鉄血メイスとは、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズに登場する鈍器・・・および同作の主人公機、ガンダム・バルバトスの共通装備にして象徴、メインウェポン群の通称である。
作中・設定ともに初代メイスは単に「メイス」で通されている(この記事ではレンチメイス他との区別の為、第1形態から装備されているメイスを「初代メイス」と称する)。武器種としてのメイスは単語記事を参照。
初代メイス
公開情報などから主人公機の武器が鈍器ということで放送開始前から騒がれていたが、1話の戦闘シーンにて突然地面から現れて敵を叩き潰すという、鈍重な見た目に反して実にスタイリッシュな活躍を見せる。
以降も以下の利点からバルバトスの運用を支える魂の武器として運用されており、形態ごとに武器の入れ替えが起こる中、第5形態(宇宙戦仕様)までの長い間バルバトスが常時装備していた。
基本性能
材質はモビルスーツのフレームと同じ高硬度レアアロイ。打突部分は片側にのみ付随しており、ガンダム・フレームの出力により地上ではモビルスーツを圧潰できるほどの威力を発揮する。
質量兵器という性質上投げ飛ばしても十二分に威力が出るため、主人公でありバルバトスのパイロットである三日月・オーガスもたびたび投擲武器として使うこともある。
パイルバンカー
この打突部分にはパイルバンカーが搭載されており、衝撃を与えづらい宇宙や、靱性に優れる柄が破壊された状態でもモビルスーツに致命傷を与えることが可能。
そもそも本作のモビルスーツはエイハブ粒子とナノラミネートアーマーの相乗効果で非常に硬く、これを突破するために近接武器が発達している。至近距離から衝撃と刺突を与えるこのパイルバンカーはそのようなモビルスーツの突破に適して進化した証といえる。
宇宙でのさらなる運用
重量はそれなりにあるためか、宇宙では重心を預ける軸としても扱うことができ、阿頼耶識に対応した三日月の力も相まって回避パターンに頼らない生きた動きを実現できる。
小惑星に刺して身体を支えることもでき、ラフタ・フランクランドとの対決ではそれが決め手となった。
以上の性能も相まって、オーリス・ステンジャ機やクランク・ゼント機など、多くの機体をこのメイスで屠っている。
その汎用性と際立った活躍から、バルバトスといえばメイス、という印象が強い。
ガンダム・バルバトスが視聴者からつけられた様々な異名の一因は、こうしてメイスがキルマークを重ねて行ったことにある。
ちなみに、5話では宇宙でグレイズ改がガンダム・バルバトスにこれを投げ渡しているシーンが存在する。
そのままグレイズ改で使用に耐えられるかは作中の実証例はないが、アーケードゲーム「ガンダムトライエイジ」のグレイズ改はこのメイスを所持している。
レンチメイス
しかし、第6形態のプラモデル情報や第2クールのオープニングで見慣れない武器を持っているバルバトスが映っており、メイスがお役御免になってしまうのではないかと視聴者は不安がっていた。
その武器こそ新たな鉄血メイス「レンチメイス」である。なんてことはない、ランクアップした新たなメイスだったのだ。
作中では通常のメイスを全損した後、地球にたどりついた際に地球行きの物資にあったレンチメイスを新たなメインウェポンにしている。
レンチメイスは通常のメイスと比べて恐竜モチーフの戦隊モノのようなゴツゴツとしたフォルムをしており、打突をメインとする「メイス形態」ともう一つの「レンチ形態」を使い分けることができる。
打突部分が開く「レンチ形態」は、敵を挟みこみ、内蔵されたチェーンソー刃で敵を切り刻むというインパクト抜群の強烈な武器となっている。
ナノラミネートアーマーを切り刻む新たなメイスの登場により、これからも「ガンダム・バルバトス=メイス」の印象は深まっていくだろう。
だが、レンチメイスのデビューは華々しくとは行かなかった・・・。
なお、レンチメイスは地球行きの物資の中にあったため、モンターク商会から贈られてきた可能性がある。
最終的に、投擲したところをグレイズ・アインに受け止められ、粉々に砕かれている。
ならばこっちも残虐だ!
最終兵器レンチメイスで挑む!!(※)
※この見出しは何とコロコロコミックの特集記事より。子供向け雑誌でいいのかそれは。
そして(ネタバレ反転)
最終話のラストシーンは、全損した初代メイスのうち宇宙空間に放棄されたものが大きく映るエンドとなった。
ラストバトルのトドメこそ太刀に明け渡したが、「鉄血のオルフェンズ」の物語はメイスに始まりメイスに終わった。
その後、「ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ」においてまさかの登場を果たす。茶色のプチッガイが引いたあたり棒から生成され登場、暴走したガンプラを一薙ぎで叩き伏せた。また、この時はブースター内蔵だったようで、推力にプチッガイが振り回されている。「鉄血のオルフェンズ」放送終了から2クールも経っていないにも関わらずのスピード登場だった。
ソードメイス
バルバトスが「ガンダム・バルバトスルプス」と改名するほどの大改修に伴い、新調された第三の鉄血メイス。その振りやすいフォルムが特徴的だが、視聴者からは「鉄血バット」と呼ばれることも。ソードではないのか!?
