間接税とは、租税の種類を示す言葉である。
概要
定義
負担者と納税者が一致しないことを立法者が予定している税を間接税という。
主な間接税
間接税は次のように分類できる。「所得課税の間接税」は存在しないとされる。
登録免許税 | 資産課税 | 国税 |
印紙税 | 資産課税 | 国税 |
消費税 | 消費課税 | 国税 |
酒税 | 消費課税 | 国税 |
タバコ税 | 消費課税 | 国税 |
タバコ特別税 | 消費課税 | 国税 |
揮発油税(ガソリン税) | 消費課税 | 国税 |
地方揮発油税(地方ガソリン税) | 消費課税 | 国税 |
石油ガス税 | 消費課税 | 国税 |
航空機燃料税 | 消費課税 | 国税 |
石油石炭税 | 消費課税 | 国税 |
自動車重量税 | 消費課税 | 国税 |
関税 | 消費課税 | 国税 |
とん税 | 消費課税 | 国税 |
特別とん税 | 消費課税 | 国税 |
都道府県タバコ税 | 消費課税 | 地方税(都道府県) |
市町村タバコ税 | 消費課税 | 地方税(市町村) |
地方消費税 | 消費課税 | 地方税(都道府県) |
ゴルフ場利用税 | 消費課税 | 地方税(都道府県) |
軽油引取税 | 消費課税 | 地方税(都道府県) |
※参考資料・・・松戸市財務部税制課が作成したウェブサイト
間接税が直接税のようになることがある
間接税というものは「この税金をかけると、納税義務を負った者は販売価格に税金分を上乗せして販売し、消費者に租税負担を転嫁するだろう」と立法者が予定する税金である。
立法者が予定しているだけなので、そうならないことがある。つまり、間接税と分類される税金であるにもかかわらず、負担者と納税者が一致することがある。
販売業者が過当競争にさらされて安値で販売せざるを得ない状況だと、間接税を価格に転嫁できない。消費税が8%から10%に上がったとき、1000円のものを税込1080円で売って消費税80円を納税していた業者は[1]、本来ならば1000円のものを税込1100円で売って消費税100円を納税するのだが、過当競争にさらされていると「982円に値下げして税込1080円で売って消費税98円を納税します」ということになる。こうなるとその業者が消費税の増税分を負担したことになる。
市場に参入する販売業者の数が少なく、市場の競争が緩やかで、販売業者が消費者に対して強気に値上げすることができる状態なら、つまり供給が少なくて需要が多いインフレの状態なら、為政者が間接税を増税した場合に消費者の負担が増えるので、間接税としての性質を失わずに済む。
市場に参入する販売業者の数が多く、市場の競争が厳しくて、販売業者が消費者に対して強気に値上げすることができない状態なら、つまり供給が多くて需要が少ないデフレの状態なら、為政者が間接税を増税した場合に販売業者の負担が増えるので、間接税としての性質が実質的に失われる。
以上のことをまとめると次のようになる。
供給が多くて需要が少ないデフレの世の中 | 供給が少なくて需要が多いインフレの世の中 |
間接税を増税すると、販売業者が増税分を払うことになり、増税分に関して負担者と納税者が一致するようになり、直接税のようになる | 間接税を増税すると、販売業者が増税分を消費者に転嫁するようになり、増税分に関して負担者と納税者が分離したままになり、間接税の性質を保ち続ける |
増税分の価格転嫁が起こりにくい | 増税分の価格転嫁が起こりやすい |
販売業者への負担が増え、販売業者への罰金といった様相を呈する。 | 消費者への負担が増え、消費者への罰金といった様相を呈する。 |
関連項目
脚注
- *消費税の税額というのは、税抜き売り上げ額(課税売上)から税抜き仕入れ額(課税仕入)を引いてそこに税率を掛けて算出する。この例え話では話を分かりやすくするため税抜き仕入れ額(課税仕入)が0円だということにする
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