『開運!なんでも鑑定団』とは、テレビ東京系で放送されているお宝鑑定バラエティ番組である。視聴率調査大手のビデオリサーチでは「教育・教養・実用」にカテゴライズされている。
概要
1994年4月19日放送開始。テレビ東京では毎週火曜日20時54分から放送中。放送枠は多少の前後はあれど開始時から全く変わっておらず、改編期などでも休止はほとんどないというテレ東の聖域。
「お宝ブーム」「鑑定ブーム」の火付け役であり、それまで世間では全く価値が知られていなかったブリキの玩具や仮面ライダーカード、超合金などの驚くべき値段や、横山大観や円山応挙の偽物率の高さを世に知らしめた。他局でも「世界お宝ハンティング」「マニア林蔵」「とんねるずのハンマープライス」など模倣番組が多数立ち上がり、週刊少年ジャンプでも「かおす寒鰤屋」なる漫画が連載されたが何れも短命に終わり、一方で鑑定団は数々の騒動を抱えながらも2024年4月で放送30周年を迎えた。
番組開始の経緯
元々は、この番組の司会者の一人である島田紳助が過去に司会をしていた深夜番組「EXテレビ」(大阪版・読売テレビ)の一企画として放送した「家宝鑑定ショー」がルーツである。
(更に言えば、イギリス・BBCで1979年より放送されている「Antiques Roadshow」という一般人のお宝を鑑定士が鑑定する番組があり、それをヒントに放送作家の三木聡が日本向けにアレンジして「EXテレビ」で放送したものである。)
当初は「EXテレビ」を放送していた読売テレビのキー局である日本テレビに番組化を打診したが断られ、「EXテレビ」最終回において司会であった島田紳助か上岡龍太郎のどちらかをそのまま司会者として起用することを条件に企画を売りに出した。それにテレビ東京が興味を示し、この企画を買ったことで生まれた番組である。
司会は紳助の他に、古美術に興味があることで知られる石坂浩二が番組化される際に加わった。これにより投資には詳しいが骨董に疎い紳助と、それをカバーする石坂という絶妙なバランスが生まれ、紳助いわく「石坂浩二の存在無くしては成功は100%なかった」という。
また、名物アシスタントとして無愛想に見える棒読みぶりでおなじみの吉田真由子がいた(彼女は実は開始半年後に登場した2代目である)。
放送開始~お宝ブーム
当初はあまり期待されていなかった事やテレビ東京という事もあり超低予算で番組は始まり、物凄く小さい電光掲示板のセット、放送初回はレギュラー鑑定士6人に対して席が4つしか無い(2人は裏の鑑定ルームで待機)、「鑑定ルーム」での鑑定中の声がマイク入りでモニターに流れておりオープンザプライスの前に写しの茶碗なのが依頼人に丸わかり、とセット・進行ともにガバガバで紳助が直々に苦言を呈していた。
これらの問題点は翌週には改善されたが、第2回放送では所定鑑定人の存在する棟方志功の依頼品が登場してしまい「真贋をつけることも値段をつけることも不可」として鑑定不能が早々に発生した。
以上のような準備不足も一因で番組開始当初は視聴率が低迷し苦戦したが、じわじわ視聴率を上げ10%を突破。1995年1月17日の阪神・淡路大震災当日に、いわゆる「テレ東伝説」により報道特別番組に差し替わることなく通常放送されたことで視聴率が急増した。そして本物のように見える鑑定品が実は偽物だったり、逆にそれほど価値があるように見えない品が実は高価なプレミアムがついていたりと、その意外性がある番組内容により多くの視聴者がそれ以降定着し、一躍人気番組となった。
この番組によって「お宝」鑑定ブームが起こり、様々なジャンルにマニアが居て市場があることを再認識させることとなった。毎週恒例で包装されるサブコーナー「出張!なんでも鑑定団」は現在では珍しくなった、全国行脚の公開収録であり、北海道から沖縄まで全国各地で収録が行われている。
テレビ東京を代表する人気長寿番組であるが、「鑑定団」はローカルセールス枠で放送されている。元々火曜日のゴールデンタイムがローカル編成可能枠であった名残であり、テレビ愛知・テレビせとうち・TVQ九州放送では番組開始当初別枠での遅れ放送であった。その後「鑑定団」の人気上昇によりテレビ東京系列局全局で同時ネット化されたが、未だにローカルセールス枠のため各局でスポンサーが異なる。また、テレビ東京系列以外の全国各地の地方局にもネットされており、土曜や日曜のお昼や午後に放送されている。BSテレ東でもレギュラーで再放送されているので、地方によってはCATVも含め週に4回も流れる。
