関東鉄道とは、茨城県に鉄道路線やバス路線を展開する私鉄である。
略称は「関鉄(かんてつ)」。
概要
茨城県内に鉄道路線を2路線保有している。かつては4路線保有しており、非電化の私鉄としては最大の規模を誇っていた。現在でも非電化にも関わらず一部複線区間を抱える異色な鉄道会社として鉄道ファンを中心に知られている。鉄道輸送のほか、バス・タクシー・不動産などの事業も行っている。
関東鉄道の名は1965年6月1日の合併の際に誕生したもので、元々は路線ごとに別々のルーツを持つ鉄道会社だった。1979年4月1日に採算性の悪かった路線を子会社として分離し現在に至る。
筑波鉄道 | 常総鉄道 | 鬼怒川砂利合資会社 | 竜崎馬車鉄道 | 鹿島参宮鉄道 |
常総鉄道 | 竜崎鉄道 | |||
常総筑波鉄道 | 鹿島参宮鉄道 | |||
関東鉄道 | ||||
筑波鉄道 | 関東鉄道 | 鹿島鉄道 |
保有路線(鉄道)
常総線
茨城県取手市の取手駅から筑西市の下館駅までを結ぶ。取手駅から水海道(みつかいどう)駅までは非電化でありながら複線区間となっている。高度経済成長期以降、沿線がベッドタウンとして注目され人口が急増したためである。
朝ラッシュ時にはかなりの頻繁運転が行われているが、気象庁地磁気観測所(石岡市)が直流電流の悪影響を受けるという理由から電化することが出来ず、今に至っている。
水海道以北は単線となり、ローカル線のムードが漂う。
かつては乗客の多くが終点の取手駅で常磐線に乗り換えていたのだが、つくばエクスプレス開業後、都心へ向かう乗客が守谷駅でTXに乗り換えてしまうようになったため、守谷~取手間の利用客が減少している。
2015年9月10日に茨城県・栃木県を襲った集中豪雨のために常総市内の鬼怒川が破堤し、線路設備等に多大な被害が及び運転できない状況が続いたが、同年11月16日に通常運転に戻った。
竜ケ崎線
竜崎鉄道が前身で、茨城県竜ケ崎市の佐貫駅と竜ケ崎駅を結ぶ。全線非電化で単線だが行き違いを行うための設備はない。
佐貫駅で常磐線と接続している。
過去の路線(鉄道)
筑波線
筑波鉄道が前身で、茨城県土浦市の土浦駅から桜川市の岩瀬駅を結んでいた。
土浦駅で常磐線と、岩瀬駅で水戸線と接続している。
筑波山麓を走る路線で常総線以上にローカル線の色が強い。
再び筑波鉄道として分離され、1987年4月1日に廃止された。
鉾田線
鹿島参宮鉄道が前身で、茨城県石岡市の石岡駅から鉾田市の鉾田駅を結んでいた。
石岡駅で常磐線と接続しているが、大洗鹿島線の新鉾田駅は鉾田駅から離れた場所に開業した。
参宮の名の通り鹿島神宮までの延伸が構想されていたが未成線に終わった。
鹿島鉄道として分離され、2007年4月1日に廃止された。
バス事業
関鉄バスの記事を参照されたし。
つくばエクスプレス開業後の影響
上述の通り、常総線利用者の多くが守谷駅でTXに乗り換えてしまうようになったため、常総線全体の収益に少なからぬ悪影響を与えている。
しかも、その影響は鉄道事業だけに留まらず、バス事業にも深刻な影響を及ぼしている。
かつて茨城県内と都心を結ぶ高速バスはドル箱路線であったが、TX開業により所要時間と定時性に劣る高速バスは瞬く間に劣勢に追いやられてしまったのである。
その余波は思いもよらぬ形で現れる。関東鉄道は収益悪化を理由に、連結子会社である鹿島鉄道への支援を打ち切ると発表したのである。そして鹿島鉄道は、2007年4月1日についに廃線に追い込まれてしまった。
とはいえ関鉄側も何の対策も行っていないわけではなく、本業ではない不動産事業において、茨城県内のTX沿線を中心とした宅地開発を積極的に行うなど、部分的にはTXと協調している面もある。
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関連項目
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