概要
組織
英訳名はFinancial Services Agency。
内閣府の外局であり内閣府特命担当大臣(金融担当)が配置される重要な官庁である。
歴史
元々は大蔵省(現財務省)の一部門であった。
平成10年(1998年)大蔵省の不祥事を受け、大蔵省銀行局と証券局の民間金融機関の検査・監督行政を総理府の外局として金融監督庁に分離。その後、金融監督庁は総理府の外局の金融再生委員会の下部組織となった。現在でいう原子力規制委員会と同様の組織構造であった。その後、金融庁に変更し金融再生委員会を廃止、中央省庁再編時に内閣府の外局となった。
担当業務
銀行、証券、保険、ファンド、他、政策金融機関を含む日本国内のすべての金融監督行政が担当である。
21世紀現在、国際的に活動する日本企業の多くが海外に出資という形にて子会社を持っており、20世紀後半に行われた多角化とは別な形にて企業の金融への傾倒が進んでいる。海外の規制や緩和などをにらみながら、日本国に所属する金融資産の健やかな育成・監督を担当するのがこの金融庁である。
MOF担の負の遺産
キャリア・ノンキャリアの構造はすべての日本の国家組織にあることである。
かつて、大蔵省(現財務省)の一部門であった際にはなかなか出世できないノンキャリア検査官が、自分の成績を上げるために銀行に厳しい検査をし、銀行側は対策として大蔵省キャリアへの接待(ノーパンしゃぶしゃぶ他)で話をつけ、キャリア上司に現場担当の部下の頭を押さえつけてもらうことによって検査を甘くしてもらっていた。この接待担当はMOF(Ministry of Finance)担とよばれ、護送船団方式の行政と金融機関の馴れ合いの構造の中で制度として確立していたといわれる。
ノーパンしゃぶしゃぶ
ノーパンしゃぶしゃぶは実在した飲食店で起源はノーパン喫茶といわれており、類似のバリエーションとしてノーパン焼肉もあった。風俗でない為、経費で落とせる接待場所として、当時の大蔵官僚と金融機関が愛好していたとされる。現在、ノーパン系サービスは衰退している。一部有識者によってはファッションヘルスの原型となったといわれている。接待に使われていた店は東京・歌舞伎町のノーパンしゃぶしゃぶ店「ローラン(楼蘭)」である。
平成の首狩り族の誕生
1998年の大蔵省汚職で、銀行局を中心に省内から多くの逮捕者・処分者・自殺者を出し、結果として金融行政が分離されることとなった。その結果、UFJの寺西頭取などを追い詰めた厳しい検査で有名なノンキャリアのエース、目黒検査官などが日の目を見るようになった。大蔵省汚職の結果構築された組織であるというきわめて不幸なその生い立ちもあって、金融庁は金融業界という所管業界を持ちつつも大きく距離を置き牙を隠さないレアな中央官庁となっている。
ただし、首狩り主体(一部では検査原理主義とも評される)で問題がないのは金融危機の間のみであることに注意が必要である。平時には新BIS規制が提唱する様に当局管理型の監督から銀行の自己管理と市場規律を重視した監督への変遷、つまり温厚な羊飼いのような放置型の監督が要求される。金融庁が試されるのは、金融危機の先、平時なのである。
民主党政権下においては与党の国民新党によって行動制限を受けておりおとなしくしていた。政権交代後は再び活発に活動するようになり、中小企業に転廃業促したり(2014/3)、保険業界に長らく慣習であった委託型募集人の禁止を通告したり(2013/12)、みずほ銀行に行政処分をおこなったりなど首狩りにさらに磨きが掛かっている。
なお、ドラマ半沢直樹にてオカマ口調の検査官が登場するが、フィクションの人物であるため当然実際しない。だが検査官達が総じて仕事の出来るやり手なのはほぼ事実である。
2016年8月、金融庁は明治時代から続いていた銀行営業時間の規制を緩和した。これにより銀行の営業時間は自由に設定できることとなった。
2018年夏に検査局を廃止、業務を監督局に統合。合わせて新設される総合政策局がコーポレートガバナンスのチェックを担当することとなる。
総合取引所
証券、金融、商品を横断的に一括して取り扱う総合取引所を創設し、金融庁が所管することが検討されている。
関連動画
関連リンク
関連項目
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