長谷川裕一とは、「日本で3番目にスケベな漫画家(by 岡昌平)」かつ「日本で2番目にオタクの心が分っている漫画家(by 岡田斗司夫)」である。
概要
1961年千葉県生まれ。桁違いにスケールの大きな荒唐無稽なSF少年漫画を得意とする。いわゆるメディアミックス漫画誌では1980年代中盤の黎明期からずっと第一線で活躍している漫画家の一人でもある。高校時代に自主制作アニメ『スタージャッジ』を制作し、松田一輝のアシスタントを経て1983年に『魔夏の戦士』でデビュー(『マップス愛蔵版』の作者紹介で『真夏の戦士』と思いっきり誤植されていた(結局最終巻まで直らなかった)が、正しいタイトルは『魔夏~』である)。驚くことにこのデビュー作で既にある程度作風が確立されていた。
代表作には『マップス』などがある。2003年に『クロノアイズ』で星雲賞コミック部門を受賞…しているのだが、実はその2年前の2001年に『もっとすごい科学で守ります!』で本業の漫画作品より先に星雲賞を受賞している(しかもフィクションを扱った本なのに受賞した部門はなぜかノンフィクション部門である)。
…しかし、『マップス』は2度もOVA化されているのにどっちも悲惨な出来だったり、もりやまゆうじと共同で『EXPER ZEON』というOVAの原作を手がけたが業界人の受けは良かったもののその他には…だったり、『クロノアイズ』は続編の『クロノアイズ・グランサー』連載中に掲載誌に「アニメ企画進行中」と書かれたのがスポンサーが降りてしまったとかで結局実現しなかったりと、オリジナル作品のアニメにはなぜか報われない。弟の長谷川勝己はアニメ脚本家だってのに…。しかし、仮に2度目の方の『マップス』が当初の計画通り2期目以降も制作されるほど成功していたとしたら時期的に近い『クロスボーン』や『イサミ』に影響が出ることは容易に考えられる(ということは、それに連なる作品群にも影響が出るということにつながる。特に後者は「NHKアニメ史上「初」づくし」(「初」のNHKオリジナルアニメ・NHK総合からNHK教育へアニメ枠移転後「初」の作品・佐藤竜雄監督の「初」監督作品・NHK出版「初」のコミックスなど)という特殊な立地の関係もあってその数が多い)ので、これはこれでよかったのかもしれない…。複雑な心境ではあるが…。
『マップス』はシェアードワールド化もされており、その内容は現在連載中の『マップス ネクストシート』にもフィードバックされている。ちなみにこれが実現したのは企画者のシナリオライター重馬敬と共同でゲーム『グランディアII』のシナリオ原案を担当していたからである(ただし実際の作品ではかなり改変されたとのこと)。
また、SF評論家として空想科学に詳しく、著書である『すごい科学で守ります!』シリーズではスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズに登場したロボットやサイボーグなどを分析し、SF的立場から肯定的に検証している。悪役にも詳しく、TVチャンピオンの悪役怪獣・怪人王選手権で優勝した。
ガンダムファンからは『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズの作者としても有名。そのほかにも『機動戦士Vガンダム外伝』などの宇宙世紀の外伝的作品を何本か執筆している。『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』という「ガンダム対イデオン」というとてつもないクロスオーバー漫画を大真面目に描いたこともよく知られている。『クロスボーン』がゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』に登場した際には同作の4コマアンソロに寄稿している(さすがに「しかし自分でやっていいのか」と自らツッコミを入れている)。