2011年8月で島田紳助が芸能界を引退したため、以降の3週分は今田耕司を代理司会として収録していたが、そのまま正式な司会者とすることが発表された。ちなみに他番組では過去映像を使う際に紳助は巧くカットすることが多いが、鑑定団はガッツリ使っている。もちろん紳助に許可は取ってあるらしい。
今田は当初は骨董の知識は全く無かったが、司会を続けるうちに徐々に鑑定眼が身につき、特に気に入ったガレ作品は詳しくなった。
石坂浩二のコメントカット疑惑
石坂浩二は前述の通り骨董の知識を紳助に買われてのキャスティングであり、放送当初には鑑定ルーム(後述)を担当し、テレビ慣れしていない鑑定士を仕切る役割も担っていた。しかし2000年に入ると鑑定ルームの登場機会が減り、石坂は紳助と同じ司会の立場に近くなったが、それでも骨董知識に裏付けされたコメントや依頼人への茶々入れなど番組を盛り上げる役割としては十分に仕事をしており、存在感は決して弱くはなかった。
紳助が降板する前後(2010年ごろ)辺りから徐々に使われるコメントが減ったが、この頃は他の演出も少しずつ変わる時期だったのでさほど違和感は無かった。しかし2013年頃からは更にコメントが減り、視聴者の共通認識になり始めた。2014年1月にはなんJで置物化している事をネタにするスレが頻繁に立ったり、2014年10月7日放送の伊集院光深夜の馬鹿力の1コーナー「偽クリペプ曲紹介カルタ」では『石坂浩二って、もはやボタンを押すだけのおっさんですよね。』という投稿まで読まれる始末だった。
2015年になるとリモコンのボタンとデータ放送を用いて鑑定額を予想する視聴者参加企画も登場したが、視聴者にヒントを与える事になるからか石坂のコメントカットは執拗になり、「こんばんは」や相槌しか使われないという有り様だった。更にはボタンを押すアップまでカットされた。ここまで露骨になると流石に大手週刊誌やワイドショーが扱い始め、直後に降板が報道。一大騒動に発展する。
「石坂外し」が行われているのではないかという疑惑や石坂と番組プロデューサーとの不仲が原因という説まで囁かれ、皮肉なことにカット疑惑が報道されると番組の注目度は高まり、2016年2月2日放送分では通常10%前後の視聴率が14.1%を記録するなどした。
降板後はBSジャパン(現BSテレ東)の姉妹番組「極上!お宝サロン」の出演が発表され、打って変わって自由な場が与えられた。石坂本人はプロデューサーとの不仲説は否定。また、番組リニューアルは若者もターゲットにした番組作りが目的とされたが、この一連の騒動は尾を引くことになった。
なお、番組初期から出演を続けていたアシスタントの吉田真由子も同時に降板した。
石坂浩二は降板後の2019年に番組に再登場し、思い入れのあるお宝ベスト3を紹介。「帝国ホテルの解体現場で拾ったレンガ(50万円)」「物置に積まれいていたディズニーのモデルシート328枚(1億円)」「石坂浩二が自腹購入し寄贈した戦艦長門の日章旗3点(1000万円)」だった。
番組リニューアル
2016年4月より大幅リニューアル。企画に変更はないがスタジオのセットや演出などが刷新された。あまりの変わりぶりや「若者をターゲット」としながらもズレている感じが否めず、石坂騒動の余波もあり迷走しているとの評価が多かった。
今田耕司は続投するが、石坂の後任として新しい司会に福澤朗を迎え、今田・福澤の二人体制での司会となった(一部で大江麻理子アナも加入するという情報もあったが、嘘だったようだ)。暫くこの二人で番組を続けていたが華がなかった事もあってか、半年後にテレ東に2016年に入社したばかりの片渕茜アナをアシスタントに起用している。
当時のサブコーナーは「出張!なんでも鑑定団」と「私のお宝売ります」だけになっていたが、リニューアルを期に久方ぶりに「シロウト目利き選手権」や「幻の逸品買います」などが復活した。
