電気自動車(Electric Vehicle)とは、電気をエネルギー源とし、モーターを回して走る車のことである。
略称は「EV」。
概要
一般的な電気自動車は車体内に二次電池(充電式電池)を搭載し、外部から充電器を通して電気エネルギーを蓄積。その蓄積したエネルギーを使用してモーターを回し走る。
※ここでは燃料電池自動車やトロリーバス、
プラグインハイブリッドカー(PHEV)等については触れないものとする。
内燃機関搭載車との違い(メリット・デメリット)
メリット
- 走行時に有害な排気ガスを一切出さない
- 内燃機関搭載車と違い、大きな税制優遇を受けられる
- 非常に静か
- 同じ距離を走行する際にかかるコストが非常に低い(ハイブリッドカーと比べ、悪くても1/3以下には抑えられる)
- オイル交換等のメンテナンス費用がかからないため、維持費が安く、車検代も安い
- 減速時にエネルギー回収(回生ブレーキ)の使用が可能
- デザインのしやすさが内燃機関搭載車と比べて大幅に良い
- 非常時に家庭用電源として使える
- 最大トルクをほぼ瞬時に出せるため、加速性能に優れている
デメリット
日本国内で入手可能な量産電気自動車
日本国内で入手可能な量産プラグインハイブリッド車については、PHEVの記事を参照されたし。
水色背景→ミニカー
黄背景→軽自動車
緑背景→トライク、要はサイドカー付きの軽二輪登録車両
色付け無し→普通車
トヨタ自動車
トヨタ車体
日産自動車
- 日産・リーフ
- 日産・e-NV200(日産・NV200の電気自動車バージョン)
三菱自動車工業
本田技研工業
光岡自動車
- 光岡・MC-1T EV
- 光岡・ライク(※三菱・i-Mievをベースに、車体長の延長や座席数の増加を行い軽自動車→5ナンバー普通乗用車に格上げ。)
- 光岡・ライクT3(※法的にはトライク、つまりサイドカー付きバイク扱い。ただし駆動輪の関係上、四輪免許が無いと運転不可能。)
タケオカ自動車工芸
日本エレクトライク
- 日本エレクトライク・eトライクシリーズ(※インド・バジャージ製ガソリンエンジン三輪自転車を輸入し日本で電動化改造し販売。なお日本エレクトライクは国交省から型式認定を受け第16番目の自動車メーカーとして認められた。)
テスラ
BMW
メルセデス・ベンツ
フォルクスワーゲン
充電対応方式について
※ここでは日本での展開・日本仕様車のみについて記述。
PHEV車もここで取り扱う。
充電方法は大きく分けると普通充電と急速充電の2種類が存在。
さらに細かく分けると、普通充電は100Vと200Vの2電圧、
急速充電はチャデモ方式とテスラスーパーチャージャーの2種類が存在する。
日本での普通充電のコネクタは「J1772」という規格に準拠している。
各車対応状況は以下のとおり(PHEV車含む)。
凡例 ◎:標準装備 ◯:対応(要変換アダプタ) △:ディーラーオプション ×:不可
車名 | 普通充電 | チャデモ | テスラSC | バッテリー容量 | 満充電所要時間 | 航続距離 (PHEV車は電気のみでの航続距離) |
トヨタ・プリウスPHV | ◎(30系~) | ◎(50系以降、Sナビパッケージ・Aグレード以上) △(50系以降、Sグレードのみ) |
× | 4.4kwh(30系) 8.8kwh(50系) |
30系 100V普通:3時間 200V普通:1.5時間 50系 100V普通:16時間 200V普通:2時間20分 チャデモ:20分(80%まで) |
30系 26.4km 50系 68.2km |
トヨタ・eQ | ◎ | ◎ | × | 12kWh | 100V普通:8時間 200V普通:3時間 チャデモ:15分(80%まで) |
100km |
トヨタ車体・コムス | ◎ 100Vコンセント直結。 市販版は街中にあるJ1772コネクタは非対応。 200V J1772コネクタ対応型は存在するが現在市販していない。 |
× | × | メーカー非公開 | 100V:6時間 | 50km |
日産・リーフ | ◎ | ◎ | × | 24kwh | 100V普通:28時間 200V普通:8時間 チャデモ:30分(80%まで) |
前期型(2012/11まで):200km 後期型(2012/12以降):228km |
日産・e-NV200 | ◎ | ◎ | × | 24kwh | 100V普通:28時間 200V普通:8時間 チャデモ:30分(80%まで) |
7人乗りワゴン:185km 5人乗りバン・ワゴン:188km 2人乗りバン・ルートバン:190km |
