電光超人グリッドマンとは、1993年から1994年にかけてTBS系で放送されていた特撮ドラマである。
概要
放送期間は1993年4月3日~1994年1月8日(全39話)。制作は円谷プロと、タカラトミーの旧タカラ側。
TBSでは土曜17時30分から放送していたが、放送権販売形式でのネットだったため、都道府県によっては進行に大幅な時差があったり、作品が放送されないまま玩具だけが売られていたりしていた。また、全39話といっても、1年の予定が打ち切りになったわけではなく、もともと半年で完結させる予定が1クール延長された。
一言でまとめるならば「時代を先取りしすぎた名作」という評価が妥当か。
ストーリーをざっくり説明すると、コンピュータ世界の魔王がネットワークを通じて現実世界の支配を企み、根暗なPCオタクの少年を言葉巧みに操り現実世界における手下として利用する。魔王と彼が作り出す電脳怪獣を倒す為にやってきた異世界の戦士が、PC趣味を持つ主人公達がコンピュータ上に作成していたCGキャラクター「グリッドマン」に乗り移り人格を持つ。主人公は彼と融合して電脳世界に入り込み戦う、というもの。
パソコン通信回線が主な舞台となっており、コンピューターウイルスとセキュリティソフトウェアがそれぞれ怪獣とヒーローの関係に当てはめられた。よって、怪獣が暴れている場所も、作中でコンピューターワールドと呼ばれている、ICをイメージしたセットになっており、その範囲は病院、学習塾といった公共施設から、ドライヤーなどの家電、自動車内蔵型電話までと幅広い。他作品で言えば「ロックマンエグゼ」等に近い。
ただし、当時はインターネットという言葉すらまともに認知されておらず、「パソコン通信」の時代で、そのパソコンすら高価な物でせいぜい父親の仕事用くらい、一般家庭に普通にある代物ではなかった。
放送開始から約10年後、家庭用ビデオゲーム機への標準装備化などでインターネットが一般家庭にも普及した頃、ようやく評価され始めたといっても過言ではないはず。
タカラが制作に関わったからか、それまでの特撮作品全般でもあまり例を見ない、ヒーローがトランスフォーマーのような巨大ロボットと合体するというパワーアップ方式も特徴のひとつ。また劇中の合体を完全に再現した合体玩具も非常に高いクオリティで玩具ファンの間で今もなお語り継がれている。変身ヒーローとロボットの合体というアイディアは、サイズこそ違うが3年後に「勇者指令ダグオン」でも採用された。
放送中の人気は高く、「電撃超人グリッドマンF(ファイター)」という続編が企画されたり(残念ながら没となったが一部の設定は後述のTVアニメに使用されている)、放送終了後も雑誌てれびくんにて「電光超人グリッドマン 魔王の逆襲」というオリジナルストーリーが掲載されたりした。これは魔王カーンデジファーの弟、魔王ネオカーンデジファーが兄の復讐のために現れ、それを阻止するためにグリッドマンと共に現れたグリッドマンの弟、グリッドマンシグマが武史と合体してグリッドマンと共にネオカーンデジファーと戦う、というもの。
そして2015年1月16日、日本アニメ(ーター)見本市の第9話において「電光超人グリッドマンboys invent great hero」として短編アニメ化。およそ22年振りにグリッドマンが新規映像作品で復活を果たした。
そして2018年秋には「SSSS.GRIDMAN」として初のTVアニメ化が決定。初放送から25年、遂に技術と時代がグリッドマンに追いついた。25年前の特撮作品のアニメにも関わらずSSSS.GRIDMANは高い支持を獲得し、大人向け食玩「スーパーミニプラ」figmaなどの立体化、コミカライズや小説、TVアニメ「SSSS.DYNAZENON」や漫画「戦国グリッドマン」「グリッドマンドグマ」など多種多様な媒体へと広がり、ついに劇場版アニメ作品「グリッドマン ユニバース」が公開されるまでのコンテンツへと大躍進することになった。
主な登場人物
ヒーローに変身するのが、友人たちと協力してパソコンを組み立てた中2の少年なら、怪獣をデザインするのも、根暗な同級生の少年という若さが大きな特徴。
- 翔直人 (小尾昌也)
- 自作のパソコン「ジャンク」を通じてグリッドマンに協力する三人のうちの一人。左腕に着けているブレスレット状のアイテム「アクセプター」のスイッチを、「アクセスフラッシュ」のコールとともに押すことでグリッドマンと融合する。
家族は両親と小3の弟。 - 馬場一平 (須藤丈士)
- ジャンクを作り上げた三人のうちの一人。主に装備のデザイン担当。家族は両親と小4の妹。
- 井上ゆか (服部ジュン)
- ジャンクを作り上げた三人のうちの一人。主に一平がデザインした装備をプログラム化する役。家族は両親と大学浪人中の兄がいる。
- グリッドマン (cv: 緑川光)
- 異次元のハイパーワールドからカーンデジファーを追ってやってきた戦士。もともとは実体のないエネルギー体だったが、一平が描いたCGキャラクターを取り込んだことで、2次元ではあるが体を手に入れた。
コンピューターワールドの中では10分しか活動できない。 - 魔王カーンデジファー (cv: 佐藤正治)
- 異次元のハイパーワールドからやってきた、コンピューターを狂わせることで世界を混乱させ、手中に収めようとした魔王。協力者として怪獣をデザインさせる少年には、作戦が失敗すると電流でお仕置きを与えることもある。
最終的には自身が世界中のコンピューターを直接乗っ取ろうと動き出すが、裏切られた形で倒された。 - 藤堂武史 (菅原剛)
- 陰鬱でひねくれた性格ゆえに友人がいない。そのせいもあってコンピューターにのめりこみ、怪獣をデザインして妄想していたところをカーンデジファーにつけ込まれた。ゆかに片思いしていたらしい。
楽曲
関連動画
関連商品
映像・音楽ソフト
フィギュア・玩具等
関連生放送
関連項目
- 特撮作品一覧
- 円谷プロ
- 富士通(作中で使われたパソコンの提供元)
- コレクター・ユイ(題材がほぼ同じ)
- ロックマンエグゼ(こちらも題材が近い、家電等に入るのも共通)
- スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド(アメリカでのリメイク作品)
- SSSS.GRIDMAN(2018年10月に同作品待望のアニメ化・ついに時代が追いついた)
- SSSS.DYNAZENON
- グリッドマン ユニバース
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