銀河戦国群雄伝ライとは、真鍋譲治による、銀河系を舞台にした漫画作品である。
『月刊コミックコンプ』(角川書店)にて1989年11月号より連載されたが、1992年頃より始まった角川お家騒動に巻き込まれる形で1993年1月号を以って連載の場を移す事となり、『月刊電撃コミックガオ!』(メディアワークス)にて1993年2月号より2001年11月号まで連載された。全27巻。
また、本編の後日談のストーリーとして『月刊電撃コミックGAO!』2003年2月号に別冊付録として掲載された『銀河戦国群雄伝ライ異聞』(全1巻)がある。この他にも原作者による同人誌が刊行されており、内容は性的ないわゆる「薄い本」であるが、本編と繋がる要素も多い。
現在、単行本は各種電子書籍等で配信されているほか、大合本版(複数の巻を1冊にまとめたもの)をマンガ図書館Zで無料で読むことが可能である。
概要
史記、三国志、戦国時代、近代海戦などをモチーフにしたストーリーを銀河規模で描いた仮想戦記漫画。主な戦場は宇宙戦艦同士の艦隊戦となるが、人間が宇宙空間でも生身で生存できたり、敵船に乗り込んでの白兵戦重視の傾向が強いなどSF成分は控えめになっている。
1994年から1995年にかけてテレビアニメ化もされたが、ストーリーは原作の内容と大幅に違い、また、当時は原作も未完であったため終盤のストーリーが完全オリジナルとなった。さらにアニメスタッフの暴走により、数年後に完結を迎えた原作版とは全く異なる結末を迎えてしまった。アニメについては原作者も酷評し関係者全てに死刑宣告するほどブチ切れたらしい。作中の楽曲は素晴らしいだけにもったいない作品になってしまった。 [1]
映像ソフトとしてはVHSが出ているのみで、現在までのところDVDやBDは出ていない。
アニメ展開後にSFCでゲームも発売されており、竜我雷率いる南京楼軍・羅候率いる練国軍・独眼竜正宗率いる南天連合軍・骸羅率いる大五丈軍の4勢力から銀河を統一するのが目的のシミュレーションゲーム。このゲームではすべての星を制圧されても滅亡にはならず、主人公(または敵君主)の艦隊戦による旗艦撃破または白兵戦による撃破でその国は滅亡となる。
あらすじ
神聖銀河帝国皇帝が崩御したことにより帝政が崩壊した。
数多くの派閥による権力争いが勃発する中でいち早く勢力拡大をさせ北天を統一したのが、元帝国左将軍の比紀弾正である。彼は五丈国を建国し、最も信頼できる4人の部下・五丈四天王の活躍もあり、残る北天勢力を制圧し南天への南征を始める。
五丈四天王のひとり狼刃は自分の軍団にいた一兵卒に目を付けた。彼の名は竜我雷。戦国時代の風雲児がついに歴史の表舞台に立つ。
※ここでの紹介はゲーム版開始時の骸羅のクーデターまでのネタバレを含むので閲覧時は注意を。
主な国家
北天
- 五丈国
- 比紀弾正が建国した国。五丈四天王を筆頭に軍閥による権力が大きく、文官の発言力は小さい。
- 大五丈国
- 比紀弾正の死後、五丈四天王骸羅によるクーデターにより五丈国は制圧された。骸羅は自ら皇帝を名乗り、国名を大五丈国と改めた。
南天
- 練国
- 南天の部族国家の一つ。主に獣人を中心とした国。専制君主制を採っており、君主の発言力が大きい。
- 智国
- 南天の部族国家の一つ。「正宗」と呼ばれる王を中心とした専制君主国。北天の五丈に対する南天連合軍の盟主国家となる。
登場人物
ここで紹介するのはごく一部の主要キャラです。声優はアニメ版より。
