高速バスとは、高速道路・自動車専用道路を経由して都市間、あるいは都市と観光地などを結ぶために設定されたバスのことである。
そのうち暦日を跨ぎ、移動中に乗客が仮眠を取ることを念頭に置いて運行される路線を「夜行バス」と呼ぶことがあり、対義語として「昼行バス」という表現が用いられることもある。
事業者によっては、「特急バス」「急行バス」と呼んでいるところもあり、また乗客に向けて掲出・案内される種別、および運用上のそれも「特急(超特急)」「急行」「高速」など、さまざまである。
概要
そもそも「高速バス」って何ぞや?
「高速バス」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのが「夜中に乗り込んでバス内で寝て、朝起きたら目的地に着いてるバス」ではないだろうか。その際に高速道路を使うから「高速バス」と。
が、実は「高速バス」と言う言葉に法的な裏付けや厳密な定義はなく、事業者ごとに多種多様な形態で、高速道路を使用して運行されているものをひっくるめて便宜的に「高速バス」と呼んでいたりする。またいわゆる「ツアーバス」も人によっては「高速バス」と呼ばれることもあるが、高速バスの定義そのものがあいまいなため間違いとも言い切れない(後述)。
どんな高速バスがあるの?
ここで定義付けをしようとすると「高速道路使ってるから高速バスなんじゃないの?」と言うもっともな疑問が持ち上がるが、「高速道路使ってるけど立ち席が存在する」「近距離の都市間を結ぶ過程で高速道路使ってるだけ」のようなバスも存在する。ひとまず「高速バスと一般的に呼ばれているもの」「高速バスとなんとなく捉えられているもの(またはそうでないもの)」などを紹介したい。
- 「一般乗合旅客自動車運送事業」に基づき、停留所やターミナルなどの確固たる建造物を設け、その施設相互間で紙の乗車券ないし、乗客が持参した携帯端末の画面などを介して旅客との運送契約を結ぶ「路線バスとして高速道路を経由し運行される都市間バス」…(よく想像される高速バス)
- 「一般貸切旅客自動車運送事業」に基づき、貸切バス・観光バスと同じ「企画旅行事業として運行される都市間バス」…(いわゆるツアーバス)
- 空港と、都市部の主要駅を結ぶ「空港リムジンバス」(高速道路を経由するものが非常に多いため、「高速バス」として捉えることも出来る)
- 都市高速道路を経由して一般形車両で運行している近距離路線バス(例・福岡市における西鉄バス。これは高速道路を使っているだけなので「高速バス」かは微妙。一般的なローカル路線バスとして、予約も受け付けていないし先着順乗車のため)
なお、高速道路を経由して運行するバスは、立ち席が禁じられており、法令でシートベルトを必ず着用しなけばならないと定められている(先述した都市高速を経由する路線バスに関しては、最高速度を60km/hとする代わりにこの規程を適用していない)。よって、定められた座席数以上の乗車はできず、事前に便と座席位置を指定し、枚数を限定して乗車券を販売する「座席指定制」や、乗車券の販売に制限は設けていないものの、乗車時に限って人数制限を行う「座席定員制」を採用している所が多い。詳細は後述。
定義付けは曖昧だが、強いてまとめるなら「高速道路を使用し」「乗車前に予約してチケットを受け取り」「着座を義務付け、座席指定制や座席定員制を設けている」バスを「高速バス」と呼ぶことが多い、と言えそうである。
「高速バス」と「ツアーバス」の違いって?
