『銀河パトロール ジャコ』は鳥山明の漫画。『週刊少年ジャンプ』において、2013年33号から同年44号まで全11回で短期連載された。
概要
鳥山明にとって『SAND LAND』以来およそ13年ぶりとなる連載作品である。
また、同誌に作品が掲載されるのは、『KINTOKI-金目族のトキ-』以来2年8か月ぶり。
地球の小さな島に1人で住む老人・大盛のもとに、宇宙パトロールの隊員ジャコの宇宙船が不時着したところから物語がはじまる。タイムマシンの研究者だった大盛は、専門外ながらジャコの宇宙船を直すため協力する。
ジャコの本来の目的は地球に到着する予定の凶悪な宇宙人を倒すことだが、それとは関係なく東の都で知り合ったタイツも合流し、ロケットを巡る騒動に関わることになる。
寂しい雰囲気の男性と主人公の出会いから物語が動き出す構成は、先の鳥山の連載『COWA』『SAND LAND』と通じるものとなっている。この他に金属が燃料の宇宙船を修理するために宇宙人が地球で生活する、というシチュエーションは『貯金戦士キャッシュマン』で先例がある。
『DRAGON BALL』へのプロローグ
タイトルに「DB-○○(残りの話数)」と表記されており、また、話数表示の分母が「10+1」となっていたため、連載開始当初から『DRAGON BALL』との関連性が示唆されていた。
さらに、第1話掲載の巻末では、鳥山明は「古臭い内容だが、それは何故か最後まで読めばわかる」とコメントしていた。
第1話でジャコが語る地球に襲来する凶悪な宇宙人はサイヤ人であり、孫悟空ではないかと当初から予想されていたが、最終話でそれが実現する。
最終話である第11話では、孫悟空はもちろんのこと、孫悟飯(育ての親)、ブルマ、ブリーフ博士、ブルマブルマの母も登場し、タイツがブルマの姉であることが明かされた。
全体を通して『DRAGON BALL』第1話の約10年前を描いた前日談となっている。
単行本には描き下ろし短編『DRAGON BALL-』を収録。悟空の父バーダックと、初めて登場した悟空の母ギネが悟空を地球に送り出す経緯が明かされた。
微妙にドラゴンボールとの食い違い
描き下ろしで悟空が地球に送り出された時点で保育器に3年入っていたことが明らかになり、地球での発見時赤ん坊とされていた亀仙人の説明(と『たったひとりの最終決戦』ほかアニメの描写)と矛盾する。
5歳のブルマとの年齢差も、最初期の悟空14歳→ブルマと2歳差という、当初の誤った年齢に一致している。悟空が拾われた時点の年齢を幾つと認識しているかは別として…
(ヤムチャらと一緒に)学校に通っていたはずのブルマも、本作では16歳の時点で大学を卒業し、特別講師をしていた夏休みにドラゴンボールを探していたという説明になっている。まあ決定的な矛盾ではない?
実はこの部分はジャンプ掲載時には大学を卒業した、という部分までになっており、後に読者からの矛盾の指摘で特別講師のくだりが単行本にて補足された経緯がある。
悟空の年齢もだが、バーダックがカカロットを地球に送るまでの内容は『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』と全く異なっている。
登場人物
- ジャコ・ティリメンテンピボッシ - 声:代永翼(「VOMIC」)、花江夏樹(『復活の「F」』、『ゼノバース』、『ヒーローズ』、『超』))
- 大盛 徳之進 - 声:二又一成(「VOMIC」)
小さな島に住む人間嫌いの老人。かつては政府の要求でタイムマシンを開発していた。そして政府から見放された今も…
しかし時間を移動することは銀河法では禁止されており、重罪であることがジャコから告げられる。この時間移動を禁じる設定は、『復活の「F」』や『ゼノバース』、『超』でも少し関わってくる。 - タイツ - 声:鶴ひろみ(『超』)
東の都で当たり屋に絡まれていたところをジャコに助けられ、宇宙人のジャコに興味を持ってついてきた少女。
西の都出身。
名前が発覚する前の号でヒロインポスターによってネタバレされてしまった。
カプセルコーポレーションの令嬢であり、ブルマの年の離れた姉であることが第11話(最終話)にて明かされた。
漫画・アニメ『ドラゴンボール超』にも少しだけ登場し、孫悟空やベジータはその存在を知らなかった。
VOMIC
2014年1月に『サキよみジャンBANG!』(テレビ東京系の番組)のVOMICコーナーで放映された[1]。
Web版は2014年2月7日より配信開始され、第1話~第4話の全4話が配信された[2]。
キャラクター | 声優 |
---|---|
ジャコ | 代永翼 |
大盛 | 二又一成 |
亜月アン | 平井祥恵 |
固茹 | 佐藤拓也 |
キャスター | 大原崇 |
婦警 | 斎藤綾 |
『ドラゴンボール』への登場
漫画・アニメ『ドラゴンボール超』、劇場版『ドラゴンボールZ 復活の「F」』にジャコが登場。
ジャコは、フリーザの襲来を伝えるために地球を訪れ、ブルマにそれを伝える。そのまま流れで地球に襲来したフリーザ軍と戦うハメになる。
どちらのタイトルもジャコとブルマの面識がある設定が受け継がれている。
タイツも『ドラゴンボール超』で登場、若作りではあるがかなり年を重ねた姿を見せた。
短時間しか出番がないのにエンディングに映ってて、誰だかわからなかったという声もちらほら。
時間を移動することは、銀河法では禁止されており、重罪であることの設定は、『復活の「F」』でも少し関わってくる。
別次元ではあるが、実際にブルマがその罪を犯していることは言わずもがなである。
そのほか、ジャコと共にタイツやギネもゲームに登場し始めている。
単行本
当初は2014年1月発売予定だったが2014年4月4日に延期された[3]
単行本収録のおまけ漫画では孫悟空の生みの母・ギネが描かれる[4]
関連動画
関連項目
脚注
- *1月期「VOMIC」に鳥山明『銀河パトロール ジャコ』が登場!
- *『銀河パトロール ジャコ』集英社ヴォイスコミックステーション-VOMIC-
- *『カツラアキラ (桂正和×鳥山明 共作短編集) 』も同日に発売予定。
- *『最強ジャンプ』2014年3月号付録の単行本『エピソード オブ バーダック』収録の鳥山明インタビューより。
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