五丈国南京楼軍
- 竜我雷 CV:檜山修之
- 本作の主人公。度胸と悪運の強さを五丈四天王である狼刃に買われ、艦隊師団長になる。元々は白兵戦用の1兵士であったため、当初は艦隊の指揮はまったくであったが、訓練や南天との戦闘を重ねていくうちに上達する。アニメ版では「燃えるぜ」を決め台詞として使っている。
- 大覚屋師真 CV:矢尾一樹
- 南京楼一の商人。大覚屋の長男。普段は風来坊として街に繰り出し女遊びなどをしていたが、竜我雷と出会い彼とともに銀河統一を目指すこととなる。三国志の孔明にあたる人物であり、その知略・策略で数多くの会戦で勝利を挙げる。
- 紫紋 CV:三石琴乃
- 神聖銀河帝国軍の帝国将官、阿曹主禅の娘。母親が皇族出身であり、唯一の皇族の血を引いていた。父親である阿曹主禅を竜我雷が討ち取ったのを知り、当初は彼を嫌っていた場面もあった。
- 麗羅 CV:熊谷ニーナ
- 比紀弾正の娘。かなりやんちゃな性格で武芸の腕もかなりのものである。竜我雷を見たとき只者ではないと思い、将来の五丈の支配者にしようと画策する。父親の死後は骸羅とクーデターを起こし国王代理となるが、民を苦しめるほどのふぬけた統治のせいでついに骸羅より追放されてしまう。雷と再会後は「末席でもいいから後宮に置いてほしい」と懇願する。
- 雲海入道 CV:島香裕
- 竜我雷の兵卒時代からの親友。雷にとって頼りになる豪傑であり、いつも白兵戦では共に行動した。
- 太助 CV:山口勝平
- 竜我雷とは同郷で、幼い頃から彼を兄貴と呼び慕う。銃の使い手で、白兵戦では後方支援の工作員にあたる。
- 孟閣
- 竜我雷が師団長になった時の副師団長であり、部下の信頼も厚い。当時は新米司令官の雷に不服であったが、南征での彼の働きを見て信服する。以後は雷が白兵戦時の時の旗艦金剛の指揮などを行う。
- 林則嘉子明 CV:沼田祐介
- 仕官前は仕事をサボって読書をしたり無銭飲食などをして投獄されたりしていた。釈放後、仕事に就けず行き倒れしたところを助けられ、下働きとして雇われる。無断で書庫で読書をしていた時に大覚屋師真の目に留まり、副軍師として竜我雷を助ける。
- 項武 CV:園部啓一
- 父親と共に国境付近で海賊をしていたところ、竜我雷と出会い、父親と共に雷の軍に参加。当初は猪武者であったが、戦闘を繰り返すうちに将軍としての才能を開花させる。三国志の張飛のようなポジションであり、白兵戦においては大斧を振り回し敵をなぎ払った。
- 三楽斎馬防 CV:小野健一
- 南京楼旧太守の家臣であったが、竜我雷と出会う前までは主人運がなかったため、当時の竜我師団のメンバーからよく思われてなかった。しかし、外交・内政の才能はかなりのもので、数々の交渉を行った。
旧五丈国
- 比紀弾正 CV:飯塚昭三
- 神聖銀河帝国の将軍で、帝国の崩壊後に北天を統一し五丈国を建国した。麗羅の父親であり、娘の頼み事には少し甘いところもある。北天統一後は南天へ進撃するも智国の独眼竜正宗との戦いで苦戦し撤兵。その後は病にかかり、死後正宗に国を譲るという遺言を文官筆頭の呂斎に手渡すが、早まった麗羅により遺書は隠蔽され、呂斎は誅殺される。その知らせを聞いたと同時に吐血して死去する。
- 鳳鳴
- 五丈四天王のひとり。その素顔は仮面に隠されている。五丈軍の兵権を任されており、事実上のナンバー2として四天王の筆頭的存在である。玄偉を嫌い彼を失脚させようとするも失敗し、最後は骸羅兄弟により誅殺される。
