酵母(英:yeast)とは、発酵の源であり、つまり酒の母である。
概要
現代生物学において、「酵母」とは“栄養体が単細胞性を示す真菌類”の総称であり、つまり系統分類的・社会利用的な意味は特にない。その辺りの話は酵母 - Wikipediaでも見て勉強したまえ。
しかし、一般社会において、酵母とはアルコール発酵の主役であり、つまりアルコール飲料の醸造における最大の貢献者である。このため、古くから酵母は生物学的な研究の題材となっており、出芽酵母の代表種であるS・セレビシエは真核生物で最も早く全ゲノム塩基配列が確定された。
また、アルコール発酵の際に炭酸ガスを大量に放出する特性があり、このおかげで小麦粉から作られたパンがふっくらしてくれる。パンに用いられるイーストも通常はS・セレビシエの一品種であり、つまり、パンの材料に使われるイーストでアルコール醸造が…おや誰か来たようだ
トリビア色々
- 栄養補助食品として市販されている「ビール酵母」は、ビールの醸造後に副産物として出る「澱」から抽出されたもので、熱処理により菌が死んでいるので発酵作用は無い。密造酒なんか作ろうと思った子は残念でした。
- 酵母によるアルコール発酵には、酵母が自力で吸収できるサイズの糖類が必要である。
- ビールや、シャンパンに代表されるスパークリングワインにおける炭酸は、酵母がアルコール発酵を行った際に発生した副産物である。ただし、アルコール飲料の製法によっては、工業的に生産した炭酸を充填する場合もある。
- 最近はやりの「天然酵母」だが、ぶっちゃけ野良酵母とか野生酵母ってだけの話であり、従来から培養されてきた酵母が人為選択に生き残ってきたエリートの血統であることを考えると、編者個人としては持て囃し過ぎる風潮に首を傾げざるを得ない。
ただ、コウジカビの産生する抗生物質イーストサイジンに耐える新種酵母の単離など、天然酵母探しが活発になったことで得られた知見や技術もあり、この点は高く評価したい。
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関連項目
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