あくまで路線バス扱いの高速バスと区別して「ツアーバス」と呼ばれているものは、「貸し切りである」ことを除くと機能としては高速路線バスと大きな差異はない。なので、ツアーバスも「高速バス」とひっくるめて呼んでいる旅行会社や報道機関も多く、明確な定義がないため間違いとも言えない。
他のはっきりした違いは「高速道路の適用料金」があり、高速路線バスは乗合バスなので「大型車」、高速ツアーバスは貸切バスなので「特大車」の料金区分となる(そのため、前者は車両前部や運転席下部、リアなどに「路線バス」と掲出する例も多い)。本線上バスストップ手前などの高速道路標識などでは、高速路線バスのことを単に「路線バス」と表記している。
※ただし、2013年8月1日を境に、ある程度経営体力のある「大手ツアーバス事業者(当時)」を除いて事実上この事業からは撤退を余儀なくされ、一種異常であった不当廉売とも感じられるような低価格競争および、乗り場の不正確さも是正されつつある→ツアーバスの記事も参照。
歴史
高速バスの夜明け~「ツアーバス」の出現
日本の高速バスの歴史は、日本における高速道路開通の歴史と重なっている。
1963~64年(昭和38~39年)、日本初の都市間高速道路となる名神高速道路が順次開業する。それに合わせるように、近江鉄道・阪急バス・日本急行バス・国鉄バスがこの高速道路を走行するバス路線を開設した。名古屋~大阪・神戸間を結ぶ名神ハイウェイバスもこの頃から設定され、今日も元気に運行中。
他にもJRバス夜行便でおなじみ「ドリーム号」が、1969年(昭和44年)の東名高速道路開通に合わせて設定されている。
1970年代はオイルショックや新幹線網の拡大によって、拡充の動きが鈍る。しかし80年代に差し掛かると、国鉄が毎年のように運賃を値上げて寝台列車も順次削減していったため、「安価な移動手段」として高速バスの路線網が再び拡大しはじめる。いわゆる「クローズド・ドアシステム」(発車エリア以外での乗車を想定しない制度)もこの頃導入さた。
また、この80年代には、北海道の「北都交通」が会員制都市間バスの運行を開始している。ツアーバスの元祖といえる。
高級化による進化~「代替手段」から貴重な「足」へ
80年代も後半に差し掛かると、バブってる景気に乗ってバスも高級化を図るようになる。
例えばドリーム号・ムーンライト号(阪急バス)などでの「3列シート」の導入がある。現在ではおなじみだが、長らく4列シートを標準としてきた高速バスに「快適さ」を持ち込む試みは大いに受け入れられた。他にも「車内トイレ」が多くのバスに昼行・夜行を問わず備え付けられるようになったり、一部事業者の長距離路線などには給湯器とインスタントコーヒー・お茶類のティーバッグ、紙コップを備えたものまで登場した。もっとも給湯器などはペットボトル飲料の普及・進化により、最近では姿を消しつつある。
大都市間のみならず、大都市と中小都市の間を結ぶバス路線(長距離路線では1986年の「ノクターン号」東京・弘前線が初と言われている)が盛んに設定されるようになったのも、この頃である。
90年代になると、バブってる景気も崩壊して乗客が減少し、路線網が輸送需要に対して過剰となったため整理が進むようになる。一方、明石海峡大橋・東京湾アクアラインなどのように、自動車のみが通る連絡橋・トンネルが開通し、また高速道路網の整備が進んだことにより、鉄道や短・中距離の船舶が担っていた乗客の大半がバスに移行した地域も目立つようになる。
規制緩和とIT化の大波
2000年代になると規制緩和の波が到来し、それまで設定に制限が設けられていたツアーバスが本格的に都市間輸送にも参入するようになった。これにより多くの「ツアーバス」新規参入業者が生まれて激しい価格競争となり、後述するが「激安運賃」と言う消費者側のメリットの陰で様々な問題を引き起こすことになる。
それまでの「高速バス事業者」も規制緩和による価格競争の大波に対抗すべく、運賃の割引、設備を簡素化する代わりに運賃を値下げしたバスの設定、逆に若干の割増料金を上乗せして「2列シート」や「2+1アブレスト仕様」の幅広3列シートを導入し高級化を図る、などといった動きが見られるようになった。
