霧島一博単語

キリシマカズヒロ

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霧島一博（1959年 4月3日-）とは、鹿児島県出身の元大相撲力士である。本名は吉永一美（よしながかずみ）。最高位は大関。現役時代の体格は身長186 cm、体重130kg。得意手は左四つ、寄り、吊り、出し投げ。趣味はゴルフ。

端正な顔立ちとトレーニングで鍛え上げた筋肉美で人気を集め、「角界のアラン・ドロン」「和製ヘラクレス」と呼ばれた。現在は年寄・陸奥。

概要

姶良郡牧園町（現霧島市）の農家に生まれる。真冬でも頭から水をかぶって登校、重さ3kgの鉄下駄を履くなど体を鍛えるのが好きな少年であった。君ヶ濱親方（元関脇鶴ヶ嶺、後の井筒親方）の勧誘を受け入門し、寝台特急「きりしま」廃止と入れ替わるかの如く1975年 3月場所に初土俵。同期には同じ鹿児島出身で後の大関・若嶋津がいる。三段目から始めたウェイトトレーニングと高蛋白食で次第に筋肉質の体格を作り上げていった。

1982年 5月場所新十両、1984年 7月場所に新入幕。この場所は同時新入幕の小錦や大関候補の大乃国に勝った内容が評価され8勝7敗ながら敢闘賞を受賞する。さらに14日目はこの場所全勝優勝した大関若嶋津と対戦（若嶋津はもの凄く重圧を感じたとのこと）したが敗れている。

1987年 1月場所に小結を通り越して新関脇となるが3勝12敗で跳ね返される。1988年には5月場所初日に水戸泉と取り直し3度に及ぶ激闘の末敗戦、9月場所では横綱大乃国から初の金星を獲得した。1989年 1月場所に三役復帰するも小結で1勝14敗に終わる。この頃までは上位と下位を行き来する平凡なエレベーター力士で、井筒部屋の弟弟子である逆鉾の方が大関候補として期待されていた。

霧島はこれを機に鍛え方を徹底的に見直した、1日に20個の卵や、バナナ2本などが入った夫人特製のプロテインを摂取するとともに、ウエイトトレーニングによる肉体改造に取り組んだ。ベンチプレス200kg、スクワット300kg以上という強靭な肉体を作り上げ、体重も110kg台から一気に 130kg前後まで増加した。その甲斐あって上位でも勝ち越せるようになり、1989年 11月場所から2場所連続小結で2桁勝利をマーク。関脇に戻った1990年 3月場所は6日目に通算1000勝のかかった千代の富士を吊り出して達成に待ったを掛けるなど、出場した横綱・大関を全員撃破する活躍で13勝2敗。横綱北勝海・大関小錦との優勝決定巴戦には敗れたが場所後大関に昇進した。なお11日目の前頭久島海戦は本来霧島の勝ちであり、実質は14勝1敗の単独優勝であったことが某サイトで指摘されている。

1991年 1月場所に14勝1敗で念願の幕内最高優勝を果たす。初土俵から96場所目、及び31歳9か月での幕内初優勝は当時年6場所制下で1位のスロー最長記録だった（後に貴闘力、旭天鵬が更新）。3月場所で綱取りに失敗したもの、同年は横綱の引退や休場が相次いだこともあって62勝28敗で自身唯一の年間最多勝を受賞した。翌1992年は3月場所と7月場所で終盤まで優勝を争うが、9月場所は7勝4敗から4連敗で負け越し。4度目の角番を迎えた翌11月場所に怪我で途中休場し関脇に陥落。1993年 1月場所は史上初めて日本人の横綱・大関がいなくなった。

以後は、後に大関を陥落した小錦とともに平幕で土俵を沸かせたが、十両陥落が決定的になった1996年 3月場所限りで現役を引退し、弟弟子の寺尾から年寄・錣山を借りて襲名した（当時はまだ大関3年特権制度導入前）。名跡は勝ノ浦を経て1997年 12月から陸奥となり、元前頭星岩涛から陸奥部屋を継いだ。さらに立田川親方（元関脇青ノ里）が停年退職した2000年 11月には立田川部屋を吸収した。また両国で『ちゃんこ霧島』を経営している。