青天井とは
- (青空を天井に見立てていう)青空。野天。
- (青空は果てしなく高いことから)物価の値段や数値などが無制限に上がること。
- 2項に関連する、麻雀の特殊ルールのひとつ。本記事にて解説
- 1項に関連する、ソーシャルゲームのガチャにおける救済システムである「天井」がない状態のこと。ご利用は計画的に。
青天井ルール
身も蓋もなく言ってしまえば、満貫とか跳満なんてなかった。 である。
従来の麻雀には得点がインフレし過ぎないように満貫[1]といった一種のリミッターが存在している。
最高役の親役満でも48000点と、理屈の上では逆転も可能という塩梅に調整がなされているワケである。
で、青天井ルールとは、このリミッターを外し延々と低得点時に使用される計算式を適用し続けるルールである。
念のため、その計算式も記載しておく。
符点×2(翻数+2)×n (下2ケタ切り上げ)
※翻数+2の"+2"はバンバン・場ゾロなどと呼ばれているもの。そういう物として加算しよう。
※"×n"は子ロンで4倍、親ロンで6倍。子ツモは対子1倍・対親2倍、親ツモは全員に対し2倍。
……べき算の要素が強いのでちょっと暗算は難しい。かといって表にすると……。
とりあえず、1役増えるごとに点が大体2倍になると覚えておけばある程度は大丈夫である。
さて、カンのいい人は上の数式で気がついたかもしれないが、倍満・三倍満あたりになると点数がヤバイ。
倍満のラインの8翻。仮に40符、親ロンとして上の数式に当てはめると40×210(=1024)×6≒245,800。
三倍満の上限、12翻で50符親ロンなら……? 50×214(=16384)×6=4,915,200。これはひどい。
じゃ、役満は……?
1. 固定点
上の数式の×nを除いた部分を2,500,000に固定。収入は親1500万点、子1000万点である。
非常に簡単ながら、下記の13翻役扱いをした場合と比べると大体の場合は下回る。詳しくはそちらで。
2. 13翻役
役満を13翻役として扱い、さらにドラや重複役を加算するまさに青天井というルール。
得点は非常に大きくなるが、役満の前提になる役を加算するか否かという点が大きな問題となる。
分かりやすい例を挙げれば、九蓮宝燈に清一色は含むか否か。仮に含めば実に19翻役となる。
まずないと思われるが、実際にプレイする場合は一応決めておいた方が無難である(記事下部に一覧表を記載する)。
先ほど『固定点』で述べたが、13翻役ルールで固定点ルールの役満点を超えるラインは40符14翻。
つまり、国士無双や重複役規定が厳し目でなければまず突破できる。
ちなみに国士無双の符点は特別な決めがない限り30である(面子の符点が0。門前前提の手なので30符が約束される[2])。
麻雀にある、高点取りの原則をここでも採用して最低でも固定点は保証するというケースもある。
なお、ダブル役満を採用する場合、26翻役として扱うのが通例。この場合、普通の役満と比べて、点数はだいたい8192倍になる[3]。
実際にやりたいんだけど計算が……
ノートパソコンとExcel(などの表計算ソフト)で解決できます。
A | B | C | |
1 | 符 | 翻 | |
2 | (符点を入力してください) | (場ゾロ抜きの翻数を入力してください) | |
3 | |||
4 | 子ロン | =ROUNDUP(B2*(2^(C2+2))*4,-2) | |
5 | 子ツモ | =ROUNDUP(B2*2^(C2+2),-2) | =-(ROUNDUP(B2*(2^(C2+2))*2,-2)) |
6 | 親ロン | =ROUNDUP(B2*(2^(C2+2))*6,-2) | |
7 | 親ツモ | =ROUNDUP(B2*(2^(C2+2))*2,-2) | ALL |
こう打ち込めば(コピペすれば)簡単に青天井計算機の出来上がり!(26翻まで[4]は楽々対応)
三人麻雀の時は北家分の点の扱いを考慮してカスタマイズしてください。
※ "-"は1000-2000といった表記にするための疑似ハイフン。左寄せ推奨。
もっと翻数が多くなってしまったなら、プログラムを書いて対応するのが良い。ただし、その場合、多倍長整数が扱えるプログラミング言語を選ぶこと。RubyやPythonといった言語は、その要件を満たす。
# encoding: UTF-8
fu = nil
han = nil
until fu
puts '符?'