また、「乗り心地」以外にも、IT化の進展による予約システムの洗練が進む。そのひとつが各コンビニチェーンが店舗に設置する高機能マルチメディア端末からの、空席情報の入手や予約・決済まで可能としたシステムである。さらにwebを利用した予約システムが構築され、PCやケータイ、現在ではスマートフォンを利用して手軽な予約・決済が可能になっている。
営業所に電話したり直接出向いて予約する必要もなくなり、多くの新規参入事業者が生まれたことによりサービス・価格競争も進み、さらには高速バスの価格比較も出来るようになったため、「利用者にとっての」高速バスの使い勝手の良さは2000年代に入って劇的に向上した…と言える。
ダンピング、過労、大事故、そして「新高速乗合バス」制度の発足
規制緩和は数多の新規参入者とサービス競争を呼び、「乗って寝て起きたら目的地、しかも安い」は多くの消費者にとって福音であった。…が、多くの事業者にとっては果てなき競争と疲弊の始まりでもあった。かくして過酷な労働環境が生まれ、大事故がいくつか発生する。
2007年に大阪-長野間を運行していたスキーバスが大阪モノレールの高架橋に激突し、添乗員が死亡。ドライバーの居眠り運転で片付けられそうだったこの事故で、旅行会社側の「ダンピング強要」「乗務員不足で運行不可能、と言うバス会社の回答を無視した運行の強要」、バス会社側の「スタッフ不足」から来る「長距離のワンマン運行とドライバーの過労」と言う問題点が明るみになった。
ここから2011年に「貸切バス事業者安全性評価認定制度」が開始され、日本バス協会が安全性に対する取り組みを評価して星マークをつけるなどの対策が取られ始めるが、その直後の2012年に再び大事故が発生してしまう。
金沢を出発し、終点のディズニーランドに向けて関越自動車道を走行していたツアーバスが、ドライバーの居眠り運転により防音壁に激突。7人が死亡する大事故となった。このバスも相場の半値以下と言う運賃で運行され、ドライバーは短距離バスがメインの運転経験しかない上に日雇い(違法)、バス会社も数多の法令違反が発覚する。
この事故を契機として、激安を売りに安全を軽視してきた業者を排除して業界の健全化を図るべく、従来からの「高速バス」と「ツアーバス」を一本化して「新高速乗合バス」とする新制度が2013年7月に発足する。様々な業態変更と規制を課した新制度発足により、ツアーバス事業者の実に7割が撤退した。
とは言うものの、仕事欲しさに法令違反上等の依頼を受けてしまう零細バス事業者や、その立場に付け込んで無茶振りをカマす旅行会社もまだまだ多いようで、2016年には軽井沢にて、15人が死亡する転落事故がまたしても発生している。安さの裏に何があるのか、利用者側も改めて考えなければならないだろう。
最近の高速バス~競争からタイアップまで
再三述べたように、高速バスのメリットは「乗って寝て起きたら目的地、しかも安い」が大きいウェイトを占める。しかし「安さ」「早さ」を大きく上回るライバルが、2000年代後半より出現した。LCC(格安航空会社)である。セール時には成田-関空路線を2000円ほどで販売する狂気じみた安さ…と張り合うのは不可能なので、LCCが離着陸する空港に向けて中距離区間を運行したり、東京駅から成田空港に向けてのリムジンバスを格安で運行したり…と言った方策に乗り出しているところもある。
安さで敵わなければ高級化だ!ということで、東京-徳島間を運行する「マイフローラ(海部観光)」や、広島-横浜・町田間を運行する「ドリームスリーパー(中国バス)」など、バス自体の居住性と安眠まで追求した豪華バスも出現。ファンの支持を集めている。
また、長距離フェリーとの連携を積極的に図る動きもある。都市から別の都市のフェリーの発着港までを高速バスで結び、フェリーと連絡して長距離の移動を安く実現させようというもので、バスと航路の連絡乗車券、バス-フェリー-バスの連絡乗車券、それに両者の利用をセットにした企画旅行商品などが各種設定されるようになった。他にも、
- 大都市のバスターミナルを介して別個の高速バス路線を組み合わせた商品を企画
- 新幹線停車駅にアクセスするまでが不便な地区からこまめに集客を図る
