始まりを告げる祭りとして知られている。また、本祭の他におどり流しが行われる。
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犬啼水神祭(7月14日開催)
「犬啼水神」と呼ばれる地蔵菩薩2体を祀ったお祭り。この地蔵は、1955年に市街地の東にある犬啼谷で上水道の貯水槽工事を行っていた際にたまたま出土したもので、地元の人に水の神様として大切に祀られている。当日は発祥祭と同じく郡上八幡旧庁舎記念館前でおどりが行われる。
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八坂神社天王祭(7月16日開催)
郡上八幡北部、城山トンネル付近に鎮座する八坂神社を祀ったお祭り。前述の七大縁日の一角でもある。この八坂神社は祇園社とも呼ばれ、郡上八幡城の鬼門の方角の護り神として重要な役割を果たしている。
お祭り当日は、神社や向かう路地などが灯ろうでライトアップされ、幻想的な雰囲気を演出してくれる。
なお、おどり会場は神社境内ではなく、上殿町の一画を封鎖しておどりが行われる。
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下柳町 神農薬師祭(7月20日開催)
吉田川に架かる橋の1つである新橋の北詰口に鎮座する薬師如来像、神農薬師を祀るお祭り。現地の案内板によると、神農薬師はその昔、市島林組の富豪だった治左ェ門方に立ち寄った一巡礼(いわゆる「お遍路さん」のこと)が手厚いおもてなしを受けたお礼として薬師如来像を置いて立ち去ったのが本像の由来とされる。
おどりは発祥祭と同じ郡上八幡旧庁舎記念館前で行われ、神農薬師からはちょうど橋を渡った場所にある。
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常磐町 電気地蔵祭(7月21日開催)
郡上八幡の電気を司るという全国的にも珍しい地蔵菩薩像、電気地蔵を祀るお祭り。かつては郡上八幡旧庁舎記念館の裏手にある常磐町(現在は八幡町島谷)の細い路地を封鎖しておどりが行われていたが、現在は郡上八幡旧庁舎記念館前で行われている。なお、この祭りが旧庁舎記念館前でおどりが行われる最後の祭りとなる。
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毛付市・赤髭作兵衛慰霊祭(7月27日開催)
郡上八幡城に伝わる伝説の1つ、「力石伝説」の立役者となった赤髭作兵衛を祀るお祭り。伝説の内容については郡上八幡城の記事に掲載されているため、そちらを参照のこと。また、毛付市はかつて行われていた「土用の毛付市」(良馬を集めて売り出す市場のこと)の名残で、27日と28日の2日間にわたって開催される。
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毛付市・岸劔神社川祭・凌霜隊慰霊祭(7月28日開催)
郡上おどりの一連の祭りの中で、唯一三祭同時に開催される。おどりは城山公園で行われる。岸劔神社川祭は、郡上八幡城の城山ふもとにある岸劔神社を祀るお祭りである。およしちゃんによると、神社の起こりは平安時代にまでさかのぼり、気良の里(現在の明宝)にあった白山神社の御神体となる宝剣が大雨によって流されてしまい、それが偶然にも吉田川の郡上八幡直下の川岸の岩場引っかかっているを当時の人が発見。これがきっかけとなり、岸劔神社が付近に建立され、郡上の人たちの信仰の対象となったのであった。明治時代には社殿を宮ヶ瀬橋北側から城山公園に遷宮し、現在の位置となった。
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岸劔神社川祭では、おどりの他に日中はかかり岩で神事が執り行われ、夜には大神楽が行われる。
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そして、凌霜隊慰霊祭は幕末に活躍した「凌霜隊」を慰霊するお祭りで、幕府軍と新政府軍の間で勃発した戊辰戦争で、会津の鶴ヶ城(会津若松城)救援を目的に、郡上藩士の朝比奈茂吉をリーダーとして結成されたのがこの凌霜隊である。凌霜隊は白虎隊とともに会津の守備を任され、新政府軍と戦った。
