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防護無線とは、鉄道（JR在来線が主）において非常時に使用される『列車防護無線装置』の略称である。
概要
緊急時に乗務員が発報ボタンを押すなどにより、当該列車より特殊な電波を発信する(防護発報)。付近を走行する列車がこれを受信すると、直ちに停止することになっており、これによって二次事故を防止するためのシステム。
車掌が『危険を知らせる信号を受信』云々いっている場合、ほぼ100%これにあたる。
なお、列車がこの無線を受信すると、乗務員室の装置から｢ピピピピピ…｣といった断続ブザー音が発生する。自動でブレーキがかかるのではなく、この音を聞いた乗務員が手動ブレーキをかけている。停止距離に余裕がある場合など、非常ブレーキの必要のない時は常用ブレーキで停止する。
（なお、防護無線による停止には条件があるため、無線が鳴ったままで電車を動かすことは許可が下りれば可能である）
ただし、私鉄・地下鉄ではJRで使っている防護無線とは若干仕組みが違ったりする
たとえば、防護無線を発報すると司令側にその列車番号が通知されたり、発報が出た場所が表示されたりする。
JRの防護無線は無線機ごとに固有の番号が割り当てられるので、どの編成（T-○○編成とか）から出たのかが分かる。ただ、列車番号までは分からないため、発報した乗務員が申し出ないといけない（デジタル列車無線であれば自動的に列車番号まで指令に送信される）。
ちなみに過去JR京都線で発報されたJR防護無線があまり関係のない学研都市線の電車を止めたりする例も確認されている。（JR京都線とJR学研都市線は10km離れている）
非常無線
変電所に対し送電を停止させる無線で、付近の電車への送電は止まるため周辺の電車は停止する。地下鉄や一部の私鉄で導入されている。
列車防護措置
防護無線にも欠点はあり、発報した列車から半径数km以内に居る他の列車に対して停止指示を与えているだけであるため、受報できない地帯を走行中の列車には停止指示は届かない。
受報したところで、付近を走行中の列車の中には、貨物列車など重量級列車も存在するため、首都圏など閉塞区間が短い区間では追突や衝突の危険もある。
それらの事象に対して、発報した列車の運転士および機関士、機関助士や車掌が行うのが列車防護措置である。
第一種列車防護
列車停止後、直ちに発煙筒をたき、円形に振り回しながら列車の前方後方600m（かつては800m）に信号雷管と共に設置する。
発煙筒は不発防止の為、2本ずつ設置する。2012年現在、信号雷管は用いられない。
現在は列車最後尾より300m以上の地点で発煙筒による停止合図を行う。
第二種列車防護
列車の最後尾地点において、発煙筒ないし合図灯による停止合図を行う。
上記二種の防護措置は、自動信号区間と非自動信号区間が混在する路線、非自動信号区間のみの路線で行われる。
そのため、自動信号区間のみの路線では車輌損傷や機器故障などで発報不可能なときにしか行われない。
関連動画
（4：20～）
（1：58～, 8：10～の2回）
（13：54～16：14）
関連項目
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