- 都市部のターミナル発時刻を新幹線や特急列車の最終列車出発時刻から30分~2時間程度後に設定し、鉄道で帰宅するより都市部の滞在時間を長く取り、70~160km程度遠方の地方の到着地でこまめに降車扱いを行って集客に成功している例
- 数十km程度の通勤・通学需要で高速バスが使われるようになった事例(例:君津・木更津地区ほかから、対東京都心)
- 「パーク・アンド・ライド」用地を用意して大都市圏を結ぶ路線、さらに都市部流入時の渋滞における、既存パーキングエリア施設を活用した電車への乗り換え(例:用賀PA→東急田園都市線用賀駅・八潮PA→つくばエクスプレス八潮駅)などのサービスを提供
などなど。移動手段の多様化に伴い、「高速バス」は同業者・異業種との単純なシェア競争だけでなく、様々なタイアップやバス自体の高級化などを通じて、かつて鉄道が担っていた役割の補完から「移動手段そのものに対する、新しい価値観の提案」までも行っている。
乗車券
高速バスは一般路線バスと異なり、乗車券を事前に購入してから乗車することが多い。乗車券の発券方法も大きく3通りある。
予約はインターネットでの予約とバス会社の予約センターへの電話、窓口で直接の概ね3通りがある。
座席定員制
座席指定なしの方式。事前予約が出来ないので乗車券は事前に窓口で買うか、一般路線バスのように車内で整理券を取って降車時に運賃を支払うか、乗車時に降車バス停を告げて運賃を支払う。
先着順に乗車し、空いてる席であればどこでも座れる。正座席が満席になったら補助席を展開し、それも満席になったら次の便へ回される。近距離路線の多くがこれ。
予約定員制
事前に乗車する便だけを指定して予約し、乗車時には空いている席をどれでも自由に選んで座る。予約さえ取れればその便には確実に乗車できるので、満席で乗れないなんてことはない。
予約なしの飛び乗り乗車の場合は予約客を優先する関係上、乗車できない場合がある。補助席がある場合はそれを展開し、飛び乗り客は補助席に座らせ、予約客は正座席へ回す事もある。補助席も埋まったら次の便へ回される。
座席指定制・予約指定制
事前に乗車する便と座席を指定して予約し、乗車時には指定された席へ座る。予約さえ取れればその便のその席は確実に座れるので、行ってみたら条件の悪い席しか空いていなかったなんて悲劇は避けられる。
中長距離路線のほとんどと夜行路線のほぼ全てがこれで、乗車券は事前にバス会社直営窓口や旅行会社などで購入する。それ以外の場所だと以下の場所で購入できる。
- みどりの窓口
JRバスが運行に関与する路線では鉄道駅のみどりの窓口で購入できる場合があるが、近年はみどりの窓口での取扱は激減している。 -
インターネット予約サイト・マルチメディアステーション
ネットで予約して窓口やコンビニなどのマルチメディアステーションで購入するか、オンライン上でクレジットカードやデビットカードで決済する方式。オンライン決済の場合、紙の乗車券ではなく携帯端末の画面上に表示したものとすることができる。予約サイトを経由せずにマルチメディアステーションで路線や便を検索して直接予約を行うことも出来る。
主な予約サイトは以下の4つ
運賃の精算
高速バスは1社単独運行という例は無いわけではないが、全体的に少数派であり複数の会社が運行に関わる「共同運行」が多い。
この場合、運行に関わる会社間で運賃収入の精算が行われる。精算はプール精算方式が一番多い。
プール方式とは運行に関わる会社のうち1社が幹事役となり、その路線に関わるすべての収入を一旦取りまとめた後、運行便数や走行キロ数に応じて各社に配分する方法である。例えばA社とB社が共同運行する毎日上下1便ずつの夜行路線でA社は183回、B社は182回運行した場合、A社には収入の50.1%が配分され、B社には残りが配分される。
例えA社かB社どちらかの乗客数が極端に少ない場合でも運行回数や運行キロに応じて収入が確実に入るため、多くの高速バスで採用されている方式である。
プール精算方式を一番最初に採用したのは西日本鉄道と阪急バスの共同運行で運行を開始したムーンライト号で、最も多くの会社が共同運行する路線中央高速バスの飯田・伊那線である。
なおJRバス関東では支店同士で運賃のプール精算が行われている。例えばかしま号の場合、まずJRバス関東・京成バス・関東鉄道の3社で運賃を分配し、JRバス関東の収入は更に東京・東関東・土浦の3支店で更に分配される。これはJRバス関東が支店ごとの独立採算制を採用しており、支店が担当する高速バスの収入はその支店の収入として扱われるためである。