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慈恩禅寺弁天祭・乙姫水神祭(7月30日開催)
この日も二祭同時に行われる。慈恩禅寺は郡上八幡の市街地南部に建立された臨済宗妙心寺派のお寺で、お祭りではお寺に鎮座する弁財天が祀られる。おどりの他に、お寺では夜間に弁財天のご祈祷を受け付けたり、お寺の名物である「てっ草園」をライトアップし、夜間特別拝観の受付を行う。
乙姫水神は、吉田川の支流の乙姫川にいるとされる水神様で、お祭り当日は特設の神楽屋台が設置される。
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大乗寺三十番神祭・小中学生郡上おどり発表会(8月1日開催)
8月に入って最初の郡上おどりのお祭り。七大縁日の一角で、郡上八幡城のほぼ西側に位置する日蓮宗のお寺、大乗寺のお祭り。大乗寺では三十番神を祀っており、この日はその三十番神に対しての縁日である。当日は午後8時からのおどりのほか、午後7時から郡上の小中学生による郡上おどり発表会が行われる。
おどり会場:本町(→地図で見る)
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山内一豊夫人 千代の夕べ(8月2日開催)
山内一豊の妻である千代の功績を讃えたお祭り。千代は、郡上八幡城の始祖で遠藤慶隆の祖父にあたる遠藤盛数(えんどうもりかず)の娘という有力説があり、郡上八幡城でも千代に関する資料が展示されていたり、城山公園に山内一豊とともに銅像が建てられている。当日はその銅像の前でおどりが行われる。
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およし祭(8月3日開催)
郡上八幡上に伝わる伝説「人柱およし伝説」に登場する女性、およしを慰霊するお祭り。およしは、郡上八幡城を改修する際に人柱となったとされる女性で、詳しい内容については郡上八幡城の記事を参照のこと。当日は城下町プラザ向かいに特設の神楽が設置される。
さらに、この日だけ最後の「まつさか」の囃子唄が「およし物語」バージョンとなり、一味違ったおどりを楽しむことができる。
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城山地蔵祭(8月4日開催)
別名「賽河原地蔵菩薩」とも呼ばれる城山地蔵を祀るお祭り。郡上おどりの全会場の中で一番小さな路地で行われる。
おどり会場:大手町(→地図で見る)
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宝暦義民祭(8月5日開催)
1754年(宝暦4年)に発生した宝暦騒動(郡上一揆)の義民を慰霊するお祭り。宝暦騒動は、当時の藩主だった金森頼錦(かなもりよりかね)が幕府の奏者役による出費で年貢増徴策を打ち出すが、その負担に耐えかねた庶民が蜂起したという騒動である。この騒動により頼錦は改易されてしまい、お家断絶となった。
お祭り当日では、演目の「ヤッチク」の囃子唄が「宝暦義民伝」バージョンにチェンジ。このバージョンはこの日の踊りでし聴けないので必聴である。
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洞泉寺弁天七夕祭・郡上八幡城下町花火大会(8月7日開催)
七大縁日の1つで、この日から「盂蘭盆会」最終日まで郡上おどりのお祭りは毎日開催される。郡上八幡城の西側、宗祇水から小駄良川を渡った先にある浄土宗のお寺で、慈恩禅寺と同じく弁天像を祀る。毎年旧暦の七夕に開催され、当日はその弁天像が特別に御開帳される。
また、これに並行して郡上八幡城でも花火大会が行われる。この花火大会は全国的にも珍しく、天守のある山の頂上から打ち上げられるため、お城のライトアップと打ち上げ花火の見事なコラボレーションが楽しめる。さらにおどりながら鑑賞できるため、2つのイベントを同時に楽しむことができる。
