首吊りとは、死因の1つである。
※この記事は、読んだ人に首吊り自殺を教唆するものではないことを最初にお断りしておきます。
概要
縄や紐で首を吊って死ぬ方法。縊死(いし)と呼ばれる。
自殺の手段は世の中に数多く存在するが、首を吊るのはおそらくはその中でも最も手軽に自殺できる方法であると語られることが多い。何せ用意するものは基本的にロープ(紐、縄、ベルト等)があれば可能である為だ。
そのため、現代の日本でも最も多いとされる自殺方法でもあり、首を吊って自殺した著名人も少なくない。
勿論、ロープが途中で切れてしまったりロープを吊るしている場所が壊れてしまった場合は失敗に終わってしまうので、実行の際は予め頑丈なロープを用意した上でロープやロープを吊るす場所の強度を確認し、家族や第三者に発見されないよう入念に準備を行うべきだろう。
ロープに体重を預け首を圧迫すると動脈と気管が圧迫されるため、呼吸が止まるのは勿論のこと脳へ酸素が供給できなくなり、脳内の血流が止まった結果脳細胞が次々破壊され、やがては心臓も停止、死に至る。
首を絞める場合は、気管のみが水平に圧迫されるので窒息死という結果こそ変わらないものの、苦痛を伴う点や頚動脈などが圧迫されない点などが異なる。
基本的には自殺に用いる手段だが、絞首刑の場合はロープを引き上げたり絞首台から落下させる事で重力に引かれ首を圧迫させる。こちらの場合は、頚骨が骨折して即死するケースもあるなど、より確実に死亡できるようになっている。
また、首を吊るといっても足が地面や床から浮いている必要はなく、ドアノブに縄をかけるなど低い場所でも首吊りは可能。
ごくまれに自殺に見せかけることを意図した殺人方法に使用されることもある。また、まれに事故で偶然この状態になって死亡することもある。
で、首を吊れば本当に苦しまずに死ねるの?
一般的に「苦しまずに死ねる」と言われることが多い。だが確実に苦しまないとは限らないようだ。なぜなら首吊りにも色々な場合があり、自殺では予想以上に「うまくいかない」ケースが多い。
定型縊死
完全な形で首吊りが完遂できた場合のことを、法医学の用語で定型縊死、または定型的縊死と言う。こうなるためには、ロープが首にかかる角度とか、体重が首に全部かかるとか、ロープの結びめの位置とか、なんだか色々条件があるらしい。
この場合は上記の通り、頚動脈洞が圧迫されるため首を吊ってすぐに、長くても10秒足らずで意識を失う。
意識が遠くなってくると、苦痛を感じるどころか手足を動かすこともできなくなるので、一般的に「手軽で安楽かつ確実な自殺方法」と思われている所以である。そのため、首を絞められるのと同じように苦痛にもがきながら死ぬ、という認識は誤りである。(寧ろ首吊りによって快感を得る人さえもいるらしい。)
ただし、意識を失うだけで心臓は動き続けており、まだ確実に死ねるわけではない(神経反射によりすぐに心停止に至る場合もあるが、これは非常にまれなケース)。
意識が喪失して数分が経過すると脳の血流が遮断され酸素の供給が絶たれた事で脳細胞がどんどん死滅していき、10分程が経過すると心臓が停止するため、ここまでくれば最早助かる見込みは無い。
非定型縊死
定型縊死の条件をどれか一つでも満たしていない場合を、全部まとめて非定型縊死、または非定型的縊死と言う。例えばロープが首にかかる角度や場所が少し定形縊死の場合からずれていたり、全体重がかからなかったり、結びめの位置が悪かったりなど。
上記のように余り苦しまずに死ねる(と推定されている)のはあくまで定型縊死の場合。非定型縊死の場合は定型縊死のように瞬時かつ完全に血流が遮断されるとは限らないため、苦しまずに死ねるとは限らない。ではどのくらい苦しみを感じるかと言うと、どれだけ定型縊死に近かったかにより様々になると思われる。
ちなみに法医学者が記すところによれば、定型縊死と非定型縊死では実は非定型縊死の方が何倍も数が多いらしい。「首吊り自殺をすると多くは非定型縊死になってしまい、限られた一部の人だけが定型縊死になる」ということなので、一般的に広まっている「首吊りは苦しみがなく安楽に死ねる自殺方法」というイメージがどれだけ正しいのかは、実はあまり定かでない。
失敗やその後の問題など
首を吊った瞬間に生存本能が働いて無意識に手足が動いたり暴れた結果失敗してしまった、という事例も少なくない。縄が外れないように準備するか自分で手足を縛っておく事も考えたい。
尚、首を吊って死ぬ場合は、自殺に成功した場合も失敗して一命を取り留めた場合もいずれにしても、多くの人々に迷惑をかけるリスクも考えてもらわなければならないし、後者の場合は脳細胞が破壊された事による後遺症を引きずる悲惨な人生が待っているだろう。(後述)
以下、これから首を吊って死にたいとお考えの人へ
ここから下には、首吊り自殺に関するショッキングと思われる内容が並ぶので、
そういった文章が苦手な方はこちらをクリックしてください。
逆に、これから首を吊って死にたいと考えている人は、目を逸らさずに全て目を通してください。
日本で最も多いとされる首吊り自殺だが、当然、残された人々をいろんな意味で悲しみや苦境へ陥れるばかりか、自殺に失敗し生き残った場合はこれらに加えて自身も高額すぎる授業料を支払いつつ、大きな十字架を背負っていかなければならない明日が待っている。
- 死後の見た目が悪過ぎる?