コロナ禍では鑑定を担当した鑑定士以外はすべてパネルにする、出張鑑定が出来なくなり無観客での特定ジャンルの鑑定大会や昔の映像のプレイバックなどの対処でしのぎ、無事に2023年出張鑑定が復活した。
この出張鑑定復活に伴い船越英一郎が初めて出張鑑定の司会を担当したほか、赤レンガ倉庫で行われたイベントでは豪雨のなか原口あきまさ・片渕茜アナによるテレ東アナウンサー3名(佐々木明子、水原恵理、福田典子)のお宝鑑定も実施された。
なお、リニューアル以降アシスタントとして出演していた片渕茜アナが報道番組の担当増加に伴い2024年4月をもって7年半に及ぶ出演を終了し、菅井友香に交代することとなった。
曜変天目騒動
リニューアル間もない2016年12月20日、番組に天目茶碗が出品されたが、これを中島誠之助が日本で現在3点しか確認されていない「曜変天目茶碗」であると鑑定した。番組放送前から報道され一躍話題となり、降板騒動等で暗い話題が多いなか番組としては明るいニュースだった。視聴率は13.5%を記録した。
しかし放送後すぐに美術館の学芸員が異論を唱えたり、一家相伝で曜変天目の再現をする作家が「近年化学薬品を含んだ釉薬を用いて作った稚拙な贋作」と一刀両断したり、中国福建省の陶芸家が「私が作った」と発言するなど、またしても騒動になってしまった。
後に奈良大学で成分分析が行われたが、化学的な釉薬は使用していないと結論付けられ、ある程度の時代があるものであると判明したが、それ以上に踏み込んだ調査は行われず結局正体は謎のままである。当該の再現作家によりBPOに申し立ても行われたが、「鑑定能力はない」として審議対象にはならなかった。
視聴率
放送初回の視聴率は5.4%と散々なものだったが、1995年~1996年には毎週20%を超えるというテレ東としては異例の超高視聴率番組となった。番組開始当初は裏番組に「なるほど!ザ・ワールド(フジテレビ)」、「火曜サスペンス劇場(日本テレビ)」など強力な人気番組があったが、「なるほど」を1996年に終了に追い込み、ブームが終了した後も15%前後の視聴率をキープし「火サス」も2005年に終了した。
2013年でも平均12%前後という安定した高視聴率を誇り、流石にテレビ全体の視聴率が下がった2023年ともなると10%を切ってしまったが、それでも世帯視聴率7~8%で安定している。しかし視聴率やSNSの話題という面でも裏番組の「マツコの知らない世界(TBS)」に押され気味である。2024年4月1日、テレ東が開局60年目にしてクール単位のゴールデンタイム視聴率最下位を脱却したと発表されたが、記事では好調な番組として「ありえへん∞世界」「出川の充電旅」と並んで鑑定団の名前も挙がった。
鑑定
当初は「鑑定ルーム」という鑑定専用のセットが存在し、運べる大きさの依頼品は全てそこで鑑定していた。電光掲示板や鑑定士の座る席の下にはターンテーブル状の回転機構が仕組まれており、宇宙船内部の様な特殊な効果音とともに180°回転する。鑑定ルームでは円卓と椅子が置かれており、上座に石坂浩二が座り、石坂の横に専門家が付く。更にその周りに専門外のレギュラー鑑定士も座った。現在の鑑定は専門家が1人、SPで多くても2人で行うが、当時は専門外の鑑定士も参加し全員で依頼品を触って協議の上で鑑定額を決めていた。確定した鑑定額を紙に書き、石坂に渡すというシーンも見受けられた。
2024年現在、出番がない鑑定士もスタジオの席に座っているのはこの時のシステムの名残である。
最初期は外部から専門家を呼ぶことはなく、基本的にレギュラー鑑定士6人の見解で鑑定を賄っていたが、現在では発生し得ない「鑑定不能」が頻繁に発生してしまい、後から専門店の店主や大学教授などを追加して鑑定を行うことになった。
次第に全ての依頼品が鑑定ルームに運ばれることはなくなり、1998年頃からは通称裏鑑定と呼ばれ、依頼品が披露された場に鑑定士が出てきて鑑定する表鑑定と差別化が図られた。裏鑑定は高額鑑定の可能性が高いとされる一種の激アツ演出のような扱いになり、逆に表鑑定は二束三文の可能性大ということで紳助にもイジられていたが、たまに表でも高額というフェイントも混ぜられた。
