雪代縁とは、漫画・アニメ・実写映画作品「るろうに剣心」の登場人物である。
アニメ版のCVは佐々木望。実写映画の演者は新田神剣佑。実写映画の少年時代の演者は荒木飛羽。
俺には誰もいらない、ニコニコがあればそれでいい。ただ一人、姉さん一人・・・
「るろうに剣心」18巻以降の所謂『人誅編』からの登場人物。同編のボスキャラクターである。
剣心のかつての妻・雪代巴(緋村巴)の弟。姉の許婚である清里と、姉を殺害した剣心に復讐を果たすべく、天誅ならぬ『人誅』をキーワードに活動する。趣味は死んだ姉との脳内会話。
作者・和月伸宏が描く「復讐鬼」を投影されたキャラクターであり、作者曰く京都編のボスである志々雄真実とは逆の「ダウナー系」のボスキャラとされる。
幼い頃に母親を失った事から、かつては姉である巴を母親のように慕う少年であったが、許婚である清里を殺された復讐のために京都へ向かった事を知ると縁もまた単身京都へ向かう。
やがて巴と再会を果たすも、剣心と出会った事で心境が変化していた巴に対して嫉妬にも似た感情を抱き、その後闇乃武の闘いにおける悲劇を偶然目撃した事から、彼の復讐劇が始まる。(この時、目の前で姉が斬殺される様を見たショックで頭髪も白く染まってしまい、また姉と同年代の若い女性を殺害しようとすると体が拒否反応を示すようになった)
その後「東洋の魔都」と称された上海へ単身渡ると、地獄のような日々を生き抜いた。その折に行き倒れたところを現地の日本人家族に保護された際、その家族を無情にも惨殺すると金品を強奪するなど、この時点から既にまともな性格ではなかったようだ。そしてそこで倭刀術の書物と出会った事から、彼自身の戦闘術として倭刀術を自分なりに完成させていき、やがては上海の武器組織を治めるボスとなる。
(京都編で志々雄が用意した甲鉄艦も、縁が手配した代物である)
大陸での生活が長いためか、片言な日本語を喋るようにも見える。(OVA版では普通に喋っているが)
また、漫画では台詞や擬音が漢字で表されるのも特徴。
(例:「ニィィ・・・」 → 「破顔ィ・・・」、「フフフ・・・」 → 「嘲笑フ・・・」、 「ハアアアッ!!」 → 「破亜亜亜ッ!!」)
やがて京都編が終了した辺りから日本へ帰ってくると剣心と再会、同志を集め復讐を果たす事を宣言すると準備を整え、同志達と共に神谷道場を襲撃。剣心との戦闘では倭刀術を元にした戦闘術を披露。そして剣心に対する並々ならぬ復讐心から常時精神状態が肉体を凌駕している為、ダメージを負ってもさほど意に介さない状態となっていた。
そして奥義同士の衝突で剣心の奥義・天翔龍閃を破ってみせると「愛する者を失う苦しみ」を味わわせ、剣心を生き地獄へと落としてみせた。そして漫画のストーリーもかつてない鬱展開へと突入していった。
しかし、絶望の淵から立ち上がった剣心の情報を得ると「生き地獄では生温い、やはり復讐には本当の死を」という新たな結論に至り、組織アジトでの決戦にて剣心と再戦を果たす。道場襲撃時と違い最初から剣心を本気で殺しにかかるにあたり、前回以上の力を見せつけ剣心を追い詰めるが、人斬りの償いに対する「答え」を見出した剣心は倒れない。痺れを切らした縁は「狂経脈」を発動、剣心を今度こそ圧倒したように見えたが、剣心の新技「龍鳴閃」で鋭敏化した三半規管を麻痺状態にされ平衡感覚を失い、戦闘はおろか立っている事すら困難になってしまう。その後、麻痺した部分を自ら破壊すると、再び奥義の打ち合いを演じ、最後は剣心の天翔龍閃で武器を破壊され、戦意を喪失。
決着後、暴走した黒星から薫を救うと、剣心に御礼を述べられた事でかつて自分が本当に守りたかったものを思い出し、子供のように泣き崩れるのだった。
その後はマフィアのメンバー共々警察に逮捕されるが、その際に薫から巴の日記帳を受け取る。それからしばらく立った後に警察を脱走し、日記帳から巴の真意が自らの思い描いていたそれとは違う内容である事を悟ったのか今日まで自らが犯してきた罪を償うために今度は剣心に代わって落人群へおさまると、それらの答えを模索し始める。
(なおこの時、父親であるオイボレと再会しているのだが、互いの顔も素性も知らない筈であるにも関わらず何処となく互いの関係について気づいている節が見える。)
