「ペロ・・・これは青酸カリ!!」 [1]
青酸カリ(青酸カリウム)とは、少量でも人を死に追いやる恐怖の化合物である。正式名称は『シアン化カリウム』。
概要
サスペンスドラマや『名探偵コナン』などのアニメで、殺人方法に代表される化学物質。化学式は『KC≡N』。
毒性
成人での致死量は150mg~300mgと少量である。ただし、「耳かき1杯程度」というほど少なくはない。特徴としては、収穫前のアーモンドのような甘酸っぱい臭いがすること。なお、このアーモンド臭とは後で説明するように猛毒の青酸ガスの臭いなので注意。
口から摂取した場合、胃酸と反応して青酸ガスを発生させる。これが肺から血液に入り全身を巡るとヘモグロビンなどに含まれる鉄原子と反応して、酸素の運搬やエネルギー(ATP)の産生などの機能を破壊する。この場合、摂取した者の口から青酸ガスが出てくるので近づくのは大変危険である。
注射した場合は青酸ガスは発生しないが、血液中でシアン化物イオンが発生するため毒性はほとんど変わらない。皮膚からも吸収されるが、強いアルカリ性で皮膚がただれるため、皮膚に塗っておけば気づかないうちに死亡するということはない。同じ理由で、口に含んだあと飲み込まずに吐き出せば、死亡することはまずないだろうが口中がただれてしまう可能性があるので危険であることにはかわりはない。
その他
サスペンスなどでよく用いられているが、強烈な苦味がある味で保管に注意が必要のため、殺人に使う毒物にはあまり向いてない。ただし、実際に使用されたケースがないわけではなく、昭和10年に浅草の喫茶店で紅茶に混ぜて小学校校長を殺した事件などがある。
また人間魚雷「回天」に搭乗する隊員は出撃直前になると、軍医から青酸カリを手渡される。これは突入に失敗した時に自決するための物である。
有用性
主に金属の冶金などに利用されているが、実はシアン化ナトリウムの方が利用量が多い。
また、有機合成にも用いられている。それは、重要なシアノ基(-C≡N)の供給源だからである。
たとえば、臭化メチルとシアン化カリウムが反応すると、臭化メチルの臭素がシアノ基((-CN)に置換される。
もちろん、取り扱いは厳重にしなければいけないため、毒物指定とされており
大量に取り扱う際には毒物劇物取扱責任者の資格がなければ取り扱えない。
関連動画
ごく僅かではあるが、『青酸カリ』タグで動画を見つけることが出来る。
関連項目
脚注
- *漫画『名探偵コナン』7巻の月影島の事件にて、コナンが床に落ちている粉を舐めて麻薬を発見する場面を改変したネタの一つ。「なぜ主人公が麻薬の味を知っているんだ?」と読者がツッコミを入れたくなるほどシュールな場面であるため、時々ネタにされることがある。 あくまで改変ネタの為、実際にはこのようなセリフは存在しない、
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