日本で高速路線車として使われた実績のある主な車種
いすゞ自動車 | |
大宇バス | |
旧:日産ディーゼル (現:UDトラックス) |
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日野自動車 |
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現代自動車 |
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ボルボ | |
三菱ふそうトラック・バス |
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メルセデス・ベンツ | |
ヨンケーレ |
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高速バスの事業者属性
主にこのように分けられる。(ここで挙げる例はニコニコ大百科内に単独記事のあるものを中心に挙げる。)
- 鉄道会社直属系・元鉄道会社系
鉄道会社の傘下、あるいは元の母体が鉄道会社で現在は鉄道全線廃線となりバス専業になっている企業。
例:JRバスグループ、アルピコグループ、小田急バスグループ、近鉄バスグループ、京急バスグループ、京成バスグループ、京阪バスグループ、東急バスグループ、東武バスグループ、とさでん交通、南海バスグループ、西鉄バスグループ、阪急バスグループ、阪神バス、広電バスグループ、富士急バスグループ、北鉄バスグループ、名鉄バスグループ、両備バスグループなど
既に鉄道事業を廃止し現在バス専業の事業者の例:有田鉄道バス※、淡路交通、越後交通、大分交通、蒲原鉄道バス、サンデン交通(旧称山陽電気軌道)、下津井電鉄バス、中鉄バス(旧称中国鉄道)、十鉄バス、東濃鉄道バス、トモテツバス、新潟交通、日ノ丸バス、三重交通、宮城交通、山梨交通、山形交通など
(※有田鉄道バスはウィラーエクスプレスの続行便でお呼びがかかった時のみ運行) - バス専業系
母体がバス専業(だったものを含む)の企業。
例:会津バス、沿岸バス、神奈川中央交通、関東自動車(栃木県)、九州産交バスグループ、国際興業バスグループ、西肥バス、神姫バスグループ、帝産バスグループ※、東京バスグループ、広交グループなど
(※帝産バスはウィラーエクスプレスの続行便でお呼びがかかった時のみ運行) -
公営系
地方公共団体の運営。長崎県交通局が唯一、都市間高速路線バスを運営している。
※一応以下の事業者も、一応"高速"バスを走らているので参考に。- 名古屋市交通局 高速1系統は名古屋高速道路3号大高線を経由するが、高速路線・貸切観光型の車両ではなく一般路線バスタイプの車両を使用。
- 神戸市交通局 急行64系統は新神戸トンネルを経由する。開通当初は神戸市運営の一般有料道路だったが、2012年に阪神高速道路の路線のひとつとなったため、便宜上高速バスとみなして記載。一般路線バスタイプの車両を使用。
- 宇部市交通局 新山口駅と宇部市中心街・山口宇部空港を結ぶ特急便は『山口宇部道路』という現在は無料開放された自動車専用道路(地域高規格道路)を経由するが、中国自動車道と直結しているうえ、交通の流れ的にも、最早高速道路状態であるので便宜上高速バスとみなして記載。高速路線車・ワンロマ車を使用している。
- タクシー上がり
母体がタクシー会社の企業。
例:日本交通(大阪)、はくろエクスプレス、東京ヤサカ観光バス※など
(※東京ヤサカ観光バスはウィラーエクスプレスの続行便でお呼びがかかった時のみ運行 - ツアーバス上がり
2013年の道路運送法改正でツアーバスから新基準の高速路線バスに移行申請した企業。
貸切観光バス業者からの流れ者が多い。歴史が他と比べるとかなり浅い。
例:ウィラーエクスプレス、海部観光、桜交通、東京富士交通、平成エンタープライズなど
アライアンス
