青ピクミンとは、任天堂から発売されているゲームシリーズ『ピクミン』に登場するピクミンの一種である。
概要
初代『ピクミン』から登場し、以降のナンバリング作品すべてに登場している皆勤賞のピクミンである。和名は「ミズアオイピクミン」、学名は「Pikminidae caerula」とされる。
外見上の最大の特徴は、顔に存在するへの字口のような形状の器官である。この器官はエラであり、これを用いて水中でも呼吸することができる。エラは口角を上げて笑うような表情を見せることもあり、ピクミンの中でも比較的表情が豊かである。他のピクミンは陸生の根菜から進化したとされ、皮膚にある気孔で呼吸を行うため水に入ると溺れてしまうが、青ピクミンはエラ呼吸と皮膚呼吸を両立させることで、完全な水陸両棲を可能にしている。その体色は、水中で光合成を行うための藍藻やシアノバクテリアが持つ色素タンパク質に由来すると考察されている。
シリーズを通して、プレイヤーの行動範囲を大きく広げる重要な役割を担う。水という障害を克服できる唯一のピクミンであり、水中にあるお宝や宇宙船パーツの回収、水中に生息する原生生物との戦闘は彼らなしでは遂行不可能である。そのため、多くの作品でプレイヤーは青ピクミンとの出会いを待ち望むこととなる。
各作品での登場エリアは以下の通りである。
- ピクミン
- 「樹海のヘソ」で初めて出会うことができる。
- ピクミン2
- 「めざめの森」で登場。特に高難易度で知られる洞窟「水中の城」は、入り口が水没しているため青ピクミンしか進入できず、彼らの独壇場となる。このステージは多くのプレイヤーに強烈なトラウマを残した。
- ピクミン3
- 「再会の花園」でルーイと合流した後に仲間になる。シリーズで初めて、水中を立体的に泳ぎ回る能力を獲得した。
- ピクミン4
- 最初の探索エリア「ひだまりの庭」で青オニヨンを回収することで仲間にできる。ただし、オニヨンを手に入れるためには、氷ピクミンで水辺を凍らせる必要があり、序盤から入手するには相応の「段取り」が求められる。
能力
青ピクミンの能力は、その水中適応能力に集約されるが、基本的な身体能力もバランスが取れている。
水中適応能力
青ピクミンの最大かつ唯一無二の能力は、水に対する完全な耐性である。
- 水中での活動
- 他のピクミンが溺れてしまう水中でも、問題なく活動できる。これにより、水中のアイテム運搬や戦闘が可能となる。
- 遊泳
- 『ピクミン3』以降は水中を自由に泳ぎ回れるようになり、水中の敵を追跡したり、高低差のある場所へ移動したりできるようになった。
- 救助活動
- フリー状態の青ピクミンは、水に落ちて溺れている他のピクミンを岸まで助けに行くという習性がある。この行動により、プレイヤーの操作ミスによる犠牲を減らしてくれる心強い存在でもある。
基礎戦闘・作業能力
攻撃力、耐久力、移動速度、運搬能力といった基本的なスペックは、赤ピクミンや黄ピクミンと比較して平均的であり、特筆すべき長所も短所もない。これは、水場という特殊な環境以外では「標準的なピクミン」として扱えることを意味し、汎用性の高さに繋がっている。
水中活動のエキスパートである一方、他の属性に対する耐性は一切持たない。赤ピクミンが耐えられる火、黄ピクミンが平気な電気、白ピクミンが無効化する毒など、他のピクミンが持つ特殊耐性がないため、これらの危険が伴う場所では無力である。プレイヤーは状況に応じてピクミンを使い分ける、シリーズの醍醐味である「段取り」を的確に行う必要がある。
『ピクミン3』では水辺を無視して動ける羽ピクミンが登場したほか、『ピクミン4』では相棒となる宇宙犬「オッチン」が泳ぎを覚えたり、氷ピクミンで水面を凍結させたりといった代替手段が登場したため、水中攻略における青ピクミンの唯一無二の地位はやや揺らぎつつある。
しかし、水中での作業や戦闘は依然として青ピクミンにのみ可能な能力であり、その重要性が失われたわけではない。
関連動画
関連静画
関連項目
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