鉄道・交通系YouTuberとは、鉄道を中心に交通関係を取り扱うYouTuberのことを指す。
概要
基本的に鉄道系がメインであるものの、他の交通機関(バス、フェリー、飛行機等)も取り扱うことがあるため、広義的に「鉄道・交通系」というジャンルで括られる。迷列車で行こうシリーズの場合は鉄道に特化することができるが、乗り鉄系になると必ずしも鉄道のみで完結するとも限らない(遠方・離島やBRT転換路線など)状況であることから、「交通系」という広義が付与される。しかし鉄道・交通系だと長いので「鉄道系YouTuber」と省略されることもある。
交通全般の中でも鉄道系は特に規模が大きいがこれは初期費用が安く済む、市場が大きいので登録者数が伸びやすいなどが挙げられる。一方で撮り鉄をはじめとする鉄道ファン特有のルールとマナーの悪さが散見され、トラブルによって収益停止や動画削除、コメント欄炎上という問題が度々起きている。
歴史
2010年代前半まで鉄道系動画はニコニコ動画の迷列車で行こうシリーズが主であり、YouTubeへの投稿は迷列車で行こうシリーズの転載や撮り鉄系がメインであった。しかし2016年、それまで迷列車で行こうシリーズを投稿していたスーツが「最長【往復】切符の旅」の動画を投稿したことで「乗り鉄旅系」というジャンルが確立し始める。
2017年、ドリチソが乗り鉄旅系を投稿し登録者数を急増させると、スーツは「最長往復切符の旅」の第2弾シリーズを投稿。これが好評を博し、一気に鉄道・交通系チャンネル登録者数のトップに躍り出る。以降スーツは「シベリア鉄道経由 東京~ロンドン鉄道の旅」、「廃線探訪シリーズ」、「寝台特急サンライズシリーズ」などで他の鉄道・交通系YouTuberの登録者数を突き放した。
スーツに続く鉄道・交通系YouTuberの争いは混沌としたが、2018年に迷列車で行こうシリーズの迷列車(青熊)の人が収益停止を喰らい後退。2019年にはカオストレインが活動を休止し迷列車で行こうシリーズは相次いで衰退。一方で乗り鉄旅系はがみや謎のちゃんねる、西園寺、けらすが参入。特にがみは「天国と地獄」シリーズが好評を博し、またけらすも投稿頻度の多さで登録者数を増やしていく。この状況に活動を再開した迷列車(青熊)の人や迷列車(海外)の人も乗り鉄旅系にシフト。一方で鉄道だっちゃ!とayokoiといった撮り鉄系も着実ではあるが登録者数を増やしていった。
その一方で迷列車シリーズや乗り鉄旅系にも属さない新たな鉄道ジャンルを投稿し始める鉄道YouTuberも現れた。その筆頭格がいきたん/行先探訪チャンネルで、2017年より「行先探訪」シリーズという動画を投稿している。このシリーズでは、行先表示によくある駅に実際に行って駅や駅周辺の様子を紹介するというスタイルが人気を博している。このほか、2019年から活動開始したしろはんどは、「二画面対決」シリーズを投稿。このシリーズでは、経由駅が違えど出発駅と到着駅が同じ列車がある場合、どちらに乗った方が早いかという点に着目し、二画面同時高速再生で車窓を映しつつ、実況検証していく動画で、こちらも人気を博している。
2020年は新型コロナウイルスの影響で各自投稿が停滞し、さらに3月末に発生した「スーツけらす騒動」によってけらすが更新停止に追い込まれる。緊急事態宣言中は各自過去動画でその場をしのぎ、6月に緊急事態宣言が解除されると相次いで投稿を再開。特にスーツはキハ66系を貸し切り「ながさき号」の復活運転やバラエティ番組に出演するなど場を広げ、がみも登録者数が10万人を突破し撮り鉄系の鉄道だっちゃ!を抜き2位に躍進した。また旅行チャンネルを開設していたにっこーけん(日本の交通を研究する会)が鉄道系でも活動を開始、琴葉葵を使い、その毒舌解説で人気を博している。
2021年にはみやこネット旅行研究所が活動開始。「鉄道」×「二次元」というこれまでにない新たな紹介スタイルを人気を呼んでいる。また迷列車系ではたくみっくという女性とおっさんの機械声を使用したこれまでにない方法で投稿を行ない、ヒットとなっている。一方で謎のちゃんねると西園寺の登録者数ががみを超え、謎のちゃんねるは(芸能人を除けば)スーツに次いで登録者数が20万人を突破した。西園寺は鬼ごっこ動画が2021年3月に急上昇入りを果たし、登録者を一気に増やし、「東のスーツ・西の西園寺」と呼ばれるようになった。2021年7月には緊急事態宣言の合間を縫って水間鉄道を舞台に大型イベントを行い、以降定期的に水間鉄道でイベントが行われるようになる。
2022年より鐵坊主というご意見番YouTuberが登場。カナダ在住ながら地方の経営危機にあえぐ路線の独自分析を行なっている。この分析が注目を浴び、視聴者だけでなくマスメディアからの取材が殺到。特に北海道では存続問題のニュースでは必ず登場するレベルで、自治体の会議にも出席している.鐡坊主以外もスーツや西園寺など著名活動を行なう者も現れてきている。
鉄道・交通系YouTuberの事件・騒動
