青嵐総合芸術院とは、メディアミックスプロジェクト『少女☆歌劇レヴュースタァライト』に登場する架空の高校。またそこに所属する3人の舞台少女(と1人の教師)の総称としても使われる。
校章にも書かれている英語表記は『SEIRAN GENERAL ART INSTITUTE』
概要
2018年10月に上演された舞台『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The Live- #2 Transition』にて、主役校である『聖翔音楽学園』で行われる交流プログラムの相手校として初登場。聖翔以外から本格的に舞台少女が登場したのは各メディア展開を通して彼女たちが初となった[1]。
当初は舞台版オリジナルの一介のゲストキャラに過ぎず、#2の物語では中心的な役割を果たしていたとはいえ、多数のメディアに跨って展開されているスタァライトという大型企画の中では本来マイナー寄りの扱いであり、舞台#2公演の終了後は他校の面々と比べてもキャラに関する情報やメディアへの露出は極端に少ない境遇が続いていた。
にも拘らず、ファンの間では舞台上で見せた高度なパフォーマンスや、まひる・ななの過去に繋がるドラマチックな物語で上演当初から熱心な支持を集め続けており、その声に後押しされる形で初演からおよそ2年を経た2020年12月、遂にはスタァライト初のスピンオフ公演として青嵐の面々が主役となる新作舞台の上演が決定。更にアプリ版への新規実装も決定するなど、スタァライトプロジェクトの中で大きな存在感を放っていくこととなる。
舞台版オリジナルの舞台少女という立ち位置から、当初は二次元キャラとしてのキャラデザが存在せず、長らく公式媒体で描かれたビジュアルは舞台#2のコミカライズのものや、#2再演のBD発売記念イベントに描き下ろされたSDイラストのみとなっていたが、上述のゲームアプリ『スタリラ』実装決定に伴い、2年越しにキャラクターデザインが描き起こされる運びとなった。
校風
役者志望であっても演技・裏方の区別なく舞台全般の知識を総合的に教えるカリキュラムが特色。
20数年前の『全国高校演劇選手権』にて、聖翔やシークフェルトといった有力校が鎬を削る中、創立直後で在籍者全員が1年生だった当時の青嵐が総合優勝を勝ち取り、それ以来学生演劇の名門校の一角として現在まで実績を重ねている。
物語の中心となる同校の『舞台学科 ステージ専攻』は「ステ専」との略称でも呼ばれる。
レヴュー衣裳はデザインに差異はありつつもカラーリングはモノトーンで統一されており、聖翔やスタリラ各校の、個々人の個性が大きく表れた衣裳と比べると、より規律正しくクールな印象を与える。
関連人物
生徒
劇中では初登場時から聖翔を圧倒するパフォーマンスを見せ、同世代屈指の実力者たちとして扱われているが、このレベルに達しているのは青嵐でもこの3人ぐらいとも言われており、層の厚さでは聖翔には及ばないことが伺える。
また3人とも色調は異なるがパーソナルカラーが聖翔のメンバーと共通している ので聖翔用のペンライトがそのまま使えて便利。
- 柳小春(やなぎ こはる)
- Cast:七木奏音
- 青嵐の天才として知られ、天堂真矢にも一目置かれている舞台学科ステージ専攻チーフ。
感情的な面が強く描かれている氷雨や涼とは違い淡々とした静かな口調で、何を考えているのか伺い知れないミステリアスな空気を漂わせているが、性根は生真面目かつ不器用な情熱家。
青嵐関係者で聖翔側と個人的な因縁を持たない唯一の人物……と思われていたが、後に妹が聖翔の舞台創造科に入学することとなる。
漫画版では青嵐の入学当初 学級委員を務めていた描写がある。 - 南風涼(みなせ すず)
- Cast:佃井皆美
- 露崎まひるの中学時代の同級生。ステージ専攻サブチーフ。
青嵐の元気印とも呼ばれ、高いテンションと高い身体能力を持つ溌溂とした少女。遠慮のないストレートな感情表現は時に煽りのようにも見えるが悪気はないらしい。
中学時代はチアリーディング部のエース。中学内で誰より注目を浴びていたバトン部のまひるを尊敬し、またライバル視していたが、まひるの持つキラめきに届かない自分の実力への焦燥感はやがて無茶な練習とその結果の事故に繋がり、その事が2人の間に大きな溝を作ってしまう。 - 穂波氷雨(ほなみ ひさめ)
- Cast:門山葉子
- 大場ななの中学時代の同級生。ステージ専攻サブチーフ。
音楽関係者の両親のもとに生まれ中学時代は合唱部に所属、そして今や学生演劇界でも屈指の歌唱力で知られる青嵐の歌姫。物腰は丁寧だが物言いはわりと容赦がない正直者。同い年の仲間に対しても敬語とさん付けを欠かさない。
アニメ版にて触れられていた「掛け持ちでななの演劇部に参加していた生徒」の1人。演劇部での活動が原因で、氷雨は当時所属していた合唱部での不興を買ってしまい、結果として2人が共に舞台に立つことは叶わなかった。
教師
- 八雲響子(やくも きょうこ)
- Cast:小林由佳
- 青嵐総合芸術院の舞台学科教師にして、かつての聖翔音楽学園76期生。超人。
第100回聖翔祭のスタァライトを生徒たちと共に観劇し、『スタァライト』を“青嵐のもの”とするために様々な策を弄す。
聖翔の学年主任である走駝紗羽の2学年下の後輩。#2にて再びレヴューオーディションの幕が開いた一因とされ、武装した舞台少女たちのレヴューに乱入して徒手空拳で化け物じみた立ち回りを見せる事に定評がある。
