概要『ある所に聖獣たちの住まう楽園があった。またある所に絶望に満ちた暗黒の世界の中で、光を求める者達がいた。その世界の者たちの愛らしさや希望に満ちた姿、懸命な姿に惹かれた人々は、その2つの世界にこぞって集まった。やがてそこに人々が溢れかえるようになった時、その世界は終焉を迎えた。 人々は戸惑った。ある者はその世界に残されていた物と同じ食料を漁り、ある者は世界の記録とされる円盤を争って買い求めた。またある者は聖獣に似た動物を見に出かけようとした。またある者は暗黒の世界から解放された者達の輝かしい未来を想像しようとした。それは何もない漆黒の石版に、まるでそこ世界の絵図が映されているかのように、文字を書き込んでその情景を心のなかに見出そうとするものであった。あまりにも虚しい行いであることは皆百も承知であった。難民と呼ばれ、蔑まれ冷やかされようとも自ら「たつきロス」と呼ぶ心の穴を埋めるにはそれしかなかったのだ。皆そう思っていた。 その時奇跡は起きた。彼らが張った難民キャンプのそばに、忽然と一棟のホテルが建った。その中にはなんと、両世界の住人達の楽園が小規模とはいえ寸分たがわず再現されていたのである。しかも、その住人たちの振る舞いは彼らが見たことのないものだったのだ。それを作ったのは誰あろう、元の世界を作りたもうた「神」だったのである。 人々は歓喜し、口々に「ぜひ泊まりたい、いくらだ!」と叫んだ。だが、入り口に立つ「神」はこう言った。「これは我が息抜きと戯れに作りしものなり。よければ好きに使うがよかろう。」さらにこうも言った。「これは我が身と命を少しばかり削り、それを練り上げて作りしものなり。」 人々は神をたたえつつ叫んだ。「わーい!たーのしー!」「たつき監督、好きだ」 そこはやがて難民グランドホテルと呼ばれ、楽園が再び開かれる日までを過ごす人々の心の拠り所となったのである。』 この伝説の発祥や、語り伝えたものの詳細は未だ不明であるが、一説にはここで語られる「神」とは「イロドォリ神話」の「救世神タトゥーキ」と同一の存在ではないかと言われている。また、タトゥーキ神を含める神の集合体「ヤウォヨローズ」の呼び名もこの国の神々が「八百万(やおよろず)の神々」と呼ばれたこととの結びつきではないかとの学説もある。そして、この難民グランドホテルにて作られた小規模の楽園とは、最近発見された「車輪の書」、および「来世の書」と同じ内容だったのでは無いかという見方も取り沙汰されている。 |
本当の概要
ある人気を得たアニメなどの作品(ことに日常系などの中毒性が高い作品)が終わった時、ファンは行き場を失った「萌え・好き」などの気持ちを発散する場をもとめる。彼らは「難民」と呼ばれ、いわゆるハマっていた作品の代替としての存在を見出そうとする。その対象になる場は「難民キャンプ」と呼ばれる。詳細は該当記事へ→難民。
ところが、作品の制作者自ら、彼ら難民へ向けた小さな作品をネットなどの無償環境で提供してくれたとしたらどうだろうか?当然難民たちは狂喜乱舞し、キャンプの代わりとしてそこへ殺到することだろう。それはもはやキャンプなどではなく、「難民グランドホテル」と呼べるものではないだろうか?
けものフレンズ
2017年4月5日に投稿された動画、けものフレンズ 12.1話「ばすてき」は、この「難民グランドホテル」の始まりとなった作品である。「ばすてき」の詳細は、該当記事を見てほしい。
かつてのリビジョンではこの上に口承伝説の古文書の体をとって当時の様子を描いた文が挙げられていた。現在は「カヴァン神話」の記事に「バステ記」として移されている。興味ある方はこの記事へ→カヴァン神話。この「バステ記」はあくまでネタであるが、実際にけものフレンズファンは「ばすてき」の投稿を奇跡と受け止め、大いに喜んだのは事実である。
しかし、この難民グランドホテルは恐るべきことに次々と建て増しされていった。
2017年6月7日発売のドラマ&キャラクターソングアルバム「Japari Café」には、けものフレンズ 12.4話「じゃぱりまんがり」が収録され、ラッキービーストによるじゃぱりまん製造過程の一部が明らかになるなどした。
さらに、2017年8月9日には、JRAとのコラボ動画すぺしゃる動画「けいばじょう」が公開され、本編のテイストそのままに描かれた競馬場に考察系ファンも歓喜したのである。
これらが触媒となって、2次創作の得意なフレンズが奮起。彼らも自身で難民グランドホテルを建てんものと、次々と動画を投稿することになった。
だが、これでまだ終わりではなかった。
2017年8月25日から3日間開催された、さいたまスーパーアリーナにおけるイベント「アニメロサマーライブ2017」(通称「アニサマ2017」)において、会場設営するフレンズたちの語らいの中でマナー喚起を呼びかける新作動画が上映されたのである。
この動画は後日youtubeにてけものフレンズ×アニサマ2017「あにさま」として公開される。残念ながらニコニコ動画での公開は無かったが、その内容は当該サイトにて確認しよう。
そして、2017年9月19日、前日のえむすてちほーでのどうぶつビスケッツ+かばん×PPP出演の興奮いまだ冷めやらぬ中、日清食品のどん兵衛公式サイトにて、どん兵衛×けものフレンズのコラボ動画「ふっくら」がアップされた。内容はギンギツネ、キタキツネのコンビがどん兵衛の食べ方を調べるというもの。しかも、よりによってほしのおにいさんとの共演まで実現…誰がここまでやれと言った。
さて、ある事情により、制作の体制が変わり「けものフレンズ」における難民グランドホテルの建て増しは沙汰止みとなった。その事情については他の該当記事で散々語られていることなので、あえてここでは記さない。
それから月日は流れ…。
ケムリクサ
2019年4月3日、irodoriのツイッター及びニコニコ動画のアカウントよりケムリクサ 12.1話が配信された。奇跡は再び起こったのである…いや、2度起こった事を奇跡と呼ぶべきでは無いのかもしれない。ではどう呼べばいいのか…とりあえず「愛」と呼んでおく。
詳細は当該記事を参照。
最後に
さて、これからの別のアニメ作品でも、このような難民への制作側からの神対応的フォローが行われることがあるかもしれない。しかし、勘違いしてはならないのは、「制作側が無償で提供してくれる」のは当たり前では無いということだ。例えば、ある特典映像が有償で提供されたとして、「『○○○(作品名)』ではタダで見せたんだぞ!お前もタダで見せろ!」などと製作者にクレームを入れることはあってはならない。そのような認識をファンが持ってしまっては悪弊以外の何物でもないし、第一該当作品のスタッフにも失礼千万である。
本館(関連動画:公式)
関連項目
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