風鈴捕物帳(ふうりんとりものちょう)とは、東映の制作で1978年10月26日~1979年2月8日までテレビ朝日系列で放送された石森章太郎(現・石ノ森章太郎)原作、葉村彰子原案・脚本、西郷輝彦主演のテレビ時代劇である。全13話。
概要
西郷演じる岡っ引き・風の新吉と、もう一人の主人公で水沢アキ演じる服部半蔵の孫娘・おりんが協力(…というよりも、おりんとその配下2名が勝手に介入)して毎回の事件を解決するというもの。
見どころは、新吉が刀なみの長さを誇る十手を使った殺陣とおりんの町娘から忍者ルックへの変身シーン、そしてほぼ毎回挿入される駕籠かき2人が繰り広げる超早駕籠(と乗ってる客のリアクション)のシーンだろう。
なお、このドラマはテレビ朝日系列の放送だが、脚本がTBSのナショナル劇場(現・パナソニックドラマシアター)時代劇でおなじみの葉村彰子であり、出演者も西郷をはじめとしてナショナル劇場時代劇の出演者が多く、ナレーターも芥川隆行と共通している。
また、第7話の駕籠かき2人のアクションシーンや、第13話で片岡千恵蔵演じる神坂左門の屋敷へ走る新吉というシーンで使われたBGMは、のちに同じ西郷主演の時代劇『江戸を斬るⅤ』以降のシリーズで遠山金四郎の戦闘シーンに流用されているが、それとは逆に『江戸を斬る』から流用したBGMも多い(両番組は音楽がともにいずみたくである)。
ちなみに、最終回の翌週に放送されたのは杉良太郎主演の『遠山の金さん』だが、同じ週の月曜夜8時にはTBS系列で『江戸を斬るⅣ』が始まっている。
そんな傑作ドラマだが、残念ながらわずか13話で終了。2008年7月21日に発売された「石ノ森章太郎生誕70周年BOX」に第1話が収録されているものの、番組単体としては2012年10月現在までDVD化はされていない。
再放送も頻度が少ないようだが、2012年2月にはスカパー!の時代劇専門チャンネルで放送されていた。
主な登場人物
- 風の新吉(演:西郷輝彦)
南町奉行所配下の岡っ引き。持ち前の正義感と長十手で江戸にはびこる悪党と戦うが、正義のためには公儀直参の屋敷にも乗り込むことがあるなど、戦う場所を選ばない熱血漢である。なお、悪党には強いが女には弱い。 - おりん(演:水沢アキ)
服部半蔵の孫娘。縁談が嫌で家を飛び出し、新吉の家で厄介になっている。影で新吉を助けて(介入して)いることは新吉にはばれていないと思っているようだが、新吉はうすうす勘づいている模様。 - 熊(演:鈴木ヒロミツ)
- 八(演:松山省二(現・松山政路))
熊の本名は弥平次、八の本名は小猿。2人とも服部半蔵配下の忍びで、元はおりんを屋敷に連れ戻そうとしていたが、現在では長屋の新吉(とおりん)が住んでいる家の隣に元からの住人を金で追い出していつくようになり、おりんに協力して新吉を影ながら助けている。普段は2人で駕籠かきをやっている。 - お千(演:山口いづみ)
小料理屋「ひさご」の女将。新吉に惚れているため、新吉にベタベタするおりんに対抗意識を燃やしている。 - 熊沢五郎次(演:谷勘一)
南町奉行所同心で新吉の上司。ドジで間抜けなところは他のナショナル劇場時代劇の谷キャラとほぼ同じ。妻帯者であるが、女房の尻に敷かれている。 - 万蔵(演:藤岡重慶)
新吉のライバルで、後述の早坂弥三郎配下の岡っ引き。 - 早坂弥三郎(演:内田昌宏(現・内田勝正))
北町奉行所同心。登場回数わずか2回だが存在感はある。演じているのは内田勝正だが、悪役という訳ではない。 - 服部半蔵(演:伴淳三郎)
おりんの祖父にして八代目の服部半蔵。おりんには早く帰ってこいと言ってるものの、影ではおりん(と新吉)のサポートをしている。第3話では新吉にとんでもない預かり物(=おりん)を押しつけた。 - 筒井伊賀守(演:里見浩太朗)
南町奉行。ただし登場したのは第1話のみ。 - 神坂左門(演:片岡千恵蔵)
元南町奉行で、現在では隠居している通称「ご隠居」。この人の前では例え万蔵も早坂でも頭が上がらない。
主題歌
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関連項目
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