阪神競馬場とは、JRA(日本中央競馬会)が所有・管理する日本の競馬場である。
概要・沿革
- 所在地:〒665-0053 兵庫県宝塚市駒の町1-1
- アクセス:阪神今津線 仁川駅 徒歩5分※専用地下道
- 入場料:200円(GⅠ開催日は500円 / パークウインズ時は無料)
- 開催GⅠ競走:大阪杯、桜花賞、宝塚記念、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークス
太平洋戦争前、現在の武庫川女子大学の場所にあった競馬場を、空襲で被災した川西航空機の工場跡地に移転して開場した。工場の名残は隣接する新明和工業の工場から伺える。開場当初はかなり苦しい経営が続いており、場内には戦災の瓦礫が放置され、中々に殺風景だったという。
1989年にスタンドを全面建て替えした。しかし1995年の阪神大震災で被災し、ダート馬場はひび割れ、新生阪神競馬のシンボルだった支柱式パドックも支柱が倒れる被害を受ける。厩舎区画を避難所として利用しつつ懸命の復旧作業が行われ、その年の阪神3歳牝馬ステークスの開催から無事競馬開催を再開している。
1992年にアメリカのアーリントン競馬場と姉妹提携を行い、ペガサスステークス(GⅢ)から変更されたアーリントンカップ(GⅢ)が開催されるようになった。ちなみにアーリントン競馬場では阪神カップ(Hanshin Cup)(GⅢ)が開催されていたが、2021年の同競馬場廃止・閉鎖後はチャーチルダウンズ競馬場において阪神ステークス(Hanshin Stakes)(L)が開催されている。
2006年に外回りコースを追加するなどのコースの大改修を行い、2009年にはターフビジョンが改修された。
2023年秋から1989年以来のスタンドの改修工事を行うことになった。また、2024年の桜花賞後から2025年の春までは休催することになった(その間は京都・中京への振替が行われる)。
過去のトピックス
1955年までは競馬場を建設した民間会社・京阪神ビルディングが施設の運営管理を行っていた。2023年現在では、民間企業が中央競馬が開催される競馬場の施設管理を行っている例は中京競馬場のみである。
阪神大賞典は正賞の1つが「京阪神ビルディング株式会社賞」であったりする。
2008年から2013年まではジャパンカップダートの開催地であった。2014年以降はチャンピオンズカップに変更して中京競馬場に移動している。
施設
以下は2024年の改修工事前の情報のため2025年春以降に一部変更されている可能性がある。
- サンライトウォーク - 阪急仁川駅の臨時改札口から正門を結ぶ直通通路。悪天候時にも楽に入場することができる。道中の壁面には過去の活躍馬・騎手のプリントやパネルが設置され、テーマパークさながらの気分に浸ることができる。
- メインスタンド - 1991年改修。6階建てで、コース側の2階から6階までは前面ガラス張りとなっている。中央部に観客席・パドックを繋ぐ複層構造の通路があり、ここを境に西・東ウイングに分かれる。女性専用のUMAJO SPOTは西ウイング3階。
レースコースのちょうど反対側にパドックが併設されている。パドック側は階段状の積層構造になり、各階でフードコートやレストランが営業している。5階以上は馬主・報道関係者専用フロア。 - パドック(下見所) - 正門から入場すると最初にたどり着く区画。半屋内式で、客席部分に屋根がかかっているのが特徴。メインスタンドが階段式になっている都合、収容人数自体は多いが、周回路が狭いため、出走馬を近くで観られるスペースは小さい。トークショー会場としても利用されるが、設置スピーカーが少ないため、出来るだけ近くで鑑賞したいところ。
屋根によって音が反響するため、観覧時は他場以上に静粛に。2歳馬戦・新馬戦では反響する館内放送に動じない馬を見定めるのもポイント。
- イベント広場 - スタンドの東側に広がるコンクリ敷の広場。キッチンカーの出店や、物産展などの特設企画はここで行われる。各競馬場に祀られる馬頭観音像はここの南側に存在する。
- セントウルガーデン - イベント広場の東側に広がる公園区画。シンボルのセントウル像のほか、巨大噴水や花壇、温室が広がる。周辺にこの規模の公園施設がないこともあって、多数の子供で賑わう。
- キッズガーデン - セントウルガーデン南の児童公園区画。多数の遊具が設置されている。
- スカイガーデン - セントウルガーデン北・内回りコース最終直線入口沿いに広がる芝生広場。競馬開催日は多数のピクニック客で埋め尽くされる。
