概要
あの世の支配者であり、死者はあの世に行ったらまず閻魔による裁判を受け、死後の世界での扱いが決定されるとされる。
日本では、中国の官吏風の服を着た恰幅のいい大男のイメージが強い。
起源と変遷
中国では道教とも結びつき、十王信仰と呼ばれる形になった。閻魔大王は十王の一人となったが、他の9人の知名度は低い。
日本では中国から伝わった仏教の影響で十王信仰が存在するが、そこにさらに十王それぞれが仏の化身であるという説が加わった。この説では閻魔大王は地蔵菩薩の化身であるとされる。
閻魔の裁判
十王信仰では、死者は死後一定の日数ごとに十王による裁判を受けていき、死後の世界での扱いが決められる。これがいわゆる初七日や一回忌、三回忌などの法事・法要の根拠となっている。十王信仰では閻魔大王は5番目の裁判の担当官である。
一般的な閻魔が行う裁判にはいくつかの道具が使用される。有名なものが浄玻璃の鏡で、この鏡は死者の生前の行いがすべて映されるといわれる。また、閻魔が持つ閻魔帳と呼ばれる記録簿にはやはり死者の生前の行いがすべて記されている。そのため、閻魔大王の裁判では嘘をつくことはできないが、それでも亡者が嘘をついた場合、閻魔大王によって舌を抜かれるとされる。
創作の中の閻魔
本来の地獄の支配者、亡者の裁判官という立場で登場する作品が多いが、単なる鬼のトップなどの扱いをされることもある。
- アカギ ~闇に降り立った天才~ - 登場人物の一人が死にかけて地獄に行った際に閻魔大王と闘うというエピソードがある。
- ウソツキ!ゴクオーくん - 閻魔大王の嘘をつくと舌を抜かれるというエピソードがモチーフの漫画。作中のあるキャラクターの正体が閻魔大王その人である。
- ウルトラマンタロウ - 閻魔大王モチーフのエンマーゴという怪獣が登場する。
- ギャグ漫画日和 - 「天国の死闘」というエピソードに閻魔大王本人が登場する。
- キン肉マン - 超人が死ぬと行き着くとされる超人墓場の支配者として超人閻魔というキャラクターが登場する。新シリーズでは超人閻魔の正体がかつて天上界から下りてきた元神であったことも判明する。
- スプリガン - インドの遺跡から発掘された古代の文書を入力されたコンピュータが「ヤマ」と名乗り、自意識を獲得。現代のコンピューター網をハッキングし、人類へ審判を下そうとする。
- 東方Project - 作品の舞台である幻想郷という土地担当の閻魔として四季映姫・ヤマザナドゥというキャラクターが登場する。元は地蔵であるとされ、ヤマザナドゥのヤマはインドの神である『ヤマ』を、ザナドゥは幻想郷という『楽園』を意味している。
- ドラゴンボール - 閻魔大王その人が登場。役割も閻魔そのもの。身長10メートルを超える大男だが、服装は現代のスーツ姿。
- ドロロンえん魔くん - 地獄の権力者閻魔大王、および、その甥で主人公のえん魔くんというキャラクターが登場する。主人公えん魔くんは地上で暴れる妖怪と戦う。
- 鬼灯の冷徹 - 地獄の閻魔大王その人が登場する。役割も閻魔そのものだが、あの世は現世の宗教や国家別に分かれており、閻魔の支配担当地域は日本の地獄である。
- 桃太郎伝説/桃太郎電鉄 - 桃太郎伝説では鬼の首領として閻魔大王が登場。桃太郎電鉄では最強格のCPUキャラクターとしてえんま社長が登場。
- 幽☆遊☆白書 - あの世の裁判官としての閻魔の息子であるコエンマというキャラクターが登場する。幼児の姿をしておしゃぶりをつけているが、年齢は1000歳を超える。
- おじゃる丸 - 過去の世界にて死者を天国行きか、御説教部屋行きかを決めて導く仕事を行う者として登場。自分のみで行うとついついカウンセリングなどもやってしまう、真面目かつ不器用で徳のある方。
関連動画
関連項目
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