三菱・i-Miev | ◎ | ◎(グレードGとX全て、Mの2013年12月以降生産分) △(グレードMの2011年11月~2013年12月以降生産分) |
× | M:10.5kwh X:16kwh |
100V普通:14時間(M),21時間(X) 200V普通:4.5時間(M),7時間(X) チャデモ:15分(M,80%まで),30分(X,80%まで) |
M:120km X:180km |
三菱・ミニキャブミーブ | ◎ | ◎(2015年7月以降生産分) △(2011年12月~2015年6月生産分) |
× | 10.5kwh(バン・トラック) 16kwh(バンのみ) |
100V普通:14時間(M),21時間(X) 200V普通:4.5時間(M)・7時間(X) チャデモ:15分(M,80%まで)・30分(X,80%まで) |
バン10.5kwhモデル:100km バン16kwhモデル:150km トラック:110km |
三菱・アウトランダーPHEV | ◎ | ◎ | × | 12kwh | 100V普通:13時間 200V普通:4時間 チャデモ:30分(80%まで,2017年1月生産分まで) チャデモ:25分(80%まで、2017年2月以降生産分) |
60.2km |
ホンダ・フィットEV | ◎ | ◎ | × | 20kwh | 100V普通:23時間 200V普通:6時間 チャデモ:20分(80%) |
225km |
ホンダ・アコードPHEV | ◎ | × | × | 6.7kwh | 100V普通:4.3時間 200V普通:1.5時間 |
37.6km |
テスラ・ロードスター | ◎ | × | × (ただしロードスター専用の 『ハイパワーコネクター』 というものが存在する。) |
56kwh | 100V普通:46時間 200V普通:14.5時間 ハイパワーコネクター:4時間 |
394km |
テスラ・モデルS | ◎ (200Vコンセントに繋ぐ充電器は標準付属。 街中にある一般的な「J1772」コネクタ採用の充電器を使用する場合は、 ディーラーオプションの変換アダプタが必要。) |
◯ (日本仕様のみ変換アダプターが標準付属品に加わる。 アダプターを介する関係上、充電器メーカーとの相性問題が発生しており、 ハセテック製は基本的にダメな模様。 日産製はオーバーヒート問題がありフルパワーが出せない模様。 他メーカーの充電器での不具合報告は今のところ無い模様。) |
△ (60・75kwh仕様車のみ。 85・90・100kwh仕様車は標準装備。) |
60kwh 75kwh 85kwh 90kwh 100kwh |
100V普通:48時間以上 スーパーチャージャー:1.25時間(30分あれば 80%までは回復可能) |
60kwhモデル:381km 75kwhモデル:466km 85kwhモデル:502km 90kwhモデル:512km 100kwhモデル:594km |
BMW・i3 | ◎ | ◎ | × | 21.8kwh(2016年9月生産分まで) 33.2kwh(2016年10月以降生産分) |
200V普通:8時間 チャデモ:30分(80%まで,016年9月生産分まで) チャデモ:45分(80%まで,2016年10月以降生産分 |
229km(2016年9月生産分まで)※レンジエクステンダー(ガソリンタンク容量9L)使用で300km 390km(2016年10月以降生産分)※レンジエクステンダー(ガソリンタンク容量9L)使用で511km |
BMW・i8 | ◎ | × | × | 5kwh | 200V普通:3時間 | 35km |
メルセデス・ベンツ・Sクラス S550 PHEV | ◎ | × | × | 8.7kwh | 200V普通:4時間 | 33km |
メルセデス・ベンツ・スマート ft EV | ◎ | × | × | 17.6kwh | 200V普通:8時間 | 181km |
ポルシェ・カイエン S PHEV | ◎ | × | × | 10.8kwh | 36km | |
ポルシェ・パナメーラ S PHEV | ◎ | × | × | 9.2kwh | 100V普通:10時間 200V普通:2.3時間 |
33.2km |
フォルクスワーゲン・e-Up! | ◎ | ◎ | × | 18.7kwh | 200V普通:8時間 チャデモ:30分(80%まで) |
185km |