首吊り自殺にて最も話題に上るネタの1つ。 飛び込み自殺などと比較すれば人体が原型を維持したまま(比較的)綺麗な状態で死んでいるだけまだマシな死に方であるかもしれないが、目玉や舌が飛び出し、顔色はおぞましく変貌する。死後発見された時に舌が飛び出ている顔になるのが嫌なら、口内に布でも詰めておけばいいだろう。
もっとも、「首を吊って死んでいる」という光景自体が発見者にとってあまりにもショキングで、トラウマになりうるには充分なものかもしれないが。 - 失禁・脱糞の問題
こちらもよく話題に上るネタ。脳の機能が停止していく事で体中の筋肉が弛緩し、膀胱の括約筋と肛門括約筋も機能しなくなる。具体的には、体内に残留している小便もうんこも重力に引かれ全部ダダ漏れの垂れ流しである。
(男性の場合はこれに加え、射精も伴う)
基本的に自殺直前にトイレに行くか長時間に渡って食事を取らなければそれほどの量は発生しないかもしれないが、そうじゃない場合にしても遺体となったあなたの身体とあなたが垂れ流したもの(及び、それらが染み付いた衣服)を片付けさせられる人はたまったものではないだろう。首を吊った場所が屋内だった場合は畳や絨毯、フローリング、いずれの物にしても床に臭いや液体が染み付いたまま取れなくなり、業者に部屋内の清掃や全面リフォームを依頼せざるを得なくなった、というケースもある。
そして下記の3.の事例に続くが、これらの費用を請求されるのは勿論、残された遺族や(賃貸住宅の場合は)あなたの住む部屋の連帯保証人になってくれた人である事だろう。 - 損害賠償の発生
残された人々は悲しみに暮れながら、または後味の悪い気分にさせられながら、自殺の後処理をしなければならないわけだが、建物内での場合は自殺者が発生したという件だけでも上記の2.の事例と合わせて不動産価値を著しく下げてしまうので、自殺はしたいけど残された遺族が賠償に追われるのが可哀想と思うならば私有地や屋内で首を吊る行為はやめる事を勧める。
自殺の損害やその後始末などで、ケースにもよるが数千万から数億という損害賠償を請求された遺族は2つの意味で悲しい気分となってしまう事だろう(請求されない場合もないわけではなかったようだが)。ただし連帯保証人が存在する賃貸住宅ではなく、ホテルや駅などの不特定多数が訪れる場所であれば、相続を放棄する事で賠償債務が無くなるとされている。 - 自殺未遂による後遺症
一度死滅した脳細胞は、二度と再生しない。
首を吊ってすぐに救助された場合は後遺症を残さずに済む事もあるが、首を吊って数分が経過し、脳が酸欠となって細胞が死んでいった状態でもし生存した場合(死亡直前にロープが切れた、第三者に発見され救助された、等)、脳の機能が幾つか喪失したり記憶障害や運動障害といった日常生活にまで支障をきたすような深刻な後遺症を残す事になる。
またロープで首を圧迫した際に頚椎や頚髄にダメージを負っていた際は、そちらも合わせて更に後遺症が悪化してしまうだろう。脳に障害を負っても生活が送れるならともかく、ひどい場合は植物状態となる場合すらある。
かつて1985年に首吊り自殺を図り一命を取り留めた日本の歌手・フランク永井が、脳に障害を残した結果リハビリも虚しく知人の事がわからなくなったり他人はおろか家族との会話も殆どままならなくなったり、晩年には幼児並にまで知能が衰えてしまう程の療養生活を送ったエピソードは首吊り自殺の失敗による深刻な後遺症を示す話として有名であると思われる。
そして、基本的に自殺未遂には保険がきかない為、医療費も高くつく事が考えられる。上記の2.と3.の事例も合わせ、自殺に失敗した場合はかなり大きな金銭的負担を覚悟する必要があるだろう。
・・・以上、当記事をここまで読んで少しでも「首を吊ること」に躊躇を覚えたのであれば、自殺を思いとどまる事を勧めたい。
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