バスタードソード状のメイスであり、重量により敵機を破壊する打撃武器。
作中では、2期初戦にて改修の完了したバルバトスルプスの戦場ダイレクト投下の際、新OP「RAGE OF DUST」が初めて流れる中、「この時代に 叩き付けてやれ」という歌詞に合わせるように初めて振りぬかれる。
その光景に、バルバトスネタから派生するタグとして「君に叩き付けてやるガンダム」や、シャトルで大気圏突入してから投下されてすぐの光景だったため先輩ガンダムにかけて「舞い降りる鈍器」など、早速「鉄血のオルフェンズ」の健在を主張するかのような人気を見せた。
西洋の剣の中には、切れ味の鋭さではなく重量で叩き斬ることを目的とした剣が実際に存在し(ヴァイキングソードやクレイモアという実例がある)、それらは実際に鈍器のような使い方をしていたという。
創作ではそれを極端化した重量のある「大剣」が多く存在するが、この「ソードメイス」もそれらの創作上の大剣の一つにも分類されると思われる。実際斬撃部分は刃状になっている。
なお、他作品における「ソードメイス」は主に刃のついたメイスを指すが、バルバトスルプスのソードメイスは剣状に整えられながらも鈍器としての厚みを持った武器となっている。
ツインメイス
二振りで扱うことを前提とした片手用メイスであり、乱戦を目的としてバルバトス用に用意されたもの。
初代鉄血メイスを小型にしたようなものであり、例のパイルの造詣が確認できる。
初戦では所持していなかったが、宇宙での「夜明けの地平線団」と戦う際にソードメイスと入れ替わる形で使用、乱戦でその取り回しの良さを存分に発揮した。
しかし、的確に打撃用として使いつつも、わざとツインメイスを弾かせることで相手の無防備を誘い必殺の貫手で確実に敵を抉り殺す、武器ごと敵を弾いた後背面を向いて背面の敵を牽制中に武器保持用のサブアームで弾いた方の敵を殺すなど、布石のような扱い方をされるケースも目立ち、三日月の隙のなさを存分に証明した。
誰が呼んだか「殺る顔ダブルメイス」。
超大型メイス
ハシュマル戦で大きく損傷したバルバトスルプスを再改修した「バルバトスルプスレクス」のために用意された特大メイス。
ソードメイスとは逆に初代鉄血メイスを大型化したような形状をしており、まさしくゲンシカイキと呼ぶに相応しい。初代に装備されていたパイルバンカーも健在でバルバトスの半身にも匹敵するぐらい長身になっている。
初陣となるジャスレイ派との戦闘では無様に命乞いをするジャスレイの眼前に降り立ち、オルガの命のもと黄金のジャスレイ号のブリッジを容赦なく叩き潰し、サブタイトル通りの「落とし前」を付ける仕事を果たした。ブリッジ収納ができないというジャスレイ号の設定はこのためにあったのでは?などといってはいけない。
対艦ランスメイス
設定のみ武器であり、アニメ未登場。プレミアムバンダイ限定の鉄華団コンプリートセットにてキット化された。
ゲーム「EXTREM VS. MAXIBOOST ON」及び「GUNDAM VERSUS」では、ルプスの切り札として実装。
一出撃一回限りというデメリットがあるが、投擲も突進も非常に強力な武器となっている。
関連動画
MMD
そのインパクトからか速攻で初代メイスのMMDモデルが作られた。現在2種存在する。
また、レンチメイス・ソードメイスのMMDモデルも登場早々に作成されている。
関連商品
HGガンダム・バルバトスには「第1・第4形態」に初代メイスが、「第5・第6形態」にレンチメイスが付属。
HGバルバトスルプスにはソードメイスが付属し、同時発売のMSオプションセット5にツインメイスが付属する。
1/100ガンダム・バルバトスには「第6形態」に初代メイスとレンチメイスの両方が付属。
「第4形態」にメイスは付属していないので注意。1/100バルバトスルプスにはちゃんとソードメイスが付属する。
1/100ガンダムバルバトスルプスレクスには超大型メイスが付属。1/100の大きさと重さではポーズによっては片手での保持が困難となるため、なんと超大型メイス専用の台座(高さ調節機能付き)が付属する事態となった。
関連項目
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- メイス
- ガンレオン(レンチメイスと似た武k・・・工具、「ライアット・ジャレンチ」を振るう修理用工作マシン)
ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ
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