電気自動車(Electric Vehicle)とは、電気をエネルギー源とし、モーターを回して走る車のことである。
略称は「EV」。
概要
一般的な電気自動車は車体内に二次電池(充電式電池)を搭載し、外部から充電器を通して電気エネルギーを蓄積。その蓄積したエネルギーを使用してモーターを回し走る。
※ここでは燃料電池自動車(FCV・FCEV)やトロリーバス等については触れないものとする。
内燃機関搭載車との違い(メリット・デメリット)
メリット
- 走行時に有害な排気ガスを一切出さない
- 内燃機関搭載車と違い、大きな税制優遇・公的な補助金を受けられる
- 非常に静か
- 同じ距離を走行する際にかかるコストが非常に低い(ハイブリッドカーと比べ、悪くても1/3以下には抑えられる)
- オイル交換等のメンテナンス費用がかからないため、維持費が安く、車検代も安い
- 減速時にエネルギー回収(回生ブレーキ)の使用が可能
- 内燃機関と比べ、バッテリー、電気配線、モーターの構造上、デザインのしやすさが内燃機関搭載車と比べて大幅に良い
- 非常時に家庭用電源として使える
- 最大トルクをほぼ瞬時に出せるため、加速性能に優れている
デメリット
- (テスラやアリア、タイカン、EQS等の超大容量電池搭載の車種を除き)航続距離が短いので遠出が苦手
- 内燃機関搭載車や水素自動車、燃料電池自動車と違い、充電に時間がかかる
- 価格がまだそれなりに高い
- 充電設備の整備が発展途上
- 充電時の過充電による発火のリスク(要過充電防止装置)
- バッテリーによる火災はより高温かつ消火に時間がかかる
- 寒冷地帯でのバッテリー減退の影響
日本国内で入手可能な量産電気自動車(電動バイク含む)・プラグインハイブリッド車
※2023年9月現在。※のあるものは生産終了車種。メーカー別五十音順→アルファベット順。
充電プラグ形状について
※のあるものは日本国内では非採用(公共の充電器が無く、自動車メーカーや研究所等のプロトタイプ用としてあるのみ)。
型式・規格 | 用途 | 最大出力 | 備考 |
SAE J1772 | 普通充電用 | 8kw | 別名「Type1」 日本・アメリカ・韓国で普通充電用として普及。 |
※Type2 | 普通充電用 | 22kw? | ヨーロッパや東南アジアで普及。別名「Mennekes」。 両端オスのケーブルが存在。 |
CHAdeMO (チャデモ) |
急速充電用 | 400kw | 日本発の規格。日本で最も普及している。 charge to move、deは電気、充電中にお"茶でも"どうぞという意味を込めている。 理論上(企画書上)では400kwにも対応とあるが、現時点で市販されている充電器の最大出力は150kw。 当初は海外でも普及させようとしたが、ヨーロッパ勢(CCS)の抵抗のほか、 アメリカでのNACS標準規格制定や大手充電ネットワークでのCHAdeMO充電サービス順次廃止等、 世界的劣勢に立たされており今後日本だけのガラパゴス規格になるのではという見方が広がっている。 |
CCS1/※CCS2 (Combined Charging System) |
急速充電用 | 350kw | 別名「COMBO」(コンボ)。 ヨーロッパではCCS2が、アメリカ・韓国ではCCS1が普及。 Type1およびType2のコネクタの下部に急速充電専用の2本のラインを追加装備し、大型化したコネクタで充電を行う。 CHAdeMOと異なり急速・普通充電ポートが1箇所で完結する為、開口部が小さく済み配線もその分減るのがメリットだが、 プラグがCHAdeMOよりも大型で重いのがデメリット。 理論上(企画書上)では720kwまで対応させようとしている。 なおアメリカでは後述するNACSがアメリカ標準規格として選定された為窮地に陥っている。 日本国内では現在正規輸入されているフィアット・500eがCCS1を採用しており、 メーカーがオーナーに対しCCS1→CHAdeMOアダプターを配布している。 |
※GB/T | 普通充電用・急速充電用 | 237.5kw | 中国でのみ普及している規格。NACSと同じく充電ポートが普通充電・急速充電で共通化されている。 |
