頭文字Dとは、講談社の「週刊ヤングマガジン」で1995年30号から2013年35号まで連載された、しげの秀一原作による車漫画、またはこれを原作としたメディアミックス作品。
「イニシャルディー」と読む。「かしらもじディー」でも「あたまもじディー」でもない。
略称は「イニD」。
ちなみに、しげの氏は同社の「週刊少年マガジン」で連載されていた、「バリ伝」の通称で知られ、バイク乗りから人気を博したバイク漫画「バリバリ伝説」の作者でもあり、共通点が多く見られる。
概要
初期は群馬県の上毛三山(作中では秋名山と呼ばれている榛名山、妙義山、赤城山)や碓氷峠、いろは坂(第一いろは坂)等を舞台に、主人公である藤原拓海が、父親で藤原とうふ店店主の藤原文太の愛車「トヨタ・スプリンタートレノ」(AE86型、愛称ハチロク)を駆り、強力なライバル達を相手に峠バトルを繰り広げるといった内容が主である(勿論青春モノの内容も含んでいる)。
後半では登場人物である高橋涼介率いるプロジェクトDの活動が主な内容で、関東の峠を舞台に更に強力なライバルとのバトルの中で拓海と涼介の弟・高橋啓介の成長などをテーマとして連載された。
単行本は1995年11月に刊行を開始、2013年11月発行の48巻で完結した。
頭文字Dのヒットにより、一般層にもハチロクの愛称が知れ渡り、当時ハチロク=レビンと言った印象を一変させただけでなく、1983年発売の車にもかかわらず中古市場でのハチロクトレノの需要が急増し市場価格が跳ね上がる現象が発生した。間接的にも、トヨタ86・スバルBRZの発売に至るきっかけともいえる。
その反面、内容に感化されて実際にドリフトなどの暴走行為を行い、最悪民家や店舗に突っ込む事故等の問題も発生。舞台となった峠道では、実際にセンターポール設置等の対策に追われた。
1998年にはエイベックスのアニメ制作事業参入第一弾としてアニメ化。以降、数多くのメディアミックスも行なわれており、現在までにアニメ放送(First、Secondはフジテレビ系列、Fourth、Fifth、FinalはスカイパーフェクTV!のPPV放送)、OVA、アニメ映画(Third Stage:2001年、新劇場版“Legend”三部作)、実写香港映画(2005年:アンドリュー・ラウ主演、アラン・マック監督)、アーケードゲーム(Arcade Stage1~8、Zero)、家庭用ゲームなど多岐に渡る。
アニメ・ゲーム共に使用されているユーロビートはバトルシーンの躍動感をより盛り上げる効果を生み出し、新規リスナーを開拓するなど繋がりが未だに強い。さらにアニメ・ゲーム等のOP・EDおよび挿入曲を担当するエイベックス所属のm.o.v.eの存在も強いものであり、m.o.v.e無くして頭文字Dは語れないと言われるほど定着している。
2005年9月リリースの「FREAKY PLANET」から4ヶ月連続でリリースされたシングルのMVでは、藤原とうふ店と書いてあるハチロクトレノが実車で出てきたり、逆にメンバーがアニメの中に飛び込んだりもした。なお、m.o.v.eは物語が完結する8ヶ月前の2013年3月に解散している。
あまりの人気からか頭文字Dをパロディとして取り込んだ作品も数多くある。
(例:アニメ「らき☆すた」第6話でスバル・ヴィヴィオRX-Rとマツダ・RX-7(FD3Sの6型)がガチンコバトルするチョメチョメD、車を電車(主に関西私鉄)に置き換えた電車でD等)
なお余談であるが、しげの氏はバリバリ伝説の単行本で入った印税で、当時新車だったAE86を購入するも、峠でガードレールに突っ込む事故を起こしているが、この経験が頭文字Dに活かされる事となったと語っている。
Dの由来
頭文字DのDの由来について、作者自ら「Drift」から採っていると公言している。
一方、「プロジェクトD」の由来については、最終話で「Dream」のDであることが明かされた。
あらすじ
景勝地として知られる群馬県・秋名山。その麓に住む藤原拓海は常にボーッとしている高校三年生。ガソリンスタンドのバイトであり、運転免許を取得しながらも、親友の武内樹とは対照的に全く車に興味がなかった。
ある日、拓海たちのバイト先の先輩・池谷浩一郎とその幼馴染である健二が所属する走り屋チーム『秋名スピードスターズ』に、関東全域制覇を掲げる『赤城レッドサンズ』が交流戦を申し込んでくる。走り屋としてすでに名声を挙げている高橋兄弟に率いられた彼らは格上の存在であり、同好会レベルの地元チームに勝ち目はないと思われた。
だがその明け方、最後まで練習に残っていた弟の高橋啓介が、突然現れたハチロク乗りに下りで抜き去られる事件が発生。パワーで圧倒的に劣る旧車に敗れた啓介は、ハチロクを相手に出すよう要求し公式戦でのリベンジを誓う。
一方、池谷は地元のプライドを守るために、かつて伝説の走り屋と呼ばれた男・藤原文太に協力を依頼する。「ガキの勝負に手を出す気はない」と自身が出ることは拒否するも、池谷の走り屋としての熱心で真摯な態度を気に入り、当日に援軍をよこすと約束する。
