閃光(m:tg)とは、花火のように一瞬輝いたマジック:ザ・ギャザリングのカードである。
概要
インスタント
あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。そうした場合、あなたがそのマナ・コストを最大(2)まで減らして支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。
クリーチャー・カードは自分のターンの特定タイミングにしか戦場に出せない。
《閃光》はクリーチャー・カードを相手のターンや戦闘中などの本来戦場に出せないタイミングで出す、
というのが本来の設計意図のカードである。
パーミッションなど打消し呪文を多用するデッキに対して使用するとかなりの嫌がらせになる。
相手から見ると、まず、《閃光》を打ち消さないと大型クリーチャーの登場を許してしまう。
そして、すぐ返しのターンで大型クリーチャーを普通に唱えてくるのでこれも打ち消さないといけない。
1枚の大型クリーチャーを抑えるために2枚の打ち消しを強いられてしまうのだ。
もちろん記事になるのは、そっちの使い方ではないのだが。
CIP能力とPIG能力
クリーチャー・カードには「戦場に出たとき、○○する。」、「戦場から墓地に置かれたとき、○○する」という能力を持ったカードが存在する。
「戦場に出たとき、○○する。」能力の俗称をCIP(Comes Into Play)[1]能力[2]、「戦場から墓地に置かれたとき、○○する」能力の俗称をPIG(Put Into a Graveyard)能力[3]と言う。
《閃光》で戦場に出したクリーチャーは維持コストを払わないと即座に墓地へ送られる。
そこで「2マナで手札にあるクリーチャー・カードのCIP能力、PIG能力を使用できるインスタント」として悪用された。
パワーレベル・エラッタ
開発側としてはそんな邪道な使いかたは認められず、「戦場に出ないまま墓地に送られる」ようにルールテキストを修正した。
これを「エラッタ」と言い、特にカードパワーを下げて禁止カード化を防ごうとするルールテキストの修正を「パワーレベル・エラッタ」と言う。
この変更は「ウルザズ・デスティニー」が発売された頃(2000年)に行われた。
それから時が経ち、2006年夏頃から「パワーレベル・エラッタ」は極力元に戻していくようにルールテキストの修正方針が変更された。
修正とは言うが、「エラッタ」とは要するに「カードの書いてない謎ルールによって、カードに書いてある効果とは別物になっている」のである。
元のテキストではゲームの根元から崩壊してしまうものならやむをえないが、「パワーレベル・エラッタ」は「強すぎるから弱くした」というものであり、「エラッタ」の使い方としてはかなり問題があったためである。
「パワーレベル・エラッタ」を解除していく方針を発表したとき、 開発側は「これでもう一度ひどいことになったら、禁止カード、制限カードに指定する」と宣言した。
大惨事が心配される中多くのカードに設定された「パワーレベル・エラッタ」は順次解除され、そのほとんどは特に問題を起こさず復帰していった。《閃光》は2007年4月に「パワーレベル・エラッタ」が解除された。
そして、2007年6月20日にレガシーで禁止カードに指定、2008年6月20日にヴィンテージで制限カードに指定された。
閃光のように輝いて散る
《閃光》の「パワーレベル・エラッタ」が解除された頃、1枚のクリーチャー・カードが登場した。
Protean Hulk / 変幻の大男 (5)(緑)(緑)
変幻の大男が死亡したとき、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストの合計が6以下になるようにクリーチャー・カードを望む枚数探し、それらを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
6/6
このカードによって、悪名高きハルクフラッシュが誕生したのである。MoMaの項目に書かれている「MoMaよりヤバいデッキ」のひとつがこれである。
ハルクフラッシュは、《閃光》を唱えて《変幻の大男》を即座に墓地へ叩き込み、PIG能力で出てきたクリーチャーで即死させるデッキである。
呼び出すクリーチャー陣は何パターンかあるが、どれも1ターンキルが可能、そして、安定して2-3ターンで決着できるような構成となっている。中には0ターンキル(後攻からスタートし、先攻側1ターン目が終了する前に勝利する)が可能な構成も存在した。
関連項目
脚注
- *現在のルールテキストだと(Enters the Battlefield)なのでEtB能力と言う人もいる。
- *昔のプレイヤーには187能力と言ったほうがとおりがいいかもしれない。
- *公式サイトなどではクリーチャーが戦場から墓地に置かれたときの能力を「死亡誘発」と呼んでいる。
- 1
- 0pt