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTE | ◎ | × | × | 8.7kwh | 200V普通:3時間 | 50km |
BMW・X5 xドライブ 40e | ◎ | × | × | 9.2kwh | 200V普通:4時間 | 30km |
BMW・7シリーズ 740e | ◎ | × | × | 9.2kwh | 200V普通:4時間 | 42km |
BMW・3シリーズセダン 330e | ◎ | × | × | 7.7kwh | 200V普通:4時間 | 36.8km |
BMW・2シリーズアクティブツアラー 225xe | ◎ | × | × | 7.7kwh | 200V普通:3時間 | 42.4km |
充電インフラ網および会員認証について
日本では会員制の充電器が存在する。非会員ではクレジットカード決済のみで、更に高い金額が徴収されるのが殆ど。
定額制の有無は以下のとおり。
◯:どのプランも無条件で完全定額あり △:条件付きで完全定額あり ×:定額制なし
カード名 | 普通 | 急速 |
NCS(合同会社日本充電サービス) | × | × |
日産ゼロエミッションサポートプログラム2(ZESP2) | × | △ |
トヨタPHVドライブサポート・サポートプラス | △ | 非対応 |
三菱電動車両サポート | △ | × |
BMWチャージナウ | ◯ ※最初の1年間のみ |
◯ ※最初の1年間のみ |
テスラスーパーチャージャー | 非対応 | 非対応 |
JTBおでかけカード | ◯ | × |
エコQ電 | △ | △ |
WAON | ◯ | × |
NCS(合同会社日本充電サービス)
- ブランド名:チャージスルゾウ
- 入会資格:EV・PHEVを持つ者(メーカー・ブランド不問)。
- 対応ネットワーク:NCS加盟充電器のみ
- 注意点:ビザ・マスターカード・JCB・アメリカンエキスプレス・ダイナーズクラブのマークの付いたいずれかのクレジットカード(日本国内発行に限る)が必要。
プラン名 | 毎月の基本料金 |
普通充電器専用カード | 1400円 |
急速充電器専用カード | 3800円 |
普通&急速両対応カード | 4200円 |
非会員
普通:120円+1分8円
急速:250円+1分50円
主な設置場所:有料道路のSA・PA、道の駅、コンビニ、商業施設、公共施設 等。日産・三菱・トヨタ・ホンダディーラーの充電器もこれに加盟しているのが殆ど。
特徴:トヨタ・日産・三菱・ホンダが共同出資して設立。日本国内の充電ネットワークで最大級の規模を誇る。
普通充電器は緑色のゾウさん、急速充電器はピンク色のゾウさんのマークが記されている。もし月に7時間20分以上普通充電するのであれば後述のJTBおでかけカードに加入したほうがおトク。
日産ゼロエミッションサポートプログラム2(ZESP2)
プラン名 | 月額料金 |
使いホーダイプラン | 2000円 |
つど課金プラン | 1000円 |
NCS普通:1分1.5円
NCS・日産ディーラー急速:1分15円
つど課金プランはどこの充電器も対象。使いホーダイプランは三菱ディーラーで充電した場合のみ課金。
特徴:日産ディーラーおよび、全国のNCS加盟の急速充電器、約5300箇所(2016年9月時点)が僅か2000円ポッキリで使い放題という超強力なプランが売り。これまでは新車購入時しか加入出来ず、中古車はEVサポートプログラム(EVSP)という別プログラムであったが、旧ZESPおよびEVSPを統合し値下げしたのがこのプランである。
トヨタPHVドライブサポート・充電サポート
30系用
プラン名 | 月額料金 |
基本プラン | 無料 |
プラスオプション (NCS普通利用権) |
300円 |
トヨタディーラー:無料(1ディーラーにつき、1日1回1時間のみ)
NCS普通:1分1.5円
50系用
プラン名 | 月額料金 |
定額プラン | 1080円 |
従量プラン | 無料 |
NCS普通:従量プランのみ1分2.7円 定額プランは使い放題。
NCS急速:1分16.2円
特徴:30系プリウスPHVオーナー用は、(1日の回数制限はあるが)無料充電カードが貰えるのが特徴。30系プリウスPHVは普通充電しか使えないためサポートカードも普通充電専用。
50系プリウスPHVオーナー用は、月額維持費がかからないプランもあるが、その場合は普通充電も従量課金制になる。月に6時間37分以上NCSネットワークで普通充電するのであれば定額プランに入ったほうがおトク。