- さくらテラス - スカイガーデン内に存在する建物。UMACA投票専用スポット。屋上のテラスは自由解放されている。
グルメガイド
流石に広大な東京競馬場ほどではないが、関西故かグルメスポットは豊富。東ウイング1階の大フードコートを始め、西ウイング2階・3階のフードコート、パドック側スタンド各階のレストラン、その他各地の売店が営業している。おかげでどこに行っても酒臭い
「肉吸いご飯」や「豪華ステーキ弁当」を始め名物料理も多い。大手チェーン店では吉野家・モスバーガー・KASUYA・築地銀だこ・シアトルズベストコーヒーが参入している。
コースの特徴
1・2コーナーと3・4コーナーの半径が大きく異なる、国内では珍しいおむすび型のコースとなっている。
- 芝・内回り: 1689m(直線356.5m)…3・4コーナーからゆるやかな下り坂が続くのに対し、残り200m付近から一転して急な上り坂になる。
- 芝・外回り: 2089m(直線473.6m)
- ダート: 1517.6m(直線352.5m)
- 障害: 1366.7m
2006年12月から芝の外回りコースが使用されているが、その内回りと外回りの結び目付近には小さな川が流れており、2度橋を渡るような形になっている。またAコース使用時の外回り1周の距離2089mは、2013年現在右回りの競馬場では最長で、これは東京競馬場の1周2083.1mよりもわずかながら長い。
芝1600m
内回りコースしかない時代、芝1600mのスタート地点は1コーナーのポケット(カーブ途中からはみ出した直線)であった。スタート直後に2コーナーに差し掛かるため、内枠と外枠の有利不利、外枠の馬が内に押し寄せる危険があった。
G1である桜花賞、阪神ジュベナイルフィリーズはいずれもこの距離で行われるため、有力馬が外枠に入った際などは不安要素として挙げられることもしばしばあった。
改修後は外回りコースで、向正面の中間地点からのスタートとなったため以前ほどの枠による有利不利はなくなった。なお、現在この地点は厩舎区画となっているが、航空写真から名残が確認出来る他、スタート地点であったことを示す記念碑が建てられている(通常は関係者専用区域なので非公開だが、厩舎区画ツアーなどで見学することができる。)。
芝3200m
基本的に阪神の芝長距離レース(平地)は3000m(阪神大賞典)のみで、3200mは開催しない。
ただし、京都競馬場が整備工事の際は阪神で芝3200mのレースが開催される。
内回りコースしか無い時代、スタート地点は芝1600m同様1コーナーのポケットであるが、芝1600mの時よりも更に短い。とはいえ、長距離戦で内枠と外枠の有利不利はそこまで大きくなく、1994年の天皇賞(春)では大外11番のビワハヤヒデが勝利している。
改修後は向正面からのスタートとなり、1週目は外回り、2週目は内回りのコーナーを通過する変則的なコースとなっている。
そして、出走馬が外回りコースを通過すると同時に物陰に潜んでいたスタッフが一斉に出動。内回りに設けられた仮柵を外回りに設置することで内回りコースを開放している様子が動画から見てわかるだろう。この間僅か47秒。コース変更を終えたスタッフは再び物陰に潜み、2週目の馬群が内回りコースを通過するのを見守るのだった。
開催されたのは2021年と2022年、いずれも松嶺S(3勝クラス)と天皇賞(春)の2競走のみ。松嶺Sは元々京都芝2400mであったが、変則的なコースで開催される天皇賞(春)の予行演習という意味合いが大きい。ちなみに、JRAの条件戦で3000m以上のレースが開催されたのは2000年11月のドンカスターS(京都芝3000m)以来である。
阪神競馬場公式ツイッターアカウント
阪神競馬場は公式でツイッターアカウントを所持していて、様々な情報を発信している、特に新型コロナウイルスの騒動で無観客開催になった後は、ヤフーニュースにも取り上げられるような企画の映像の提供その他を発信したりしている。阪神競馬場[【公式】(ツイッターアカウント)
一例として、一般客では到底見ることのない視点の映像、装鞍所からパドック、地下馬道を通ってコースに出てくるまでの様子や、ダートのハロー掛けの様子、競走馬のゼッケンはどのように制作しているか等を様々な情報や映像公開等をしている。
関連動画
改修前の桜花賞
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