2000年に入ると鑑定ルームには時々依頼品を運ぶ程度になったり、使用しても鑑定シーンは10数秒程度と短いものになり、影が薄くなった。2004年にもなると出番が全く無くなったが回転機構と鑑定ルームのセットは残されていた。しかし全く使わないにもかかわらずコストが嵩むからか、2007年頃には回転機構と裏のセットは取り除かれた。
放送当初は正体不明の品物以外は全てスタジオで一発勝負の鑑定が行われており、故に前述の鑑定不能や宿題(鑑定士が自ら取材に赴き決着を出す)が発生したが、専門家をゲスト鑑定士として呼ぶことで減少し、2000年頃からは収録の数週間前から綿密な取材や下調べを行い、確実に値段が出るようになっている(曜変天目の鑑定では何故かあんなことになったが)。現在、スタジオの鑑定は完全にポーズである。
格闘技担当の泉高志よると、依頼品の実使用を確認するために当時のスポーツニュースの映像をスタッフに探してもらったり、自らの足で国会図書館や神保町の古書街に行き資料を集めるなど、かなり熱のこもった取材がされている模様。
改編期のスペシャル版ともなると「キンケシ2099体」「水滴600点」「野球カード1357枚」のような絶対にその場で鑑定できないだろという代物も登場し、何ともシュールな光景となる。
鑑定額
本番組が人気番組になった最大の要因であるが、放送当初は骨董商ではない古民具担当の安岡路洋が全ての依頼品に値段をつけようとする番組の方針に憂いるような発言をするなど、何でも金額で評価するスタイルは美術商や学芸員の間でも賛否があり、安い高いで批判される事もしばしばある。鑑定士は高付けすれば「相場操縦」、安く付ければ「後で買い取るんだろ」と言われる中々辛い役どころである。
公式HPや番組の最後に表示されるテロップでは「当番組の鑑定結果は独自の見解に基づいたものです。」と表示されており、鑑定士が値踏みの根拠を語ることも勿論あるが、説明が不十分な事も多々ある。
最も多いのが専門店で売る場合の値段で、画商や専門店の店主が値踏みする場合は基本的にこの値段である。2009年に登場し雨よけにされ酷い状態だった長谷川利行「カフェ・パウリスタ」は1800万円と番組で鑑定されたが、後に国立近代美術館が7掛け(約1260万円)で購入し、補修や調査の後に展示された。特にマニアグッズの専門店店主の場合、商売人ゆえかシビアな値段が付く事が多い。
大学教授が値段を付ける場合は逆に相場より高くなりがちである。時々あまりに珍品で値段が付けづらい物の場合、「オークションのスタート額」と説明される値段が付く場合がある。
依頼人の思い入れで多少前後することも語られており、番組初期に登場した九谷焼の皿は写し物であり実際は1万円ほどの品だったが、大阪空襲の際に命からがら持ち出したというエピソードを聞いて色を付け3万5,000円にしたと中島は述懐している。
目利き認定証
本人評価額と鑑定額が一致すると「目利き認定証」という賞状が渡される。通称「ピタリ賞」「目利き名人」。紳助は謙遜して低い評価額をつけるゲストによく「当てに行きましょうよ、当てると賞状もらえるんですよ」と咎めていたが、滅多に出ない。10~50万円だと比較的出やすい。賞状には鑑定士の直筆で鑑定品目と署名が書き込まれ、その場で渡される。福澤朗がMCになってからは「ジャストミート!」とコールされる。
2015年からはデータ放送を用いて鑑定額を予想するゲーム企画が開始され、一定ポイントを貯めると同じく「目利き認定証」の賞状(全て印刷)とグッズを貰うことが出来た。2023年に終了。
電光掲示板
依頼品の鑑定額を表示し、番組の見どころになっている。鑑定額は向かって右側にテンキーのような打ち込みの機械があり、これに石坂→福澤が金額を打ち込んで紳助→今田の「オープン・ザ・プライス!」の掛け声と共にボタンをスイッチ、1桁ずつ表示される。第2回放送では石坂が依頼人に回ったため紳助が、紳助と石坂がお宝を持ち寄っての対決企画では吉田がボタンを押した。
初代
1994年4月の放送開始時から使用。小さい7セグメント式の電光掲示板で、初期はカンマの表示もなく、「イチ!ジュウ!ヒャク!セン…」の読み上げ効果音もなく一目で鑑定額が分かりにくい問題点があった。後に「億」「万」「,」が白い文字でガラスに書き込まれ改善された。全ての位が表示されると右端にある「 確定 」の赤いランプが「チン♪」というレジスターの音と共に灯りBGMが流れる。「億」の位まで表示可能。