fu_s = gets.chomp
next unless /^[0-9]+$/ =~ fu_s
fu_t = fu_s.to_i
# 符は20以上の10の倍数か、25のみ(25は七対子)
next if fu_t < 20 || (fu_t != 25 && fu_t % 10 != 0)
fu = fu_t
end
until han
puts '翻?'
han_s = gets.chomp
next unless /^[0-9]+$/ =~ han_s
han_t = han_s.to_i
# 20符は平和ツモ、25符は七対子なので最低でも2翻ある
next if han_t < 1 || (fu < 30 && han_t == 1)
han = han_t
end
base = fu * (2 ** (han + 2))
# 99足して100で割って端数切り捨てて100を掛けることで、端数切上げを実現
crv = ((base * 4 + 99) / 100) * 100
orv = ((base * 6 + 99) / 100) * 100
ctv = ((base + 99) / 100) * 100
otv = ((base * 2 + 99) / 100) * 100
puts '子ロン: ' + crv.to_s
puts '子ツモ: ' + ctv.to_s + '-' + otv.to_s
puts '親ロン: ' + orv.to_s puts '親ツモ: ' + otv.to_s + 'ALL'Rubyで書いた青天井点数計算機
付録 役満・重複一般役表
基本的には、一般役の複合可否を単純に役満まで拡張したものを考えていく。
すなわち、以下のような考え方に基づいて一般役が役満に対して独立的であるかどうかを分類していく。
- 「役Aの状況ならば必ず役Bの状況も発生する」場合、役Bはカウントしない。
例:二盃口成立時の一盃口 - 「役Aであって役Bでない状況が存在する」場合、役Bが成立していれば役Bもカウントする。
例:タンヤオとピンフの関係、一般的な状況における立直
この考え方を採用すると、青天井以外でも例えば「役満と数え役満によるダブル役満を認める」などといった緩いルール改正にも合理的に対応できる。是非活用していただきたい。
各役の役満との独立性は○△×で示したが、これらのうちどれを複合役として認めるかどうかは各々の取り決め(ソフトウェアの実装とも言う)を尊重したいので、敢えて「複合する?」という問いに答える形での断言はしないこととする。
なお、×(従属する役)と△(他の取り決めによって○か×になる役)についてはある程度一般的な範囲で網羅しているはずだが、○については見落としやすそうなものを挙げるに留めている。
役満 | 一般役 | 独立している? | |
---|---|---|---|
天和 地和 |
門前清自摸和 | × | 1巡目の門前ツモがこれに相当するため、下位と見なせる。 |
国士無双 | 混老頭 | × | ヤオチュウ牌のみを用いるため、下位と見なせる。 チャンタはそもそもホンローの下位なので考慮外。 |
大三元 | 各種三元牌 | × | 「白」「發」「中」がそれぞれ大三元の下位と言える。 |
四暗刻 | 三暗刻 対々和 |
× | それぞれ完全下位。 |
門前清自摸和 | △ | 四暗刻単騎とツモり四暗刻を異なる役と捉える場合、後者に門前ツモが必ず従う。 | |
字一色 | 混全帯幺九 | × | 字牌はヤオチュウ牌の部分集合なので、チャンタは字一色の下位互換と言える。 |
各種役牌 | ○ | どの役牌が乗るかが確定していないため、各種役牌の上位互換ではない。 | |
対々和 七対子 |
○ | 2択でどちらかが発生する。 | |
緑一色 | 混一色 | △ | 發無し緑一色を認めている場合は「ホンイツじゃない緑一色」が存在する。 認めていない場合は必ずホンイツ形になるため、完全下位になる。 |
断幺九 清一色 |
△ | 發無し限定でこの2つも同時に成立する。 | |
役牌(發) | ○ | 發無しを認めているかどうかにかかわらず、發が刻子でないパターンが構成可能。 | |
清老頭 | 純全帯幺九 | × | 完全下位。 |
対々和 七対子 |
△ | 七対形の4枚使いを認めている場合は2択になり得る。 認めていない場合は必ず対々形になるため、トイトイが完全下位になる。 |