交流戦当夜、秋名山頂上。開始時間ギリギリになって、約束の援軍が到着した。文太が営む『藤原とうふ店』と書かれたAE86・パンダトレノ。その運転席に座っているのは、文太の息子、拓海だった。
次々と現れる強敵。走り屋達を待ち受ける各地の峠。車への想い。走り屋としてのプライド、理念、情熱。
主な登場人物
藤原とうふ店
- 藤原拓海(AE86 スプリンタートレノ GT-APEX 3door(前期型)・群馬55 お 13-954)
- 藤原文太(GC8 インプレッサ WRX STi Version V・群馬 52 が 13-600)
秋名スピードスターズ
本拠地:群馬県渋川市・秋名山(榛名山)
リーダー:池谷浩一郎
- 武内樹(AE85 レビン SR・群馬56 へ 11-009)
- 池谷浩一郎(S13 シルビア K's・群馬58 へ 51-745)
- 健二(RPS13 180SX TYPE II(中期型)・群馬55 し 11-305)
赤城レッドサンズ・プロジェクトD
- 高橋涼介(FC3S RX-7・群馬58 よ 13-137)
- 高橋啓介(FD3S RX-7・群馬37 お 63-887)
- 史浩
- 中村賢太(S14 シルビア Q's Aero(前期型)・群馬72 し 35-918)
妙義ナイトキッズ
インパクトブルー
エンペラー
- 須藤京一(CE9A ランサーエボリューションIII GSR・群馬58 し 30-395)
- 岩城清次(CN9A ランサーエボリューションIV RS・栃木78 へ 46-637)
実写版
2005年に香港日本合作で製作された実写映画で、内容は原作の2度に渡る啓介(中里)戦から始まって、茂木なつきとの恋愛を挟みながら、エンペラー戦や涼介戦を戦っていくという内容である。主演男優は香港、ヒロインなどは日本といった配役になっている。
いいところは映像美。日本できっちりロケをやっており、カースタントにタカハシレーシングも協力していることもあって、なかなかの迫力に仕上がっている。なお、場所は秋名限定
問題点……というかツッコどころはキャラクター関係。
109分の枠内に収めるためにはしょうがないとはいえ、庄司慎吾戦やインパクトブルー戦は削られており、当然のことながら、それらの人物は登場しない。それ以前に高橋啓介が登場しない。
- まず、藤原文太が酔っぱらい。拓海が朝の配達から帰ってくるとたいてい酔いつぶれている。原作通りのしっかりとした助言は行うが、ギャグキャラ扱いになっている。終盤には中年ロッカーという姿で、ギャラリーに。
- 樹が立花樹。文太のマブダチのガソリンスタンド店長の息子になっている。秋名スピードスターズを主催していて、小金持ちのドラ息子というあんまりなキャラになっている。拓海とは友達といった点は代わりないのだけど、拓海の手にキスするのだけはやめて。
- 中里毅の役割が、原作の啓介と融合している。つまり、始まりで啓介が二連敗する役割を中里が担ってしまっている。啓介が登場しないのもそのため。
- ラブコメも重視しているので、それだけに茂木なつきの役割が大きくなっている。
- 問題なのはエンペラーの2人組。
2人とも北斗の拳に出てきそうな雑魚ルックになっているのはいいとしても。
岩城清次は、樹のAE86を運転中に登場。樹を助手席に乗せた状態でのバトルになり、清次は車をスピンさせぶっ壊した上での敗北。ちなみに、この時の拓海は南葛SCのユニフォームっぽいTシャツを着ていた。
二度目の対戦は須藤京一の車に清次が乗っての対戦。この時は、原作通りに拓海のAE86のエンジンがぶっ壊れるのであるが、その際に清次は車から降りて、拓海に罵声を浴びせる。
三度目の対戦は京一VS涼介VS拓海の三台による夢のバトル。互角のバドルを繰り広げるものの、突如、現われた無関係な第三者の車への対応が遅れて、京一のランエボは崖から転落、派手なグラッシュを演じる羽目になってしまった。ちなみに、京一のランエボはデコトラに乗せられて群馬までやってきた。
ニコニコ動画での傾向
ArcadeStageシリーズのプレイ動画を筆頭に、メディアミックスが多いせいかアニメ本編やユーロビート集、別のゲームで頭文字Dを再現した物、バトルの舞台となった峠を実際に走ってみた様子などジャンルが多岐にわたっていたが、権利者削除をされる動画も少なくない。
(2011年3月に、エイベックスが原盤や版権などを管理している楽曲をニコニコで合法的に流せるようになってからは、削除頻度も落ち着いたもよう)
いつものコピペ
TSUTAYAに頭文字DのDVD借りに行ったんだけど
「か行」探しても全然ないんだよ。
で、TSUTAYAのアホ店員は「あたまもじD」って読んでるんじゃね?と思って
「あ行」を確認したらマジで置いてあってびびったwww
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関連項目
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