飛空艇とは、空を飛ぶ架空の乗り物である。特にゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズに登場するものが広く知られている。
曖昧さ回避
- 飛空艇(楽曲) - 飛空艇に乗ったときのBGMの題名としてファイナルファンタジーIVとファイナルファンタジーVで使われている。
- 飛空挺 - よくある誤字。
概要
現実世界では既に空を飛ぶ乗り物として各種の航空機が活躍している。なかでも軽い気体を使って浮き上がる飛行船と、水上で離発着する飛行艇は、その外見や仕様が飛空艇のモデルとなっている可能性がある。
一方、架空世界の飛空艇は、その外見や飛行原理が際だってファンタジーっぽかったりSFっぽかったりする点に特色がある。ただし作品によってその姿は千差万別なので、あらゆる飛空艇に共通する特徴と言ったら「人を乗せて空を飛ぶ」以外にない。
飛行能力のある船状の乗り物は、元々スチームパンクなどによく登場していたが、「飛空艇」という言葉を最初に使ったのを確認できるのは1990年に発売されたゲーム『ファイナルファンタジーIII』である[1]。それ以前のファイナルファンタジーIとIIでは似たような乗り物が「ひくうせん(飛空船)」と呼ばれていたが、リメイク時には「飛空艇」と改められている。以来、「飛空艇」という言葉は事実上ファイナルファンタジーシリーズの専売特許であり同シリーズの象徴ともなっている。
ファイナルファンタジーシリーズの飛空艇一覧
FF5までの飛空艇は、海上を航行する船にプロペラや翼を取り付けたような外観のものが多かったが、FF6以降はスチームパンクっぽさや近未来っぽいデザインが目立つ。また、シリーズを通してシドという人物が飛空艇に関わるキーマンとなることが多い。
空を飛ぶ乗り物全てが「飛空艇」と呼ばれている訳ではないが、ここでは便宜上条件を満たすものを全て挙げる。生物(黒チョコボや飛竜)は対象外。
以下、ネタバレ注意。
- ファイナルファンタジー(第1作)
- ファイナルファンタジーII
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ファイナルファンタジーIII
- 飛空艇
- シド・ヘイズが所有する無名の飛空艇。ストーリー最序盤に登場するが、道を切り開くためにみんなを乗せて岩山にぶつけるという画期的な使い方をされることで早々に役目を終える。
- エンタープライズ・改
- 海賊から譲り受けた船をシドが改造して飛べるようにしてくれる。光の戦士を乗せて浮遊大陸から飛び立ったが、巨大都市サロニアで撃墜される。
- ノーチラス
- サロニアを救ったお礼(とエンタープライズを撃墜したお詫び?)にもらえる飛空艇。プログラマーのナーシャ・ジベリがファミコンの処理限界を超える移動速度を実現したことはもはや伝説。ストーリーでは後にドーガの魔法で潜水能力も得る。
- 巨大戦艦インビンシブル
- 古代遺跡に安置されていた大型飛空艇で、移動速度は遅いが山を飛び越えることができる。内部にはベッド・売店・デブチョコボを完備。
-
ファイナルファンタジーIV / ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還-
- 赤い翼→赤き翼(DS版)
- バロン王国が所有する飛空艇部隊の名称。FF4は赤い翼が編隊飛行している場面で幕を開ける。敵として各地を破壊したりこちらを追いかけてきたりする場面が多い。
- 高速飛空艇エンタープライズ
- バロンの技師シド・ポレンディーナが隠していた新型飛空艇。後に改造されてホバー船を持ち上げられるようになる。
- ファルコン
- バブイルの塔に格納されていた赤い翼の飛空艇をセシルたちがかっぱらった。命名はエッジ。シドによる二度の改造で地底のマグマに対する耐熱能力と地上へ掘り進むドリルを獲得する。
- 魔導船
- 伝説で語られていた天翔る船で、青き星と月を往復することができる。その外観から、動画にこいつが登場すると確実に「エビフライ」というコメントがつくが、実際にモチーフとなっているのはクジラだそうな。
- ファイナルファンタジーV
- ファイナルファンタジーVI
- ファイナルファンタジーVII
- ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン
- ファイナルファンタジーVIII
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ファイナルファンタジーIX
- 劇場艇プリマビスタ
- リンドブルムの盗賊団劇団タンタラスが所有する、その名の通り劇場がついた飛空艇。オープニングから登場し、隣国アレクサンドリアで公演を開くが……
- レッドローズ
- アレクサンドリアの戦艦で、各地への侵攻に使われる。ベアトリクスが乗っていることが多い。
- ヒルダガルデ1号・2号・3号
- リンドブルム国王シド・ファブール9世が設計し、最愛の妻ヒルダガルデの名を付けた飛空艇。まあ、その妻がいながら他の女性に見とれたせいで、魔法でブリ虫にされたわけだけど。「霧」を動力源としていた従来の飛空艇と違って蒸気機関で動く。
1号は怒ったヒルダガルデに持って行かれた上、彼女ごとクジャに奪われ悪用された。急遽2号が開発されたものの、シドがブリ虫の姿だったため欠陥だらけで1度しか飛行していない。妻と和解して人間の姿を取り戻したシドはアレクサンドリアの水上船を流用して3号を製作。この3号がゲーム中で初めて自由に操縦できる飛空艇。 - インビンシブル
- クジャに与えられたテラの飛空艇。船底の目玉は生物の魂(動力源)を吸収したり、召喚獣を制御したり、大規模な破壊をもたらしたりして一部のキャラに強烈なトラウマを与えるほどの能力を持つ。なのにストーリー終盤はこいつを操縦することになる……
- ファイナルファンタジーX
- ファイナルファンタジーX-2
- ファイナルファンタジーXI
自分で飛空艇を操作することはできないが、都市間の移動手段として定期便が用意されている。 -
ファイナルファンタジーXII
- シュトラール
- 空賊バルフレアが所有する飛空艇。YPA社の試作機を譲り受けて改造を施している。序盤で損傷し、再び乗れるようになるまでかなり待たなければいけない。
- リヴァイアサン / オーディン / シヴァ / カーバンクル / イフリート / カトブレパス / アレキサンダー / レモラ / ヴァルファーレ / アトモス / 空中要塞バハムート
- 歴代FFシリーズの召喚獣の名前が並んでいるが、全てアルケイディア帝国軍が所有する飛空艇に付けられた名前である。バルフレアの父でもあるシドルファス・デム・ブナンザが設計と建造に携わっている。
- ガーランド / ゼザ・サーゲイト / レギナ・ヒルダ / ガラフ・バル
- 解放軍の飛空艇は過去作の登場人物にちなんで名付けられているものが多い。
- ファイナルファンタジーXIII
イベントで何機かの飛空艇は登場するがプレイヤーが操作する機会は一切存在しない。 - ファイナルファンタジーXIV
都市間の交通手段などとして、過去作の飛空艇と同名の飛空艇がいくつか飛んでいる。また、オンラインである本作では個人用飛空艇が実装されている。 - ファイナルファンタジーXV
ノクトたちが所有する自動車には飛行機能があるので、強いて言えばこれが本作における飛空艇に相当する。一応、兵器としての飛空艇も登場するがプレイヤーが操作することはない。 -
ファイナルファンタジータクティクス
ゲーム本編に飛空艇は登場しないが、かつては飛んでいたことを臭わせるイベントが多い。
その他の飛空艇
ニコニコでは Minecraft で飛空艇を作ってみた動画や静画が多い。ファイナルファンタジーシリーズに登場した飛空艇を再現した物もあれば、完全なオリジナルタイプも見られる。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
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