三菱電動車両サポート
プラン名 | 月額料金 |
ベーシック(個人専用) | 500円 |
プレミアム(個人専用) | 1500円(そのうち無料充電分500円コミコミ) |
コーポレート(法人専用) | 1000円 |
NCS普通
ベーシック:1分1.4円
プレミアム:無料
コーポレート:1分1.2円
NCS急速カテゴリA(高速SA・道の駅・コンビニ等)
ベーシック:1分12円
プレミアム&コーポレート:1分8円
NCS急速カテゴリB(三菱以外のカーディーラー)
全プラン:1分15円
特徴:料金が変則的なのが特徴。普通充電は使い放題だが、急速充電が日産と違い使い放題じゃないのが玉に瑕。三菱自動車は日産自動車の事実上の傘下に入ったので、プラン改定が待ち望まれるところである。
BMWチャージナウ
プラン名 | 対象車種 | 月額料金 |
普通充電専用カード | i8,X5 xDrive40e,330e,225xe | 最初の1年間無料、それ以降2500円 |
普通・急速両対応カード | i3 | 最初の1年間無料、それ以降5000円 |
特徴:加入から1年間使い放題は魅力的ではあるが、無料期間経過後はJTBおでかけカードと全く一緒。1年間で車を買い換えられる御大尽な人にはいいかもしれない。
テスラスーパーチャージャー
条件 | 料金 |
2017年1月15日までにオーダーされた車両 | 永久に無料 |
2017年1月16日以降オーダーされた車両 | 1年間400kwh分の電力は無償提供、 それ以上は時間課金 |
無料提供分超過後の課金
充電ワット数が60kw以上:1分32円
充電ワット数が60kw未満:1分16円
放置ペナルティ
充電終了後から5分以内に車両を移動しなかった場合、日本国内の場合1分43円の罰金が課せられる。
ただし、東京都千代田区の「丸の内」(パレスホテル東京)と、東京都港区の「六本木」(六本木ヒルズ グランドハイアット東京)に限り、このペナルティは課せられない。
特徴:テスラモーターズが独自に構築している充電ネットワーク。自社独自規格コネクタにより、日本で主流のチャデモ方式よりも超急速で充電が行える。また、前述のとおり放置ペナルティがあるのが特徴。永久無料サービスが縮小されたのは残念なお知らせである。どうしても永久無料にしたいなら、中古車を狙うしかない。
JTBおでかけカード
- 入会資格:EV・PHEVを持つ者(メーカー・ブランド不問)。
- 対応ネットワーク:NCS加盟充電器
- 注意点:ビザ・マスターカード・JCB・アメリカンエキスプレス・ダイナーズクラブのマークの付いたいずれかのクレジットカード(日本国内発行に限る)が必要。
プラン名 | 月額料金 |
レギュラー | 2500円 |
プレミア | 5000円 |
特徴:旅行会社のJTBが発行している提携カード。もし月に7時間20分以上普通充電するのであればNCS本家よりもおトク。ちなみに、一時期テスラモーターズが会社全額負担で日本国内のオーナーにこのカードを期間限定で貸し出していたことがある。
エコQ電
充電ごとの課金
場所により異なる。無料のところもあれば有料のところもある。
※例として、三菱ディーラーでのNCS非会員充電はエコQ電で行う。(30分500円)
特徴:関西電力の子会社『エネゲート』が全国展開しているネットワーク。NCSにも加盟している所が殆ど。設置数はNCSには負けるが、かなり多い。
WAON
- 入会資格:WAONカード・モバイルWAONをインストールしたおサイフケータイを持つ者
- 対応ネットワーク:イオングループの商業施設内の充電器のみ
- 注意点:無料充電器でも新品カードをいきなり入手してタッチしても使えない。最初に1000円以上チャージしてアクティベーションする必要あり。
充電ごとの課金
普通:無料(1回60分)
急速:場所により異なる。現状0円のところもあれば既に有料化され1回300円のところもある。
特徴:比較的大型のイオンモール・イオンのお店に設置。イオンタウンやマックスバリュは無いところが殆ど。勿論、有料使用分に関してはWAONポイントが貯まる。なお、イオンの充電器で認証装置のあるところは全てNCSに加盟しているので、車両・プランによってはWAONを使わずに自動車メーカーの提携カードを使うほうがおトクな場合がある。
関連動画
関連項目
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