- 玄偉
- 五丈四天王のひとり。弾正に忠誠を誓うも、その裏では天下を狙っている。弾正の死後は骸羅のクーデターをいち早く察知し、影武者を使って逃れる。
- 狼刃 CV:山田栄子
- 女性ながら五丈四天王のひとりで、竜我雷にとっては母のようなポジション。彼を一兵卒から師団長に抜擢した張本人。
- 弾正に固く忠誠を誓っており、南天討伐の際は自ら先陣を名乗り出る。が、南征時には独眼流正宗の策略により補給も絶たれ、絶体絶命の危機に陥る。竜我雷により救われはしたが、その責任を問われてしまう。打ち首すらも覚悟していたが、玄偉の諫言により降格処分で済む。
- 弾正への忠誠心は非常に強く、弾正の死後は骸羅のクーデターの誘いに乗るふりをして、五丈を守れなかった責任を取るための死に場所を求めて参加する。
大五丈国
- 骸羅 CV:玄田哲章
- 五丈四天王のひとり。南蛮族の血を引いた獣人であり、身長2メートルの巨漢。五丈軍きっての猛将。
- 弾正死後その娘の麗羅を立てて五丈国全権を掌握する。国王代理の麗羅のていたらくを理由に彼女を追放し五丈皇帝となり悪政を極め、五丈の民に塗炭の苦しみを強いる。
- 骸山 CV:茶風林
- 3兄弟の二男で無双の剣の使い手で兄同様猛将。
- 骸延 CV:森川智之
- 3兄弟の末っ子。兄たちとは違い智謀で兄骸羅をサポートする。
練国
- 羅候 CV:置鮎龍太郎
- 練国の国主。父親の羅鶴が五丈四天王狼刃に討ち取られたことから兵権を引き継ぐ。
- 軍師の姜子昌と共に五丈軍を苦しめていく存在となる。
- 姜子昌 CV:梁田清之
- 羅候とは竹馬の友の名将。武術では項武と互角、策謀は師真と互角と言う腕前を持つため、五丈軍南伐の最大の障害ともいえた。
- 邑峻 CV:小山裕香
- 南蛮王の娘で同盟強固のため羅候に嫁ぐ。羅候の北伐にも同行し武勇でサポートする。
智国
- 独眼竜正宗 CV:高島雅羅
- 先代独眼竜正宗の娘で、本名は紅玉。弟の代わりに国政を握り、正宗の名を引き継いだ。その巧みな行動力と戦術で南天連合の盟主国として五丈軍と戦った。
- 飛竜 CV:緒方恵美
- 独眼竜正宗の右腕にして彼女を支え続けた武将。身軽さが持ち味で、諜報や工作などを行った。
- 虎丸 CV:阪口大助
- 独眼竜正宗の弟。姉の命により練国国主の羅候と義兄弟となる。姉正宗からかなり可愛がられていた。
登場戦艦
- 金剛
- 竜我雷の旗艦。真紅に染まる準弩級戦艦である。
- アニメ版では艦首に大口径の実体弾砲:轟雷砲を積んでいる。
- 定遠
- 五丈四天王狼刃の旗艦。通常の戦艦より大きく紫色の戦艦。南征時に練国の攻撃を受け轟沈している。
- 鎮遠
- 五丈四天王骸羅の旗艦。皇帝即位後は威海洋並の大きさに改修された。
- 威海洋
- 比紀弾正の旗艦にして五丈の総旗艦。通常戦艦より大きく戦艦の艦首を2基並列して装着している。
- 帝虎級戦艦
- 練国が開発した超大型の戦艦。1隻が1個師団に匹敵するほどの火力を持つ。12隻が建造された。
- 大帝山
- 独眼竜正宗の旗艦。艦体中部上面に3連装砲塔9基が配置されており、攻撃力なら帝虎級に次ぐ威力。ただし、主砲の門数に対し揚弾装置が少ないので、継戦能力に劣るという欠点がある。
関連動画
関連項目
関連リンク
脚注
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