その『クロスボーン』が連載が開始された1994年秋には「コミックNORA(学研)の『マップス』」「少年エース(角川)の『クロスボーン』」「少年キャプテン(徳間)の『轟世剣ダイ・ソード』」と、なんと三大アニメ誌の出版元3社が刊行する漫画誌で同時に連載といったことをやっていたりする。これでアニメがらみの企画でもあったら大変な事だよな…とかいっていたら翌1995年にはテレビアニメ『飛べ!イサミ』の漫画版を「1ヶ月で単行本1巻」というペースで描き下ろしていたという逸話もある(この時期『クロスボーン』『ダイ・ソード』『イサミ』の3作品合計でなんと300ページ近い原稿を毎月描いていた)。そんな超ハイペースにも関わらず『イサミ』でもらったのは(NHK出版史上初のコミックスであったこともあり、担当者が漫画に不慣れだったせいで)原稿料だけだったらしい(管理人氏が『マップス文庫版』に寄稿もしているファンサイト「けぺる倶楽部」に以前存在した掲示板でのタレコミ情報による)。さらに後に諸事情で『無人惑星サヴァイヴ』の漫画版も手がけることになってしまったため、奇しくもNHKオリジナルアニメの最初の作品と(今のところの)最後の作品は共に長谷川裕一作品となっている(ただし『イサミ』『サヴァイヴ』両作共にアシスタントさんとの共著という形になっている)。
ロボット漫画を数多く発表している。どれだけ多いかというと同人誌で自作品だけでスーパーロボット大戦ができるほどである。その『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝』は今やプレミア価格で取引されている(<C78で再版されました。委託もする予定だとか)。この作品が発表された後にもさらにロボット漫画作品は増えている。ちなみに『スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日』という公式のスパロボ漫画も描いており、また『クロスボーン』も2018年現在3回本家のスパロボ(第2次α・V・X)に参戦したことがあり。類いまれな「スーパーロボットもリアルロボットも描ける漫画家」である(一般的にはどっちか片方しか描けない漫画家の方が多い)。『超電磁大戦ビクトリーファイブ』『ゴッドバード』などクロスオーバー作品が多いのも特徴である。原作であるテレビアニメ版にはロボットが登場しない(厳密にはちょっと違うのだがその辺の事情を説明すると長くなるので割愛)『イサミ』でも独自に花丘邸を変形ロボにしたほどである(1997年に制作されたドラマCD版ではこの設定が流用されている。ちなみにこのドラマCDに「マンガ天狗」として声優として出演もしている)。他にも唯一の18禁作品(といっても本自体は旧版・新版共に18禁ではない。内容的には正しいのだが…(ただし同人誌で出された続編は本自体も18禁))『童羅』も異常にプレミアがついていたりする。
メディアミックス漫画誌中心の活動にも関わらず、2018年9月時点で出版された単行本は文庫版・新装版・愛蔵版等も含めると150冊にも及ぶ(データはWikipediaによる。漫画ではない『すごい科学で守ります!』や本人が作画を担当していない『無人惑星サヴァイヴ』『MEAN 遥かなる歌』等も含む)。
デビュー元である秋田書店と揉めた経験から、著作権を出版社任せにせずに自ら管理している。そのため過去作品のリメイクキャラが大勢登場した『スタジオ秘密基地劇場』が可能となった(ちなみに「スタジオ秘密基地」とはコミックマーケットに参加する際のサークル名であり、公式ブログのサイト名である)。
知人(具体的な名前は明かされていないが、少なくとも東方Projectの作者ZUN氏のことではないものと思われる。もしZUN氏だったら話題にならないはずがないだろうし…)が開発スタッフだった縁でゲーム『ラクガキ王国』の最初のテストプレイヤーとなった(公式サイトで作品が紹介されている)。そのやり込みは同作のイベントに出演した際にプレイ時間のタイマーを99時間59分でカンストさせていた
ほどである。
意外なところでは富士見書房とそこそこの縁があり、富士見ファンタジア文庫から刊行された『超銀河的美少女幽霊』というライトノベルの挿絵を描いていたり、『マーメイド・ヘヴン』という短編作品が存在したり、『スレイヤーズ』のあらいずみるいが『マップス』のファンで愛蔵版やシェアードワールドに寄稿していたり、逆に同作のテレビアニメ版第1作目が弟の長谷川勝己のデビュー作であったりしている。
