電鐘式踏切とは、電鐘(モーター駆動の鐘)で警報を鳴らす踏切である。
概要
現在、踏切には単にスピーカーで警報音を再生するだけの「電子音踏切」がほとんどであるが、電鐘式踏切は、京三製作所製の「警報電鐘」を警報機に使用した踏切で、電子音ではなく実際に鐘を鳴らして警報を鳴らす鐘踏切の一種である。
その構造から「電鐘踏切」「機械式踏切」「ゴング踏切」などの別名がある。電鐘内のフライホイールの関係で、電源を切ったあとも数回鳴り続ける。
また、警報を鳴らすだけではなく、電鐘には、電源の交流105Vを踏切の警報ランプ用の直流10Vに落とすトランスが内蔵されており、電鐘内部の鐘突き用の歯車も使って、警報ランプの制御もできる。鐘の音と、ランプの光が同期しているのはこのためである。
なお、同じ鐘踏切に警報機に電鈴を使用した「電鈴式踏切」交流電鐘を使用した「交流電鐘式踏切」があるが、電鐘式踏切とは全く別物なので注意。
電鐘式踏切は、使用されている電鐘の材質などにより鐘の音色が変わってくる。
- 鉄製電鐘
- 合金の鉄で作られた電鐘を使用したタイプ。ディンディンディン♪と棲んだ美しい音を出す。有名な三岐鉄道 三岐線の「大矢知5号踏切」「山城8号踏切」はこのタイプ。現在は残っている踏切が少ないので、非常に貴重である。
- アルミ製電鐘
- アルミを原料に使った電鐘を使用したタイプ。カランカランカラン♪とやや濁った音を出す。三岐鉄道 三岐線の「山城6号踏切」「梅戸井2号踏切」などが有名。他にも、名古屋臨海鉄道など、各地に比較的多く残っている。
- 砲金製電鐘
- 砲金を原料に使ったタイプだが、現在このタイプの電鐘を使用したタイプの踏切は消滅したようである。音は低く、ゴ~ン♪とお寺の鐘の音に近い。
現在、電鐘式踏切を含めた鐘踏切の多くは騒音問題などにより電子音タイプに交換が進んでいるため、だんだん減ってきている。
関連動画
参考文献
関連項目
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