電撃文庫とは、KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)発行のライトノベルのレーベルである。
概要
電撃文庫は日本最大のシェアを誇るライトノベルのレーベル。豊富かつ安定した作品の供給を行い、メディアミックスをあらゆる分野で行うなど貪欲な経済活動が特徴。電撃文庫レーベルの文庫本がメインだが、電撃の単行本としてハードカバーの作品もリリースしている。その他にもB6ワイド版のビジュアルノベル本もある。
電撃組と呼ばれる配本制度を実施しており、返本を少なくするために販売実績のよくない書店には新刊が入荷されにくくなる。そのため品揃えの悪い書店は半永久的に改善されない。
背表紙は原則白地に作家別の単色。毎月10日発売 (祝祭日、流通の関係で前後する)。
自前の新人賞に電撃小説大賞がある。
歴史
1993年6月創刊。角川お家騒動で角川メディアオフィスにおいて月刊コンプティークや月刊コミックコンプの編集者がメディアワークスに移籍し数ヶ月の準備期間を経て創刊。角川スニーカー文庫はコンプティーク編集部の協力を得て刊行していたため、電撃文庫の創刊時には、角川スニーカー文庫でおなじみの作家の作品が並び一部は続編もあった。
電撃文庫の特色を出すためもあり新人小説賞の『電撃小説大賞』はなるべく賞を出すなど工夫を凝らしていく。
1990年代後半から2000年代に掛けて実を結びトップレーベルに君臨し、アニメ化作品も増加したが、角川グループ内のアニメ部門が製作するのではなく、ジェネオンやアニプレックス、ポニーキャニオンなどが中心とする製作委員会に版権を許可し、メディアワークスも出資するという形が取られた。(例外は我が家のお稲荷様と狼と香辛料『第一作』)
2019年1月にはKADOKAWAグループ内では最後発ながらWeb発の作品を刊行する新文芸レーベルとして『電撃の新文芸』を創刊。編集担当は電撃文庫編集部。
2013年にアスキー・メディアワークスがKADOKAWA一社に統合され、2015年にはブランドカンパニーとしても廃止され、アスキー・メディアワークス事業局傘下の電撃文庫編集部として独立性を保つ。2015年のKADOKAWAのブランドカンパニー廃止の段階でもKADOKAWA傘下のライトノベルレーベル編集部も同フロアに集約されたという。アスキー・メディアワークス局が2018年に廃止された後も電撃文庫編集部のみ、2023年現在も独立性を保ち他のライトノベル編集部と違い別ビルに編集部を構えているという。(→リンク)
電撃ゲーム文庫
電撃文庫ではゲームのノベライズは電撃ゲーム文庫として発売されていた。現在ではノベライズも電撃文庫で発売されることが多く、ガンパレードマーチくらいしかリリースされていない。
電撃G's文庫
かつて存在した、ギャルゲー系のノベライズを中心とするレーベル。時代の流れに抗えず2003年に休刊。秋山瑞人『鉄コミュニケイション』が唯一、電撃文庫として再刊を果たした。
電撃の単行本
いわゆるハードカバー。一時期は刊行に意欲的だったものの、今では図書館戦争くらいしかリリースされていない。全てというわけではないが、単行本から電撃文庫へと移った作家の作品は背表紙に表表紙のイラストが割り込んでいたり、裏表紙も全面にイラストがあしらわれているなど装丁がわずかに異なる。
ステマ疑惑
電撃文庫を発行しているアスキー・メディアワークスが2ちゃんねるの電撃文庫レーベルである塔京ソウルウィザーズのスレを荒らしたことで、アスキー・メディアワークスによる電撃文庫のステマ疑惑が持ち上がった。詳細はアスキー・メディアワークスの記事を参照の事。
編集印税
ベストセラー・ライトノベルのしくみ キャラクター小説の競争戦略という本によれば、電撃文庫で本を出している作家のみならず、編集者にも契約による印税を課しているのだという。これにより、編集者に対して、売り上げに対する当事者意識を高めるとの事。
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関連動画
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関連項目
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