航空連合組織である「スターアライアンス」や「ワンワールド」ほど明確・有り体・「一枚岩」ではなく、複数に加盟していたり、加盟こそしていないものターミナルの共用を行ったり、陣営やグループは異なっていても路線単体で共同運行をするなどして事業者同士の関係は良好であったりするなど(真逆に「ダブルトラック」「トリプルトラック」、鉄道業の親会社と組んで駅前広場やバスターミナルなどから締め出しを行う、更に「架けた梯子を外される」などして関係がこじれると「三角関係」になるなど、微妙・険悪な例もある)、高速バス業界も顧客の囲い込みを図り、乗客の利便向上に注力するために航空業界と類似の組織を結成している。
バス予約のwebサイトで「どのバス会社を取り扱っているか」で、うっすらとアライアンスの関係が見えてくるのも興味深い。
また広報量や表示面積などに差はあるものの、一部でバス車体外部への表示を積極的に実施していたりするので紹介しておきたい。名称やアイデンティティを明確にしていくことにより、「指名買いされる高速バスのアライアンス」志向が強化されてゆくことも予想される。
- CHANCE(中央高速バス)
新宿高速バスターミナルをメインターミナルに据え、「中央高速バス」の幹事社である京王バスグループを中心に、富士急行グループ・山梨交通・アルピコ交通・伊那バス・信南交通・濃飛乗合自動車・おんたけ交通で結成。ネーミングは”CHuo Highwaybus AlliaNCE”、および英単語の原義から。予約ポータルサイトに「ハイウェイバス・ドットコム」を持つ。乗降扉付近の車外にステッカーの掲出も行われている(山梨交通など一部、ステッカー掲出車が「CHANCE」とは無関係の長距離路線運用にそのまま就く場合もある)。 - JRバスグループ
文字どおりJRバスグループ+共同運行各社で結成し、内外から「JR陣営」と呼ぶ場合もある。JRバス以外の事業者で東京駅八重洲口高速バスターミナル・新宿駅新南口(代々木)・静岡駅北口(12,13番)・名古屋駅(新幹線側)JRバスターミナル・大阪駅JR高速バスターミナルから発車する高速バスは、一部の例外はあるものの、概ねこちらの陣営に属していると解釈して差し支えないだろう。ポータルサイトに「高速バスネット※」を持つ。※ジェイ・アール北海道バスは陸路で本州と直接往来できないので参加していない - BLUEネットワーク
上述したJRバスグループの路線(「JR陣営」)の中で、特に明石海峡大橋を経由する高速バス系統・車両などに掲出されている。西日本JRバス・JR四国バス・本四海峡バスが中心。 - SUNQパス運営協議会
厳密には「アライアンス」と異なるが、九州内および九州島内乗り入れのバス事業者50社局余りで構成。連続する3日・4日で九州島内などの一般路線・都市間高速バスについて「北部九州」および「全九州」の2券種建てで、コミュニティ系統を除いた該当区間がほぼ無条件で乗り放題となる「SUNQパス」を発行して協業している。 - ウィラーアライアンス
「ウィラーエクスプレス」を運行する、出自が旧・ツアーバス制度の事業者。予約・運行において、文字どおりのアライアンスを結成している。なお、上述した「ハイウェイバス・ドットコム」サイト内取り扱い路線としても、リンクのみの出稿が存在する。
TV番組企画
北海道テレビ放送の深夜番組「水曜どうでしょう」において、同番組の方向性を確立し、道外での人気を獲得した企画のひとつ「サイコロの旅」においては、高速バスが頻繁に登場している。
放映当時は日本一の長距離路線であった「はかた号」(西鉄バス・東京―福岡間)など、この企画で知名度が高まった高速バス路線も多い。
なお、この番組内では、夜行高速バスのことを「深夜バス」と表現している(日本語の誤用・当該記事も参照)。しかし、運行されている日本の大都市圏においては、一般的に深夜バスというと、都市部周辺において23時以降の時間帯に「深夜急行バス」「深夜特急バス」などと称し、日中の路線バスに割増運賃を設定して、深夜の移動需要(主に帰宅需要)を満たす近・中距離路線バスのことを指すことが多い。→「深夜バス」記事も参照
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関連項目
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