時々「確定」の下の方にある「 審議 」の青いランプが灯る事があり、「リンゴの化石」の場合は国立博物館の取材や非破壊検査の末に正体不明だったため鑑定士全員が「自分なら買う値段」を各々答え、平均3万6,400円という特殊な値段がついた。「チムー文化の壺」は専門の鑑定士が存在せず、東大教授に値踏みを依頼したが値段が付けられず最終的に鑑定不能となった。近年では谷一尚が値段をつけている。
二代目
1995年頃から使用。演出や効果音などは変わらず、表示形式も引き続き7セグメントではあるが液晶のサイズが2倍に大きくなった。「確定」と「審議」のランプはそのまま流用されている。途中から電光掲示板の周りのセットが変更され、おなじみの両腕を上げた招き猫型にになった。このセットは途中でメカっぽくマイナーチェンジされながらも20年近く使用された。
¥ 億3.0,0.0万0,0.0.0 .-. ←こんな感じ
三代目
1998年頃から使用。赤・黄・緑の3色が発光可能なLED式となり7セグを脱却。簡単なアニメーションや絵も表示可能。確定のランプが廃止され、最後の桁が出ると左から「¥」が流れてきて背景色と数字の色が反転する事で確定を表す(背景が赤→黒)。また桁が表示される間隔が遅くなった。
白文字での「万」「億」の表示は廃止された一方で、桁が上がる時の音は「チャリン」という電子音だったので再び一目で鑑定額が分かりにくくなり、桁が上がる度に紳助や吉田が「いち、じゅう、ひゃく…」と読み上げる事も多かった。間もなく冨永みーなによる「イチ!ジュウ!ヒャク!セン!マン!」の効果音が追加され改善。ちなみに表示可能なドット数は縦32、横160であり、表示可能な最高単位は引き続き「億」。
四代目
2012年頃から使用。三代目と同じ大きさあり、演出に関しても特筆すべき変更点はないが、3色LEDからフルカラーLEDとなり、画質や発色も大幅に進化した。どんな映像も表示可能になったので、時々流れる企業コラボCMでは映像も表示している。恐らく何億でも兆でも表示可能であり、2023年の特別企画では「十億」の位を初めて表示した。2016年4月の番組リニューアル時には周りのセットが招き猫ロボ型から虫眼鏡を持った可愛い猫に変更され、あまりの変貌ぶりに賛否があった。
サブコーナー
出張!なんでも鑑定団 in ◯◯
日本全国の公民館や多目的ホールで開催される公開収録企画。「どこでも出張いたします」のキャッチコピーに偽り無く、常に開催地を募集しており日本全国を網羅。SPではハワイや香港、ハンブルクでも開催された。鑑定額の発表は白いボードで行われ、本人評価額を依頼人がマジックで書き込み、それに鑑定士が赤マジックで斜線を引いて鑑定額を書き、MCのジャカジャン!の掛け声で高く掲げて発表する。
街興しや記念事業の意味合いもある企画の為、本人評価額を鑑定額が上回ると地元のゆるキャラや市長が登場して特産品をプレゼントする特典がある事も。
企画開始当初はスタジオの鑑定と同様、一発勝負の鑑定だったので、判断しかねる品や超高額品は頻繁にスタジオへと書き込まれ、後日スタジオで鑑定されるケースがあったが、2000年に入ると事前に下調べするシステムになり激減した。現在は出張鑑定に応募された超高額品は何事も無かったかのようにスタジオ鑑定に回されるという。2023年2月21日放送分では実に17年ぶりにスタジオ行きが発生した。
「出張」の出演応募は番組ではなく市町村によって行われるが、スタジオ鑑定と異なり登場する鑑定士は毎回2~3人なので、運良く依頼品の専門が来てくれないと絶対に採用されないシステムになっている。しかし時々地元ゆかりの品がある時などは決め打ちで専門の鑑定士が赴く場合がある。
コロナ禍では親族・友人のみを会場に入れるなど大幅に規模を縮小して行っていたが、感染状況が深刻になると開催不能に陥った。満員御礼の出張鑑定が復活したのは2023年11月28日の事だった。
第◯回 ◯◯鑑定大会
