鍋立山トンネルとは、新潟県の鍋立山(なべたちやま)に掘られたトンネルである。
概要
新潟県上越市大島区から同じく新潟県十日町市松代町(まつだいまち)を貫く、
全長約9キロの鉄道トンネルである。
着工から完成までに22年もかかった難工事は、
膨張性の地山(じやま=トンネル掘削の対象となる山)との闘いであった。
せっかく苦労して掘ったのに先端の切羽(きりは)部分の押し戻す圧力が非常に強く、
掘削マシンが10日で50mも後退したことがあったそうだ。
さらにメタンガスや石油が漏れてきて爆発したり、土砂が吹き出したり、
トンネル工事は困難のてんこ盛りである。
工事に携わる人たちから見れば山は生きているも同然で、
生き物に無理やり穴を開けようとすれば機嫌が悪くなって怒りだすこともある。
そこをなんとかするのがトンネル技術者の知恵と工夫と根性なのだ。
3年の中断を経て再開された工事で薬液を注入して土壌を固めたり、
シールドと呼ばれる筒で内部を補強したりしながら少しずつ掘り進め、
ついに1995年11月に完成に至ったのである。
完成後は1997年より北越急行ほくほく線がトンネルを走っているが、
乗客が難工事であったことを想像するのは難しいであろう。
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