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なお、この日は城山公園全体が日中から交通規制がかかるので、お城の頂上駐車場に駐車する際は規制開始時間に要注意である。
さらに、2019年開催では関連イベントとして「小駄良川イルミネーション」が開催された。
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おどり会場:本町(→地図で見る)
越美南線開通記念祭・郡上市人権の夕べ(8月8日開催)
旧国鉄路線の越美南線(現在の長良川鉄道線)の開通を記念したおどり祭りで、郡上八幡の玄関口である郡上八幡駅前でおどりが行われる。また、合わせて郡上市人権の夕べが併催される。
秋葉祭(8月9日開催)
郡上八幡城から南西方向、ちょうど郡上八幡駅とお城の中間の距離に位置する今町でのおどり祭り。通りの一画を封鎖して行われる。ちなみに秋葉祭は8月11日に下日吉町でも行われる。
おどり会場:今町(→地図で見る)
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恵比須祭・個人おどりコンクール(8月10日開催)
今町よりもさらに西側に位置する新栄町のおどり祭り。この祭りでは、並行イベントとして中日新聞社共催の「個人おどりコンクール」が開催され、コンクール出場者たちがこれまで磨き上げてきたおどりを披露して優勝を目指す。コンクール終了後は一般も参加できる通常のおどり会場となる。
おどり会場:新栄町(→地図で見る)
秋葉祭・嵐璃橘之丞慰霊祭(8月11日開催)
2つ行われる秋葉祭のうちの1つ。火防の神様である秋葉三尺坊大権現(通称:秋葉様)を祀るお祭りで、こちらは下日吉町主催となる。また、日吉町出身の歌舞伎役者である嵐璃橘之丞(あらしりきのじょう)の慰霊祭が合わせて開催される。
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納涼祭(8月12日開催)
「郡上八幡まちNET」が主催するおどり祭り。もともと8月12日には郡上おどりのお祭りは存在してなかったが、郡上おどりの人気ぶりを受けて町の有志がお祭りを企画。「盂蘭盆会」前日にもかかわらずおどり祭り開催が実現した。お囃子は「八幡おはやしクラブ」のメンバーが担当する。
2018年開催の納涼祭では、さくらももこ監修のキャラクター、GJ8マンもおどりに参加した。
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盂蘭盆会(8月13日~16日開催)
郡上おどりの一番のメインイベント。七大縁日の一角でもあり、通称「うらぼん」と呼ばれる。4日連続で行われ、この期間だけ「徹夜おどり」が行われる。「徹夜おどり」は、午後8時から開始して翌朝4時また5時まで休憩一切なしのぶっ通しで唄い踊り続けるイベントで、これを休まず完走することが郡上おどりの一番の醍醐味となっている。(ただし、おどりの輪とお囃子自体がノンストップという意味なので、ムリだと思ったらサッと輪から退出して適度に休憩したり、途中で止めて帰宅することは各自自由である。また、完走することは強制されてないのでこれから参加する方は安心してよい。)
おどり会場も2、3町区またいで行われ、通常よりも広いおどり会場となっている。
2019年開催の盂蘭盆会では、ニコニコニュースチャンネルから徹夜おどり模様が全日程生中継された。(下記関連生放送参照)
また、前座イベントとしてGJ8マンよる「GJ8マン音頭」が開催される。
- おどり会場(開催時間)
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十八観音祭(8月18日開催)
「盂蘭盆会」の次に行われるおどり祭り。かつては愛宕公園がおどり会場となっていたが、現在は下愛宕町の路地の一画を封鎖して行われる。このおどり祭りでは夜の町家の風情を楽しみながら、狭い路地で身を寄せ合って踊ることができる。
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日吉神社祖霊祭・団体おどりコンクール(8月19日開催)
郡上八幡の市街地南部に位置する日吉神社のお祭り。岸劔神社川祭の同じく、おどりと合わせて神社の巫女らによる大神楽奉納が行われる。