NACS (North American Charging Standard) |
普通充電用・急速充電用 | 250kw | 日本語に訳すと「北米充電標準規格」。 元々はテスラ・モデルS以降に採用された専用コネクターであり、GB/Tと同じく充電ポートが普通充電・急速充電共通。 プラグサイズが普通充電用と同程度のコンパクトで軽量なのが特徴。 2022年にテスラが充電規格を公開したことにより、自動車業界の共通規格化を推進している「SAE International」により標準規格のひとつとして2023年に認証された。 それにより、フォードやゼネラルモーターズ、リビアンといったアメリカ国内をはじめ、 日産やホンダ、ボルボ、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ等の米国外メーカーも2024~2025年以降にNACSコネクターを採用したものにモデルチェンジすることを表明しており、 米国内でのNACSデファクトスタンダード化、世界的規格席巻が期待される。 |
充電インフラ網および会員認証について
電気自動車の充電サービス一覧を参照すること。
関連動画
関連項目
脚注
- *現時点ではサブスクリプションサービス(フルサービスリース契約)でのみ提供。
- *現時点ではリース契約でのみ提供。
- *型式指定の超小型モビリティ扱い。ナンバープレートは現時点では暫定的に軽自動車用の黄色いナンバープレートが付くが、高速道路・自動車専用道路の走行は法令上は禁じられている。
- *現在一部の特定法人・自治体にのみ提供。
- *トヨタ・iQの電気自動車仕様で、100台限定で発売。
- *三菱・ekクロスEVとのプラットフォーム共用車。
- *日産・サクラとのプラットフォーム共用車。
- *2018年3月まで。
- *2018年4月以降。
- *法人・官公庁リース専用車。
- *法人・官公庁リース専用車。
- *リース契約専用車。
- *レンジエクステンダー(発電専用ロータリーエンジン)扱い。エンジン駆動力はタイヤには直接伝わらず、必ずバッテリー・電動モーターを介して伝えられる。
- *名称自体はPHEVっぽいが実際はBEVなので注意。
- *リース契約専用車。
- *1977年に発売されたパッソルとは別物。
- *三菱・i-MiEVに専用エアロパーツの装着のほか、乗車定員を4名→5名に増加改造を施し普通乗用車にクラスチェンジ。
- *側車・駆動輪に関する法令の関係上、普通自動車以上の自動車運転免許を持っていないと無免許運転になってしまう為注意。
- *嘉远汽車・灵族を並行輸入し、ミニカー基準に適合させるほか日本製パーツへの換装を行うなど改良・改造を実施し販売。
- *四輪車ではあるが、トレッド(輪距)が497mmの為ミニカー登録にならず原付一種登録となる。
- *インド・バジャージ製ガソリンエンジン三輪自転車を輸入し日本で電動化改造し販売。なお日本エレクトライクは国交省から型式認定を受け第16番目の自動車メーカーとして認められた。
- *側車・駆動輪に関する法令の関係上、普通自動車以上の自動車運転免許を持っていないと無免許運転になってしまう為注意。
- *輪距非公開ではあるが、第一種原動機付自転車として登録されている為500mm未満であるのは確実。
- *「モビチェン」という特殊パーツを装着することにより、自転車扱いとして公道走行可能。自転車モードの際には運転免許は不要なほか、原動機付自転車乗車時に課せられる一方通行・通行禁止等の制約も受けなくなる。
- *これもタケオカ・ララと同じく嘉远汽車・灵族をミニカー基準に適合するように改造し販売。
- *旧タカラ 現タカラトミーの子会社「チョロQモーターズ」として、実際に人が乗って公道を走れるチョロQスタイルのミニカーを限定販売。
- *レンジエクステンダー(発電専用エンジン)扱い。エンジン駆動力はタイヤには直接伝わらず、必ずバッテリー・電動モーターを介して伝えられる。
- *法人・官公庁にのみ販売。
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