- 2017年頃、迷列車(青熊)の人が株主優待券のキセル疑惑や自家用車と鉄道車両並走によるスピード違反、さらに駅ホームや模型店での無断撮影を視聴者に指摘されるが、ゆっくまーを使って煽ったため炎上状態となり、アンチによる通報祭りに発展。動画削除や収益停止を喰らい、一時期活動休止に追い込まれた。その後迷列車(青熊)の人の収益が復活したことで再開、現在は「Aoki」として活動している。
- 2018年12月、ステップすばる氏がBVE Trainsimを使用し制作していた「女性運転士達の戦い」のエピソード25のJR東日本の演出について抗議が殺到。エピソード25の投稿1週間後に「女性運転士達の戦い お詫びと重大なお知らせ」が投稿され、「女性運転士達の戦い」の打ち切りを発表した。当作品は以前から演出についてクレームがあったとされ、この発表に対し5ちゃんねるでは「なるべくしてなった」「クレームを無視してやりたい放題やった結果」という批判的意見がみられた一方で、当時のTwitterやブログでは「続けてほしい」「復帰待っています」という擁護や激励もあった。なお、氏は1話完結型のショートで続けるとしていたが、その後ブログも閉鎖し、行方知らずとなっている。
- 2020年3月4日、うざろんぐが大阪の西成にて「西成の路上にて財布を置くと盗まれるか」という動画を投稿し、通行人がそれを拾った後大阪府警察に「財布を盗まれた」と嘘の申告をしたとして偽計業務妨害の疑いで逮捕された。調べに対し「再生回数を稼ぎたかった」と述べており、炎上系YouTuber特有の再生回数目当ての違法行為を行なったことを認めている。うざろんぐはその後釈放され、活動を再開している。
- 2020年3月末、けらすがスーツの動画に対し「サムネイルをパクっている」と指摘、それに対しスーツファンが「パクっているのはけらすのほう」となり論争に発展する。スーツが釈明とファンに対する自制を求めるもスーツファンによるけらすへの攻撃は止まらず、それに対しけらすが「スーツがファンを鉄砲玉に使っている」というコメントを出したため炎上。さらに過去の動画を含めスーツ自身がけらすの態度に激怒し4月3日に論破動画を投稿のうえ、けらすチャンネルは二重規範(ダブスタ)である旨を指摘。炎上が拡大のうえ登録解除祭りに発展し、けらすは活動休止に追い込まれている。詳細はけらすの記事中の「スーツけらす騒動」の項を参照。
- 2022年、スーツ氏が書籍を角川書店から発売することになり、イベントの企画が立てられていたが、スーツの許に何者かから殺害予告が届き、安全な形でイベントを開催することが難しいとの判断により中止となった旨をYouTubeのショート動画にて発表された。おそらくこの直前に免許を取得したその日に免許返納する動画を出したことが理由とされる。この騒動の直後には西園寺氏の水間鉄道イベントも予定されていたためこちらも中止にならないか心配された。
- 2023年、仙台撮り鉄氏のチャンネルがF氏(ニコニコの配信者とは別人)とも共同チャンネルについて精神的理由からF氏に完全譲渡を発表したが、翌日に撤回した。なお、氏のちゃんねるは鉄道研究所となり、仙台撮り鉄氏のチャンネルは別途作成された。
鉄道・交通系YouTuber一覧
ここでは主にYouTuberとして活動しているYouTuberを取り上げる。ニコニコ動画を主にしている人物は迷列車で行こうシリーズを参照。太字はwikipediaにも記事があるYouTuber。
ニコニコ大百科に記事のある鉄道・交通系YouTuber
- 鈴川絢子:元々が芸能人のため、鉄道・交通系YouTuberからは除外される場合が多い。
- スーツ(YouTuber):登録者数100万近くの実質登録者数No.1鉄道・交通系YouTuber
- 西園寺(Youtuber) :全国鬼ごっことかバスで日本縦断とかやってる人。水間鉄道とコラボした。
- 謎のちゃんねる:静岡を中心に活動。「ドゥワァ!センナナヒャク!」の動画撮影主
- 迷列車(青熊)の人:現在は「Aoki」で活動中
- 迷列車(海外)の人:YouTubeでは擬人化キャラを投稿。
- けらす:スーツと戦ってしまい、2020年4月以降活動休止中(事実上引退状態)
- 鶴亀(YouTuber):迷列車(青熊)の人のアンチ筆頭
- しろはんど : 「二画面対決」シリーズで人気沸騰中。みやこネット旅行研究所とは知り合いの仲である。
- いきたん/行先探訪チャンネル : 「行先探訪」シリーズで人気急上昇中。
ニコニコ大百科に記事のない鉄道・交通系YouTuber
登録者数10万人以上の鉄道・交通系YouTuber
登録者数3万人以上10万人未満の鉄道・交通系YouTuber
その他主要鉄道・交通系YouTuber
関連項目
親記事
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兄弟記事
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