「"韋駄天"ラトクレス」とは、テーブルトークRPG「ソード・ワールド2.0」に登場する小神(マイナー・ゴッド)の一柱である。
格言
「素早く、焦らず、正確に、正しく、行動せよ」
「引かずに渡せ。偽らずに伝えよ」
「己の役割に誇りを持ち、驕らず、卑下せず、勤めよ」
概要
神紀文明時代末期に、太陽神ティダンから神格を授かった神。
聖印は一足の編み上げ靴をあしらったもので、神像は両の足にこれを履き、腰に剣を帯びた皮鎧の若者の姿。
神紀文明時代末期を生きた俊足だけが取り柄の純朴な若者だったが、その足を活かした荷物の運送と神の言葉の伝令でもってティダンに実直かつ忠実に仕え続け、その誠実かつ正確な仕事ぶりと危険に臆さない心を評価され、祭器を盗んだ盗賊を追いかけて捕らえた際、その功績と普段の実績により神格を与えられた。
その来歴の古さにもかかわらず信者の絶対数が少なく、拠点となるような大きな地方はなく、神殿もほとんど存在しない。しかし、隊商などには「速やかで安全な旅と情報伝達を守護する神」として広い地域で信仰されており、その神像はライダーギルドや冒険者の店にはよく置かれており、旅への出立前の祈願が行われている。
また、神話のつながりからティダン神殿に合祀されていることもある。それらの神像には使徒としての側面から、必ず帯剣に「ティダンの聖印」が刻まれているため、神とは思われず、ティダンの聖者の一人として手を合わせられることもある。
以上のように、神紀文明時代からの筋金入りの小神(昇格できない、と言う意味で)であるが、同時に、小神でありながら特定の地方に依存せず、全国各地で信仰を受けている稀有な神でもある。
この為、GMの裁量も絡むが、小神でありながらどの地方における冒険でも「小神であるが故の影響圏によるMPペナルティ」を受けずにすむ可能性がある。もちろん、例外(※)を除き安全圏と言える場所がない、ともいえるが。(キャンペーンで何かしらの意味を持たせる場合以外はMPペナは案外面倒(計算的に)なので、積極的に解消した方が面倒が少ない側面はあるのだが)
※関連商品である『ソード・ワールド2.0サプリメント カースドランド-凶夢への反攻-』において、フェイダン地方においてはラトクレスが十分な信仰を受けている事が確定している。また、カースドランドの舞台となる《封鎖領》ハウペリアには、ラトクレス神殿が運営する彼の名を冠した<韋駄天ギルド>があり、一大勢力を誇っている。
余談
魔動機文明時代に作られた<韋駄天ブーツ>は、彼の名前に由来するマジックアイテムである。
ただし、信仰とは関係なく、発明者がイメージから名前を借りてきたため、今ではその由来が知られぬまま名前だけが人々の間に定着しており、「そも、韋駄天とは何ぞや?」という問いにはおおよそ半分の人しか答えられないという。
WTの神々の相関図・改訂版において、慈雨神フェトルに対し「好き」というストレートな表現がされており(対するフェトル→ラトクレスは「有能な人」といういまいち報われない評価)、また、妖精神アステリアからは「かわいい」と思われているが、彼自身は彼女を「ちょっと苦手」と思っているらしい。
……主であるティダンと同じく、女難の相を背負っている可能性はかなり高い。
特殊神聖魔法
移動に特化した補助魔法が中心。直接的に戦局を変える力はないが、戦術的な有利性を増やす魔法が多い。
レベル2 | ||
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・射程:接触で、対象の移動力を韋駄天ブーツと同じだけ増加させる魔法。 ・効果時間が3分なので長距離の移動には向かないが、戦闘においても移動力を増やすメリットは多い。 ・射程が接触なので《魔法拡大/数》ができない点には注意が必要。 |
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レベル4 | ||
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・対象は300kgまでの一つの物体を筋力に関係なく持てるようになる。 ・ただし、持つためには両手を使う必要があり、主動作不可、補助動作も荷物を降ろす以外できなくなる。 (モン○ンの卵の搬送のような状況。ただし、移動速度は落ちないし、全力移動も可能) ・騎獣や騎獣の部位にかけると、その騎獣や部位が主動作や補助動作がすべてできなくなる代わりに、特殊能力「○搭載=1体」を得る。(搭載されたキャラクターは騎獣と共に移動しながら魔法の行使などができるため、戦闘においてはこちらの使い方が主になると思われる) |
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レベル7 | ||
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・「通常移動」または「全力移動」後にも使用可能な、かなり特殊な補助動作魔法。 ・そのラウンドに一歩でも近づいたキャラクターを魔法の対象に必ず含める事を条件に、移動手段による制限を無視して任意の神聖魔法を行使できるようになる。(拡大/数や範囲魔法で複数の対象にかけてもよい) ・ただし、該当の魔法は抵抗の種類に関わらず「抵抗:なし」になる為、攻撃魔法は役に立たなくなる。 ・また、「全力移動」後はそもそも主動作ができないため、《縮地》持ち以外は実際には魔法の行使はできない点に注意。 →「全力移動後に主動作ができない」のではなく、「全力移動後にできる主動作がほぼない」のであって、この魔法の効果を受けた場合は全力移動後でも魔法の行使が可能になる。 ・「抵抗:必中」の魔法も「抵抗:なし」として扱われる為、相手の知能によってはFプロを敵陣で打っても味方にのみかかる可能性あり。(魔物キャラクターは基本的に「敵からの魔法には抵抗する」とされている為。ただし、ある程度以上の知能がある場合、自分に有利な効果にはあえて抵抗しないとGMが判断する場合もある) |
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レベル10 | ||
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・対象は、「形状:射撃」で生命抵抗力判定・精神抵抗力を行う魔法や練技、賦術、特殊能力を回避力判定での回避を行う事を選択できるようになる。 ・回避力判定に成功した場合、いかなる効果でも「抵抗:消滅」として扱われる。 ・元々の抵抗力判定での判定も可能。どちらを選ぶかは相手側の達成値が出た後で選択できる。 ・形状が「起点指定」や「接触」の場合などには役に立たないが、形状が射撃であるならばドラゴンのブレスなどの範囲攻撃でも「回避」できるようになる為、対象の回避力次第では無類の強さを発揮する。 |
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レベル13 | ||
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・対象に、《影走り》《足さばき》《韋駄天》の戦闘特技を“習得に必要な前提を無視して”習得させる。 ・習得できる特技は1回の魔法につき1つだけで、どれを習得させるかは術者が選択する。 ・例外的に自身との重複が可能な魔法で、複数かけることで複数の特技をかけることが可能(拡大/数で同時には不可)。また、《魔法拡大/数》で複数の対象にかける場合、同一の戦闘特技を与える処理となる。 ・前衛が《影走り》で敵を無視して敵後衛に肉薄したり、後衛が《足さばき》を自在にできるようになる。 ・前提を無視するため、本来は習得できないゴーレムや騎獣に当該戦闘特技を持たせることもできる。 |
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