近年は『アムドライバー』『遊☆戯☆王5D's』等のデザインを手がけた宮崎真一、ヒーロークロスライン全作品とのクロスオーバーを達成した『ひろよん』の椎名かつゆき
、リリカルなのは同人界隈で「シャマルの人」として知られる(ついに公式のアンソロでもシャマル漫画を描いてしまった)若林まこと
等の(出身者を含む)アシスタント各氏の活躍も目立つ。
「ノーラコミックスの長谷川先生」でこちらを連想するかリリカルなのはの人(長谷川光司)を連想するかで世代が分かる…かもしれない(先に挙げた若林氏の例もあるので断定はできないが)。
驚くべき事に、太田出版から曲がりなりにも研究本が出ていたりもする(かなり長い本人へのインタビューも収録されている)。
この度『マップス ネクストシート』第1話が音声付きコミックとして配信開始されたが、メインの2人の中の人がとある魔術の禁書目録の主人公ととある科学の超電磁砲の主人公の組み合わせになっているのは何か意味があるのだろうか?(これによりこちらでもふにゃー
が起こるかどうかは不明)
よく脱がすことでも有名。(第27回ロリコンにゲストとして招かれるほどに)ロリキャラに定評があると思われがちだが、実際は『マップス』のリプミラをはじめとしてメインヒロイン格はお姉さんキャラが多い。
↑リプミラ以外だと『クロノアイズ』のアナとか。ところでリムは?、ミュズは?、ベルナデットは?、千導会長は?、花火は? etc…先生やはり「ロリコン」の項目に名前が載っているだけのことはありますな。
絵柄が古風なことでも有名(本人も認めているし…)。そして富野御大からは、クロスボーンの作者コメント欄で「女性の趣味が自分と違う。残念」などとつぶやかれたりしている。それで敬遠しているそこのあなた、きっと損していますよ。
更にはご当地ヒーロー「ヨツカイダー」をデザインしたり(千葉県四街道市。長谷川が四街道市在住である事が縁で受託。千葉を拠点にするプロレス団体『KAIENTAI・DOJO』所属レスラーとして限定参戦していた)、
新名昭彦氏の『マジンガーエンジェル』に「オッパイロケットミサイル」というキワモノ武装を読者に混じって投稿、採用されたり(しかも当時自身も同じ講談社「月刊マガジンZ」で『鉄人28号 鋼鉄の紋章』を連載中に)・・・先生なにやってるんですか(汗)
現在「ガンダムエース」にて『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』及びComicWalker・pixiv内コーナー「ねこシブ」にて『FU(フウ)』を連載中。
2016年1月現在、『轟世剣ダイ・ソード』『BEMADER・P』『鋼鉄の狩人』『ハイスピード・ジェシー』『メデューサブレード』『サン・ド・ホリー西へ!』『スタジオ秘密基地劇場』の7作が、本人の同意のもとで「マンガ図書館Z」にて全編無料公開されている。
関連動画
デザエモンプラス INFERNO(本人作成のゲーム) ガンダムVS宣伝動画
関連項目
- 漫画家の一覧
- 長谷川勝己 - 弟、アニメ脚本家。
- マップス
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 轟世剣ダイ・ソード
- 飛べ!イサミ
- 超電磁大戦ビクトリーファイブ
- ゴッドバード
- SF
- クロスオーバー
- スーパー戦隊シリーズ
- ハイスピード・ジェシー
関連リンク
- スタジオ秘密基地
- 公式ブログ
- Wikipediaの「Category:長谷川裕一」
- 各作品の情報はこちらへ
- pixiv百科事典の「長谷川裕一」
- イラストはこちらへ
- FlexComix Web
- 2010年現在『マップス ネクストシート』を連載中のウェブコミック誌
- マンガ図書館Zの「長谷川裕一」検索結果
- 『轟世剣ダイ・ソード』などを含む数作品が、全編無料公開中。
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