縁との最終決着は剣心華伝によれば、「京都編のラストが志々雄の勝ち逃げで決着したのに対し、人誅編は剣心の勝利」とされている。『答えを見出した者』と『答えを真に見出せなかった者』の闘いとして、京都編と違い明確な差が存在する事がお解かりだろう。
2014年にジャンプSQにて描かれた、志々雄真実の前日譚を描いた読み切り版『炎を統べる』でも少しだけ登場した。当初は別の相手(志々雄達が倒した、引原海鮫兵団)に甲鉄戦艦を売る予定だったらしい。もっとも頭金から十年払いのローンで売るよりは、志々雄達に現金一括払いで販売できた分、縁も満足だったかもしれないが。
六人の同志達
人誅編の当初より、縁と外印の呼びかけで集った「剣心への復讐」を望む者達。純粋なる復讐心を抱くものから、復讐を口実に戦闘を愉しもうとする者など考えは様々であるが、結局は剣心に消耗させるための捨て駒でしかなかった。
縁と直接の関係は薄いものの、ここで併記させて頂く。
- 外印
- 人誅編における縁の一番の協力者。詳細は該当記事を参照。
- 鯨波兵庫
- 大柄な体躯が特徴の男。かつて人斬り時代の剣心に右手を切り落とされた過去があり、現在は隻腕である。
縁に協力すると、彼の用意したアームストロング砲を右手に直接装着し、扱ってみせるほど。完成度高けーなオイ。
普段は温厚・冷静な武人といった性格であるが、やがて剣心への人誅の日が来ると内なる狂気が剥き出しとなっていき最終的に「バットウサイイイィィ!!」とひたすら連呼するだけのバーサーカーへと変貌してしまう。
その後人誅が完了し他の同志共々警察に逮捕されるも、募る復讐心から単身脱走を果たすとアームストロング砲と共に警察に押収されていたリボルビング・ステーク改造式グレネードランチャーを装着、街中で暴れまわるが弥彦の奮闘と復活を果たした剣心に説得され、捕縛された。 - 戌亥番神
- かつて剣心に倒された「闇乃武」のリーダー・辰巳の弟子。辰巳と同様に術式・無敵流の体術を操る。左之助と同じく脳筋・筋肉バカで、恵に曰く「(左之助の)同類項」。右手が負傷中につき二重の極みが使えない左之助と交戦するも、鉄甲に頼り切った戦闘スタイルを看破された後に鉄甲を破壊され、敗北。
オラオラオラ!ウリィィ!などとボカスカ打ち合っていた最強バカ決定戦にも定評がある。
もっと詳細な内容は『戌亥番神』を参照。 - 乙和瓢湖
- 暗殺武器・暗器の使い手。剣心に倒された闇乃武の一員・中条の親友で、彼の仇討ちを目的に同志入りを果たすも、実際は仇討ちを口実にただ殺しを愉しむためだけに参加。相手の虚を突く戦闘術がメインゆえに、直接の戦闘は強くない。全身に仕込んだ暗器で殺す相手をいたぶっては悦に入る狡猾な性格をしており、道場襲撃時も薫達を狙う事で剣心の動きを制限させたりもした。
剣心に代役を任された弥彦と交戦し、暗器による戦闘術で一時は弥彦を死の瀬戸際まで追い詰めるが、剣心の強さを目の当たりにして引き際を考え油断した隙を突かれる形で弥彦に倒される。 - 八ツ目無名異
- 蜘蛛男のような姿の男。闇乃武の生き残り。詩人。同志達の顔合わせの際も常に天井裏に潜み、彼のみ姿を見せなかった。(神谷道場襲撃の際も、彼のみ戦闘に入るまでは布で全身を隠していた)
手足が常人の1.5倍以上に長く、両腕に鉤爪を付けて戦うが、剣心との戦闘の際に右手を潰されてからは左手はさらに長くなった。京都編の戦いで生き残っていた斎藤一と交戦し、散々挑発された挙句に敗れた。
ちなみに作者に曰く、「ヴェノムやらスパイダーマンやらスポーンやら、様々なキャラクターのデザインが混ざり合ってシッチャカメッチャカになった結果、時代劇から最も縁遠い奴になってしまった」と評されている不遇なキャラでもある。尚、没デザインの中にはゲッター2を擬人化するというものもあったらしい。
もっと詳細な内容は『八ツ目無名異』を参照。
古に日本から伝わった太刀を以って大陸で完成された新剣術・・・ 『倭刀術』
縁の操る戦闘術。彼に曰く、「零から這い上がり、頂点まで上り詰めた力」。総じて技名の末に「刀勢」という名が付く。
剣撃に体術の要素が組み合わさっているのが特徴で、縁自身の我流混じりの剣術であるとは本人の弁。
以下に、簡潔ながら紹介する。
- 蹴撃刀勢
- 下段から斬撃を繰り出しながら、刀の峰に蹴りを加える事で威力・衝撃を倍加させる。
最初に見せた倭刀術でもあり、剣心を刀で防御されてなお壁際まで吹き飛ばしてみせた。 - 回刺刀勢
