電子ボルト(でんしぼると、記号 eV)とは、エネルギーの単位である。ジュール(J)やカロリー(cal)に比べ小さなエネルギーを表すのに適した単位で、物性物理学や素粒子物理学の分野などで用いられる。正式な表記は電子ボルトであるが、口頭では「エレクトロンボルト」、あるいは「イーヴィー」と呼ばれることが多い。
概要
電子が1Vの電位差で加速されたときに得る運動エネルギーが1eVである。1eVはおよそ1.6×10−19 Jに相当する。
SI接頭辞を伴った、meV(10−3 eV), keV(103 eV), MeV(106 eV), GeV(109 eV), TeV(1012 eV)もしばしば用いられる。keV, MeV, GeV, TeVはそれぞれケブ、メブ、ジェブ、テブと発音されることもある。
水素原子を電離して、イオンにするために必要なエネルギーは13.6 eV, LHCで加速された陽子のエネルギーの最大値は7 TeVである。
質量単位としての電子ボルト
素粒子物理では、電子ボルトが質量の単位を表すことがある(自然単位系)。1 eVは約1.8×10−36 kgに相当する。電子の質量は約0.5 MeV, 陽子の質量は約1 GeVである。
関連項目
- 単位
- エネルギー
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