また、併催イベントとして団体おどりコンクールが行われる。個人おどりコンクールと同じく、出場団体がおどりで競い合って審査員判定で優勝を目指す。
おどり会場:立町(→地図で見る)
宗祇水神祭(8月20日開催)
日本の名水百選の選定第1号である宗祇水の水神のお祭りで、当日は宗祇水周辺の路地に和歌が書かれたぼんぼりを設置され、幻想的な雰囲気を演出してくれる。さらに、おどりの前には小駄良川で水中花火大会が開催される。おどりは本町の路地で行われ、本町がおどり会場になるのはこの祭りで最後となる。
さらに最後におどる「まつさか」の囃子唄が、この日は「宗祇水」バージョンとなる。「宗祇水」バージョンはこの祭りでしか聴けないので、ぜひ行って踊ってみることをオススメする。
おどり会場:本町(→地図で見る)
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桝形地蔵祭(8月24日開催)
郡上八幡城から南西方向、国道256号沿いに鎮座する桝形地蔵のお祭りで、七大縁日の中では一番最後に行われるお祭りとなる。また、この縁日だけおどりの輪がL字型に形成される。
おどり会場:上桝形町(→地図で見る)
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小野天神祭(8月25日)
郡上八幡城から南東方向の直下に位置する八幡神社のお祭り。八幡神社は「小野天満宮」という名前が正式名称で、その名の通り天神(菅原道真)を祀る神社である。当日は社殿の御開帳が行われる。また、これまで寺院や神社に関する縁日が登場してきたが、おどりが神社の境内で行われるのはこの祭りのみである。
神社境内は砂利が敷いてあるため、おどる際は足を取られたり、下駄の中に石が入らないよう要注意である。
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商工祭・おどり変装コンクール(8月31日開催)
8月のおどり祭り大トリを務めるのがこの商工祭である。(年によっては9月初旬開催の時もあり)
この商工祭では「おどり変装コンクール」という郡上おどりの全日程の中で最もユニークな大会を主催しており、地元の人からは「変装踊り」の通称名で知られている。ルールはその名の通り、自分の好きな人やキャラクターなどに仮装しておどるというコンクールである。コンクールは前日までの事前エントリー制で、「個人の部」と「団体の部」の2部門で出場を受付けている。
2018年度開催では、およしちゃんやGJ8マンと同じく、郡上八幡の観光キャラクター(非公認)のあゆレディーがコンクールに出場している。
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女性の夕べ(9月1日開催)
9月に入ってから最初のおどり祭り。この祭りの次はいよいよフィナーレの「おどり納め」となる。以前の女性の夕べでは、地区町会対抗で女性限定のおどりコンクールが行われ、地元住民の女性が所属する地区町会に分かれて、団体戦でおどりを競い合う大会が開催されていた。現在ではコンクールは廃止となり、通常のおどりのみ開催される。おどり会場は商工祭と同じく新町の大通りとなる。
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おどり納め(9月7日開催)
全31日間の日程でフィナーレとなるおどり祭り。このおどり祭りをもって1年間の郡上おどりのシーズンはひとまず終了となる。なお、「おどり納め」から約一週間後に安養寺では「昔をどり夕べ」というおどり祭りが開催され、これを終えると郡上おどりのシーズンは完全に終了となる。
また、午後11時からは屋形おくり提灯行列が開催される。
その他郡上おどりに関する豆知識
郡上おどりの免許状について
郡上おどりでは、当日現地で踊った人の中で、「これはっ!?」と思うほど踊り上手な人に、郡上おどり保存会のメンバーから郡上おどりの免許状をその場で貰うことができる。(厳密には免許状の引換証が手渡される。)