- 相手の斬撃を刀の柄尻で受け流し、自身が回転する事で攻撃を受けた勢いそのままに相手に刺突を見舞うカウンター技。用法としては龍巻閃に近い。
- 掌破刀勢
- 上段からの斬撃を繰り出しながら、刀の峰に掌底を加える事で威力を倍加させる技。
先述の、蹴撃刀勢の上段版といったところ。 - 朝天刀勢
- 刀を地面に刺した状態で刀に付いた紐を持ったまま、刀の柄尻を台に跳躍し地上の刀を回収、跳躍の勢いそのままに頭上の相手に斬撃を繰り出す大変回りくどい対空迎撃技。
- 戦嵐刀勢
- 体を沈ませた状態で高速回転しながら、薙ぎ払いを連続で繰り出す。軸足を交互に切り替える事で移動しながらの連続攻撃が可能。剣心の龍巻閃はおろか九頭龍閃とも互角に打ち合って見せた。
- 疾空刀勢
- 跳躍の最頂点で、体の動きと剛刀の反動を利用して空中を疾走し、相手へ突進する技。
跳躍と落下の速度がつり合う頂点で一瞬のみ完全なる浮遊状態になるところからの空中ダッシュ。
斎藤や蒼紫の解説を見ると一見不可能ではないように思えるものの、現実に真似る事ができないのはライダーキックが真似できない理由に同じで、作用と反作用の出所が同じである以上ジャンプの頂点で前転しようが刀を振り回そうが服の襟首を引っ張ろうが、作用と反作用は互いを打ち消しあってしまう。つまり何も無い空中で体の自由はきかないのである。 - 轟墜刀勢
- 相手を刀で串刺しにして、その体勢のまま力任せに投げ飛ばし地面に叩き付ける。所謂、晒し投げ。
刀が相手の重量に耐えられるだけの強度が必要なのは言うまでも無い。 - 虎伏絶刀勢
- 倭刀術の絶技(奥義)。刀を背後に構え、体勢をかなり低く屈伸させた状態に持っていき、相手の攻撃を回避すると同時に大地からの反動を乗せて斬撃を放つ縁の最大の技。独特の動きゆえにカウンター技としても機能する事もあり、作品中で唯一天翔龍閃を破った技として知られる。
- 狂経脈
- 厳密には倭刀術ではなく、縁の持ちうる特異体質を指す。
剣心への復讐を誓った少年時代から長い月日を経て、剣心に対する恨みや復讐心を糧に体中の神経が異常発達しており、縁の意志でその力を解放・表面化する事で驚異的な反射速度を実現できるようになった。
そのため、総次郎の縮地すら上回るほどの速度で行動・反応が可能となり、あらゆる面で剣心を上回った。狂径脈発動時に全力で振りかぶった斬撃は、数メートル先の海まで衝撃を伝達し海水を割って見せた程である。
26巻で初登場した際は、黒星に「狂径脈を浮かばせた縁には、自身のボディーガード『四星』に下屋敷の全兵隊をまとめてぶつけても敵わない」と評されており、事実、発動直後は剣心が手も足も出ないまま一方的にやられ続けている程に圧倒して見せている。
しかし、痛覚や聴覚といった神経までも鋭敏化してしまうという弱点もあり、(作品中では、「攻撃力を上げれば上げるほど防御力が下がってしまう諸刃の剣」と言われている)痛覚については最初から精神が肉体を凌駕しているために大した障害ではなかったが、すれ違い様に聴覚が麻痺する程の納刀音を耳元で聞かせる新技「龍鳴閃」を受けた事で聴覚を通り越して三半規管を麻痺状態にされた点についてはどうする事もできず、結果として平衡感覚が著しく狂ってしまい立つ事すら困難になって地面に崩れ落ちた。
実写映画版
演者の新田の肉体の仕上がりとアクションもこの映画の見所の一つとなっている。アクションのほとんどは無手によるもので倭刀術は最後の剣心との戦いでしか見せないが、それを差し引いても大満足な殺陣となっている。
ほぼ原作「人誅編」に沿った動きを見せるが、人誅の仲間で死体人形制作者の外印が第1作で別人として登場していたためか、死体人形で剣心の心を折る計画は無くなり、最初から剣心をおびき寄せるため薫を誘拐する流れになっている。
どうした抜刀斎・・・ 俺の関連動画のサムネでも見えたのカ?
イラストの仕上げはこの俺自ら・・・ 最初から誰にも譲る気は無い!
ニコニコ市場など無い!購入手続きなども無い!
俺が唯一買いたかったものは既に貴様に・・・ 貴様に奪い取られている!!
なんで・・・ どうして笑ってくれないんだ・・・ 関連項目・・・
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