4件
高学歴ワーキングプア（学歴難民）は、高学歴なのにワーキングプアのことである。高学歴ワープア。
以下の二通りで用いられる。
1の概要
博士号をとったのにもかかわらず、きちんとした研究職につけず不安定な職につかざるえない人がいる。それはポスドク[1]が1990年代の大学院重点化政策によって増加したにも関わらず、大学の研究員の定員はあまり増えていないためである。また企業は博士号取得者は即戦力になるような研究している人材しか採用したがらないため[2]、職からあぶれるポスドクが増えてしまっている。
35歳以上になってしまったポスドクは特に就職が厳しく、（それでも助手になれる人も居るけど）高齢ポスドクと呼ばれ、研究職につくのも厳しい、一般企業も採りたがらない、公務員試験も年齢制限に引っかかる、など非常に厳しい状況にある。日本は学位が重視される社会ではないので、博士の人数を増やせばよいと言う安直な政策がこのような結果を招いてしまったと指摘されている。
ポスドクは不安定がゆえに性急な結果を求められ不正を行ったり、若手の育成を阻害し、優秀な人材が博士課程を目指さなくなることで将来的な大学の研究能力の低下も危惧されている。
2の概要
良い大学に入って良い企業等に就職し、長期雇用を前提とした環境の下で少なくない給料を貰いながらまじめに働き続ける。誰もが一度は思い描く人生の流れである。そしてまた、一流と言われる大学出身者の方が、平均的にはそうでない人間よりも社会に出て「うまくやっている」であろう事は多くの人々が直感的にわかる。
しかし当然ながら、難関国立大学や早慶等を出れば自動的に良い企業等に入る事ができるわけでもなく、入れたとしても、ワークライフバランスが取れた環境下で長く働き続けることが保証されるわけでもない。
18歳前後の学力や、大学や大学院などで学んだ学問の知識や理解が、そのまま入社・入庁等の試験時に測定される能力や、就職後の業務遂行能力に直結するわけではなく、むしろ直結しない要素が大きい。また、学歴や職務遂行能力に問題がない場合でも、職場環境の悪化や思い描いていた職務とのミスマッチ等で辞めてしまった場合、再就職が厳しくなるという現実がある。そのため、そのギャップ差を埋められなかったり、一度何らかの理由で「レールを外れて」しまうと、軌道修正する事が困難になりやすい。そして一般的な一流大卒の人間のイメージから抜け落ちた者が存在し、そして非常に多いのである。
文系大学院卒の場合、日本では学卒よりも一般企業の就職で有利になるとは限らないどころか、かえって不利になりやすい。そのため希望通りの就職ができなかったり、不安定雇用の条件下で働かざるをえないことがある。文系学問の高度な知識・理解は、企業や公務員組織等で必要とされる場面があまりなく、特にメンバーシップ型が多い日本企業等では需要が少ないからである。その結果、文系院卒という時点でもしかしたら何か問題があるのではないか、と偏見が生まれやすく、事態を難しくしている。
また、法科大学院に進学したはいいが司法試験に3回不合格し、高齢になってしまった元司法試験受験生も高学歴ワーキングプアになる場合がある。俗に三振博士という。
理系においても、企業が求める専門分野と学生の専門分野とのミスマッチが指摘されている。特に生物系や理学系の募集が少なく、学を修めた分野においての研究職などの専門職にこだわりすぎて就職に失敗してしまう事がある。1のポスドク問題と相まっている状態にある。
難関大学や学部を出ると同時に専門的な教育や訓練を積んでなることが一般的であった弁護士、公認会計士、薬剤師、歯科医師も各々の政策的な事情で供給過剰になっている。そのため、かつては花形であったはずのこれらの資格を取っても将来が安泰と言えず、職にあぶれる人もでてきている。
関連動画
それらしいものは
関連商品
関連項目
脚注
- 6
- 0pt