公式サイト等では「出張鑑定」とされているが、基本的にスタジオ収録。稀に取り上げるジャンルゆかりの地や博物館に出張して行われる。扱われるジャンルは「おもちゃ」「石」「人形」「スポーツグッズ」といった特定分野や、「御長寿」「子供」「力士」「名物女将」「アイドル」などの年齢・職業別、「青春の思い出」「揉めてるお宝」「リベンジ」「借金のカタ」などの事情と多岐にわたる。コロナ禍で出張鑑定が不能になると、こちらの鑑定大会を無観客で開催しメイン企画となった。
まるごと鑑定 in ◯◯
博物館やコレクターの自宅に行き、お宝を次々鑑定する企画。後述の「諸国鑑定めぐり」と類似するが、こちらは出張鑑定扱いなのでボードで鑑定結果を発表する。取り上げる品は毎回5~6点だが、スペシャル版だと本当に自宅のお宝を全て鑑定する事もあった。2007年頃終了。
私のお宝売ります
諸般の事情で売りたいお宝を持つ依頼人が登場し、スタジオで鑑定。その鑑定額で買いたい人をハガキ・メールで募集する企画。通常のスタジオ鑑定と異なり、偽物が登場する事はほとんど無い。この企画のみ「本人評価額」ではなく「売却希望額」となる。多くはオークション制であり、最も高額をつけた応募に売り渡されるが、依頼人の意向や横並びの場合「もっともふさわしい人」が選ばれる事もある。
例として「プラレール82点」はタカラトミーの社長に鑑定額で売却。全国巡業のトミカ・プラレール展で展示された。「古いコカ・コーラの自販機」は依頼人が高値での売却を希望した結果、コカ・コーラマニアとコカ・コーラ社員で一騎打ちが行われた。ちなみにマニアの勝ち。
鑑定額も通常と少々異なり、実際に売れる必要があるので「◯◯が600個」、のような極端に数があるものはセット価格となり、通常の1点1点足し算で出される鑑定額より大幅に安くなる。
幻の逸品買います
依頼人のコレクターが探してもどうしても見つからない逸品を番組を通じて募集する。リポーターが依頼人の自宅に行き、高価なコレクションや珍品を紹介。最後に「そんな◯◯さんでも見つからないお宝が…?」というフリで探している品が発表される。VTRの終わりにはスタジオで鑑定士が見つかる可能性や探すうえで難しいポイントを解説する。後日見つかると「アンサー編」が放送される。
数百万円単位の依頼も多かったが、小学生が300円でビックリマンシールを依頼する事もあった。番組初期は人気コーナーだったが、ネットオークションの普及により2005年頃から減少。2016年のリニューアルを機に再び頻繁に流れるようになったが復活後に募集された12人・14品目のお宝は1個も集まらないまま2024年の公式サイトマイナーチェンジで募集フォーラムへのリンクが消滅した。
お宝発掘!諸国鑑定めぐり
出張鑑定が放送されない場合に放送。全国の名家や博物館などを鑑定士とMCが紹介しながら周り、目ぼしいお宝をその場で鑑定し鑑定額を発表する。発表はプラカードのような小さな電光掲示板で行われるが、4桁しかない7セグ式であり、単位は万。最高表示額は9,999万円となる。2011年を最後に終了。
シロウト目利き選手権
「マイセン」「蕎麦猪口」「ゴジラグッズ」「スポーツグッズ」「ビートルズ」「切手」など、細かいジャンルのお宝が4~5点用意され、それなりにその分野に詳しい素人が集まって最高額を選ぶクイズ企画。的中すると賞金10万円の金一封。スタジオでも石坂・紳助・吉田が予想に参加する。一時期は出張鑑定とダブルで放送され2大コーナーになっていた。2016年のリニューアルを機に復活したが通常放送では定番にはならず、改編期のSPにスタジオで類似企画の「芸能人目利き選手権」が放送されている。
芸能人目利き選手権
2019年より定期的に開催。元々は紳助司会時代に行われていた「芸能人目利き決定戦」が前進。基本的に3~4個の中から最も高額なものを選ぶ選択問題だが、1つが本物で残りが贋作という問題も多く、「シロウト目利き選手権」より難易度は低い。最終問題はズバリ鑑定額を当てる近似値クイズが出題される。
三代目アシスタント・片渕茜が妙に贋作づくりのセンスがあり、二者択一の恒例問題になっていた。特に今田相手に騙しまくり、「卒業制作」の特別問題(後任の菅井友香も参加)を含めると今田を1勝4敗に沈めた。出演最終回では「このまま卒業させる訳にはいかない」として今田から井上有一風の書と真作を選ぶ問題が出されたが、鑑定士・額賀いわく善戦するも、片渕にあっさり見抜かれた。