舞台版
-The LIVE- #2 Transition
天王洲銀河劇場で2018年10月13日-21日にかけて上演された。#2初演。
アニメ版最終話の直後から始まる物語であり、第100回聖翔祭を終え、進級を控える聖翔の9人の前に立ちはだかる新たなライバル……といった立ち位置で全編を通して活躍する。
『スタァライト』を巡る2校対抗のレヴューは、聖翔にとって乗り越えるべき試練であると同時に、青嵐の3人にとっても向き合うべき課題が露わとなる結果となった。
-The LIVE- #2 revival
舞浜アンフィシアターで2019年7月12日-15日にかけて上演された。#2再演。
物語は上記の初演と同様のものだが、規模も舞台機構も大きく異なるアンフィのステージに合わせて殺陣や演出が新たなものとなっている。
-The LIVE 青嵐- BLUE GLITTER
天王洲銀河劇場で2020年12月21日-27日[2]にかけて上演された。
スタァライトプロジェクトでは初めて聖翔以外の学校を主役に据えたスピンオフ公演。3年生へと進級し、スタッフワークを支えていた先輩たちの卒業で総合力の低下が危ぶまれる青嵐の強化に挑む小春たちの、他校との交流を通した苦悩と成長が描かれる。
当初は2020年7月の舞台#3に続いての上演となる予定だったが、#3公演がコロナ禍への対応で1年間の延期となり、結果的にこのBLUE GLITTERが初めて3年生進級後の時間軸を描いた物語となった。
漫画版
-The LIVE- #2 Transition
月刊ブシロード誌上で2019年2月号-12月号まで連載された#2のコミカライズ作品。
青嵐の舞台少女たちが二次元キャラとして公式媒体で描写されたのはこれが初めてであり、単行本のゲーマーズ限定版特典という形で初のグッズ化(アクリルスタンド)もされた。
内容は舞台版の脚本を忠実になぞったものだが、舞台版ではモノローグとして語られるのみだった涼・氷雨の中学時代や、舞台版では直接的には触れられなかった小春の心情の変化が本作では漫画家 綾杉つばきの解釈で明確にエピソード化。
露崎まひるという太陽に惹かれながら、彼女と自分を隔てる距離の遠さに打ちのめされる涼や、大場ななという稀代の才能の隣に並び立つ勇気を持てず、彼女を独りにしてしまった氷雨の自責の想い、舞台の外での自己表現を抑えて生きてきた小春を感化させた真矢と華恋の在り方が迫真の表情で描かれている。
粉雪の柔らかさ
触れれば消える友情なら
私の心 凍らせましょう
#2の初演をベースに連載開始した本作で独自に描かれた舞台少女たちの内面は#2再演での青嵐キャストの役作りにも影響を与え、また#2再演の新たな舞台演出が、再演からおよそ3か月後に完結した本作終盤の描写に取り入れられるなど、アニメとはまた違った形の『二層展開』が繰り広げられた。
これら漫画版で描かれた設定は後述のスタリラにおいても踏襲されている模様。
-The LIVE 青嵐- BLUE GLITTER
月刊ブシロード誌上で2021年5月号から連載予定の舞台青嵐のコミカライズ作品。
舞台版1作目から一貫してコミカライズを手掛けている綾杉つばきが引き続き担当する。
アプリゲーム版
2018年10月にリリースされた、聖翔の面々とゲームオリジナル校の新たな舞台少女が共演するというコンセプトのスマホゲーム。通称スタリラ。
#2初演の千秋楽終幕に合わせてリリースされた事もあり、青嵐の参戦を望む声は当初から根強かったものの、登場時期こそ近いが両者はそもそもメディアミックス内の全く別の企画から生まれたキャラクターであり、また劇中の設定も『第100回聖翔祭』の“以前”を描いているスタリラ(半ばサザエさん時空でもあるが)と、“直後”の物語である舞台#2では時系列にズレがあるなど、現実的に厳しいだろうとの見方もあったが…。
リリースから約1年半が経過した2020年5月に遂にスタリラへの青嵐参戦が発表され、同年12月9日に正式に実装となった。こちらは舞台版の青嵐公演を控えたタイミングであり、主題歌CDのリリース日に合わせた形になっている。
同時にゲーム内では舞台#2のレヴューの後、再び行われた交流プログラムにて青嵐と聖翔が共同で稽古場発表会に臨む限定ストーリーも公開された。こちらのストーリーの時間軸について劇中では明言されていないものの、同時に実装された舞台少女小春の関連ボイスにて、2学年下の妹が聖翔に入学した事に触れているため、メインストーリーに先んじて3年進級後を描いたものと思われる。
関連項目
脚注
- *厳密にはアニメ版でもイギリス王立演劇学院から「ジュディ・ナイトレー」が登場しているがセリフは殆ど無く、キャラクターとして確立された舞台少女という意味では青嵐が初。
- *元々は12月18日から10日間の公演が予定されていたが、直前になって公演関係者の1人が外部の現場のPCR検査で新型コロナウイルス陽性となった事を受け、初日から3日間の公演を中止し舞台スタァライトの現場でも再度全キャスト・スタッフのPCR検査を実施。全員の陰性が確認された後に21日から改めて上演された。
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