銅の剣とは、主にRPG等に登場する武器の一種である。現実世界においても古代に武器や祭器として用いられた。
なお、本記事ではドラゴンクエストシリーズに登場するものを中心に解説する。
概要
特に「銅の剣」と言う名前で登場するのは「ドラゴンクエストシリーズ」及び同作品のスピンオフである「トルネコの大冒険シリーズ」が主。両シリーズでは皆勤賞を続けている。
海外版DQ6・7では「Copper Sword」。まんま銅の剣と言う意味。
読み方は基本的には「どうのつるぎ」だが、情報媒体や作品によっては「どうのけん」と読み仮名を表記する場合もある。
最序盤の武器ではあるが、スタートしたばかりの状態では割と値の張る武器で、大抵は最初の街で手に入る中での最強武器であるがDQ5~6・8ではすぐに強力な武器「ブーメラン」が手に入るため無視されることもある。
DQ2や3では王様の命を受けて魔王討伐に出かける勇者(しかも2は王様の実の息子の王子)であるにも関わらず「銅の剣と50Gだけかよ」「もっといいもの支援してもいいだろ」等とよく言われるが、その町で手に入る最強の武器がそれなんだから仕方ない。時にDQ2ではローレシア城の道具屋には銅の剣は売っておらず、わざわざリリザの町まで兵士をお使いに行かせていることになる。(もっとも、「じゃあ城にいる兵士はどこから武器調達してるんだよ」と言う話になるが)
ドラクエに登場する銅の剣は「溶かした銅を型に流し込んで鋳造した剣で、斬るよりも殴って使う武器」との解説がなされる事が多い。しかし戦闘アニメーションが付いているシリーズではいずれも殴るより斬っているような使い方。
この「銅」とは純銅のことなのか青銅のことなのかはっきりしない。
武器ならば純銅ではなく青銅であるべき(後述)なのだが、攻略本のイラスト等ではどう見ても赤茶色をしているため、純銅に見える。
初期の頃の設定では青銅という記述がちらほら見られたが、後にはただの「銅」と言う記述で統一されている。
(DQ8においては錬金釜使用時に青銅製のブロンズナイフを入れることで銅の剣を作成できるので実際には青銅製なのかもしれない。)
良く似た武器に、主にファイナルファンタジーシリーズで登場する「ブロンズソード」がある。
こちらも最序盤で出てくる武器だが、ブロンズとは銅ではなく青銅のこと。名前からはっきりと青銅である。
銅とは
- 強度
鉄ならば熱して叩いて鍛える事で不純物や空気を追い出してより強度を高める事が出来るところ、銅はそのような事が出来ない。叩くと鍛えられる前に曲がって変形してしまう。そのため鋳造で作られるのは最も理にかなっている。実際、古代で使われた青銅製の武器はいずれも鋳造によって作られている。
また、銅製の刀剣が現役で用いられていた時代では、鉄製の武器はもちろん皆無で、胴鎧でも金持ちしかつけておらず、大半は平服+盾という装備であった為、刀剣としての切れ味の悪さや強度の低さは鉄または青銅が普及するまでさして気にならなかったと思われる。 - 重さ
鉄のおよそ1.138倍の重さを持つ。鉄を加工した鋼は重さ自体は鉄とほぼ同じであるため、銅を用いて日本刀と同じ形の剣を作った場合、長めの物ならば1.5kg近い重さになる。剣は軽いほうがいいと言うわけではないので重い事が一概にデメリットとは言えないが・・・。
DQ世界の銅の剣は戦士などの戦闘専門職だけでなく、商人や僧侶などのあまり力が強くない職業の者でも扱う事が出来るため、日本刀サイズで日本刀よりも重い武器であるとは考えにくい。従って脇差や短剣程度のサイズをしていると推測される。 - 量産性
現在、現実世界では銅は割と高価である。
銅と同じように鋳造で製品を作り、かつ銅よりも強度が高く、安価である金属として「真鍮」があるが、銅が高価なのは現実世界では導線などの機械部品としての需要が高いからである。実際、北京オリンピック前の時期には銅が高騰し、日本では電線などの銅が使われている部品の盗難が相次いでいる。
ファンタジーの世界ではこのような機械部品としての需要は無いと思われるので、銅もあまり高騰していないはずで、量産するにはうってつけの素材と言える。
以上は、不純物を含まない純銅の性質を基準に考えたものである。
純銅は靭性が高い(衝撃を受けても割れたりしづらい)代わりに、強度が低い(衝撃を受けると変形しやすい)ため、鈍器ならまだしも剣のような特定の形を保つ必要のある武器の素材としては不適当と言える。