日本列島鑑定まつり
1998年より、年1回ほどのペースで開催されていた出張鑑定の豪華版。2~3時間のSPで放送。通常の出張と異なり、レギュラー鑑定士が全員登場し、更にはスタジオと全く同じ電光掲示板が埋め込まれた机が同行する。北は北海道から南は沖縄まで一度の放送分で回った。2001年の第4回で終了。
日本全国!いけいけお宝ハンター
放送初回からのサブコーナー。リポーターが全国の名家に赴き、独断で一番高額そうなお宝を見つけスタジオで鑑定する。当然素人判断なので二束三文が多発。間もなく出張鑑定が軌道に乗り数ヶ月で終了。
お宝の殿堂
2000年放送。「ミレニアム企画」と称され、過去に登場した名品が今どうなっているか再度取材し、「殿堂」に登録する企画。登録第一号は「ふんどし屏風」として当時から神回として有名だった「洛中洛外図小屏風(1650万円)」で、2013年の20周年企画でもスタジオに再登場。No.25で終了。
あのお宝は今
2020年のコロナ禍で登場した尺を埋めるための「お宝の殿堂」の類似企画。
鑑定士
番組の人気は企画の面白さだけではなく、強烈なキャラを持つ鑑定士の魅力も大いに貢献していた。特に喋りが達者な中島誠之助・渡邉包夫・北原照久の人気は高かった。しかし、番組開始間もない1998年に渡邉が亡くなり、番組が長寿番組になるにつれ、健康上の問題や逝去、諸々の黒い事情によりレギュラー・準レギュラー陣は頻繁に変わっている。
当初は「史上最強の鑑定士軍団」と称され、毎回番組開始時にレギュラー鑑定士+特殊分野のゲスト鑑定士を紹介する「鑑定士軍団データファイル」が放送されていたが、番組セットが変更された1998年頃からは省略されがちになり、1999年には消滅した。「鑑定士軍団」という呼称も出張鑑定の冒頭などで良く使われていたが、現在では放送紹介ページの出演者一覧での使用に留まっている。
1994年4月19日時点の鑑定士軍団
- 渡邉包夫(『千葉県文化財保護協会』評議員)『鑑定士軍団の長老』鑑定歴50年。
- 石井久吾(上野『古汲洞』主人) 『掛け軸の鬼』鑑定歴25年。
- 安岡路洋(『埼玉県立博物館』評価委員)『縄文土器からちゃぶ台まで』鑑定歴42年。
- 中島誠之助(『骨董からくさ』店主)『伊万里の値を決める男』鑑定歴30年。
- 岩崎紘昌(『アンティーク・ブルトン』店主)『西洋アンティーク最強の目利き』鑑定歴26年。
- 北原照久(『ブリキのおもちゃ博物館』館長)『マニア物なら俺に任せろ』鑑定歴26年。
2024年4月現在の鑑定士軍団
- 中島誠之助(古美術鑑定家)鑑定歴59年。
- 北原照久(『ブリキのおもちゃ博物館』館長)鑑定歴55年。
- 安河内眞美(『ギャラリーやすこうち』店主)鑑定歴46年。
- 山村浩一(『永善堂画廊』代表取締役社長)鑑定歴22年。
記録
最高鑑定額
総合(SP含)
通常放送回
出張鑑定(SP含)
出張鑑定(通常回)
ゲスト
参考記録
「柿右衛門様式の壺」はヘッセン家当主が所有していたもの。最初に大量のコレクションが置かれていた屋敷の中を回りながらの「まるごと鑑定」企画が行われ、1000万単位が続出。食器棚だけで1億円超えが飛び出た。そして中島の判断により「最も素晴らしいもの」として日本のスタジオに持ち込まれた。
「古代中国の青銅器」は通常放送回の最高額で、1960年代にアメリカでカメラと交換したという超掘り出し物。本人評価額は200万円、紳助は数万円と予想していたので本人評価額からのアップ率でも最大。その後4000万円ほどで投資家の手に渡ったらしい。
「岡本太郎の鐘」は良純の父である慎太郎が岡本太郎から貰ったもので、現在久国寺にある「梵鐘 歓喜」の雛形として5個鋳造したものの一つ。今でも岡本太郎記念館に行けば誰でも木槌で鳴らすことが可能。
「七宝焼の香炉」は「出張鑑定in愛・地球博」に出品され、出張鑑定の最高額。正式名を七宝桜花群鶏旭日図大香炉と言い、林喜兵衛ほか数々の作家が手を組んで作り上げたシカゴ万国出品作品。
