長崎幸太郎(ながさき こうたろう)とは、日本の政治家、元財務官僚。自由民主党所属。第19代山梨県知事。
概要
1968年8月18日生まれ。東京都出身。母親が山梨県市川三郷町出身。
1991年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現在の財務省)に入省。主に主計局の要職に就いていた。2002年には母親の故郷である山梨県庁に出向し、企画部で勤務している。
国政時代
2005年の郵政国会にて元自由民主党総務会長で富士急行の経営一族である堀内光雄が造反したため、所謂「刺客」として送り込まれ、衆議院選挙山梨県第2区に立候補。選挙では堀内に敗れたが、高い得票率を得たことや自由民主党が大勝したことで小選挙区比例代表並立制に助けられ当選する。
2007年に堀内が復党を許されたことで山梨県第2区の公認問題が勃発。党本部は長崎に比例区へ回るよう提案するもこれを拒否。本来であれば1期目の新人が党に逆らったということで除名相当であるが、当時総務会長であった二階俊博が長崎を支持したことで有耶無耶となり、結果堀内と対立することになる。結果2009年に自由民主党は堀内を支持したことで長崎は離党するも、この時自分が勧誘した党員415人(当初は3648人で申請されたが水増しが発覚している)をごっそり離党させたことで問題になる。
2010年の衆議院選挙では無所属で出馬。この選挙では自由民主党に逆風が吹いていたこともあり堀内光雄に得票で上回ったが、民主党候補に敗れ落選した。但し二階俊博に支援を受け、2011年の参議院選挙では宮川典子を応援している。
2012年の衆議院選挙にて無所属で出馬。自由民主党は堀内光雄の義子(長男の嫁)である堀内詔子を公認するがそれを破り、国政に復帰した。但し堀内詔子も比例代表で当選したため、自由民主党に復帰することは叶わなかった。2014年の衆議院選挙でも選挙区で当選。堀内詔子に連勝したことで復党が認められると思ったが、堀内支持で固められていた自由民主党山梨県連が断固拒否したことで「自由民主党の支援を受けながらも無所属のまま」という状態が続いた。
2017年の衆議院選挙も自由民主党は堀内詔子を公認する予定であったが、幹事長にまでなっていた二階俊博がこれに反発。堀内光雄から派閥を引き継ぎ堀内詔子の後見人でもあった岸田文雄と対立する事態となった。見かねた党本部は「双方無所属で出馬し、当選したほうを公認にする」という方針を打ち出し、比例復活なしのデスマッチという異様な選挙戦となった。当初は長崎が優勢という予測であったが、負けたら堀内一族や富士急行は終わりと危機感を持った堀内詔子が巻き返しを図り、投開票の結果堀内詔子が当選し、長崎は下野することになった。
県知事時代
2018年9月に翌年に行われる山梨県知事選挙への出馬を表明。自由民主党から公認を得ようとするも山梨県連が再度反発したことで難航する。実は2015年の山梨県知事選挙でも長崎の名前が挙がったものの「長崎を支援するぐらいなら民主党候補を支援する」といわんばかりに後藤斎を推薦するなど山梨県連の長崎アレルギーは相当なもので、県議の中には「顔も見たくない」という者までいた有様であった。
一方この対立で山梨県連は分裂状態となり、輿石東擁する民主党に議席を奪われ続けるなどかつての保守王国は崩壊寸前まで陥っていた。これに危機感を持った一部の県議は「このままでは県連がなくなる」と反対勢力を説得、長崎も県連にこれまでの行為を謝罪したことで双方歩み寄りを見せ11月に甘利明の仲介により堀内詔子と形式上の和解をとったことでようやく自由民主党の推薦を受けることになった。そして翌1月の選挙戦の結果現職の後藤斎を破り、山梨県知事に就任した。
山梨県知事での政策
山梨県知事に就任後、中部横断自動車道の県負担減免や富士登山鉄道の早期実現に着手し、中部横断自動車道については県負担を160億円から1億円へ引き下げることに成功した。一方で富士登山鉄道については800億円の負担がかかることから沿線自治体の反発もあり難航している。
就任中に新型コロナウイルスが発生したことを受け、山梨独自のルール「やまなしグリーン・ゾーン認証施設」を設定。東京に隣接しながらもほどんどの期間で感染者数が少ない結果となっている。
2019年の知事選で堀内一族と和解したかに見えたが、就任から間もなく県有地の借用問題で富士急行と対立。富士急ハイランドのアトラクション「ド・ドンパ」で事故が相次いだ際も富士急行幹部を県庁へ呼び出そうとし、拒否されると運行停止と訴訟準備をちらつかせた。この長崎の行為が原因で山梨県連は再度分裂し、2023年の県知事選挙では県連内の反長崎勢力から対立候補を擁立される原因になってしまった。
ヴァンフォーレ甲府について、前知事が進めていた球技場計画を白紙化。さらに表敬訪問を急遽キャンセルするなどサポーターから反発を受けている。但し長崎は球技場建設を選挙公約にしておらず、SNS上では「選挙の時ヴァンフォーレ甲府のネクタイをしていたから建ててくれると思った」というサポーターの思い込みが既成事実化するなど見解のズレが発生している。
発言
山梨県、特に長崎の母親の出身地である市川三郷町は印章の産地であることから県知事として支援を行なっているが、新型コロナウイルスを契機に捺印の省略化が勧められた。そんな中河野太郎が平井卓也厚生労働大臣(当時)から「押印廃止」の印鑑を披露した時、「唖然として言葉も出ない」と不快感を示している。
また、新型コロナウイルスに関連して山梨県内のキャバクラでクラスターが発生した時、「極めて強い懸念と憤りを感じる。県民全体の生命を脅かしかねない迷惑行為」と会見で激怒したところ、橋下徹から以下の通り苦言を呈され、長崎は橋下に対しFacebookで説明に追われることになった。
その他、リニア工事を反対している静岡県知事に対して「一言も連絡がない」と苦言を呈したり、職務時間中にもかかわらずヤフーの記事に噛みついたりするなどSNSや会見などでの言動が騒動になることがある。
なお、これらの言動が原因か定かではないが、2022年に2度にわたりカッターの刃を送られる脅迫行為を受けている。
関連動画
関連生放送
関連項目
- 1
- 0pt