『顔出し』とは、
- 素顔を公開すること
- 顔に出すこと
である。2.は読者の想像に任せ、本項では1.について記述する。
概要
公にする媒体(写真・映像など)に、自らの素顔を隠さず掲示する行為、または掲示した状態を『顔出し』と呼んでいる。また日常では、会合などに出向いたり、人に直接会ったりする行為を『顔出し』と言っている。
なおマスクなど物理的な道具や、デジタル編集などで顔の一部を隠している場合、或いは隠していなくても映像が小さすぎて顔が確認できないような場合、少なくともniconicoでは基本的に『顔出し』とは見なされない。(タグやタイトルなどで【顔出し】を謳っておいて前述のような状態であった場合は『顔出し詐欺』などと呼ばれる可能性がある)
ネットにおける顔出し:日本と海外の違い
YouTube動画や他のライブ配信などを観ても感じると思うが、海外では『顔出し』する人が多く、意図的に顔を隠すような人は少数派である。『顔出し』をしないケースが目立つ日本のほうが、世界的には特殊なのだ。
演奏でもダンスでもトークでも普通に顔を出すし、ゲーム実況でも小窓で顔を表示する、その方がリアクションなどの情報を伝えることが出来るからである。イケメンでもデブでもガリでも老若男女誰でも普通に顔出しをする。マスクで顔を隠すような人もほとんど見ない。
彼らにしてみれば「なぜ日本人は隠すのか」と不思議に思っている。ちなみに『SNSで本名ではなく匿名を用いる傾向が強い国』も日本が世界第1位である。これらは前述のリンク先にも一部記載があるとおり
- 法的なプライバシー保護の不整備(トラブル時のリスクの高さ)
- 匿名掲示板が流行し、スタンダード化したことによる(悪い意味での)影響
- 顔で判断されたくない(日本で根強い「ルッキズム」文化)
- 日本人の慎重さ、神経質さ、容姿に対する自信の無さ、シャイな性格による影響
などが理由になっているようだ。
顔出しの利点・効果
顔出し行為は、不特定多数が視聴するネットの世界ではそれだけでセンセーショナルな行為であるともいえ、自らの存在を覚えてもらったり、注目(視聴)される可能性がより高くなると言える。
実際niconicoでは「顔出しの動画やライブしか観ない」という視聴者も少なからず存在しており、逆にそういった視聴者を(顔出しせず)呼び込むための『顔出し詐欺』という手口も誕生した。
また出演者の表情が分かるので、視聴者にとってはその人の人柄や、瞬間の感情を読み取るための情報が音声のみの出演より圧倒的に多くなり、出演者に対する親近感や信頼感が増し、視聴者との心の距離を縮める効果もあると思われる。
顔出しの欠点・注意点
不特定多数が視聴する場に「顔」という情報も含めて自らを晒すことは、個人情報がより特定されやすくなり、現実生活において不測の事態を招く危険性を孕んでいる。例えば
- 個人特定によるリアル凸(断りもなく、当人のいる場所や自宅に訪れるなど)
- 本人の意図しない個人情報流出(コメント等で住所や氏名が流れたり、SNSに書き込まれたり)
- 映像や写真が第三者によって勝手に(悪意的に)複製・加工され、再配信・流布される
また顔出しにより、視聴者から容姿についてとやかく言われるケースも発生しうる。結果、本当に観てほしいもの&伝えたいことが(顔出しをしたせいで)よく観てもらえない&伝わらない・・・という悪影響が起きることも。
★ニコニコ超会議2015において、「会員の年齢層は20代、コメントを書くのは10代のユーザーが中心」という統計が運営から発表された。これはYouTube等と比較しても大分若い。
おっさんおばさん達も思い出して欲しいのだが、若輩だった頃は他人の内面よりもまず容姿について気にする傾向が強かったのではないだろうか? つまり「niconicoでコメントを打つ人達は、出演者の容姿に敏感な傾向がある = niconicoでの顔出しは他より風当たりが強い」という予測が立つ。
肯定的なコメントであればまだ良いが、否定的な反応も寄せられるという覚悟は十分しておかなければならないだろう。
顔出しは、以上のように多くのリスクも孕んでいる。顔出しによって起こりうる危険性を十分に認識した上で「顔出し」を行いましょう。
顔出ししなければ問題ない?
「要するに、顔出ししなければ大丈夫という事だな」
「私の配信は一切顔出ししていないから安心」
残念ながら何気なく撮影した部屋や近所の写真から個人情報を推測する方法があるので注意。
niconicoにおける『顔出し』
niconicoでは「自分が出演する動画/生放送で、自分の顔を露にすること」をいう。
分布
ニコニコ動画では、「ゲーム(プレイ動画)」「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」「エンターテイメント」「チャット」「日記」などのカテゴリで顔出し動画がみられるが、釣り動画を含めるとほぼ全てのカテゴリで見ることができる。
ニコニコ生放送では、【顔出し】というカテゴリタグおよびカテゴリが用意されており、顔出し配信の際には【顔出し】タグを付けておくのが通例になっている。
撮影スタイル
自身の意思で、顔の全部分を判別できる状態で撮影する。
なお、他人の顔を映した場合も顔出しといえなくもないが、被写体の同意を得ていない場合、肖像権やプライバシー侵害などの法的な問題、niconico規約上の問題が発生しうる。その場合、被害者は該当動画の削除などを申請することができる。
顔出し動画の基本形式は次のように分類できる。
- チャット形式
PCなどに据え付けられたWebカメラから自分の姿を写したもの。
スマホ・タブレット・PC内蔵のカメラはもちろん、最近は安価なWebカメラも流通しているので、手軽に実施可能。ニコ生ではこれが中心。 - カメラ据え置き形式
チャット形式よりも、映像の構図に重きを置いたもの。使用カメラはWebカメラからレンズ交換式の本格カメラまで様々。
「踊ってみた」や「演奏してみた」など、動画投稿を目的とした撮影時に用いられやすい。 - 他人撮り形式
被写体のほかに、撮影者がいる形式。使用カメラは様々。
撮影時のカメラワークが自在にできるため、より凝った映像が撮影可能。
関連項目
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