「ロールスロイス・ファントムⅠ」は第1回自動車鑑定大会に登場。内装に手が加えられ天井に500万円のフレスコ画が施されるなどアンティークで埋め尽くされ車両1億円+内装3000万円の評価。
「アンディ・ウォーホルのシルクスクリーン」は2003年のSPに登場し当時でも1億2000万円で歴代9位の高額鑑定だったが、2023年の30周年突入SPにて近年高騰しているお宝として紹介されスタジオでオープン・ザ・プライスされた。電光掲示板では番組初の「ジュウオク!」のコールが登場し、特別に桁も1つ多く表示されていた。絵が実際にスタジオに再登場した訳では無いので参考記録。
最低鑑定額
ゲスト
参考記録
「隕石」はそのまま、ただの石だったという例で初期に多数発生。しかし近年は「拾いに行った手間賃」「思い出代」としてお情けで100~200円ほど付き、場合によっては石の種類まで同定して1,000円ほどつくこともある。焼け石に水な気も。
「両面に平等院鳳凰堂が刻まれたエラー10円玉」は切手・コイン鑑定大会に登場。切断した2枚の裏面を張り合わせた偽造であり、正真正銘の0円。犯罪に抵触し処罰の可能性すら示唆されマイナスまである。
「山下清の将棋盤」は所定鑑定人によれば筆跡からして異なる上に力仕事を嫌う清が作る事はないと結論付けられ、見た目は寿司屋の下駄のようで将棋盤としての価値も皆無であり0円が付けられた。勝手に有名な作家の名前を加え偽物となり鑑定額が下がる例は数あれど、とは言え近年では500円くらいの値は付くと思われ放送初期特有の事例である。非常にレアなスタジオでの0円。スタジオは大いに盛り上がり、面白がって裏面に紳助はじめレギュラー陣が寄せ書きサインをした結果15万円で買いたいと電話が来たらしい。
「幾山河」は本人評価額30万円ながら、オリジナルの初版ではなく戦後に出た焼き直しの初版であり、見返しが破れているコンディションも加味し250円。昭和12年のオリジナル初版でも2,000円くらい。
「ナムコ FINAL LAP」は島田紳助の自宅の不用品を一斉に視聴者へ売るという企画の際に出品されたが、「4人対戦専用で切り離せない(2人プレイ不可)」「デカすぎて廃棄・運搬にコストがかかりすぎる」という事で「-1,000円」という異例の値段がついた。送料は購入者持ちだったのだろうか?ちなみに基盤だけなら2024年現在でも2万円前後、壊れやすいハンドルパーツはレストア需要として1本5,000円程度で取引されている。結局いらない部分の解体と廃棄にお金がかかるので一緒だろうか。
「オスカー像」は1961年に受賞したスパルタカスの美術賞カラー作品部門で授与された物。添えられた賞状によると名義はラッセル・A・ゴーズマン&ジュリア・ヘロン。1950年以降の受賞作は転売が発覚するとアカデミーに1ドルで回収されるシステムのため$1の値段がついた。通常は依頼人が外国人でも、海外での出張鑑定でも基本的に全て円で値段がつくので非常に稀なケース。公式サイトではこの依頼品専用で$が表示される。なお、賞状は回収されないので賞状だけなら3000ドルほどで取引されている。
最多ゲスト出演
番組開始初年度から出演し、頼んでもないのに「出てやる」と押しかけ毎年のように出演。大外しもないがショボいお宝が多く、概ね20~30万円で出演者から呆れられつつも愛されていた。一度だけ1800万円の高額鑑定を勝ち取ったが、最期の出演となった九谷焼の皿は25万円で、やはりいつもの値段だった。
最高視聴率
番組音楽
オープニングテーマはビートルズの「HELP!」が番組開始当初から使用されている。
その他お馴染みのBGM集。以下の動画内でも投稿者コメントで記されているが、「この番組のために作られたBGM」ではなく様々なアニメのBGMを流用している。
関連動画
関連項目
- 開運!なんでも鑑定団の鑑定士一覧
- テレビ番組の一覧
- テレビ東京
- テレビ東京系
- 今田耕司 / 福澤朗 (司会)
- 島田紳助 / 石坂浩二 (かつての司会)
- 山内木の実 / 吉田真由子 / 片渕茜 / 菅井友香(歴代アシスタント)
- 銀河万丈 / 冨永みーな (ナレーター)
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