免許状はおどりの種類と同じく全10種類。免許状を貰うには一つ条件があり、「服装が浴衣(または甚平)で、下駄を履いていること」、つまり郡上おどりに相応しい恰好で踊ることが条件となる。
また、課題曲は当日開始時刻にその場で発表される。(聞き逃した人は、櫓に課題曲が書かれた札が掲げられているのでそれを確認すればOK)
このためランダム性に富んでおり、お目当ての免許状が貰えないこともある。そんな条件の中、この免許状を全て集めて免許皆伝を目指すことが郡上おどりのもう一つの醍醐味となっている。
審査員となる郡上おどり保存会の踊り手は、櫓にいる歌い手と弾き手と同じく保存会公式の浴衣を着用しておどることが多く、2019年現在のデザインでは白に青波のデザインの浴衣である。かなり分かりやすく目立つデザインであるため、見かけたら近くでおどって免許状をぜひ狙ってみてほしい。
ちなみに郡上おどりで浴衣姿の踊り手が多いのは、この免許状の存在が背景にあることであり、これが一層郡上おどりの雰囲気を引き立てさせている。
郡上おどりの講習会について
現地では、6月中旬頃におどり保存会主催の郡上おどり無料講習会が5日間かけて行われている。私服参加、浴衣参加自由(下駄は禁止)で、現地での当日参加申請制となる。
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この他、郡上おどり開催期間中は郡上八幡旧庁舎記念館ででも有料講習会が行われている。1日3部(盂蘭盆会の日は4部)、各コマによって講習課題曲が変わる。こちらは、事前ネット予約、当日受付どちらも可で各コマ50人までの募集となっている。(ただし、当日受付の場合は満員で参加できない場合が多いのでネット予約での事前申請を要推奨する。)
この講習会を受講すると郡上おどりの修了証を受け取ることができ、さらに2講座以上受講すると、もれなく郡上八幡の水が貰える。
それでも踊れない、踊り方が分からない人は・・・
定期講習を受けてもイマイチ踊り方が分からない・・・、定期講習の存在を知らずぶっつけ本番で参加してしまった・・・そんな人は前述の郡上おどり保存会の踊り手の人の近くでマネして踊ってみたり、踊り方を訊いてみよう!保存会の方は気さくで寛容な人が多いので気軽に教えてくれることが多いと言われている。
ダンシングポリス
郡上おどりでは、警察官がおどりの輪の中に混じって郡上おどりを踊りながら祭り会場の警戒にあたっている。その粋な方法と珍しさから地元メディアからもたびたび取材を受けており、「ダンシングポリス」とも呼ばれている。
郡上八幡博覧館について
郡上八幡の観光スポットの1つ。郡上八幡の歴史や民俗学についての常設展示のほか、郡上おどりを習得した学芸員による郡上おどりの上演会を定期開催している。郡上おどりオフシーズンの際は、ここへ行けば郡上おどりについて学べるのでオススメする。
岐阜県外でも開催される郡上おどり
- 郡上おどり in 京都
郡上おどりの面白さを京都でも知ってもらおうと2008年から開催されているイベント。関西岐阜県人連合会主催、および京都岐阜県人会共催。毎年6月の第一金曜日にゼスト御池地下街 御幸町広場にて開催される。
- 郡上おどり in 青山
郡上藩主青山氏ゆかりの地でも知られる東京の青山で開催されるイベント。会場は秩父宮ラグビー場駐車場で、こちらも毎年6月に開催され、多くの踊り手が青山に集結する。また、郡上おどり以外にも物産展が併催される。
関連動画
関連生放送
関連チャンネル
関連コミュニティ
関連項目
- 岐阜県 / 郡上市
- 郡上うp計画
- 郡上八幡城
- 盆踊り
- 踊ってみた
- 日本三大盆踊り
- お祭り
- 民謡
- 花火 / 花火大会
- 白鳥おどり
- およしちゃん
- GJ8マン
- あゆレディー
- バンめし♪
- 観光スポットおよび祭り・イベントの一覧
関連リンク・参考サイト
- 郡上市公式サイト
- 郡上満喫(郡上市観光連盟公式サイト)
- 郡上八幡日和(一般社団法人郡上八幡産業振興公社運営サイト)
- 郡上八幡観光協会公式サイト
- 郡上八幡博覧館公式サイト
- 郡上八幡城公式サイト
- 郡上おどり運営委員会公式Facebook
- およしちゃん公式Twitter
- 郡上の映像(Gujo.com)
脚注
- 22
- 0pt