なので、古来より作られてきた銅を使った剣などは、正確には青銅を用いて作られているものが殆ど。
青銅とは銅に錫(スズ)を添加した合金のこと。
遺跡から出土する青銅器等はたいてい微妙な青緑色をしているため青銅と言う名がついているが、この色は表面が酸化した、いわゆる「錆び」の色である(酸化銅はまさに青緑色)。錆びてない綺麗な青銅は全く違う色をしている。
古代から現在まで存在する青銅はスズだけでなく亜鉛や鉛も含んでいる事が多いが、添加物の総量の割合ごとの性質を以下に記述する。
- 添加量25~30%以上
極めて明るい黄金色に輝く。古代の銅鏡に使われる事が多かったが、ここまでスズが多いと強度は上がるが極めて脆くなり簡単に割れてしまうようになるので、中世以降の銅を使った鏡は純銅を別の方法で加工する方法が主流になった。
添加物総量で30%ではなくスズだけで25%を超えるほどの含有量があると、さらに輝きを増して白銀色になる。 - 添加量10~20%
黄金色に輝く。強度と靭性のバランスが良いとされるゾーンで、青銅製の武器防具はこの辺の青銅を用いて作られていた。 - 添加量10%未満
やや明るいだけの、ほぼ銅と同じ色。純銅より僅かに強度が高いだけで純銅と似たような性質。
ちなみに日本の10円硬貨はスズ2%、亜鉛3%ほど。
銅の剣は攻略本イラスト等の色、英語版での名前(BronzeではなくCopperと明記)、およびDQ3等で「青銅の鎧」などの青銅製の武具が登場しても未だに「銅の剣」である事からして、純銅もしくは添加物の量が非常に少ない銅だと推測されるため、叩けば比較的容易に曲がる代物だと思われる。
それに対してFFなどのブロンズソードは割と色んな色で描かれるが、赤色の要素を含んだ色で描かれる事は少ない。中には鉄製の剣と同じような白っぽい色で描かれているものもある。
性能
ドラゴンクエストシリーズ
値段 | 攻撃力 | 装備可能キャラ | 入手場所 | |
DQ1 | 180G | 10 | 主人公(しかいない) | ラダトーム城下町・ガライの町・マイラの村・ リムルダールの町・メルキドの町の武具屋 (要するに全ての店で売っている) |
DQ2 | 100G | 10 | ローレシア王子 サマルトリア王子 |
ローレシア王子初期装備 リリザの町・サマルトリア城の武具屋 |
DQ3 | 100G | 12 | 勇者・戦士・武闘家 商人・遊び人・賢者 |
勇者初期装備 アリアハン城下町・レーべの村・武具屋 |
DQ4 | 100G | 12 | 勇者・ライアン・クリフト・ トルネコ・ミネア |
ライアン・勇者初期装備 バトランド城下町・イムルの町の武器屋 サランの町の武器屋 レイクナバの町・ボンモール城下町の武器屋 モンバーバラの町の武器屋 ブランカ城下町の武器屋 |
DQ5 | 270G | 13 | 主人公・ヘンリー・ピピン・息子 モンスター多数 |
サンタローズの町・アルカパの町・妖精の村・ ラインハット城下町の武器屋(全て少年期) |
DQ6 | 270G | 13 | 主人公・ハッサン・テリー・アモス ドランゴ・他モンスター多数 |
ライフコッドの町(上・下)、シエーナの町・ レイドック城下町(上)の武器屋 |
DQ7 | 220G | 11 | 主人公・ガボ・メルビン・アイラ | ウッドパルナの町(現在・過去)・エンゴウの町(過去)・ フォーリッシュの町(現在)の武器屋 |
DQ8 | 270G | 13 | 主人公・ゼシカ(短剣30以上) | トラペッタの町・リーザスの町の武器屋 |
DQ9 | 150G | 7 | 戦士・盗賊・旅芸人・ バトルマスター・魔法戦士の職 |
ウォルロ村よろず屋 セントシュタイン城下町武器屋 |
トルネコの大冒険シリーズ
購入額 | 売却額 | 攻撃力 | 備考 | |
トルネコ1 | - | 75G | 3 | 序盤向けの武器。しかし修正値によっては上位武器の攻撃力を上回ることも。 |
トルネコ2 | 700G | 300G | 5 | 1に比べ、登場する武器の数が増えたことでさらに影が薄くなった。 |
トルネコ3 | 400G | 200G | 4 | 印数は5。重さは120。他は上記と同様。 |
関連動画
関連項目
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