高等学校の吹奏楽に対する批判を以下に述べる。
吹奏楽全体への批判ではなく、高等学校の吹奏楽部の一部ではこのようなことがあるよ、と言う事に対する、厳密な視点からの批判である。
ファンのマナーが問われるケースについて
吹奏楽は主に教育機関における「部活」としての活動が盛んであり、特に高等学校の吹奏楽部では熱烈なファンを擁する学校もある。高等学校の吹奏楽部における活躍の場は、それぞれの団体で開催する定期演奏会や町の催しへの参加など様々あるが、とりわけ注目されるのが「全日本吹奏楽コンクール」である。
熱狂的ファンの中には「ブラボー隊」という、演奏終了と同時に「ブラボー!!」と絶叫する人がいる。彼らは演奏の良し悪しは関係なく、ただ自分が叫びたいから叫んでいるものと思われる。
コンクールで使用される曲の取り扱われ方について
コンクールでは、実に多くの団体が、本来ならば数楽章ある管弦楽作品の一部分だけを抜き取ったり、演奏順をめちゃくちゃにしたり、好きな部分だけを切り貼りしたツギハギだらけの曲を演奏したりし、音楽コンクールとは思えないほどに音楽を蔑ろにしている。そして、その演奏を「素晴らしい」「名演」「最高!」と褒め称える人も存在している。
これはコンクールにおける演奏時間の尺の短さによるものが原因のひとつであり、オーケストラで使用されている曲を吹奏楽のコンクールで上演しようとする場合は、このようなアレンジが加わるのは仕方のないことではある。
楽曲に対する理解について
吹奏楽部員の中には、管弦楽作品を吹奏楽用に編曲したものを「吹奏楽オリジナル作品」と本気で思い込んでいる者がいる。そのような人の多くは吹奏楽オリジナルの作品に関しても、コンクールでの演奏しか聴いたことがなく、演奏規定時間に合わせ縮小されたバージョンを正規だと思っている場合が少なくない。小・中学生ならまだしも、大学生や大人であるなら、オリジナルの楽曲の存在を把握しておきたい。
著作権について
悪意を感じることなく団体間での楽譜の貸し借りや音源のコピー→配布が行われることもあり、作曲家の権利が軽く扱われていることがある。
以上のような現象については、音楽というものを厳密にストイックに捉えている人たちからは「お遊戯音楽」「音楽してるふり・してるつもり」「もはや音楽ではない」と批判されることがある。
これはどちらかというと「吹奏楽」への批判と言うより、それを構成する一部の参加者への批判であり、(高等学校における)吹奏楽のすべてが悪というわけではなく、また、音楽を「音を楽しむ」という観点から捉えた場合、(著作権やマナー以外については)音楽に対する敬意の損なわれない限りにおいては自由であり、音楽や吹奏楽に対して(他人に迷惑をかけずに)楽しんでいる範囲では問題のないことである。
一般的に単一教育機関の部内で行われる、いわゆる「部内コピー」は認められた行為である場合が殆どであり、その旨が楽譜のパッケージに表記してある場合が多い。
上記の事例とは分けて考えるべきである。
関連項目
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