|
小四喜 | 各種風牌 | ○ | どの風牌が刻子になるかが確定していないため、各種風牌の上位互換ではない。 |
混一色 | ○ | 一面子が数牌であれば成立。字牌であれば字一色が成立する。 | |
大四喜 | 各種風牌 | × | 大三元と同じ考え方で、「場風牌」「自風牌」が必ず従うとすれば下位と見なせる。 |
対々和 | × | 完全下位。 | |
混一色 | ○ | 雀頭が数牌であれば成立。字牌であれば字一色が成立する。 | |
九蓮宝燈 | 清一色 | × | 完全下位。 |
一気通貫 | ○ | 1または9が4枚になるケースでのみ成立する。 | |
四槓子 | 三槓子 対々和 |
× | それぞれ完全下位。 |
大車輪 | 二盃口 清一色 |
× | それぞれ完全下位。 |
平和 | △ | 1~7や3~9を認めている場合、3や7が辺張になる可能性がある。 2~8のみしか認めていない場合はどの牌で待っても必ず両面張になる。 |
|
断幺九 | △ | 1~7や3~9を認めている場合、2~8のみがタンヤオの要件を満たす。 2~8のみしか認めていない場合は必ずタンヤオ形になる。 |
|
四連刻 | 三連刻 対々和 |
× | それぞれ完全下位。 |
清一色 | △ | 雀頭も含めて数字が連続した同色数牌でなければならない場合は必ず複合する。 |
4に関する簡単な解説
4に関してだが、「天井」というのは、要するに特定の回数、ガチャを回したら、目玉のカードを手に入れられる救済のことである。
ソーシャルゲームのガチャは、ほとんどの場合、毎回同じカードプールから抽選し直すので、何度回しても特定のカードが手に入る保証は全くないのが普通である。このため、この天井システムがないガチャの場合、無限に回しても目玉のカードが手に入らない、といったことが普通に起きる。
一見、この青天井はゲーム提供者にしてみれば都合が良いように見えるが、むしろ不都合な場合も多い。というのも、「特定のカードを手に入れるのに、莫大なお金を支払っても手に入る保証が全くない」というのは、ゲームのプレイヤーの減少を招き、これは売上の減少、ひいてはサービスの終了に直結しかねない。このため、天井を設けて一人あたりの売上の上限を設定したとしても、そちらの方が最終的な利益が高くなることもありうるのである。
関連項目
- 東方幻想麻雀(現在、青天井ルールでのオンライン対戦が恒常でできる唯一のゲーム)
- 不夜麻雀(青天井ってレベルじゃない。むしろ黒天井。宇宙的な意味で)
- いただきじゃんがりあんR(なぜか青天井ルールも選択できる)
- 麻雀ファイトガール(期間限定で青天井ルール卓を開催したアーケードオンライン麻雀、他にもインフレルールが複合適用されていた、詳しくは記事内の「究極青天井!炎の暗黒メンタンピンギャラクシー」参照)
- ムダヅモ無き改革(VSプーチン)
- 麻雀のルール
- 中国麻雀(国際麻雀。いわゆる青天井ルールを採用しており、原則として必ず含まれる役以外はすべて計算する。)
脚注
- *5翻以下の場合、点数が子8000点、親12000点を上回った場合、そこで計算を打ち切り子8000点、親12000点とする規則のこと。6翻以上の場合、翻のみで点数を計算し、跳満(6・7翻、子12000点・親18000点)、倍満(8・9・10翻、子16000点・親24000点)、3倍満(11翻以上、子24000点・親36000点)とする。なお、数え役満を採用する場合、3倍満は11・12翻であり、13翻以上を通常の役満と同じ(4倍満、子32000点・親48000点)とする。役満は特定の形の上がりに対して適用し、4倍満である。ただし、さらに特定の形の場合に8倍満(子64000点・親96000点)とするルールを採用する場合もあり、また、複数の形の役満が複合した場合にそれらの点数を加算するというルールを採用する場合もある。
- *ロンなら20符+面前ロン10符で30符。ツモなら20符+ツモ2符の22符端数切り上げで30符になる
- *端数処理の関係でずれる場合あり
- *基本的に、60符までなら26翻まで10桁で収まるため。11桁以上になるとE表記になるため、B4からB7とC5の書式を数値に変更が必要。ただし、この場合でも、翻数が38を超えてくると計算が怪しくなる点に注意
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